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ちくわの夜明け

『棺を覆いて─永田洋子を送る会』 発言記録(前)

2011-06-06 01:26:44 | 映画制作
今年の2月5日、元連合赤軍指導者・永田洋子さんが亡くなりました。
永田さんに対する個人的な思いはこちらのエントリ「永田洋子さんについて」で書いたとおりです。


それから一月あまり後、あの震災から間もない3月13日、「連合赤軍の全体像を残す会」主催による、永田さんを送る会が開かれました。

わたしは取材・撮影のため会に参加させていただき、その後ほぼ全ての発言を一本の映像としました。
そこには元同志、知人、弁護士、救援関係者・・・さまざまな方が語る「人間としての」永田洋子像がありました。
発言内容を書き出しているうち、これはすごいドラマであると同時に、貴重な資料であると痛感しました。そこで「全体像を残す会」のご厚意により、以下にその文を掲載させていただくことになりました。
長くなったため、前半と後半に分けて掲載します。

以下、発言内容の主要な部分をわたしの主観で抜き出し、一部意訳したものです。




■「連合赤軍事件の全体像を残す会」
元・革命左派 雪野建作

案内を色々な人に出した。当事者たちにとっては、永田さんに対する感情は複雑。
兄弟を亡くされた方などはまだ返事が無い。これは非常によく分かることで、私自身も永田を何と呼ぶか、同志と呼ぶには経緯からして相当抵抗があった。しかし実際亡くなった、という報せを聞いてごく自然に「永田さん」と言っていた。

(当時のこと)最初に会った頃、彼女は薬剤師をしていた。ごく普通の女性。少し話が粘着質なくらい。その二年後、彼女の立場は変わっていた。指導者が逮捕されていく中で、彼女の立場が押し上げられていた。おそらく獄外のメンバーに、責任を取ろうとする者がいなかった。




■弁護士 秋田一恵

私は皆さんほど永田さんと縁のある人間ではない。感情も複雑なものではない。おそらくこの中で唯一永田さんの側にただ立っているだけの人。私にとっては私のかわいいクライアントの一人。
弁護士の立場から言えば、最後まで生きる努力をしたけれども、国家によって殺されたと思っている。

永田さんは、マスメディアを非常に恐れていた。いろんな風に書かれたので、自分はいつまでもそう書かれると思っていた。

後年の永田さんの生きる努力について。それはそれは凄まじく辛いものだった。目が見えなくなったり、激しい頭痛に襲われたり自分が何をしていたか思い出せなかったり。
あまりに辛いので獄中で「お母さん助けて」とか「秋田さん助けて」と叫んでしまったり。
皆さんはそんなの当たり前だ、それくらい苦しめ、とおっしゃるかも知れないが、私は自殺する方がずっと楽だったろう、と思っている。
「おめおめと生き恥をさらして」と判決で言われたが、生きている方がずっと辛かったと思う。

永田さんは最後まで皆さんに許してもらおうとか、そんなことは思っていなかった。どう言っても糾弾されると思っていた。
人の命は重い。何百、何千という数でなく、ひとつひとつが重いものだ。革命(運動や永田さん達)にはそういう、数の発想があったと思う。大儀に殉ずるという思想は左右問わず、会社や普通の組織にもあると思う。しかしそれは間違いだ。そしてそれは、今もひどくなっている。




■元・赤軍派 植垣康博

連赤問題をどうするかより、病気をどうするか、が最高裁まで続いてしまったような状況。
そんな中で拘留の停止がなされなかったのが最大の問題。それを考えたとき、我々自身が永田さんに対してどうだったか、今一度考えてほしい。
12人(14人)を殺害してしまった、という結果を見て永田さんの責任を云々するよりも、彼女なりに連赤問題に取り組んできたことを評価すべき。
一方で森恒夫さん、塩見孝也さん、川島豪さんはどうだったか。

重要なのは連赤がどういう問題にぶつかって、どう対処していったか、という点。

永田さん個人にどうこうというより、あくまでも連赤問題をどうするか、という観点から当時の指導部を守っていくというのが、僕の(裁判時の)立場だった。

連赤問題というのは、現代の社会を考えていく上で意味を持っているのではないか、と思う。
連赤問題を考えていく上でも永田さんは頑張って生きていくしかなかった。
そういう意味でも皆さんに望むことは「ご苦労様でした」「よく頑張りました」という声をかけてあげてほしい。




■元・革命左派 前澤虎義

自分も雪野と同じく「永田」と呼ぶか「永田さん」と呼ぶか迷った。
やはり永田さんは結果的にああいう立場まで行かざるをえなかったという意味では犠牲者だと思ってる。

そもそも川島奪還闘争から始まり、武装闘争に流れ込んでいった。なし崩し的になり、方針も立てれていなかったため、森・永田指導部への負担が大きなものになった。
しかし一方でそれが必ずしも同志粛清に繋がるものではない。その点では森・永田の責任は大きい。
早岐・向山殺しの時も反対意見は出てきたのに、それを黙殺したのはやはり責任は指導部にとってもらわねばならない。
翻って、裁判で最後まで永田さんが責任をとったのか、今でも疑問を持っている。




■弁護士 大津卓滋

植垣くんの主任弁護士をやった。かたちとしては坂口くん、永田さんの弁護も担当した。

永田さんと拘置所で初めて面会した時、いきなりワーッと話されびっくりした。
党派の指導部というものにある種のイメージがあったが、スーパーの安売りで他の人をかき分けているおばちゃんみたいな感じだった。
あまりにも一人でしゃべるので、ちょっとした嫌味で「主観的な善意ほどやっかいなものはないと思っています」と言った。それに対する反応が意外だった。
「あなたはいつからそういうことを気付きましたか」と聞かれた。「私は物心ついた頃からそう思っています」と答えたら「私はこの事件が起こって初めて気がついた」と。その時にこの人も被害者なのかもしれない、と少し思った。

色んな時代のエネルギーなどに押し上げられ、指導部になってしまった、という感じ。そんな、ちょっと胸が痛くなる初対面だった。




■元・朝日新聞編集委員 藤森研

当時朝日新聞の記者だった。傍聴記者として彼女の発言を聞いていた。
「近代的自我が確立しないまま運動に入ってしまった」等発言していた。
記事になるものは少なかったが、世代が同じ者として、どうしても完全に他人事とは思えなかった。
そんな過程から大槻さんの本(「優しさをください」)を出版するのを片隅でお手伝いした。

その後朝日ジャーナルに行き、比較的自由なことができたので、この問題を扱うようになった。

面会の時間を取ってしまうわけなので、申し訳なく思い、何度か差し入れをした。
その中で印象深かったのは、公判の日に着ていく服が無い、とのことなので、帰って女房に相談した。そこで結婚した当時に買ってまだ袖を通していなかった白い上下があったので、「これだね」という話になり、差し入れることにした。
すると彼女から非常に丁重な手紙をいただいた。服について「着るのを迷った」と。
というのも、自分は生まれてこの方オシャレ等を考えたことがなかった。
恥ずかしいがそれを着たら、女性看守などがみんな「それ、似合う。若く見える、是非着なさい」と言ってくれた。そして控訴審判決にはそれを着て出た。

ひとつだけ、彼女にいいことができたと思った。




■一水会顧問 鈴木邦男

僕は右翼学生だったので、左翼の連中とは学内で毎日殴りあいをしていた。「こういう連中は日本から出て行け」と思っていた。
40年たち、敵ながらあっぱれという人たちがいっぱいいて、その人たちとこうして交流できるのは幸せなこと。植垣さんを通じてこうして連合赤軍問題も勉強している。

新右翼の教祖といわれた野村秋介さんは永田さんと会っている。このことが生前最後の本に書かれてあるが、そこには「永田さんはもはや敵ではない」と書かれていた。しかし「アマチュアであった」と。闘争が獄中の指導者奪還から始まっているが、それは中(獄中)にいる人間のエゴなんだ、と。同志粛清も含め、彼らはアマチュアだった、と書いてあった。
それは批判ではなく、慰め、評価。いろんな思いを感じた。

昔はずっと連合赤軍はひどい運動だった、と思っていたが、当事者に知り合う中で、あそこまで思いつめて日本で革命やろうとした人達は、かつていなかったんじゃないか、と思った。

連合赤軍以降、そのせいで全てが駄目になったからといって、何もしてこなかった左翼、われわれの責任はあるのではないか。
日本赤軍もそうだが、獄中にこれだけの有能な人間を閉じ込めておくのはもったいない。もっと彼らの体験を聞きだしてこれからの日本に生かしていくべきだ。




【以下、後半に続く】




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6 コメント

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はっ!!! (!!!!!)
2018-03-15 04:17:08
クソども!!気持ち悪い!!!
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Unknown (いい加減にしろ)
2017-06-16 21:32:30
左の活動を評価しろだ?
てめえの気分で14人も人殺しを行った鬼畜を評価しろとかどこの国の発想だよ
大体、親のすねかじりの大学生ごときが革命とか赤軍とかノボセあがるのも大概にしろと言いたいわ
返信する
赤軍クソ (しね)
2017-02-25 21:41:13
死んでくれ、赤軍
クソの集まりだな
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Unknown (Unknown)
2013-05-09 09:02:58
ミンス党見ればわかるように

左翼は無能の脳内御花畑でございやす
wwwwwwwwww
返信する
どうもです! (赤目)
2011-06-10 01:02:00
先日はおつかれさまでした!

かわいいですよねその子。
目が怖いのがまたいい。
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お疲れさました。 (メル斗)
2011-06-09 11:35:30
とりあえず後半も読んでからコメをw

とりあえず
これ久々にみたがやっぱカワユぅ。
http://www.youtube.com/watch?v=DAvwgLS95yg
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