ちくわブログ

ちくわの夜明け

新しい風景論

2011-08-20 17:41:24 | 映画制作
足立正生監督を知らない方のために申し上げておきますと、その昔若松孝二監督のもとでピンク映画を撮り続け、その前衛的な内容から芸術系の映画監督として一躍、脚光を浴びた監督なんであります。

連続ピストル射殺事件の永山則夫をモチーフとした作品『略称・連続射殺魔』で風景論を展開。その内容はただひたすらに永山則夫が見たであろう風景をうつし、そこに監督のナレーションが加わる、という非常に観念的なものです。(わたしはこの映画、観る度に途中で寝るのですが、それでも大好きな作品です)

その後『赤軍-PFLP・世界戦争宣言』を若松監督と共に撮り、自らも日本赤軍に参加。

そういう、映画監督でありながら革命運動を志す方です。


今、足立監督は『反原発ニューズリール』というのを立ち上げようとしており、わたしはそれに加わる反面、それを起こす監督の様子も追いかけています。

移動の折、隣に座る足立監督にずばり聞きました。

「風景論っていうのは、そもそもなんですか?」
「風景というものはその時代の権力を象徴する構造を持っている(略)」

という、少し難しい内容。
しかしこの一言で『略称・連続射殺魔』を思い起こしてみると、ああ、あの観念の世界にもドラマがあるな、と思い起こされます。

そして

「君が追いかけている、昔とった杵柄の足立正生ではなく、新しい風景論を作っていきたい」

と。


わたしにとってみれば、この活動に加わることの意味は反原発や脱原発って小市民でも体現できるのか? ってことです。
知識も興味も人並みしかないけれど、原発はどうにかしなければならない、その程度の人間。
これがどこまで許容され、どこまで何かできるのか、というのが自分の中のテーマです。


あくまで無理をせず、自分が追っているのは足立正生だ、という認識を持ちながら。
明日から九州へ行ってきます。
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