不意に心臓がどきどきする。
何かの予感だろうか。
よいことか、よくないことか。それすらも分からない。胸騒ぎというのでもない。
ひょっとして、僕は恋をしているんじゃないだろうか。
街でよりそうカップルを見ていて、僕の心に、何か去来するものがあったんじゃないだろうか?
神様は罪だ。
なぜこんな不確定な形でそんなことを知らせるのだろう。
僕は何をすればいい?
どうすればいいのだろう?
神様がこんなに無器用なのは、きっと僕たちの人生にストーリーを与えようとしているからなんだ。
このストーリーは、いったいどういう結末を迎えるんだろう・・・・・
と、思ったらただの動悸でした。
びっくりしたなぁ、もう。びっくりしたなぁ。
救心が切実に欲しい。だが、買ったら負けのような気がする。
やばいな、この歳で・・・・。
さて。
「心臓に毛が生えている」とよく言いますが、わたしの心臓はどうやらツルッパゲらしく、すぐにドキドキしてしまいます。
ようは、落着きがないのです。挙動不審です。キョドってます。
吃音持ちだし、胃腸が弱いし、神経細いし。
他にやることがないのかってくらいのへタレであります。
あと、どうしようもない癇癪持ちのくされ外道です。その割には喧嘩0段です。
生まれてきてすまんっ(゜∀゜)ノ
そんなわたしは「心電図」というものが大嫌いです。
なぜって、とるときに非常にどきどきしてしまうからです。
どきどきするってことは、心電図は異常を示すわけです。で、自己催眠にかかりやすいわたしは、それを考えて余計どきどきしてしまうわけです。
まるで心電図に恋する電気羊のやうに。
或る日。
某病院にて心電図をとることになったわたしは、言いつけのとおり当日の午前0時から食べ物をいっさい口にしませんでした。
するとどうでしょう、案の定というか、やはりお腹が鳴り出してしまったではありませんか。わたしはたいへんお腹の鳴りやすいたちで、この突然の椿事にすっかり狼狽してしまいました。
「これはいかん。ダンディズムが崩壊の危機だよ」
そうこうしているうちにわたしの番がやってきました。相変わらずお腹は可愛く唸っています。
部屋にはうら若き看護師の乙女が数人。
「ああ、これからこの人たちに僕はお腹の音を聞かれるんだなぁ」
そう思うとドツボです。恥ずかしさからますますどきどきして、その緊張から余計に腹も鳴ります。
さて、それで例の器具を体にペタコとつけるために、お腹を御開帳するわけです。
さぁ、きました。ほれきた。やれ脱げ。
ペロリとお腹を見せるわたし。
「どるるるるるる・・・・・きゅん」
見事だ。『バオー来訪者』のようだ。
美しき詩の一編といっても過言ではない。
看護士さん、気にしてないのか、してないフリをしているのか、かまわず器具をぺたぺたつけていきます。
冷たい器具の感触が程よく心地良い。
さて、いよいよ測定です。でももう半分諦めてます。今さら落ち着かない。
看護師さん、じっと針を見てる。そして
「え?どうしよう・・・・どきどきしてる?」
・・・・・。
やっぱり。どきどきと言うか、なんか既に冷汗まで出てしまっているわたしは「あぁ、割とそうでもないですけど」などと、どう見ても嘘まるだしの言い訳を放つ始末。
するとその看護師さん、近くにいた仲間の看護師さんとこうのたまう。
「いやーん、なんかあの子どきどきしちゃってて、心電図とれなーい」
あの子て・・・・
きみ、俺と同い年くらいでしょう・・・。あと、すごい勘違いが発動中のような気が、するんですがどうでしょう。
ややあって、その看護師さんは男の先生をつれてきました。するとその先生は開口一番「そーだよなー。こんなことめったにないもんなー。どきどきするよなー」と言ってきました。
そなんです。そうなんですよぉ・・・・て、ちょっと待て、それってどういう意味で?
と、聞くわけにもいかず、しばらく放置させられました。
そのまま横になってて、半分寝たわたしに、先生がお疲れ様、と言って起こしてくれました。
「おーい。心電図とれたぞ」
うまいなぁ。寝て、平常になったところをとったのか。先生、ナイス。
さて、そこに先ほどの看護師がやってきました。
そしてこう言ったんです。頬を赤らめんばかりに。
「やー!やっぱそうなんだー!こんなことあるんだー」
わたしはその時、全てを了解しました。
そして下唇を噛み締めながら心の中でこう呟きました。
「おまえじゃない。腹だ。」
何かの予感だろうか。
よいことか、よくないことか。それすらも分からない。胸騒ぎというのでもない。
ひょっとして、僕は恋をしているんじゃないだろうか。
街でよりそうカップルを見ていて、僕の心に、何か去来するものがあったんじゃないだろうか?
神様は罪だ。
なぜこんな不確定な形でそんなことを知らせるのだろう。
僕は何をすればいい?
どうすればいいのだろう?
神様がこんなに無器用なのは、きっと僕たちの人生にストーリーを与えようとしているからなんだ。
このストーリーは、いったいどういう結末を迎えるんだろう・・・・・
と、思ったらただの動悸でした。
びっくりしたなぁ、もう。びっくりしたなぁ。
救心が切実に欲しい。だが、買ったら負けのような気がする。
やばいな、この歳で・・・・。
さて。
「心臓に毛が生えている」とよく言いますが、わたしの心臓はどうやらツルッパゲらしく、すぐにドキドキしてしまいます。
ようは、落着きがないのです。挙動不審です。キョドってます。
吃音持ちだし、胃腸が弱いし、神経細いし。
他にやることがないのかってくらいのへタレであります。
あと、どうしようもない癇癪持ちのくされ外道です。その割には喧嘩0段です。
生まれてきてすまんっ(゜∀゜)ノ
そんなわたしは「心電図」というものが大嫌いです。
なぜって、とるときに非常にどきどきしてしまうからです。
どきどきするってことは、心電図は異常を示すわけです。で、自己催眠にかかりやすいわたしは、それを考えて余計どきどきしてしまうわけです。
まるで心電図に恋する電気羊のやうに。
或る日。
某病院にて心電図をとることになったわたしは、言いつけのとおり当日の午前0時から食べ物をいっさい口にしませんでした。
するとどうでしょう、案の定というか、やはりお腹が鳴り出してしまったではありませんか。わたしはたいへんお腹の鳴りやすいたちで、この突然の椿事にすっかり狼狽してしまいました。
「これはいかん。ダンディズムが崩壊の危機だよ」
そうこうしているうちにわたしの番がやってきました。相変わらずお腹は可愛く唸っています。
部屋にはうら若き看護師の乙女が数人。
「ああ、これからこの人たちに僕はお腹の音を聞かれるんだなぁ」
そう思うとドツボです。恥ずかしさからますますどきどきして、その緊張から余計に腹も鳴ります。
さて、それで例の器具を体にペタコとつけるために、お腹を御開帳するわけです。
さぁ、きました。ほれきた。やれ脱げ。
ペロリとお腹を見せるわたし。
「どるるるるるる・・・・・きゅん」
見事だ。『バオー来訪者』のようだ。
美しき詩の一編といっても過言ではない。
看護士さん、気にしてないのか、してないフリをしているのか、かまわず器具をぺたぺたつけていきます。
冷たい器具の感触が程よく心地良い。
さて、いよいよ測定です。でももう半分諦めてます。今さら落ち着かない。
看護師さん、じっと針を見てる。そして
「え?どうしよう・・・・どきどきしてる?」
・・・・・。
やっぱり。どきどきと言うか、なんか既に冷汗まで出てしまっているわたしは「あぁ、割とそうでもないですけど」などと、どう見ても嘘まるだしの言い訳を放つ始末。
するとその看護師さん、近くにいた仲間の看護師さんとこうのたまう。
「いやーん、なんかあの子どきどきしちゃってて、心電図とれなーい」
あの子て・・・・
きみ、俺と同い年くらいでしょう・・・。あと、すごい勘違いが発動中のような気が、するんですがどうでしょう。
ややあって、その看護師さんは男の先生をつれてきました。するとその先生は開口一番「そーだよなー。こんなことめったにないもんなー。どきどきするよなー」と言ってきました。
そなんです。そうなんですよぉ・・・・て、ちょっと待て、それってどういう意味で?
と、聞くわけにもいかず、しばらく放置させられました。
そのまま横になってて、半分寝たわたしに、先生がお疲れ様、と言って起こしてくれました。
「おーい。心電図とれたぞ」
うまいなぁ。寝て、平常になったところをとったのか。先生、ナイス。
さて、そこに先ほどの看護師がやってきました。
そしてこう言ったんです。頬を赤らめんばかりに。
「やー!やっぱそうなんだー!こんなことあるんだー」
わたしはその時、全てを了解しました。
そして下唇を噛み締めながら心の中でこう呟きました。
「おまえじゃない。腹だ。」