自分が何かを思うことの原点は、風景によるところが多い。
30過ぎたあたりからそう思うようになったので、写真を撮り始めました。
その前は記録することが主な理由で、今も半分はそういう気持ちです。
年に一回訪れる「年末帰省」という人生のルーチンは、自分にとって写真を撮るという理由にうってつけで、「風景は変わりゆくなあ」としみじみ感じようと思ったが今や怨嗟しか感じない。
池波正太郎が死ぬまで変っていく街にお怒りだった気持ちが、今ではよく分かる。
なんかこれ、毎年書いてるような気がするがますます思うのでしょうがないんです。
こうやって望遠で一部分を切り取ると昔からあまり変わっていないと感じます。
しかし俯瞰して見ると、どこかの誰かが整備して都市を組み立ててるな、と思います。
そんな場所(ミッドランドスクエア)から両親と『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を観るという稀な経験から帰省がスタートしました。
わたしが中学の頃はまり、部屋中をスター・ウォーズグッズだらけにしても、まあ両親とスター・ウォーズを観ることはなかったわけですが、ここ数年帰ったら映画観に行くのが通例になっているのでどうせだからと観に行きました。
案の定、特に感想は持ってなかったです。
「うん、面白かった」という感じで。
親父にいたってはポップコーン食って少し寝てました。
ただ、BB-8は母親に大好評で
一緒に持ってきたうちのBB-8を「かわいいかわいい」と孫のように可愛がっていました。
そのさまを見て「すまねえおふくろ」とちょっと思いました。
猫にしかけたが無反応だった。
正月。
おせちはショップチャンネルで買ったとのことでした。うまい。
で。
いつものように大須へ行く。
アーケードの途中にある万松寺が子供の頃から大好きで、このブログにも何度か写真を載せたのですが…
立て替えている途中でした。
入口にあったお稲荷さんの像はどうしたのか聞くと、今は近くの通りに預かってもらっており、その後はどうなるかまだ分からないとのことでした。
立て替えてどんなふうになるんだろう?
補強ではだめだったのだろうか。
一方で復活した景色もあり。
大須演芸場は取り壊しが決定していましたが、なんとか改装(?)して復活を遂げました。
全国の芸人さん、落語家さんの力添えもあったようで、こういうのは嬉しいですね。満員立ち見だったので今年はパスしましたが。また正月以外に帰ってきた時にこそ行きたいです。
だらだら歩き
大須観音に到着。
相変わらずものすごい人だったので初詣は後日におあずけ。
屋台で串カツとドテ煮を食う。
境内で賑わう人々や他の屋台を眺めながら食うミソ串カツはまた格別です。
大須が好きなのは、かつて見た風景がまだそこにあるからです。
今となっては限られる区域だけになってしまいましたが。
ところでわたしは喫茶店に行くのが大好きなのですが、それにしてもかつての風景を求めているからなのかもしれません。
子供の頃、親父やおふくろに連れられて入った喫茶店。いつもバナナジュース飲んでたな。
今でも呪いのようにバナナジュース好きです。
昔からCM等で名前だけは知っていた「洋菓子ボンボン」へ。
きてよかった!と思わせる納得の喫茶店。
紙ナプキンに描かれたコックさんのかわいさと味。
ロールケーキの味が甘み濃くてなつかしい。
コーヒーがすすむ。しあわせ。
後日。
名古屋駅・駅西。こちらもこれから先、どうなるか分かりません。
というか、わたしが上京してからすでにずいぶん変わっていますが。

この神社は猫がたむろしているので、帰ってきたら挨拶に行くのです。オッス先輩。
やや歩き…
また喫茶店に入る。
いい店だなあ。
来たことあるのかもしれないな。
マダムに聞いてみると、もう50年やっているのだそう。
コーヒーをたのむとイカのおつまみが出てきた。
え、と思ったけどそれはそれでおいしくいただいた。
マダムが察したのか、マッチを大量に持ってきてくれた。
「今配ってないんだけど、よかったら」と。
「また来ますね。半年後か、1年後か分かりませんが。お元気でやってて下さい」
とお別れした。
クセなのか何なのか、風景を望遠で撮るのが好きで、これはなんだろう、直した方がいいのかとずっと悩んでいた。
やっと分かったのは望遠じゃないと記録することができない風景が多いからだ。
これから先、年を重ねるともっと多くの風景を望遠で撮っていくのだろう。
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