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田舎の倉庫

Plala Broach から移植しました。

筋が通らねぇ~大間原発

2012年10月05日 | ドラミング

昨日午後、行きつけの床屋でマスター曰く、

"わたしら学がないから難しいことはわからんが、30年代に原発やめると言いながら、今から工事始めるってのは筋が通らねぇ。いったい何年掛けて作り、いつまで運転するつもりなんだ"

大間原発の工事再開についての弁ですが、小生ら庶民の意見を代表していると思います。

一昨日の新聞(朝日)は、次のような社説を掲げて工事再開に反対しました。脱原発に消極的な全国紙ですらこう言わざるを得ないと読めます。



一方、テレビ報道によると、経団連の米倉会長が浜岡原発(静岡県)の防潮堤建設現場を視察して、「安全性が格段に向上した」などと述べていました。

この防潮堤、高さ18m長さ1.6kmにわたり、何と1,400億円かけて作るそうです。これらを推進している人々は、いったい何を考えているのかと驚いてしまいます。

南海トラフを震源とする巨大地震が発生した場合、この原発を襲う津波は21mと予想され、この防潮堤をもってしても防ぎきれないとされていますし、今から、浜岡原発を再稼働させようなどと考えること自体ナンセンスです。

要は、目下、脱原発を望む国民大多数と原発推進派がつばぜり合いを演じているわけで、絶対負けられない闘いです。 防潮堤の写真は、ネットから借用しました。


再着工~大間原発

2012年10月03日 | ドラミング

いったい、今どき何を考えているのか、電源開発や地元自治体の見識が疑われます。1日、同社社長が青森県大間町の町議会に出席して工事の再開を告げました。

先に政府は、「30年代に原発ゼロを目指す」とのエネルギー基本政策を決めました。

この基本政策は、経済界や米国の圧力などもあって、閣議決定には至りませんでしたが、脱原発を望む国民大多数の意向を反映しています。

そうした国民の意思を無視して工事を再開し、いつ運転を始め、いつまで稼働させるつもりなのでしょうか。しかも、この原発は、100% MOX燃料を燃やす極めて危険な原発と言われています。

この原発が位置する下北半島先端部には、未解明の大規模活断層が存在するとの情報もあり抜本的見直しが必要とされてきました。

また、原発から20km圏の函館市、北斗市や七飯町などは、工事の再開に強く反対して来ましたが、事前に何の説明もなかったそうです。

この原発の50km圏に居住する住民は、下北半島側では9万人ですが、海を隔てた函館側は37万人です。この事実ひとつとっても、同社の見識が疑われます。

大間原発の再着工には絶対反対です。今すぐ中止すべきです。


初仕事~原子力規制委員会

2012年10月01日 | ドラミング

国会の同意もないまま発足した「原子力規制委員会」ですが、「しんぶん赤旗」を記者会見から占め出す決定をして話題になっています。これが彼らの「初仕事」だったとは驚きです。

「しんぶん赤旗」は日本共産党の機関紙ですが、日曜版(週刊誌)を含め150万部を発行するメジャーなジャーナリズムです。

特に、原発問題の報道では、九電社長のやらせメール事件や北電の公聴会動員問題などをスクープし、一般紙がこれを後追いしたことでもよく知られています。

また、同委員会の田中氏が「原子力村」に属し、また、原子力規制庁の幹部は、大半が原発推進派であることを明らかにするなど、原発問題についての同紙の報道は、他紙を圧倒しています。

こうした新聞を「特定の主義主張をもつ」からとの理由で、記者会見から排除するなど許されることではありません。まして、公開が重要な意味を持つ「規制委員会」のはずです。

同委員会が、「不都合な真実」は隠すという官僚の悪弊をひきずっていることを、私たちは頭に入れて置く必要があります。


昔の名前で出ています

2012年09月27日 | ドラミング

自民党総裁に安倍晋三元首相(58歳)が選出された。
何やら古いセピア色に変色した写真を見ているような印象だ。

昨今の民主党の施政を見ていて、いかにも「人がいないな」と感じていたところに、自民党総裁選の候補者5人が、揃って世襲議員というのにも驚いた。

加えて、最もタカ派的主張を繰り返している安部氏が勝ったのは、現下の対中韓緊張状態を反映したものと思われるが、彼のめざす政治とかって政権を投げ出した「過去」を持つ同氏が、幅広い国民の支持を得られるとは思わない。

彼の退陣は健康問題であったとされているが、今朝の新聞(朝日)によると、彼の持病(潰瘍性大腸炎)は難病の一種で、新薬の投与によっても完治することはないと言う。

公務の激化に伴い、またぞろ健康問題が表面化し、リタイアを余儀なくされるのではないか。選挙期間中入院騒ぎを起こし、記者会見や党大会に車椅子で出ざるを得なかった候補者が居たことを他山の石とすべきであろう。

いずれにせよ、彼のタカ派的主張と国民の意識・感情とのずれは大きく、前途多難である。


泊反原発集会

2012年09月23日 | ドラミング

昨日、街に住む知人の車に便乗して反原発集会に参加した。
集会は、泊村の泊原発ゲート前広場で行なわれ、主催者発表で600人が参加した。

正午頃、会場に着くと、学生グループが拡声器をつかって演説をしているかと思うと、他方ではホークソングが大音響で流れるなど、屋台こそ出ていないが、ちょっとした縁日のようだ。

その内、遠くの駐車場に車を停めた人々が、プラカードやのぼりを持って続々会場へ入ってきて集会らしくなった。

主催者を代表して岩内町の斉藤武一さんがギター片手に登壇。ホークソングに似せて、自らの30年にわたる反原発活動を披露すると大きな拍手がわいた。

続いて、「福島女の会」の代表という女性が、福島事故の実態と被災者救援活動について報告。「美しい北海道を福島のように放射能で汚染させてはいけない」と反原発運動の必要性を訴えた。

その後、各界の挨拶とメッセージの朗読が続き、最後に、集会の決議文を北電の広報担当者(とまりん館々長)に手渡すと、会場から期せずして「再稼働反対!」の大きな声が沸きあがった。

主催者によると、泊原発のお膝元で反原発の集会が催されたのは初めてだそうで、その点、北電にはかなりのプレッシャーになったと思われる。今後もこうした活動が大きく広がって、原発のない北海道になって欲しいと思った。

蛇足:集会の決議文(全文)

「9・22子どもたちの未来に原発いらないっしょ in とまり」決議

福島第1原発事故から1年半が過ぎました。

炉心溶融という極めて深刻な事故による放射能の流出は現在も続き、政府の言葉とはうらはらに事故収東の目処さえたっていません。放射能汚染は森羅万象すべてを危険にさらし、この先の世代をも永く脅かし続けます。

事故で故郷を追われた人は16万人に達し避難生活はなお続きます。さらに汚染地域にとどまらざるを得ない無数の人々がいます。被曝しながら収束作業を担う原発労働者がいます。憤怒、喪失、疲弊、分断、離散と、取り返しのつかない事態が深刻化しています。

このように原発事故は、「地元」と称される立地自治体の範囲を遥かに超え、一地方、一国、さらには、末代にわたり生きとし生けるもの全てに災厄をなしているのです。

しかるに、野田民主党政権は大飯原発の再稼働を強行し、全国の原発の再稼働を目論んでいます。すでに明らかなのはこの夏、猛暑だったにもかかわらず、大飯原発の再稼働がなくても、電気は足りていた、という事実です。次の矛先は冬に最大電力需要がある北海道です。

政権は、北電泊原発の再稼働を全国の原発再稼働の突破ロとしたいのです。私たち北海道民は泊原発の再稼働を断じて許さず、その再稼働を押しとどめることをもって、この国の全ての原発の停止を実現する突破ロにすることができます。強く泊原発の再稼働に反対します。

◎政府に求めます。
・福島原発事故の責任を明らかにし、猛省の上に立って原子カムラそのものの原子力規制委員会の人事を撤回することを。
・即時に脱原発の政治決断を下すことを。
・なによりも大飯原発を即時停止することを。

◎北海道知事に求めます。
・泊原発の再稼働を承認せず、廃炉にすることを。
・大間原発の建設を中止させることを。
・幌延を核のゴミ捨て場にさせないことを。
・北海道条例第108号(北海道省エネルギー・新エネルギー促進条例)の行動計画をすすめ脱原発とエネルギーチェンジを達成することを。

◎北海道電力に求めます。
・ヤラセの上に建つ泊原発の廃炉を是認し、廃炉に向けた工程表作成を開始し、なかでも放射性廃棄物の処理計画を明示することを。
・同時に廃炉までの安全を担保する、原子力防災対策にただちに着手することを。

子どもたちの未来のために、泊原発の再稼働に反対します。
子どもたちの未来に泊原発はいりません。


ゴリ押し

2012年09月20日 | ドラミング

政府が決めた「30年代に原発ゼロをめざす」という方針は容認できないと、経済3団体のトップが揃って記者会見をしてクレームをつけた。

先の消費税増税の3党合意を裏で強力に推進するなど、このところ、これら経済団体の政治へのゴリ押しが目立つ。

それらは、大企業中心の経済運営を最優先するという極めて利己的なもので、国民の安全・安心第一という観点からは遠く隔たったものと言わざるを得ない。

原発がどうしても必要だと言うのなら、彼らは先ず、福島の原発事故の処理や使用済み核燃料の扱いについての方針を示し、相応の努力をすべきであろう。事故は、元々、彼らの有力な構成メンバーである東京電力が起こしたのだから。

この事故で故郷を追われたり、生活基盤を破壊された人々の暮らしをどうするのか、被害を受けた人々への補償や汚染された土地の除染、破損した原発の廃炉や使用済み核燃料の処理について何らメドがたたない現状で、将来の脱原発方針に異議を唱えるなどナンセンス極まりない。

今はむしろ、毎週、手弁当で官邸前に集まり、再稼働反対を叫ぶ人々の声にこそ、日本の未来と希望を見出せるように思うのだがいかがであろうか。


原発いらないっしょ in とまり

2012年09月09日 | ドラミング

初秋の北国から全国へ送る「原発いらない」メッセージ。

一昨日、街の知人が「子どもたちの未来に原発いらないっしょ in とまり」の開催チラシを届けて来ました。

そのチラシは訴える!

今、北海道には「原発なくす」希望の鐘の音が響き渡っている。私たちは後志(しりべし)から・北海道から・日本から・原発をなくすまで声を挙げつづける。泊原発のある後志から、一人ひとりに呼びかける。9月22日、再稼働反対の現地行動に集まろう。泊原発再稼働反対!

日時:2012年9月22日(土) 12:30集会開始
場所:泊村堀株(ほりかっぷ)海水浴場
主催:「子どもたちの未来に原発いらないっしょ in とまり」実行委員会


マッチポンプ

2012年08月11日 | ドラミング

今朝の新聞(朝日)は、消費税増税法案の成立を受け、その影響を懸念する記事で埋まった。その見出しを拾ってみると~

 ◎ 消費税14年に8%~15年10月からは10%
 ◎ 重い増税細る家計
   ・ 節約生活~次は消費税
   ・ 地方・企業も深刻
   ・ 社会保障の充実限定的~給付抑制議論再浮上も
 ◎ 課題、山積みのまま
   ・ 公共事業に転用の恐れ
   ・ 買い控えで景気悪化も
   ・ 低所得者対策は先送り

それぞれ記事の内容は推して知るべしだが、それらは法案の国会審議を通して各党、各方面から指摘されていたことだ。

それにも拘らず、同紙は過去一貫して同法案の成立を督促し、この8日にも社説で「3党合意に立ちかえれ」と、内閣不信任決議案をめぐるドタバタを批判しつつ、(成立を期すよう)民自公にハッパをかけていたのだ。

つまり、一方では消費税増税を煽り、一旦それが成立すると、今度はあたかも庶民の味方のような顔をして問題点を指摘するという矛盾した記事を平気で掲載する。

これではまるでマッチポンプではないか。
我々庶民は、増税による支出増対策の第一歩として、原発問題を含め
いい加減な主張に終始する全国紙の購読を止めてはどうだろうか。


2.5人称の視点で

2012年08月05日 | ドラミング

福島第一原発事故の四つの調査委員会(民間、政府、国会、東電)の報告書が出揃った。

当事者である東電は、事故原因を「想定外の津波」としている点で論外だが、いずれの報告書にも共通しているのは、メルトダウンした炉心の状態を把握しない(できない)ままとなっている点である。

つまり、事故の核心部分に「フタ」をし、例えば、放射能漏れの最も激しかった2号機の格納容器はどこが破損したのかさえ未解明なのだ。また、津波が来る前に原子炉はすでに破損していたのではないかとの疑問も払拭できていない。使用済み核燃料についても「トイレのないマンション」状態から脱していない。

こうした曖昧な状態のまま暫定基準なるものを作り、これをクリアしたとして順次「再稼働」を容認して良いのか。そうした思いが、昨今の官邸を包むデモに象徴されているのではないか。

ところで、昨日の朝刊(朝日)に、政府事故調の委員長代理を務めた柳田邦男氏がインタビューに答えて、次のように述べていることに感銘を受けた。

「原発事故の最大の問題は、専門家の想像力の欠如です。原発を推進してきた専門家、政府、電力会社のすべに共通するのは、原子力技術への自信過剰です。それが"安全神話"を浸透させ、万が一の事故に備える発想の芽をつんでしまった。自分自身や家族が原発事故によって自宅も仕事も田畑も捨て、いつ戻れるものともしれない避難生活を強いられたらどうなるだろうか。そういう被害者の視点から発想して原発システムと地域防災計画を厳しくチェックし、事故対策を立てていれば、違った展開になったいただろうと思うのです。」

「同じ死でも、自分の死、家族の死、第三者の死ではそれぞれ意味が違うのです。それが"死の人称性"です。官僚や専門家は、"三人称の視点"で見ているわけです。つまり、客観性、平等性を重視するので、どうしても乾いた冷たい目で事故や災害をみがちです。"もしこれが自分や家族だったら"という被害者側に寄り添う視点があれば、避難計画の策定もより真剣になっていたでしょう。私は、客観性のある"2.5人称"の視点が必要だと考えています。」

今、新しく発足する原子力規制委員会の人事が問題となっているが、委員の専任に当たっては、こうした点を参酌できる人物かどうか、よく見ていく必要があると思う。


再稼働

2012年06月03日 | ドラミング

昨日の新聞(朝日)に強烈な川柳が並んだ。

 ・とりあえず次の事故まで再稼働
 ・節電の出ばなをくじく再稼働
 ・一億の命ドジョウの一匹分
 ・滑らかに動かすボクの転轍機

いずれも、近々、野田首相が大飯原発3・4号機の再稼働を自身の責任で決断すると報じられたのを受けての作だが、傑作ぞろいだ。

4句目にある「ボク」とは、ご存知、橋下大阪市長のこと。再稼働絶対反対と叫んでいたが、いつの間にか方向転換して「容認」に回った身の軽さを揶揄したもの。

同じ紙面で、京大の植田教授が、「失敗から何も学んでいない」と苦言を呈している。同氏は、関電幹部に聞くと「夏場に電気が足りないからでなく、安全だから動かすのだ」と言うそうだ。

つまり、大飯の再稼働は、経営上の理由から「すべての原発を動かすための突破口」にされようとしていると言う。

先日公開された福島第一原発4号機(運転休止中だったにも拘らず、水素爆発で建屋が吹き飛んだ)の残骸を見ただけでも、とても再稼働などと言える状況ではないはず。

加えて、国会事故調の審議も中途、経産省から独立した監視機関の設置も実現しないままの「決断」とはいったいどういうことか。


“脱原発”に揺れる町~ドイツ・世界最大の原発跡地

2012年05月14日 | ドラミング

昨夜午後8時から、NHK BS1で放映されたドキュメンタリー「“脱原発”に揺れる町~ドイツ・世界最大の原発跡地(再放送)」を見てショックを受けました。

たった49分間の短いドキュメンタリーでしたが、カメラが実際に原発を解体している現場に入って撮影した衝撃的な映像が多く、原発という「怪物」がいかに人間社会と相容れない存在か再認識させられました。(写真は、中間貯蔵施設に保管される蒸気発生器)



廃炉から20年経過するも、高線量のため未だ炉心の解体には至らず、他方、撤去された蒸気発生器なども、中間貯蔵庫でさらに40年ほど保管し(線量の低下をまって)解体するのだといいます。

一方、かっての原発城下町が、その跡地の再生にどれほど苦労したか、また、現在、ドイツ全土から核廃棄物の搬入が始まっていて、観光などへの影響(風評被害)が広がっている実態を伝えていました。

今、関西電力の大飯原発の再稼働が問題となっていますが、これらを主導する関係者にも、是非、この番組を見てもらいたいと思います。


大丈夫?

2012年04月03日 | ドラミング

今朝の新聞(朝日)の記者コラムに、「N響アワーが32年の歴史に幕を閉じ、芸術劇場の廃止と相まって、週末のゴールデンタイムから上質の芸術中継番組がなくなるのは残念だとの記事が載った。

その記者は地方都市出身なのだが、街に多目的ホールはあっても本格的なコンサートなどない中で、これらの番組に親しみ、それが契機となって、今、文芸部記者としてこの記事を書いていると述懐している。

小生も同感だ。
記憶によれば、これは確かNHKの予算が国会で審議される過程で、慰安婦問題を扱った教育番組が改変されたことと前後して、NHKの番組はどうも硬い、お笑いや若い人向けの番組を増やすべきとの付帯決議が付いたことと関連しているようだ。

その頃から、NHKにタモリやたけしがレギュラーを張るようになり、松本人志などが出演するようになった。また、ショー番組のノウハウをフジテレビから移植しているなどのうわさも流れた。

一律にお笑いやお笑いタレントがダメだとは言わないが、それらは民放の番組に溢れんばかりに存在しており、聴取料をとる公益放送が追随すべきことではないと思う。

いずれにせよ、こうした知的な芸術性の高い番組が廃止されるか隅に追いやられる中で、将来を担う子供たちから、これらに接する機会を奪ってしまうことにならないか心配である。


大阪府市の脱原発方針

2012年03月20日 | ドラミング

先に、市職員への(憲法違反の)思想調査や教育基本条例の提案などで批判を浴びている橋下大阪市長だが、昨日の新聞報道によると、大阪府市は6月の関西電力の株主総会で、脱原発の提案をするという。

要は、関電の大株主である大阪府市は、原発事故による株主価値の毀損を回避するため、全原発の廃止を目標とする一方、様々な手段をとっても電力不足となる場合にかぎり、必要最少限の能力・期間での安定的な(原発の)稼働を容認するというもの。

提案は次の三点から成る。

 ・脱原発と絶対的安全の確保
 ・関電の事業形態の革新
 ・経営体質の強化

原発に代わる電源としては、中長期的には再生可能エネルギーの大規模な導入、短期的にはガス発電所の増設を進める。

また、発送電分離については、分社化と再生可能エネルギーへの投資を促進すべきと提案。経営体質の強化では、役員の削減と個別報酬の開示、従業員の削減や政治家への寄付の抑制など省力化を求めるという。

いずれにせよ、電力会社の大株主である地方自治体が脱原発に舵を切り、対案を示した意義は大きいと思われる。


絶対悪

2012年03月12日 | ドラミング

この世に「絶対」などというものは存在しないと思っていた。

しかし、福島第一原発事故によって、世の中には「絶対」というものがあり、しかもそれが「絶対悪」であることに身震いする思いだ。

つまり、原子力発電は、一旦、事故が発生すると取り返しがつかないことを三度、世界に示した。放射能汚染は福島に限らず、海を越え世界に及び、また、それを除去する手立てすらない。

福島の原発近郊は、現在の線度が1ミリシーベルトになるのに126年かかるという。要は、不加逆性を持つ原発は「ノー」という答えしかないのだ。「想定外」が許されない存在だ。

昨日、福島県をはじめ全国各地で、「反原発」の集会やデモが行なわれたというが、これは至極当然のことで、一日も早く、地震大国日本から原発をなくさなければならない。

そうしないと、この「絶対悪」としての原発がまたいつ、事故って放射能を撒き散らすかわからないのだ。


開き直り

2012年03月03日 | ドラミング

2月13日、札幌地裁第805号法廷で、「泊原発廃炉訴訟」第1回口頭弁論が行なわれました。

被告の北電は、「原発に絶対的な安全性を求めることはできない。常に幾くばくかの危険性は伴う。時には、危険性の程度と科学技術利用で得られる利便との比較を考慮して利用する」と述べました。

開き直りもいい加減にして欲しいとはこのことで、こんな一般的な論理で原発を建設、運転していたのかと驚きあきれるばかりです。

福島第一原発の事故がどのような惨事を現出し、国土と名声を傷つけ子供たちの将来を奪ったか、まるでわかっていないようです。

以下、当日、原告団を代表して行なった常田(ときた)副代表の陳述を「HAIROニュース2号」から転載します。

「なぜ泊原発を廃炉にしなければならないか」
原告団副代表 常田益代(北海道大学名誉教授)

常田益代と申します。2年前に定年退職するまで北海道大学で建築史と美術史そしてデザイン論を教えていました。 2011年3月11日に福島第一原発事故がおきました。この日を境に日本中の人々が原発に向き合わざるをえなくなりました。一市民として私が学んだことは原発問題はたんなる電力の問題ではないということです。原発は人間の生き方を問い、正義を問い、倫理を問い、人間の地球への関わりかたを問う問題です。そして私は、原発は廃炉にするしかないという結論にいたりました。

自然の威力
その理由の第一は、自然の威力の前で、人間の叡智などちっぽけなものにすぎないということです。それゆえ「確率が極めて小さいから想定しなくてもいい」という傲慢があってはならないのです。人間の想定しえないことが、自然界にはおこります。

日本列島の周辺には4つのプレートと多数の活断層があり、大規模な地震を起こします。泊原発の近くでも活断層が新たに見つかっています。現在、地球は地震活動期にありスマトラ島沖地震(2004年M9)チリ中部地震(2010年M8.8)、東日本大地震(2011年M9)とここ数年だけでも津波を伴う歴史的超巨大地震が発生しています。日本の地形さえも変えてしまった今回の大地震の余震と誘発地震が今も各地で起きています。

しかし現在の科学では正確に地震を予測することができません。世界有数の地震国日本にとって原発はもっとも危険な発電方法です。現在日本にある原子力発電所は最もあたらしい泊3号機を含め、地震活動期以前の甘い耐震基準で設計されています。

無毒化できない放射能と核廃棄物
次に人類は放射性物質を無毒化できないという事実も学びました。私たちは核廃棄物の処理方法さえ知りません。原発はウラン鉱石の採掘から核処理場にいたるまで、その全行程で放射性物質を放出し続けます。核廃棄物から出る放射性物質の半減期はセシウム137で30年、プルトニウム2.4万年から10万年を要すると言われています。つまり、原発をつづけるということは、途方もない未来の世代に毒物を押しつけることにほかなりません。

人権と倫理
原発の点検と事故の収束は作業員の被爆という犠牲の上になりたっています。内部被曝を受けながら働く作業員の人権はまったく無視されています。また原発事故は子どもからもあたりまえの日々を過ごすという基本的人権を奪ってしまいました。子どもは転校や屋内遊戯や家族との別れを強要されています。

福島の事故で明らかになったように、ひとたび原発事故が起これば、放射性物質は、人間が設定した同心円状の避難地域とは関係なく、風下に向かって拡散していきます。

上空には常に西風が吹く泊原発周辺に当てはめるなら、原発の東方わずか43キロ足らずの小樽や、70キロしかない札幌にも当然、汚染が及びます。仁木町から余市町に広がる果樹園やニセコや支笏湖の自然など、北海道の基幹産業である農業、畜産業、水産業、観光業すべてに甚大な被害が及びます。そして泊原発から100キロ圏内に全道の実に6割弱の人々が暮らしているのです。

原発事故のおそろしさは、その不可逆性にあります。汚染された.七地を回復することはほぼ不可能です。電力の一部を賄う原発のために、命綱である安全な水と土と空気を引き換えにするほど愚かなことはありません。故郷も健康も生きがいもお金では戻りません。社会の公益に資するべき電力会社が、安心して日常生活をおくるという人々の基本的人権を脅かしてまで原発を稼働することは倫理的に許されることではありません。

原発に安全確認はない
「安全神話」は見事に壊れました。経済産業省原子力安全・保安院と原子力安全委員会のいう「安全審査基準に適合している」ことが「安全性の確保」にならないことが証明されました。そもそも、原発の安全確認ということがありうるのでしょうか。故障しない機械や設備はありえません。仮に完壁な原子炉が机上で設計されたとしても、その複雑な製作工程と施工そして運転と制御と点検をするのは人間です。そして人間に思わぬ間違いはつきものです。

原発事故が人間の手には負えないことも証明されました。収束技術も模索中です。すべて、これからのおおきな宿題です。もし、人間にわずかばかりの叡智があるなら、同じ間違いを繰り返さないことです。事実を認め、事故に学び、学んだことをこれからの判断に生かすことです。安心して暮らすには原発をとめるしかありません。子供、孫、そして未来の世代と地球を共有する万物のために、この大地を守るために、原発を廃炉にし、北海道にふさわしい再生可能エネルギーに転換する時です。