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よろずよもやまよろずたび

地元の写真と日々の雑感、写真日記です.
最近は陶芸三昧の日々ですが・・・

夜叉ヶ池2

2008-07-06 | その他


・・・つづき

『艦長、やりました。N号が“臭っああ!”とか言ってます。あははは』
「よぉ~し、このまま振り切るぞ」
『艦長ぉ~っ!』
「なんだ、こんどはっ」
『だめです、もう限界です。エンジンから煙が・・・。エアーフィルターも詰まり酸素不足です。日頃の煙草が祟ってます・・・』
「し、しかたがない、減速だ。エンジン冷えるまで・・・腰部着地だ」

と、そのとき艦内を揺るがす衝撃が・・・

「なんだ、今の衝撃は!?」
『N号の平手打ちです。左舷上腕部損傷軽微、指の跡が赤く染まってますぅ』
「おのれN号、ゆるさんぞっ、副長、全速前進だっ」
『だめです艦長、下ろした腰が立ちません。おまけに膝が笑ってます』
「しかたがない、こうなったら”どっこいしょ作戦”だ」
『口蓋部、聞こえるか”どっこいしょ作戦”だ、いくぞ、3、2、1』

《どっ こいしょっ・・・と》

『艦長やりました。立ち上がりました・・・しかし』
「しかし、なんだ」
『次、攻撃したら百倍になって帰ってくるんじゃないっすか?怖いっすよぉ~』
「何が怖いって、ふん・・・しかし、ここは大人の威厳ってやつを見せてやるか、副長ご苦労・・・」
『・・・・』

なんて空想していたら、池に着いた。



夜叉ヶ池

2008-07-06 | その他


娘のお伴で「夜叉ヶ池」へ行ってきた。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%9C%E5%8F%89%E3%83%B6%E6%B1%A0
福井と岐阜との県境。標高1000mほどの山頂付近に大きな池がある。
地元の伝説や、それを基にした泉鏡花の小説や坂東玉三郎主演の映画があったりで、それなりに有名なのと、「中高年の山登り」が流行りということもあってか、登山口にはクルマが沢山駐車している。
登ってみれば、車の数に応じた人数が池の一角にシートを敷いて、それぞれに楽しそうである。



ところで、ふだん運動などしないものだから、登りはじめて直ぐに心臓がバクバク、耳の後ろで脈打つ音がうるさいほどであり、腿は曲げ伸ばしする毎に痛みにも似た疲労感を伝えてくる・・・まるで自分の体ではないような感覚で、頭の中の自我とは別に個々のパーツ毎に意識を持ってるんじゃないかと、変な思いが湧いてきた。

・・・・艦長』
『起きてください、艦長』
「艦長? 誰だお前は?」
『わたしゃ、ほれ、あんたの後ろに控える小脳にいる副長っすよ』
「はぁ?」
『機関室から連絡があって、オーバーヒート気味だから停止を求めてきてるっすが、どうしゃす』
「そ、そんなこと聞かれてもなぁ・・・」
『あ、艦長、通信室から連絡、僚艦のN号が”遅いぞジジイ”とほざいてる、とのことです』
「ん?  あ、あいつは・・・知ってるぞ、・・・生意気な・・・・、副長っ、全速前進じゃ、」
『え、大丈夫っすかぁ、エンジン壊れても知りませんよ』
「かまわん、やれっ」
『機関全速っ、スクリューピッチ最大っ』
「進めぇ~っ」
『だめです艦長、燃料切れですっ』
「なにぃ、ひょっとしたら余計な荷物を積んどりゃせんか?」
『え、なんだ、ご存知で・・・』
「ばかもの、さっさとそいつを燃やせ、そこの脂身だ」
『いつもは喰っちゃ寝してるのに、調子がいいんだから、ったく』
「なにぃ、聞こえとるぞ、こら」
『ひゃ、機関室、とにかく周りにあるもの、何でもいいから、とにかく燃やせっ・・・』
「よし、よし、よし、その調子だ・・・・追い抜いたら一発お見舞いしてやろう」
『は、後部砲台っ、ガス砲発射準備っ』
「発射っ!」

・・・つづく