ごじゃ満開

いすみ市内外の隠れた情報と
ちょっとしたエッセイ。

そっじゃおいねっぺ②

2012-02-23 15:32:42 | Weblog
後輪空転。

「やっちった…」

しかし、
地べたは
ほじくれてない。

湿った草と苔が、
タイヤに与える
摩擦係数を
ゼロにしている。

「っか!根性無しがっ!」

勾配はいくらもない。

「った!押すか…」

サイドブレーキを解除し
降りて押した。

しかし、
ビクともしない。

更に押したが
やっぱりダメ。

余計目に積んだ
砂・砂利・セメントが
アダとなっているのか。

「荷ぃ降ろすか…」

荷を
安全な場所に置き、
再び押す。

「っりゃ!」

ダメ。

「ん~、ジャッキか」

設置場所の
目印にしていた
杭を使う。

サイドブレーキを引き、
前輪の前に杭で輪止め。

2本の杭を
ジャッキの下に噛まし、
後輪を浮かせて
他の数本の杭を
タイヤの下に入れ、
畦と逆の勾配になるよう
組み合わせ
ジャッキを降ろす。

※わかりづらいかもしれませんが、写真など撮ってる場合ではなかったので、ご容赦下さい。



「おし」

サイドブレーキを解除し
押してみる。

『チュルッ、ドンッ!』
「わっ!」

タイヤに付いた
泥のせいで
横滑りした。

少し間違えば
田んぼに落ちる。

「もう少しバランスよくしねっば…」

ジャッキアップしなおして
再度チャレンジ。

『ぐぅん』
「おし、いいカンジ」

こんなコトを
2時間ばかり
繰り返しただろうか。

なんとか
5mほどは
進んだ。

「ハァ、ハァ、ハァ、まだ先が長いな」

ちょっと休憩。

疲れた。

「ん~、誰かに電話してみっか」

って、
こーゆー時に
つながらぬケータイ。

電池も
残量が少ない。

「っち…、続けてみっか」

俺の“LIFE”も
残り僅かだったが、
ジャッキアップ作戦を
再開。

4,5回やって
ひぃひぃ言ってると、
川の対岸に
地元の農家らしき
初老の男が2人。

何やら
長細いモノを持って
川の水質検査のような
コトをしてた。

その2人と
目が合った。

しかし彼らは
知らぬそぶりで
そそくさと
去って行った。

「あ…」

俺が
ひぃひぃそいてるのを
見ていたはずである。

「“ヨソモン”ってか…」

助けを求める
気にもなれなかった。



脱出作業を続けた。



およそ
4時間半。

ようやく抜け出せた。

「休んでる場合じゃない」

辺りが少し
暗くなってきた。

あと5基。



怒涛の作業で
なんとか完了。

辺りは真っ暗。

未舗装の道を
帰路へ。

軽トラのライトが
アスファルトを
浮かび上がらせる。

「ほっ・・・」



~つづく~

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