大原中学校
PTA会長、
2年目。
PTA会長たるもの、
学校の式典では
挨拶というものを
やらされる。
今日は、
ウチのセガレが通う
大原中学校の卒業式。
セガレは卒業生。
ウチのおっかも来る。
昨年よりも
祝辞の練習時間が
短い。
三日前の晩、
練習してたら、
おっかがダメ出し。
(お)「長い」
はしょった。
一昨日の晩、
練習してたら、
おっかがダメ出し。
(お)「アタシが面白くない」
おっかのための
祝辞ではない。
昨晩、
練習してたら
おっかからダメ出し。
(お)「カミすぎ」
あ~~~~~~~、
不安で不安で
しかたない。
朝、
4時半に
目が覚めてしまった。
昨日から
胃が痛い。
今朝も
胃が痛い。
でも、
メシは
ガッツリ喰った。
いま、
仕事が非常に
忙しい。
早朝から一仕事。
っで、
学校へ。
校長室で
校長としばし歓談。
(俺)「校長先生、」
(校)「はい?」
(俺)「祝辞、何分くらいですか?」
(校)「8分くらいですかね」
(俺)「え!?俺のほうが長いかも」
(校)「大丈夫ですよ、○○中学校では20分以上喋った会長さんもいらっしゃいましたヨ」
それも長すぎだ。
そして、
式典会場へと
促される。
国歌斉唱、
校歌斉唱、
卒業証書授与、
そして
校長祝辞。
校長は今年で定年。
思いの丈を述べる。
いい話しだった。
そして、
来賓祝辞。
先に市長。
慣れたもんだ、
坦々と述べる。
そのあいだ、
手はウエット、
口はドライ。
(司)「PTA会長祝辞」
(俺)(ぁ~、来た)
(司)「PTA会長、イマゼキシゲユキ様、お願い致します」
(俺)「(なるようになれ!)はい」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/64/6f/1b342cde7cd8b8d3cf0f55abc08856f8_s.jpg)
こーゆーところで
喋るのだ。
蛇腹折の祝辞の紙は、
伸ばすと
俺の背丈よりも長い。
以下、
ちょっと長い
全文です。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
祝辞
大原中学校PTAを代表致しまして、お祝いの言葉を述べさせていただきます。
(アドリブ)「ちょっと長いですがご了承下さい」
卒業生一五九名の皆さん、本日は誠におめでとうございます。
皆、この春からの進路も決まり、様々な想いを胸に抱きつつ、ホッとしているのも束の間、もうすぐ新しい生活がスタートします。夢や目標に向かって、一歩一歩、着実に進んで下さい。
ちょうど三十年前、私もここを卒業しました。ここで過ごしたあの三年間、いろいろな面で、かなり鍛えられました。この経験は、今でも私の生きるうえでの礎になっています。
世の中には、物事全て自分の思い通りになって楽しい人や、思い通りにならなくて、ただ嘆いている人がいます。この二つのタイプ、正反対のようですが、共通点があります。それは「孤独」です。「思い通りにならない」ことは、多々あります。それでも頑張る人には、仲間ができます。応援もしてくれます。挫折、後悔、諦め、まぁ、それも経験です。しかし、それで終わらせては、人は成長しません。十代の後半ともなれば、人間形成が確立される時期です。
自分の思う通りでないということは、即ち、「新しい発見がある」ということです。それをモノにすれば、人は進化します。今後、そんな状況に立たされたときは、その現実を受け入れ、更にいかにそれを楽しむか、ということに、
「気付き、考え、行動する」
をして下さい。そう、本校のスローガンです。一生携えていける言葉です。
自分で掲げた夢や目標、若しくは野望、一人で努力しても達成できそうになければ、そういう時こそ仲間を頼ってみて下さい。
そして今日は「三月十一日」。そう、あの震災の日です。あの動乱の中、小学校の最上級生となった皆さんは、不安を抱えながらも責任感を持って下級生達を引っ張ってきました。皆さんの心に広く深く根を這わせている「絆」という言葉は、その頃から培われたものです。後輩達もその頼もしい背中を見て学びました。皆で、協力し合って、一緒に笑って、一緒に泣いて………、身をもって「絆」を感じたことと思います。ですから、皆さんとても仲良しに見えます。
ここでひとつ、図形の「○(えん)」について少しお話しします。
この「○」、簡単な図形ですが、結構奥深いです。円周や面積などを求めるときに、皆さん当然ご存知「円周率」を用いますよね。π=3.141592・・・・・・、どこまで続くか解っていない数字です。そんな数字が含まれているにもかかわらず、ちゃんとカタチを成しています。
何かを求める時、仮に、円周率をキッチリ3で計算した場合、数は実質より明らかに足りません。逆に3.14から下の小数を四捨五入すると3.142になってしまい、実質より大きくなってしまいます。ですから、だいたいは、ちょうどいいであろう3.14として計算します。
受験が終わったばかりだというのに、こんな話しをして申し訳ありませんが、何を言いたいのか。私の持論なのですが、人との関わり方を数字で例えるならば、この「円周率」であろうと思っています。そしてこれを「気持ち・ハート」というものに置き換えます。
相手に対する思いが、その相手にとって完璧ではなくとも、少しでも完璧に近づける努力を持って接する。相手側もそれに気付いて対応する。お互いがわかり合うことによって、ちょうどいい距離感が生まれ、丸く収まります。それが「わ」というものです。
人間関係、そう簡単には割り切れない、ということです。
皆さんご存知の祭りの唄に、
『丸い玉子も切りよで四角 物も言いよで角が立つ』
というのがあります。
仲間は一生の宝です。これからまだまだ長い人生、「わ」を大切にしていってください。
改めまして、卒業生の保護者の皆様、平素は、大原中学校PTAの運営に格別のご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。本日は、お子様のご卒業を心よりお祝い申し上げます。
多感な時期のお子様が、この激動の時代を生き抜き、そして本日、無事に卒業式を迎えることができました。これもひとえに保護者の皆様の献身的な子育てと環境づくりによるものであると思います。尊敬に値します。
更には、橋校長先生を始め、教職員の皆様の、自分のリスクをも省みない、身を挺した心からのご指導、並びに、太田市長をはじめご来賓の方々の、日頃からのご努力の賜物と深く感謝を申し上げます。
昨今は、国内外問わず、多様な問題や課題がひしめき合っています。大人でさえも将来への不安はまだまだ募るばかりです。今後とも子ども達のために、あまり角を立てないよう、更なるお力添えをお願いしたいと思います。
いささかまとまりませんが、以上を持ちまして、平成二十六年度大原中学校卒業生一五九名のみなさんと、ここに居られる皆様の益々のご活躍とご健康、さらには大原中学校ならびに地域のご発展、そして、世界の愛と平和をお祈りし、お祝いの挨拶とさせて頂きます。
平成二十七年三月十一日
いすみ市立大原中学校第二十八代PTA会長
今関茂行
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
上記の
「無事に卒業式を~」
のところの、
「無事に」で
ちょっと詰まった。
ホントに
無事だったから。
っつうか、
口の中、
カラッカラである。
慣れないものだ。
あとで
おっかに聞いたら、
喋ったタイムは
校長も俺も、
10分だったそうだ。
っで、
市長は5分。
まぁいい。
終わったことだ。
「っふぅ~・・・」
入学式には
もう少し
気楽にできるだろうか…
この精神的疲労を
ひきずりながら、
午後から
現場2つこなした。
あ~~~、
まだ胃が痛い。
ガッツリ呑むか。