今日のランチ ～走～

しばらくすると
カウンター席に
“お一人様”が
続々と着席。

皆、
慣れた手つきで
お茶を汲み、
目の前の
液晶タッチパネルで
なにやら
「ポンポン、ピ!」

（そっか、これで注文すんのか、そーいやー、テレビで見たことあんな）

と感心していると、
俺の目の前を
「シャーーーッ！」

「はっ！？」
寿司が走り抜けた！

それはまるで、
い鉄の上を
リニアモーターカーが
走り抜ける様。

次の瞬間、
タッチパネルを操作した
客の目の前で
「シュ・・・」
っと止り、
その客はそれを
当たり前のように取り
何事もなかったように
食う。

他の“お一人様”も
同じような操作。

（なるほど、新鮮な寿司、こーすりゃいいんだな）

やってみた。

来た。

取った。

食った。

（・・・ん？ま、しょ、所詮・・・）

他のネタも
同様に試したが
俺の口にゃ合わん。

得意んなって
やってたら、
なんだかんだ
１５皿(内３貫３皿)を
積み上げてしまった。

（“所詮”とは言え、１５７５円か）

○イゼリヤの
ミ○ノ風ドリアを
３つ頼んでも
お釣がくる。

なんだか
自己嫌悪な
ランチタイムであった。

～完～