ごじゃ満開

いすみ市内外の隠れた情報と
ちょっとしたエッセイ。

現実を受け入れろ

2011-03-19 12:47:13 | Weblog
昨日、
先輩がウチにきて、

(先)「助手席に福島から来たのが乗ってる」
(俺)「へ?」
(先)「俺の親戚なんだ、被災者だ」

言うとおり、
車の助手席に
一人の男性。

近寄って
話しをしてみた。

(俺)「大変でしたね、何も出来ませんが、お見舞い申し上げます」
(福)「はい、どうも」

力の無い返事。

(俺)「福島、どちら辺ですか?」
(福)「原発から50km圏内ですよ」
(俺)「内陸側ですか?」
(福)「海沿い、いわき市」
(俺)「じゃあ、結構な被害で…」
(福)「えぇ、壊滅的です」
(俺)「身内の方々とかは?」
(福)「親が行方不明で…」
(俺)「そうですかぁ…、でも、テレビとかでは、いわき市って、あんまり映像が流れませんよね」
(福)「入れないんですよ、カメラが」
(俺)「へ?」
(福)「原発」

放射能汚染を
警戒してか、
多くのマスコミは
北風吹く
原発の南側には
あまり来ないという。

(福)「私もあの原発で仕事をしたことあるんですが(中略)、あれはもう最悪ですよ、ダメ」

実は俺も、
15年くらい前、
静岡の浜岡原発で
仕事をしたことがある。

言ってることは
よくわかる。

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原発で作業するには
二日間の講習を受ける。

そこで教わったのは、

(教)「放射能の微粒子は、どんなものでも通り抜けてしまいますが、原子力発電所は僅かです」
(俺)「…ダメじゃん」

でも、
仕事だからと
開き直って
資格を受けた。

厳重なセキュリティーを抜けて
原発内部へ入る。

入って少し行くと
更衣室。

そこで
自分のパンツ意外は
全て着替える。

ここでは
薄っぺらな
青い防護服。

躯体は
特殊なコンクリート。

非常に固い。

コンクリート用ドリルで
穴を開けようにも、
直径4.5㎜
深さ20㎜の穴を
ひとつ開けるだけで
30分もかかる。

さらに
原子炉を囲う壁は
厚さ1000㎜。

そんな壁。

放射能放出を
抑えられるらしいが
それでも自然界より
多い。

作業の都合上、
どうしても
原子炉内部を
通過しなければ
ならない所があった。

簡単な境界線から
今度は
黄色い防護服に
着替え内部へ。

(こんなんでいいの?)

この先は
作業員が少ない。

歩行中、
原子炉内部を
そばから覗いて見た。

でかい!深い!

超純水と言える
透明度100%の冷却水。

えらい量だ。

そこでの作業を終え、
出るときには
また青い防護服。

(こんなんでいいの?)

泊り込みで
無事(!?)に
任務完了して
帰ってきた。

15年たった今、
とりわけ
健康被害など無い。

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あのくらい水がないと
燃料が融解して
あっという間もなく
臨界してしまう。

てことは、
ダメじゃん。

いわき市から
来た男性は、
行方不明の
親の安否よりも、
自分の命が危ない
と察して、
命からがら
逃げてきたようなもの
だという。

気の毒だ。



政府・東電は
この期に及んで
あの原発を
まだ使おうとし、
アメリカの特殊部隊の
支援を蹴って
自衛隊・消防・警察を
出動させた。

命惜しまずの
懸命な作業。

立派と言えるが
あの放水作業は
愚策だろう。

スーパーマンや
鉄腕アトムでも
来ない限り、
まともに
止められやしない。

いち早く
避難するべきだ。

福島の原発、
尋常でないのは
確かだ。

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いすみ市から
千葉県北東部や
茨城県南部へ
災害ボランティアで
向かった方々と
これから向かう方々へ。

べつに、
不安を煽るつもりは
更々ありませんが、
十二分に
気を付けて下さい。

すぐに退避できる準備も
怠らないで下さい。

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ところで、
“計画停電除外区域”、
そんな被災者らの
受け入れ態勢は
できているのだろうか。

ウチなら
いつでも来い。