心にうつりゆくよしなしごと / 小嶋基弘建築アトリエ

山あれば山を観る 雨の日は雨を聴く 春夏秋冬 あしたもよろし ゆうべもよろし

長持ちする屋根材といえば瓦

2013年06月27日 | 日記・エッセイ・コラム
建て主さんのたっての要望が耐久性。よって答えは簡単、『瓦』です。
Casio_004
新しい素材の新商品も次から次に出ますが、瓦を超える耐久性は未だありません。

『耐久性が高い』という事は、街並みの屋根の景観がほぼ100年単位で変わらないという事を意味します。なので、設計者には意匠設計の責任が伴います。

Casio_023

動く自動車と違って、住宅は街並みの景観を構成する重要な要素。風景になるのです。

人はその風景の中で暮らし、生まれ、育ち、遊び、働き、そしてこころの中のかけがえの無い原風景としてその人の一部になっていくと思うのです。

住宅は個人の嗜好に違いないのですが、景観には配慮しなければいけないと私は考えます。

私は、最初から建て主さんに対して、『屋根は瓦にしませんか』と提案をしました。当初はコストの事もあり、乗り気では無かった建て主さんでしたが、私の熱意に押されたのか、瓦で決定しました。

建て主さんに感謝致しております。

2005/05/30私の原風景のひとつ 京都鴨川、三条京阪から四条方向の俯瞰。
100年変わらない鴨川の流れと京町家の屋根瓦の景観。
Img_0001
ヤマケイ私鉄ハンドブック11京阪/山と渓谷社 写真/廣田尚敬氏より。

建て主さんにとって、そして、この地域に暮らす住民の人達にとって、景観に溶け込める意匠設計を行えたかどうか、重責を感じております。住まいは文化の容れ物でもあるからです。


ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村



最新の画像もっと見る

コメントを投稿