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▲鉄鋼スラグが逆有償で取引

 関西地方では、毎日新聞一面トップと社会面トップの2本組の記事に、淡路島の鉄鋼スラグが逆有償で取引されていたことが明らかになりました。中部では、今日の夕刊に載りました。

 優秀なリサイクル材の名は、もう通用しません。

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20070825dde041040056000c.html

鉄鋼スラグ:山陽特殊製鋼が実質処分 販売装い、数倍の運搬賃

 ◇10万トン、淡路島に一時放置

 東証1部上場の鋼材メーカー「山陽特殊製鋼」(兵庫県姫路市)が、鉄鋼の製造過程でできた副産物「鉄鋼スラグ」約10万トンを、リサイクルのために販売した形をとりながら、実際は「販売額」の数倍を運搬費名目で購入業者に支払っていたことが関係者の話で分かった。鉄鋼スラグはセメント材などにリサイクルされるが、同社から流れたスラグは兵庫県の指導を受けるまで、淡路島に放置されていた。購入した側が金銭的にも利益を上げる「逆有償」取引で、「99%以上リサイクル利用」とされてきたスラグが、一部で事実上の産業廃棄物として流通し、放置されていた。

 公共工事の減少で需要が減っているスラグは、廃棄物処理に数倍の費用がかかるため、逆有償取引が業界に広まっているとされ、新たな環境問題も生じかねない状況だ。

 山陽によると、同社は昨年8月~今年2月、姫路市の商社を通じて、同県西宮市の土木資材販売会社に約10万トンのスラグを販売した。同社で生じる約1年分の量で、淡路島に海路で運ばれた。海上輸送費や港湾使用料、荷役費などは運搬費名目で山陽が全額負担した。

 取引関係者の話を総合すると、山陽に支払われた代金は1トン100円前後だが、山陽が支払った運搬費は1トン千数百円。山陽が一億数千万円の支出超過となり、うち1トン約500円、計数千万円ずつが、資材会社と海運会社にそれぞれ支払われたという。資材会社は、同県南あわじ市の砂利製造会社に費用を払い、スラグは砂利会社の管理地2カ所に野積みされた。

 山陽によると、スラグは砂利プラント建設用地などの舗装用として販売したが、計画が中断したとして野積み状態が続いたという。雨で強アルカリ性の排水が流出し、粉じんによる健康被害の恐れもあるとされ、住民の苦情が相次ぎ、県は今年6月、資材会社などに環境対策を指導。これを受けて山陽が翌7月から撤去を始めた。

 山陽は「スラグは有用な製品」と強調するが、資材会社は「取引を仲介しただけ」、砂利会社は「置き場を貸しただけ」と互いにスラグの所有権を押し付け合っている。【日野行介】

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