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▲鉄鋼スラグ問題 瀬戸内の報道(その1)

鉄鋼スラグの問題は、瀬戸内で大きな問題となっています。
webで、記事を拾ってみました。

■今治、鉄鋼スラグ「一時保管所」をめぐる不安
http://www.janjan.jp/area/0605/0604280524/1.php

■産廃優等生 苦い教訓(保管場所誤り 健康被害):読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/feature/kankyo/20070313ft04.htm
黒っぽい砂状の鉄鋼スラグが、ダンプカーで運び出されていく。愛媛県今治市・津倉自治会長の石井礼一さん(71)は、その作業を見つめ、「撤去にこぎつけるまでは苦労の連続だった」と話した。

 鉄鋼スラグは、鉄鋼を生産する時にできる副産物で、主成分は石灰とシリカ(二酸化ケイ素)。国内では年間約4000万トンが出るが、産廃処分場に回るのは1%に満たず、ほとんどがセメントの原料やコンクリート骨材などに使われる優等生的なリサイクル資材。各省庁に環境配慮製品の使用を義務付けるグリーン購入法の「特定調達品目」に指定されている。

 43世帯、103人が暮らす津倉地区は、今治市から東に4キロ沖合の大島の西部にある。住宅地に接した小学校の校庭ほどの広さの湿地に、2005年11月から06年2月にかけ、計5万5000トンが搬入された。敷地一面に敷き詰めた上に、高さ約5メートルの山ができた。

 湿地を購入し、鉄鋼スラグの保管場所としたのは、「東武開発」(松山市、資本金1000万円)。大手製鉄会社から購入したスラグから道路の路盤材などの原料を作る「東方金属」(広島県呉市)の関連会社だ。

 ところが、06年初め、付近住民が「のどが痛い」「目がコロコロする」など健康被害を訴え始めた。3月、住民は「津倉環境を守る会」を結成し、撤去を求める嘆願書を県に提出。5月には、岡山大教授の協力を得て住民98人の健康調査も行った。目やのどの異常を感じる人が搬入開始直後と比べて2~3倍に増えた。1キロ離れた地域の住民に変化は見られず、鉄鋼スラグ搬入が原因と疑われた。

 住民側の動きに押され、東武開発は6月、敷地のボーリング調査を実施。その結果、スラグの撤去に踏み切ることを決めた。海水をためて塩を採る塩田の跡地だった敷地は、粘土層などが厚く、水がしみこみにくい地層と分かったからだ。

 鉄鋼スラグはアルカリ性が高く、粘膜や皮膚を刺激する。たまった雨水にスラグの高アルカリ物質が溶け、周辺大気中に拡散したとみられた。日本の土の多くは酸性で、スラグは土壌に吸着中和される。が、保管場所には水はけが良い場所を選ばなくてはいけない。

 「売買交渉の際、水を通しにくい土地であるという説明があれば、買わなかった。とはいえ、こちらも事前調査が不足していた」と住民との交渉窓口を務める上妻謙常務(63)は悔やむ。

 「有価物であり産業廃棄物ではない」として、住民と会社の話し合いを見守ってきた県の岡本靖廃棄物対策課長は、「広く使われているという安心感があり、健康被害は全く想定していなかった」と言う。

 リサイクル製品は取り扱いを誤ると周囲の環境や健康に悪影響を及ぼす、という苦い教訓が残された。産廃のリサイクルを進めるには、適切な情報提供が欠かせない。

 鉄鋼スラグ協会は昨年7月、前年に作成した1ページの「鉄鋼スラグ製品の管理に関するガイドライン」を8ページに拡充した。「(保管場所など)使用場所の現地調査をおこなうこと」など、取り扱い上の注意点を詳細に説明している。

 昨年12月半ばに始まった撤去作業は、4月ごろには完了する見通しだ。10億円を超える費用は、東武開発と東方金属が負担する。
(2007年2月23日  読売新聞)

 


 

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