桔梗おぢのブラブラJournal

突然やる気を起こしたり、なくしたり。桔梗の花をこよなく愛する「おぢ」の見たまま、聞いたまま、感じたままの徒然草です。

蓬(ヨモギ)の種を播く

2018年06月12日 22時40分56秒 | つぶやき

 十日、十一日と梅雨が戻ってきました。
 梅雨が舞い戻る前の九日、我が地方は最高気温32度という真夏日。
 と、思えば、翌十日は同21・5度、十一日は同20度。温度差10度以上というヒートショックに見舞われて、身体は油の切れたロボットさながらに、ギクシャクしています。



 縁側に腰をかけ、小雨の降る音を聴きながら、こんなものをつくりました。
 といっても、この画像だけでは何がなんだかわかりませんね。

 二つのプランターを苗床にして、蓬(ヨモギ)の種を播いたのです。
 庭に直播きにするか、プランターを用意するか、どうしようか、と悩んだ挙げ句、直播きをしたのでは育たないような気がして、プランターに播くことにしました。

 今月の初め、何気なく視ていたテレビ番組で、ヨモギの葉に血管を若返らせる効能があるのを知りました。
 よそ見もせずに視入ってしまうテレビ番組というのはあまりありません。何をしていたのか憶えていませんが、この番組も何かをしながら視ていたはずです。なので、ところどころ記憶が途切れています。

 画面には鹿児島県徳之島の伊仙町に棲む老嬢が映し出されていました。
 摘み取ったヨモギの葉を急須に入れ、熱湯を注いでいます。こうして煎れたヨモギ茶には、血管を若返らせる力があるというのです。
 高血圧持ちの私は、血管や心臓になにがしかの効果があると聞くと、すぐ飛びつきたくなります。しかも、ヨモギなら、どこにでもある、というイメージがあります。

 私が暮らしている地域は、田んぼあり、畑あり、雑草地あり、川あり、林あり……という田園地帯が近くにあるので、それこそどこにでもありそうです。
 ところが、この番組を視たあと……いざ、捜してみると、意外に見つからない。
 やっと「あった」と思って腰を下ろし、指でつまんでじっと見てみると、「これ、ほんとうにヨモギかな?」と自信がなくなる。水仙をニラ(韮)と間違えて食べ、食中毒を起こしたというニュースがチラと頭をかすめたのです。

 ニラを常食文化にしている私にしてみると、ニラと水仙では葉の形が似ても似つかないだろうと思えるし、触れてみなくても見た感じだけで、ゴワゴワとした水仙と、しなやかで、色も濃い目のニラとでは、おのずと違いがわかりそうなもの、子どもでもわかるような、そんな違いがわからぬとは……ということになるのですが、それは私がニラを欠かさず手許に置き、なかば自家薬籠中のモノとしているからであって、ヨモギに関しては素人の私の場合、似ている草があったら、ノー天気に引っこ抜いて持ち帰るかもしれない。
 それをお茶にして飲んだり、天麩羅にして食べたりして、ゲーゲーだけで済むだけなら救われるが、ある日、だれかに気づかれるまで、孤独死をしていたということにもなりかねません。

 

 数日前の散策途中、ヨモギ(であろう、と思われる草)の葉を四か所で採取してきました。画像上が葉の表、同下が裏です。
 コンパクトデジカメを使った撮影なので、形はともかく、葉の表の色の違いはないように見えますが、実際は淡い緑色から濃い緑色まで少しずつ違うのです。

 植物図鑑に記されている「ヨモギ」の見分け方のポイントは、葉のギザギザの切れ込みが鋭い、というのが一つ。それに従えば、いずれも鋭いといえば鋭い。
 見分け方のもう一つは、葉の裏が白いということ。
 採取してから時間が経っていたのと、やはりコンパクトデジカメのせいで、葉の裏は白くは見えないかもしれませんが、採取したときは四枚とも白かったのです。



 枝垂れ桜とかミモザとかスモークツリーのように、新しい樹を見つければ、「おっ、あった!」と小声で叫んだりするような植物ではないので、いちいち気に留めていなかったということもありますが、ぼんやりとした記憶ではありますが、生えている場所は何か所か確かに見ているのです。

 ただ、柔らかい土に生えているというのはあまりなくて、生えているとしても、大概はアスファルト舗装と土の境ギリギリ。アスファルトの下に根を伸ばしているので、スコップを持って行っても、土のほうから掘り返し、根っこを傷つけないように、すんなりと抜く、というのは結構むずかしい技とみえます。
 やっと見つけた場所で、しばし眺め下ろしたあと、太くて丈夫そうな一茎をつかんで、グイと引き抜いてみました。グイグイと力をこめると、抜けましたが、土はつかず、ひげ根はあちこちで分断されてしまいました。

 そこで、苗が手に入らぬかと思って、アマゾンで捜してみました。
 ヨモギのお茶とか粉末というのなら結構あって、簡単に入手できそうです。
 しかし、苗の鉢植えというと、ヒットしたのは一つだけ。それも「琉球ヨモギ」とありました。日本のヨモギとどのように違うのかがわかりません。
 観賞用にほしいのではないから、日本のヨモギとはどのように異なり、どのように似ているのかを知りたかったのですが(あるいは食用に適す、という一語でもあれば)、生憎その手の説明は何もなかったので、購入は断念。

 
では種か、となりますが、種となると、今年収穫することは諦めなければなりません。しかし、ほかに手に入れる手段はないとなれば……と、これもアマゾンで捜してみました。ヨモギを栽培してみようなどという酔狂な人は尠ないのか、これもヒットしたのは一つだけでした。



 注文して三日目。クロネコメール便で、こんなのが届きました。右の小さなチャック袋に入っていて¥288、送料は¥199、〆て¥487。
 種、というより綿毛です。

「60粒」とマジックペンで手書きしてありますが、ちゃんと60粒あるのかどうか、数えるのは不可能だし、私としては正しく60粒なければ困る、というものではない。極端なことをいえば、100%発芽してくれるのであれば、1粒だって構わないのです。

 画像にある袋の左下は、たまたまもつれて固まっているだけで、袋全体に散らばっている小さきもの一つ一つがヨモギの種なのです。
 ブログに載せるために画像を撮るのに当たって、左上
にバジル、下にコリアンダーの種を置いてみました。ヨモギの種がいかにはかない感じであるか、比較させたのです。
 ノギスで計ると、コリアンダーの種の直径は2ミリ強、バジルは1ミリあるかないかです。それに較べると、ヨモギは遥かに小さくて頼りない。

 さて、プランターの土に溝を掘り、播いてしまうと、本当に播けたのかどうかがわからない。土をかぶせ、注ぐ水で掘り返してしまわないように、ゆっくりゆっくりと水を注ぎますが、土の隙間から浮き出てしまったとしてもわからない。ただ無事土の中に収まって、芽を出してくれるのを祈るのみです。

 こうして、どうなるかわからないヨモギの種を播き終えたあと、ふと同じような体験をしたことがあったな、と思い出すことがありました。

 シロバナタンポポ(白花蒲公英)のことです。
 シロバナタンポポとは日本固有の蒲公英で、普段私たちが目にする、花の黄色いセイヨウタンポポ(西洋蒲公英)とは違って、名前のとおり花が白いのです。
 参考までにその画像を載せておきます。



 柏市に東海寺というお寺があり、その境外地にシロバナタンポポの群生地があるのですが、六
年前の四月に訪れたときに撮影したものです。対比させるように撮った画像ではありません。たまたま右下に写ったのはセイヨウタンポポです。写真を撮るだけでは飽き足らず、我が庵でも咲かせてみたいと思って、すでに花の命を終え、綿毛になったところを一掴み摘んできました。

 意気揚々と帰ってきて、今回のヨモギと同じようにプランターに播きました。

 いまはどこかに転居して、いなくなってしまいましたが、当時、近所には妙に花や樹木に詳しい事情通が棲んでいました。
 私が綿毛を播き終えて、ジョウロ片手にしゃがみ込んでいたところを通りがかり、「何をしているのか?」と訊くので、かくかくしかじかと答えたのですが、いきなり講釈をぶたれてしまいました。
 つまりタンポポのたぐいが何億、何十億と飛ばす綿毛が次々に芽吹いたらどうなるか、というのです。綿毛の一つは、あるいは川に落ち、あるいはアスファルト舗装の道路の上に落ちて朽ち果てる。無事土の上に落ちた綿毛があったとしても、虫に喰われたり、水分がなかったりして、芽吹かない。そういうことがなければ、地球上はタンポポだらけになってしまう。
 すなわち、綿毛を播いたところで、芽吹かぬと知るべし。本気で栽培したいと思うなら、株ごとかっぱらってくるべし。そうしても、土が合わなかったりして、育つかどうかはわからない。

 事情通が予言したとおり、私が播いた綿毛が芽吹くことはありませんでした。

 いまの時節、ヨモギと同じキク科の野芥市(ノゲシ)や野薊(ノアザミ)が盛んに綿毛を飛ばしています。確かにこれらが全部芽吹いた日には地球上は大変なことになる。
 事情通が健在で、また私がしゃがみ込んでいるのを見たら、鼻先で笑われそうです。
 しかし、事情通の鼻先をを欺いて、一茎でも二茎でもいいから、芽吹いてくれるのを楽しみに待つことにします。



 午前中、プランターに土を入れたり、種播きをしたりしていたので、慶林寺参拝はお昼近くになりました。
 雨の日でも、日課にしている慶林寺参拝は欠かしません。
 買い物だけであれば、雨の日に出かけるのは気が進みませんが、慶林寺に出かけるのは気が進むか進まぬかという問題ではないので、歩けないような体調でない限りは出かけ、するとついでに買い物もできます。

 昨日(十一日日曜日)の夕方、テレビ朝日系列で放送されている「相葉マナブ」で、万能ニラダレを識ったので、参拝の帰りにはニラを買って帰りましょうと思いながら、出かけています。我が庭で栽培しているニラは先日収穫してしまったばかりなので、在庫がありません。

 今年の冬、ニラのみならず、葉物野菜の多くにはべらぼうな値段がつけられていました。ニラも一束¥300と異常な値をつけたことがありましたが、このところは¥50から¥70と安定してきました。
 近くのスーパーに寄ってみると、二束¥99だったので、四束買うことにしました。一束は万能ニラダレ、残り三束は刻んだ上に冷凍保存に廻し、おいおい焼きうどんに使います。

 


 慶林寺門前のオタフクアジサイはピンクの色づきがはっきりしてきました。



 参道中程の手鞠型紫陽花。雨に打たれて花が重そうです。



 参道入口の紫陽花。



 参道入口にもオタフクアジサイがあります。こちらはブルー。



 萼紫陽花も雨に打たれて、うなだれています。

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