時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

政府金貨オークション、売り上げは50億~60億円

2008年03月10日 | 政治問題
少し古いニュースになるが、財務省が、2005年から計13回行った政府保有金貨のオークションの売上高が、当初予想した10億~20億円程度を大幅に上回り、50億~60億円に達する見通しを明らかにした。
オークションは明治以降の近代金貨を対象に、インターネットと会場を使った公開形式の2方式で行われた。2月24日に東京・銀座の会場で行われた最後の公開オークションでは、計1420枚が落札された。1880年(明治13年)発行の旧2円金貨が最高値の3210万円をつけるなど、この日だけで落札総額は約3億9000万円に上ったという。
オークションは、退蔵している資産を有効活用し、財政再建の一助にしようと始めたもので、売り上げは税外収入として国庫に繰り入れられる。
売り出された金貨の中には、現存数枚しかないような金貨もあるが、価格についていえば、全体的にかなり加熱気味である。
稀少金貨などと騒がれて、マスコミでも取り上げられたこともあって、コレクターよりもむしろ金余りの富裕層などが面白半分に購入したのではなかろうか。
金貨の中には、けっして状態の良くないものも多く、相変わらず、貨幣商の親父などが集まって、適当に「極美品」、「美品」などと適当な鑑定を付けて売りさばかれている。これも大きな問題である。
また、欧米と比較して、日本にはこういう商品の市場はほとんどなく、金貨のみならず、貨幣市場そのものが現在は縮小傾向にあり、貨幣(古銭、外国貨幣を含む)価格は低下傾向にある。
したがって、持ち主が今回の落札価格で転売しようと思ってもなかなか買い手はない。1000万円で落札した金貨を貨幣商に買取りを依頼すると、おそらく半額くらいになってしまうのがオチだろう。しかし、購買力が低下しつつある円紙幣を持っているよりも、少しはマシなのかもしれない。まぁ、日本に数枚しかないという金貨を持っているという優越感や自尊心が満足できるだけ良しとすべきであろう。
ところで、日本の歴史的な文化遺産でもあるこういう金貨を売り払って、財政再建の一助にしようという政府の発想の貧困さには驚かざるを得ない。
しかも売上げはたったの50億~60億円であり、現在政府が抱えている800兆円を超える借金から見れば、焼け石に水にすぎない。何時間分の利息にもならないではないか。
今回で、金貨の販売は終了したが、このような愚策は今後行わないよう強く要望したい。
結論から言えば、売った方も買った方も、痛み分けといったところだろうか。


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