時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

参院選についての感想

2007年07月30日 | 政治問題
参院選の結果が報じられている。
選挙結果を一言で言うと、「自民党の歴史的大敗、民主党の地滑り的勝利と公明、共産、社民は二大政党の陰に埋没」という感じだろうか。
今回の結果は、さほど驚くには当らない。
1つ目は、自民、公明の与党の悪政に対する国民の批判が強かったこと。特に、選挙直前になって、不明年金問題や定率減税廃止に伴う住民税増税、閣僚の失言、事務所費問題などが明らかになり、与党に対する国民の批判が一気に噴出したこと。
2つ目は、選挙区選挙のほとんどで、定数が1、2の議席を争う選挙であったため、自民か、民主化という選択の中で、民主党が地滑り的な勝利を得たということ。
3つ目は、公明、共産、社民は、それぞれが独自の政策などを訴えたが、選挙区選挙では議席を争うだけの力がなく、定数48の比例代表選挙でそれぞれが力量に応じた得票を得て、それに応じた議席が配分されたこと。
現象的には、以上のような感じだろう。
さて、今回の結果に対する編集長の感想を列記しておこう。
1)自民党、公明党の与党の大幅議席減は当然であろう。安倍政権の政権運営に対する国民の批判はそれだけ根強い。安倍首相は続投を決めたようだが、とんでもないことである。「政権を争う選挙ではない」というが、これが現時点の民意であり、衆議院で与党が3分の2以上の議席を占めていることに問題がある。
2)以前から述べているように民主党は、憲法改定、消費税増税を掲げている。この点では自民党、公明党と軌を一にしている。最近の世論調査では、国民の半数以上が憲法改定(9錠の改定)に反対しているが、衆議院でも参議院でも、現憲法、特に憲法9条を変えるという勢力が9割以上の議席を占めるようになったことだ。これは、安倍政権が掲げる憲法改定議論を推し進める結果になるのではと危惧を感ずる。また、その使用目的はともかく、最悪の大衆課税、消費税増税に道が開かれることにも一層の懸念を感じるのである。
今回の選挙戦で、憲法や消費税は必ずしも争点にはなり得なかった。これは、自民も民主も政策的に差がないため、民主党として争点にしづらく、争点ぼかしを行い、年金や格差、増税、閣僚の失言、事務諸問題などで、国民の関心を引きつけて掠め取った議席と言えないこともない。
多くの国民の意思に反して、憲法改定や消費税増税が安易に行われることがないことを願っている。この点について言えば、憲法改定、消費税増税の旗を明確に掲げている共産、社民の活躍に期待したい。
3)衆議院解散、総選挙はできるだけ早いうちに行うべきであろう。参議院選挙で、これほどの敗北を喫した与党勢力が、衆議院の3分の2以上の議席を占めていることは許されない。国会論戦の中で野党としては、解散に持ち込んで欲しいと思っている。
4)最後に、選挙制度に触れておこう。選挙区選挙、特に、1人区では約半数の死票が出る。2人区でも多くの死票が出ている。要するに、国民の声が議席に反映されない選挙制度は欠陥制度でると思われる。北海道、九州などの地域ごとの中選挙区制度などに改め、地方の声も国会に反映し、かつ、できる限り死票が出ないような選挙制度に改善すべきであろう。
小選挙区制は、政権交代が可能な制度などというが、多くの国民の意見をAかBかといった2つに括れるはずがない。多くの国民の声が反映される制度の構築を望むものである。


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