時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

議会と世論

2006年08月30日 | 政治問題
国民の中には、自らが議会選挙に立候補し、議員として活動している人たちも存在するが、一般的には、選挙によって国会や地方議会の議員を選出することによって、間接的に国や地方政治に参画している。
しかし、国民の意識として、選挙が終わってしまえば、議会でどのようなことが議論され、どのようなことが実行されているのか知らない場合が圧倒的に多い。また、自分が投票した議員が議会でどのような言動を行っているかについてもほとんど知ろうともしない。要するに議員まかせ、議会まかせになっている場合がほとんどであろう。
日本の政治は、いま自民・公明の連立与党によって担われており、衆参両院において与党が圧倒的な多数を握っているため、野党の声が議案に反映する余地はほとんどない。
しかし、与党に投票した国民も含めて、多くの国民は、今の政治に何らかの要望や不満を持っている。
景気対策、消費税増税、軍事費の増額、海外派兵、米軍への基地提供や思いやり予算、高齢者対策、福祉、医療や介護、障害者対策、子育てや教育、犯罪の抑止、災害対策、技術振興、・・・、この他に、街灯や信号機の設置、公園の整備、子供の遊び場、保育園や幼稚園の増設など皆さんの身近な要望は数限りなくあることだろう。
こういう多くの国民の要望の一つひとつが国会や地方議会で真摯に議論されているかというと必ずしもそうは思われない。
たとえば、北朝鮮による拉致問題などは、拉致被害者の家族が長年に渡って調査を要求してきたにも関わらず、歴代の政府がずっと背を向けてきた事件である。しかし、ここ数年の世論の高揚の中で、与野党支持者を含む圧倒的な国民が早期の解決を願っているにも関わらす、未だにほとんど進展は見られない。北朝鮮とはコミュニケーションチャンネルさえ確立できないままである。
薬害エイズ問題についても、政府はその解決に消極的な態度を取り続け、そうこうするうちに、肝炎ウィルス感染などの新たな薬害さえ生んで来たのである。
しかし、いずれの例でもわかるとおり、圧倒的に大きな国民世論の高まりが、議会を動かす力になるのである。
我々国民は、選挙後も、当選した議員の言動を監視し、自らの要望をまとめて、政府や自治体、各政党や議員に届ける努力を怠ってはならないのである。
一昔前までは、世論の高揚というと、労働組合や学生団体などが集会を開き、デモ行進をし、署名を集め、団体交渉を行うといった手法が通常用いられてきたが、最近はこういう示威スタイルは流行らないのかもしれない。あるいは、労働組合運動などの衰退によって、こういう行動ができなくなってきたのかもしれない。しかしながら、この種の示威行動は現在も有効であり、多くの国民の共感が得られるように創意を凝らして行う必要があるだろう。
同時に、パソコンの普及などによって、政府や各省庁、自治体、政党、個々の議員、新聞社などに比較的簡単に、直接意見を届けることも可能になった。ホームページやブログ上で、自らの意見を述べ、意見を交流することもできるようになっている。こういう新たなツールも活用しながら、日常的に議会などを監視し、我々の要望を実現させていくことも非常に重要である。
国や地方自治体の政策を決定するのは、議会だけではない。有権者である国民一人ひとりの世論が政治を動かすことをしっかりと認識し、声を上げていくことなく、政治はけっして身近なものにはならないのである。


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