時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

コインコレクターのつぶやき(1)

2006年08月17日 | コイン収集など
編集長の趣味の一つは、コインの収集である。穴銭の分類、近代銭の収集なども細々と続けているが、主な収集対象は、外国の大型銀貨である。
本当は、19世紀の銀貨を集めたいと思っていたのだが、さすがに100年~200年も経っていると状態の良いものが少なく、高価であり、収集対象が限られてしまう。傷や錆び(トーンなどと呼んで珍重するコレクターもいるが・・・。)が多い銀貨を持っていても楽しくない。仕方なく、20世紀の大型銀貨をターゲットとしている。現在、世界には約200ヵ国あると言われているが、この100年間に誕生し、消滅した国を加えればもっと多いだろう。この国々で発行された大型銀貨を、できる限り未使用の状態で、少なくとも1国につき1枚以上集めるのが当面の目標である。コインには、それぞれのお国柄を表わす紋章や特徴のあるデザインが描かれており、それも時代によって様々である。また、歴史上の人物などが描かれていて、その国の歴史に触れることができる。
さて、今日は、コインコレクションにまつわる雑多な話題について、ランダムに書いておこう。
1)東京都の差し押さえ小判の競売
以前より、東京都が都税滞納者からの差し押さえ物品をネットオークションで処分している。最初のオークションに天保小判の並品が出品され、確か70万円以上の金額で落札された。この小判、貨幣商などでは、20万円くらいで販売されているものである。1枚くらい小判が欲しいと思った人が購入したのだろうが、買い物の前にはよく調査をすることがババを掴まないコツである。
2)財務省放出の金貨、高値落札に驚いた
財務省が、明治~昭和に発行された金貨を放出している。1回目の売却では、確か2円金貨が最高1700万円で落札されたと記憶している。ところが、保存用のケースは普通のプラスチックケースであり、長期間の保存では隙間からの空気の侵入により酸化し変色なども防げないだろう。また、日本のコインマーケットは大変狭いため、再び売却する際には買い叩かれるだろうな、などと他人事ながら大変気の毒になった。
3)コインの価値は希少性で決まる?
「コインの値打ちを決めるのは、第一に希少性です。いかに現存数が少ないかで価値が決まります。」というのは、有名貨幣商のhomepageでの言葉である。しかし、この言葉は正確さに欠けている。価格は、需要と供給の関係で決定されるので、たとえ発行枚数が少なく、いかに珍しくても欲しがる人が少なければ価格は上昇しない。逆に数万枚も発行されていても、それをはるかに上回る需要があれば価格は上昇するのである。コインも他の商品と同様に、欲しいと思う人が多いか少ないかによって価格が決まるのである。
4)コインの保存は大変
コインの保存は、コレクターにとって最大の悩みである。特に、銀貨などは空気や湿気によって短期間で変色してしまう。市販のコインホルダーでは、大型の銀貨の場合、ホルダーのすき間から酸化が進み、エッジやそれに近い部分が真っ黒に変色することが多い。真ん中のセロファンが破れて、この割れ目の部分がくっきりと酸化して目も当てられない状態になる。市販の塩化ビニル製のコイン保存袋もコインにダメージを与えることはよく知られている。一番良いのは、PCGSなどでパッケージしてしまうことだが、それも面倒くさい。私は、薄いポリプロピレンフィルムを用いて、できる限り空気を抜いて密封したうえで、これをコインホルダーに綴じ込んでいる。大型銀貨や厚みのある銀貨の場合、コインホルダーに綴じ込めないことが多いので、薄いポリプロピレンフィルムで挟んでこれを厚手のポリプロピレン製の袋に入れて密封保管している。ここ数年間の実験では特に支障はないようである。