Activated Sludge ブログ ~日々読学~

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●《岸田政権が…「軍拡路線」を推し進め…専守防衛を形骸化…その起点は安倍晋三政権が二〇一五年に成立を強行した安保関連法にあります》

2023年04月28日 00時00分20秒 | Weblog

(20230411[])
法学的には「クーデター」と呼ぶ》。
 以前引用した【本音のコラム「映画「妖怪の孫」」前川喜平】で、前川喜平さん《安倍政治は決して過去のものではないそれはそのまま岸田政権に引き継がれ、戦争する国へと一直接に向かっている》と。《選挙に勝利するためのメディア戦略森友事件加計問題桜を見る会での数々の虚偽答弁。北朝鮮の脅威を煽った「国難突破解散」。「やってる感」だけのアベノミクス。その結果は日本の先進国からの脱落だ。内閣法制局長官の首をすげ替えて強行した集団的自衛権行使に関する憲法解釈の変更。匿名官僚は「総理によるテロだ」と語る》。大事なのは、最後の匿名官僚の言葉。
 東京新聞のコラム【<ぎろんの森>安保法の違憲性問い続ける】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/241441?rct=discussion)によると、《安保法歴代内閣が憲法違反としてきた「集団的自衛権の行使」を容認するなど、戦後日本の安保政策を抜本的に転換するもので、安倍晋三政権が成立を強行しました。その後も憲法九条に基づく専守防衛を形骸化する動きは止まらず、岸田文雄政権は昨年十二月の国家安全保障戦略改定で、射程の長いミサイルなど他国を直接攻撃できる敵基地攻撃能力反撃能力)の保有を認めるに至ります》。

   『●映画『妖怪の孫』…《安倍政治は決して過去のものではない。それは
     そのまま岸田政権に引き継がれ、戦争する国へと一直線に向かっている》

 《総理によるテロだ》。戦争法案の当時を思い出そう。《テロ》であり、《クーデター》でした。自公お維コミに投票した「1/4」の皆さん、選挙に行くことなく《眠り猫》となることで間接的に自公お維を支持した「2/4」の皆さん、そんなデタラメ、《テロ》や《クーデター》がまかり通る世の中にした戦犯の一人です。もちろん、《メディアコントール》に甘んじたマスコミや三権分立の崩壊を食い止めなかった司法も。それは、カースーオジサン・キシダメ政権で増幅された。地方議員も含めて、ズボズボ壺壺な自民党であることがこれだけ明白になってもなお、投票・(「間接的」も含めて)支持できる理由は一体どこに?

   『●壊憲:「国民を置き去りにした状態で法秩序の連続性を
         破壊する行為を、法学的には「クーデター」と呼ぶ」
   『●《歴代内閣が「憲法上許されない」としてきた「集団的自衛権の
            行使」を可能とする》違憲な戦争法の成立から4年
    「《法学的には「クーデター」と呼ぶ》…
     (2015年09月19日 00時00分08秒 | ブログ)
     「「憲法の制定権は主権者である国民に」、その「国民を置き去りに
     した状態で法秩序の連続性を破壊する行為を、法学的には
     「クーデター」と呼ぶ」。その第3幕を、参院特別委員会で
     目の当たりに。あれで「採決」? どこが「可決」??
     Mr.ワタミ渡辺美樹参院議員や(ツイッターでは、
     ヒゲの隊長ならぬ)ヒゲの組長佐藤正久参院議員が大活躍。
     サモシさを感じるね。国会の外が全く見えていない」」

   『●2014年7月1日「7・1クーデター」の第二幕
       …違憲な手法で壊憲するアベ様ら自公政権の暴走
   『●〝戦争法〟施行、5年も経ってしまった…《有事となれば真っ先に狙わ
      れるのは国境の島であり、米軍、自衛隊基地が集中する沖縄である》
   『●《総理によるテロだ》《あれは安倍政権によるクーデターだった》
     《政治的なクーデターだ》《法学的には『法の破壊』がなされた》

 《法学的には「クーデター」と呼ぶ》…理由は上記ブログをご覧ください。
 同紙のコラムをもう一つ。【<ぎろんの森>「正しいしつこさ」を貫く】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/242880?rct=discussion)によると、《「防衛力強化資金」を新設する特別措置法案が衆院で審議入りしました。国内総生産(GDP)比1%程度で推移してきた防衛予算を、関連予算を含めて2%程度に倍増させるための法案です。東京新聞は七日の社説「軍拡財源法案 専守堅持という詭弁(きべん)」で「倍増する軍拡予算は、長射程の巡航ミサイルなど他国を直接攻撃できる『敵基地攻撃能力反撃能力)』の整備などに充てられる。岸田文雄首相は『非核三原則や専守防衛の堅持、平和主義としての歩みを変えるものではない』と説明するが、詭弁ではないのか」と指摘しました。岸田政権が昨年十二月、国家安全保障戦略を改定して盛り込んだ「軍拡路線」を推し進め、憲法九条に基づく専守防衛を形骸化させる法案で、その起点は安倍晋三政権が二〇一五年に成立を強行した安保関連法にあります。本紙は同法施行から七年に当たる三月二十九日にも長文社説「『茶色の朝』迎えぬために」で、安保法の危うい兆候を見逃してはならない、と指摘し、先週の本欄では同法の成立日と施行日にちなむ長文社説を毎年書き続けていることをお伝えしました。安保法を巡る一連の社説に対し、読者から「東京新聞らしい正しいしつこさ」との感想をいただきました》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/241441?rct=discussion

<ぎろんの森>安保法の違憲性問い続ける
2023年4月1日 07時20分

 三月二十九日は二〇一六年に安全保障関連法が施行された日でした。あれから七年。東京新聞は今年も、同法の違憲性を問い掛ける社説を掲載しました。

 安保法歴代内閣が憲法違反としてきた「集団的自衛権の行使」を容認するなど、戦後日本の安保政策を抜本的に転換するもので、安倍晋三政権が成立を強行しました。

 その後も憲法九条に基づく専守防衛を形骸化する動きは止まらず、岸田文雄政権は昨年十二月の国家安全保障戦略改定で、射程の長いミサイルなど他国を直接攻撃できる敵基地攻撃能力反撃能力)の保有を認めるに至ります。

 今年の社説「『茶色の朝』迎えぬために」では、フランスの作家による寓話(ぐうわ)「茶色の朝」(邦訳は大月書店刊)を題材に「危うい兆候があるにもかかわらず、不自由を感じないという『事なかれ主義』で思考停止に陥り、声を上げずにいると自由な言論は封殺され、全体主義の台頭を許すに至る」と指摘しました。

 当初は反対が多かった安保法ですが、国民の多数派は時がたつにつれてその存在に慣れ、気にも留めなくなった現状を憂う内容です。

 読者からは「安保法が暴走して日本が戦争に向かわぬよう、国民はしっかりと政治の行方を見つめる必要がある」「安保法施行後、日本人は一つの方向に向かい、反対する者は攻撃されるように変わってきた」などの意見が寄せられました。読者の皆さんと問題意識を共有できたことをうれしく思います。

 本紙は毎年、安保法が成立した九月十九日と施行された三月二十九日にちなみ、その危うさを訴える長文の社説を書き続けてきました。安保法の違憲性を問い続ける決意の表れにほかなりません。

 施行七年に合わせて安保法に関する社説を掲載した在京紙はほかにありませんので、本紙の特長と受け取っていただければ幸いです。

 安保法の成立強行は安保政策にとどまらず、原発回帰政権に批判的な学者を日本学術会議から排除するなど、その後の日本政治の在り方にも影を落としています

 自由のない茶色の朝」を迎えぬよう、政権の危険な兆候を見逃さず、声を上げる。読者とともに考え、共感を得られる社説を書き続けたいと考えています。 (と)
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●《カタストロフィーが来ないよう「おかしいことはおかしい」》と《国民とメディアに制限をかけるというフリーハンドの権限を得た》アベ様に

2020年04月02日 00時00分28秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]



 レイバーネットの記事【底割れ安倍政権に立ち向かう言葉を探せ/高村薫さん、青木理さん】(http://www.labornetjp.org/news/2020/0317hayasi)。

 《「モリカケサクラ政治の〝底割れ〟と社会の〝劣化〟」。森友学園加計学園桜を見る会と、安倍晋三首相が深く関与しているとしか思えない疑獄がもたらす政治腐敗は底が抜けている。…作家の高村薫さん、ジャーナリストの青木理さんの話に聴き入った。森友学園問題を考える会主催》。

 日刊ゲンダイのコラム【古賀茂明 あれから5年 今こそ I am not ABE/安倍政権に分断されマスコミが自壊…そして深刻な副作用】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/270931)によると、《3月18日、森友学園事件で、公文書改ざんを強要され、後に自死した近畿財務局元職員の遺書と手記が公表され、改ざんの真相が詳細に明らかになった。安倍政権を揺るがす事態だ。しかし、多くの新聞・テレビの扱いは抑制的で、その後1週間でコロナ騒ぎの陰に埋もれつつある。…その裏にあるのが、強圧的かつ狡猾な安倍政権のマスコミ支配術だ。安倍総理は、各社トップと頻繁に会食する。俺は、おまえたちをしっかり監視してるぞトップに警告し、「トップは抑えたぞと現場の記者たちに伝えるためだ。だから会合を隠すことはない。現場の記者は、官邸から注文を付けられると、戦っても無駄と考え政権のポチになる》。

   『●デンデン王国「裸の王様」の御妃は「私人」?  
      …「少なくとも、森友学園との関係で「私人」は通用しない」
   『●《改ざんを命じられたときも相当抵抗…。やっているのは犯罪。
               自分の信念や理に反して悔しかっただろう》
   『●《近畿財務局元職員の妻が…佐川宣寿氏と国を相手に…大阪地裁に提訴》
        …《前代未聞の改ざんなのに、最高責任者の麻生太郎財務相》は?
   『●近畿財務局元職員のご遺族が提訴…《刑事罰どころか出世していた
     財務省の“改ざん指示”幹部官僚たち》や行政府の長、財務相の冷酷非道
   『●パワハラにより森友公文書改ざんという犯罪を強要…真の犯罪者
     《なんとも無責任な態度》な行政府の長や財務相、財務省幹部官僚達
   『●森友公文書改ざんという犯罪を強要…泥棒(アベ様や財務相)が縄を
      綯う(まともな再調査する)訳がない…第三者性のある新たな調査を
   『●アベ様や財務相はトップに居座り続け、財務省幹部官僚達は栄転
     …《内輪のあやふやな再調査ではなく、第三者性のある新たな調査》が必要
   『●私人の「桜を見る会」、《政府の自粛呼びかけの最中であること》だけ
      《が原因ではない》…森友問題、アベ昭恵様が〝タマ〟を込めた結果…
   『●《昭恵夫人が発案し立ち上げた事業の資金提供者》であるが故に
     《「桜を見る会」に招待されていたマルチ企業》48ホールディングス社長

 《強圧的かつ狡猾な安倍政権のマスコミ支配術》=アベ様の政で〝唯一上手くいった〟《メディアコントロール》。そして、いまや、〝戒厳令緊急事態宣言という凶器、《国民とメディアに制限をかけるというフリーハンドの権限を得た》アベ様。COVID19のドサクサに紛れて、壊憲を口にするアベ様。「国民主権の縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限」、さらに、「緊急事態条項」の導入をもくろむアベ様…恐怖でしかない。

   『●「森羅万象すべて担当」「私が国家」なアベ様が全能感に自己陶酔
      したいがための〝戒厳令〟緊急事態宣言という凶器を渡していいの?

 (古賀茂明氏)《日本の官僚機構、そして国民の倫理観まで崩壊させる安倍政権のマスコミ支配術は恐ろしい》。でも、時間無制限・更問い可で総理会見は開かれるべきだ。記者の質問が尽きるまで、質疑をやってもらいましょう。ママに叱られる門限か何かがあるのか知らないが、《帰宅》しか《予定》がないんでしょ、アベ様には。第一、土曜日に開催する〝重要〟な総理会見の後に、《予定》なんて入れないでよ

 《カタストロフィーが来ないようおかしいことはおかしい」》と《国民とメディアに制限をかけるというフリーハンドの権限を得た》アベ様に、いまこそ、はっきりと言わねば。《口調の強さで国語力の乏しさを覆い隠す安倍首相とは異なり、時に言いよどみながら言葉を選び抜くしんどい作業を逃げずに続ける表現者の姿勢》が必要。

   『●新聞労連・南彰中央執行委員長による声明【オープンな
     首相記者会見を求める】…「質問をする機会はすべての取材者に…」
   『●《賢くもなく笑えない嘘つきが今、日本の総理大臣…大嘘こいたのだ。
         耳を疑った…世界中に向けて堂々と、とうとうと嘘をついている!》
   『●緊急事態条項? ご冗談を。こんないい加減なことしかできない
        独裁政権にさらに凶暴な武器を与えるなんて危険極まりない

    「「北海道の鈴木直道知事が非常事態宣言を…」…アベ様ら無為無策
     無能な政権は壊憲して、
     「国民主権の縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限」、さらに、
     「緊急事態条項」の導入を…という内心がミエミエでウンザリします」

   『●①内閣記者会が支える《台本劇》《台本営発表》、そして、愚者に
       さらなる凶器《緊急事態宣言》《緊急事態条項》を与える愚かさ
    「内閣記者会官邸記者クラブ)が支える《台本劇》《台本営発表》に
     よって、独裁者に愚かな凶器《緊急事態宣言》《緊急事態条項》を
     与えるなどもっての外だ」
    「愚者で、かつ、独裁者に凶器を与えてはいけない」
    「戒厳令。独裁者気取りで、自身に酔いしれてアベ様が御命じになる…」

   『●《使い方誤れば「猛毒」》…アベ様が「猛毒」「凶器」を「正しく使う」
                   はずがないでしょ! 《戒厳令のような事態》に…
    「アベ様のNHKをはじめ、《メディアコントロール》なニッポンで、
     《報道統制がおこなえるようになる》ことでアベ様の好き勝手な報道
     ばかりが…恐怖でしかない。《戦時下に言論や報道を統制して
     大本営発表を垂れ流したのと同じように、政権批判はバラエティ番組で
     あっても許さない》…『1984』。《国民とメディアに制限をかける
     というフリーハンドの権限を得た安倍首相》、得意満面でしょうね」

   『●➀《吉田調書…取り消しという虚報扱い…メディアとジャーナリズムの
     将来に禍根》(青木理さん)…アベ様による「報道統制」が可能になった今
   『●記者会が仕切り役を取り戻し、《総理会見では更問い(追加質問)が
       できないので、結局、総理の言いっ放しになってしまう》ことの改善を
    「阿部岳さんらが《「おかしいでしょう!」「これが記者会見と
     呼べますか」などと怒号が飛ぶ事態》《「まだあります!」》
     …とてもよかった。改善の一歩。でも、アベ様が、緊急事態宣言という
     凶器を振り回し、報道統制でもされたら…もっと問うてほしかった。
     アベ様の回答に、さらに問う機会が欲しい。《重ねて聞く
     「更問(さらと)」もなく、丁々発止とほど遠い》《総理会見では
     更問い(追加質問)ができないので、結局、総理の言いっ放しになって
     しまう》。こんな当たり前のこともできない、アベ様や最低の官房長官の
     会見って、いったい何? 《だからこそいま必要なのは、今回、
     記者たちが会見延長に追い込んだように、この対応が他国と比べて
     いかに酷いものなのか、国民を馬鹿にしきった態度なのだということを、
     メディアが伝えて正させることなのだ》」

   『●アベ様の緊急事態宣言で私権が制限され、報道は統制される…
     《ヒトラーのナチス・ドイツ…ワイマール憲法48条の緊急措置を利用した》
    「アベ様による《メディアコントロール》に加えて、報道統制という悪夢。
     《国民とメディアに制限をかけるというフリーハンドの権限を得た
     アベ様。緊急事態宣言により、《報道統制がおこなえるようになる
     ことで、アベ様の好き勝手な報道ばかりが…「茶色の朝」になる訳だ。
     恐怖でしかない」

   『●《〈「大幅に時間を超えて対応」した構図を演出…〉…14日の会見も
        批判のガス抜きのため官邸がより巧妙にコントロールしていた》
   『●政治判断の《根拠》は? 《国家のリーダーとして、権力を預かる
      者はその責任と、権力行使の影響を、十分に自覚しなければならない》

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http://www.labornetjp.org/news/2020/0317hayasi

底割れ安倍政権に立ち向かう言葉を探せ/高村薫さん、青木理さん

底割れ安倍政権に立ち向かう言葉を探せ~高村薫さん、青木理さん
林田英明

 すべてを言い表している集会タイトルである。「モリカケサクラ政治の〝底割れ〟と社会の〝劣化〟」。森友学園加計学園桜を見る会と、安倍晋三首相が深く関与しているとしか思えない疑獄がもたらす政治腐敗は底が抜けている。2月22日、大阪府豊中市立芸術センター中ホールには定員500人を超える参加者であふれ、作家の高村薫さん、ジャーナリストの青木理さんの話に聴き入った。森友学園問題を考える会主催。


●「声が届かなくなった」慨嘆

 司会は「新聞うずみ火」の矢野宏さん。いつもの軽妙な語りで2人から日本社会の矛盾点を次々と引き出していく。

 高村さんの第一声は「声が届かなくなった」との慨嘆である。以前は漠然とながら自分は平均的な思考の持ち主だと思っていたのに、気がつくと少数派になっていたという驚きだ。21世紀に入っての小泉政権から、その思いは強くなっている。安倍政権に至って、それは決定的なのだろう、こう表現する。「私自身の言葉が宙に浮く着地する場所がない」。以前なら社会の反応が強く得られたが、今や「モリカケ」問題にしても世の中の半数はそれがどうしたと空転する。この現実を冷静に眺める必要を高村さんは痛感する。非難や攻撃に終わるだけでは解決しない。価値観の違いを腹に収め、無視するのではなく受け止めたうえで疑問を発し続ける意義をとつとつと説く。

 青木さんは、大勢の前で話すのは苦手と言いながら言葉は流れるように止まらない。いびつなナショナリズムが強まったのが森友問題と捉え、安倍政権の本質であるネポティズム縁故主義)をヤリ玉に挙げた。2000年代の日朝首脳会談時には韓国にいた青木さんは、拉致被害者の一部が帰国した事実を「日本外交の一つの大きな成果」と評価する。ところが「被害者全員が帰らなければダメだ」といきり立つ世論を背景に、対話路線が国賊扱いされ圧力一辺倒になっていく過程で一気に階段を駆け上がっていったのが安倍首相だと青木さんは見る。ところがどうだ。第2次以降の安倍政権7年間で動きは1ミリでもあったか。逆に青木さんが懸念するのは、戦後それまであった日本人のアジアに対する贖罪意識拉致問題発覚で被害者逆転し、鬱屈した差別主義自国礼賛主義が噴き出した点である。それは北朝鮮にとどまらず嫌韓嫌中へと一気に加速し、青木さんは怖さを覚える。キャスターとして冷静に韓国を語ろうとしても「韓国擁護が許せない」と過熱する視聴者も少なくなく青木さんは今やネット社会では反日極左に分類されていると苦笑した。「ネトウヨの連中」と口を滑らせると抗議が来るので局から「ネトウヨの皆さん」と言うように求められているといって会場の爆笑を呼んだが、単純に笑うわけにはいかない気もした。


●「法治」の崩壊は独裁へ向かう

 集会の3日前に森友学園を巡る補助金詐欺事件の判決が大阪地裁であり、前学園理事長の籠池泰典被告と妻諄子被告に有罪判決が下された。だが、事の本質小学校建設を巡る不透明な国有地取引それは何ら解明されていない。小学校の名誉校長に一時就いていた安倍首相の妻昭恵氏の関与はどうだったのか。「気持ち悪さだけ残った」と高村さんは言う。

 森友問題を取材していない青木さんは印象論として断りつつ、国有地売却に関連して学園との取引に関する交渉記録が廃棄されたり決裁文書が改ざんされたりした実態を「政治主導で根腐れ」と表現した。黒川弘務・東京高検検事長の〝定年延長〟を1月31日に閣議決定し、つじつまが合わなくなる法解釈を変える露骨なトップ人事介入も含め「法治」の崩壊を青木さんは強く警告する。そして、官僚機構が修復不可能になって後悔する日がくるだろうと予見する。

 高村さんも呼応した。「新聞を読んで目が点になった」と黒川氏の人事にあきれつつも、常識と非常識が逆転した世の中今は阻止する力がなく絶望的な状況の中に私たちは立っている」と率直に語った。

 青木さんは同意を示したうえで、検察イコール正義という図式にも疑問を呈する。カジノを含む統合型リゾート(IR)事業をめぐる汚職事件秋元司衆院議員は昨年末逮捕されたが、建設会社からの金銭授受疑惑甘利明衆院議員は経済再生担当相を辞任するだけで4年前に逃げ切っている。それ以上の言及はなかったが、青木さんには恣意的な判断を感じるのだろう。人間というものは不完全な生き物ゆえ、権力という悪を互いに牽制し合う三権分立の意義を再確認するのも危機感の裏返しである。このまま行政府の長立法も司法も完全に手に入れれば独裁だ。


●「警察は権力好きの奇妙な組織」

 矢部さんが警察人事についても話題に上せた。中村格(いたる)氏である。山口敬之氏の伊藤詩織さんに対する準強姦容疑の逮捕状を握りつぶしたとされる当時の警視庁刑事部長。1月の人事で警察庁次長に昇進、トップの警察庁長官も目前である。菅義偉官房長官の秘書官も経験している人物だ。山口氏は元TBSの報道記者で『総理』といった著書もある安倍首相に極めて近いジャーナリストである。どうせ読むなら一部始終をつづった伊藤さんの『ブラックボックス』のほうが山口、中村両氏を知るうえで非常に興味深く、真実に近いように私は思う。

 高村さんは一度だけ警察庁に入ったことがある。当時の刑事局長に会って「権力大好きの、とても奇妙な組織」だと悟った。上意下達だから、自分の頭で考え、判断しないように感じたのだろうか、エリート意識が透けて見え安倍政権に重用されることを喜んでいるように映った。だから「与えられる権力を使うことに特化している彼らに正義を期待するのは無理」と言い切る。現場で汗をかく市民警察官と、警察幹部は乖離した存在なのかもしれないと、高村さんの感想を聞いて思った。

 青木さんは1990年代に警察を取材しているが、『日本の公安警察』などの著書もあるように内部を暴いたために〝追放されたと軽く笑う。同じジャーナリストを名乗っていても山口氏とは全く違う道を歩んでいる。警察は機動隊も有する30万人近い組織であり、逮捕もできる「暴力装置」の側面を青木さんは押さえつつ、それよりも怖いのは全国津々浦々張り巡らされた情報網だと言う。だからこそ、そこに政治が手を突っ込むのは危険だと繰り返すのだった。


●「おかしいことはおかしい」と

 メディアの状況はどうなのだろう。高村さんは、政権の応援団と、それに反対するメディアの両翼とも言葉が社会に届いていないと見る。新聞も読まず、人の話も聞かない、国会にも無関心な層は言葉を聞き流す。だが、日本がこのまま安泰であるはずはなく、想起される経済破綻が訪れれば「いやが応でも納得する言葉を探しに行く。そこまで行かないと言葉を取り戻せない」と先を見つめる。絶望の果てに光を求めようとしているのだろうか。

 青木さんは、メディア批判をすれば自分に降りかかることを理解したうえで、それでも「大事にしているのは国益です」と言い切るメディアの人間にはあきれ果てる。社会益や公益なら理解できるが、国益を持ち出せばメディアは死ぬと考える。「調査・情報収集」目的で海上自衛隊の護衛艦が2月に中東に派遣された際、PKO(国連平和維持活動)を初めて派遣するに当たっての大議論など全くの昔話で〝スムーズに進んだ。青木さんは「半ばイヤミ、半ば本気」と言いながら安倍首相の続投を願う。アベノミクス少子化男女不平等など数々の失敗の責任を取らないまま退場する理不尽に怒りが収まらないようだ。「半分ぐらいケツを拭いてから消えてくれ」と少々下品な表現を用いた。

 2人は「カタストロフィー大惨事)」を危惧している。到来すれば社会的に弱い層へシワ寄せが行くことが目に見えている。いま生きている世代は戦争や大震災を体験しているだけに切実だ。『サンデー毎日』でそれぞれ連載を持つ2人の時評は、この日の話同様、時にニヒリズムに襲われながら、しかしカタストロフィーが来ないようおかしいことはおかしいと述べる点で一貫している。口調の強さで国語力の乏しさを覆い隠す安倍首相とは異なり、時に言いよどみながら言葉を選び抜くしんどい作業を逃げずに続ける表現者の姿勢は、聞く者に勇気を与えてくれる。

Last modified on 2020-03-17 20:07:23
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●➀《吉田調書…取り消しという虚報扱い…メディアとジャーナリズムの将来に禍根》(青木理さん)…アベ様による「報道統制」が可能になった今

2020年03月20日 00時00分58秒 | Weblog


その②へ]

リテラの二つの記事【ワセダクロニクル「吉田調書報道の真実」前編 「吉田調書」を報じた朝日新聞特報部元記者らが改めて検証! 誤報ではない「吉田調書報道」をなぜ朝日新聞は自ら葬り去ったのか】(https://lite-ra.com/2020/03/post-5304.html)と、
【ワセダクロニクル「吉田調書報道の真実」後編 封印された朝日吉田調書報道の“続報”とは……検証を続け、新事実を明かした元特報部記者たちに朝日新聞が圧力、記事の削除要求】(https://lite-ra.com/2020/03/post-5305.html)。

 《吉田所長の待機命令にもかかわらず、福島第一原発所員の約9割が第二原発に撤退してしまったことを報じたものだ。だが、この吉田調書報道は、“第一原発の所員を誹謗・中傷した誤報”として批判を浴び(ちなみに批判の火付け役は映画『Fukushima50』の原作者・門田隆将である)、従軍慰安婦報道とともに朝日新聞バッシングの餌食となった。その結果、朝日は記事を取り消して謝罪》。
 《だとしたら、幹部たちはなぜ、吉田調書報道だけを矢面に立たせ、記事を取り消したのか──。後編ではその不可解な意思決定の裏側と封じ込められた続報、そして、騒動から5年経った昨年末、朝日新聞が吉田調書問題を検証している元記者たちの所属する「ワセダクロニクルに、圧力をかけていた事実をレポートする》。

   『●死者を鞭打つ ~東京電力原発人災原因解明の
          キーパーソン、そして、事故を防げたかもしれない人~

   『●「一体誰が朝日の記者に吉田調書を流したのか」……
                    犯人捜しなどやってる暇があるのか?

   『●『朝日』潰しに夢中: 原発再稼働や輸出を進めるアベ様には
                  「制御を失った原発の実相」が見えていない
   『●「吉田調書と原発」 『週刊金曜日』
       (2014年10月10日、1011号)についてのつぶやき

   『●「薄っぺらで反知性的なタカ派が増殖している」
                      ……アベ様達からして?

     《青木理氏「吉田調書問題は戦後ジャーナリズム史に残る敗北」
       去年のメディア報道の中で、朝日の吉田調書すっぱ抜きは
      間違いなく最大の特ダネ
でしょう。……政府が隠す調書を
      公にしたこと自体、ピカイチのスクープだった。
      なのに朝日はその記事を取り消してしまった。
      修正や訂正なら分かるけれど、取り消しという虚報扱い
      してしまったのは、
      メディアとジャーナリズムの将来に禍根を残します
       5月20日に朝日がスクープして約3カ月、どこも調書を
      入手できなかったのに、朝日バッシングが始まった8月に
      産経が入手し、読売などが続いた。官邸のリークでしょう。
      しかも産経や読売は、調書の本質ではなく、朝日記事が
      間違っているという部分に焦点を当てた。
      政権にとっては一石三鳥でしょう。原発事故の凄惨な本質は
      さほど語られず、調書を非公開としてきたことも批判されず、
      憎き朝日叩きの材料に矮小化できたんですから。
      メディアは権力に踊らされた。
      戦後ジャーナリズム史に残る大敗北です》

   『●吉田調書問題:「戦後ジャーナリズム史に残る敗北」
      「戦後民主主義を全否定する安倍政権による言論弾圧」

    「「鎌田慧氏は、「戦後民主主義を全否定する」安倍政権による
     「言論弾圧」だと断言する」。そして、以前引用したが、
     青木理さんも「吉田調書問題は戦後ジャーナリズム史に残る敗北」と。
     アベ様らの策略に便乗する情けないジャーナリストたち、マスコミの
     あまりの酷さ。もちろん、アベ様らの小狡さは最悪」

   『●『権力と新聞の大問題』(望月衣塑子×マーティン・ファクラー著)
               読了…《政権をチェックしようという意識が…》
    《同じようにネット・メディアの非営利団体が日本でも注目されつつある
     ことを、望月記者は紹介する。早稲田大学ジャーナリズム研究所の
     プロジェクトとして発足した「ワセダクロニクル」という調査報道
     メディアである(現在はNGO)。創刊号の「買われた記事~電通グループ
     からの『成功報酬』」という記事で、いきなり注目を集めたという。
     共同通信が配信した医薬品の記事に対して、電通グループから報酬が
     払われたという特ダネである》

   『●《日本のメディアの閉塞状況》《閉塞するメディア、政権批判に
                   対して圧力がかかる不健全な言論状況》…
    「リテラの二つの記事【横田一「ニッポン抑圧と腐敗の現場」57/
     政権の圧力を押し返した韓国のテレビ記者と、吉田調書報道を「誤報」
     にされた元朝日新聞記者が語った“日韓ジャーナリズムの差”】…
     《ドキュメンタリー映画『共犯者たち』(2017年製作)が上映され、
     「日本の『共犯者たち』は誰だ? 権力と『マスコミ』」と題された
     シンポジウムが開かれた…一方、日本のメディアの閉塞状況を語った
     のは、福島第一原発の吉田昌郎所長(当時)の調書報道を手がけた
     元朝日新聞記者の木村英昭氏、渡辺周氏の2人だった。ちなみに、
     渡辺氏はこの上映会・シンポジウムを主催したジャーナリズムNGO
     「ワセダクロニクル」の編集長でもある》」

 《日本の『共犯者たち』は誰だ?》 アベ様の広報紙・誌や取り巻き連中がまっとうな報道を攻撃。アベ様の政で唯一〝上手くいっている〟《メディアコントロール》の下、これで、緊急事態宣言でも出された日には、報道統制によって…怖すぎる。記事末尾、福島の被災者の言葉《第二次大戦の時は、良心的な人が牢屋に入り、新聞は戦争を煽った。同じ失敗を繰り返すのか。》

   『●《賢くもなく笑えない嘘つきが今、日本の総理大臣…大嘘こいたのだ。
         耳を疑った…世界中に向けて堂々と、とうとうと嘘をついている!》
   『●緊急事態条項? ご冗談を。こんないい加減なことしかできない
        独裁政権にさらに凶暴な武器を与えるなんて危険極まりない

    「「北海道の鈴木直道知事が非常事態宣言を…」…アベ様ら無為無策
     無能な政権は壊憲して、
     「国民主権の縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限」、さらに、
     「緊急事態条項」の導入を…という内心がミエミエでウンザリします」

   『●①内閣記者会が支える《台本劇》《台本営発表》、そして、愚者に
       さらなる凶器《緊急事態宣言》《緊急事態条項》を与える愚かさ
    「内閣記者会官邸記者クラブ)が支える《台本劇》《台本営発表》に
     よって、独裁者に愚かな凶器《緊急事態宣言》《緊急事態条項》を
     与えるなどもっての外だ」
    「愚者で、かつ、独裁者に凶器を与えてはいけない」
    「戒厳令。独裁者気取りで、自身に酔いしれてアベ様が御命じになる…」

   『●「森羅万象すべて担当」「私が国家」なアベ様が全能感に自己陶酔
      したいがための〝戒厳令〟緊急事態宣言という凶器を渡していいの?
   『●《使い方誤れば「猛毒」》…アベ様が「猛毒」「凶器」を「正しく使う」
                   はずがないでしょ! 《戒厳令のような事態》に…
    「アベ様のNHKをはじめ、《メディアコントロール》なニッポンで、
     《報道統制がおこなえるようになる》ことでアベ様の好き勝手な報道
     ばかりが…恐怖でしかない。《戦時下に言論や報道を統制して
     大本営発表を垂れ流したのと同じように、政権批判はバラエティ番組で
     あっても許さない》…『1984』。《国民とメディアに制限をかける
     というフリーハンドの権限を得た安倍首相》、得意満面でしょうね」

   『●記者会が仕切り役を取り戻し、《総理会見では更問い(追加質問)が
     できないので、結局、総理の言いっ放しになってしまう》ことの改善を
   『●アベ様の緊急事態宣言で私権が制限され、報道は統制される…
     《ヒトラーのナチス・ドイツ…ワイマール憲法48条の緊急措置を利用した》
    「アベ様による《メディアコントロール》に加えて、報道統制という悪夢。
     《国民とメディアに制限をかけるというフリーハンドの権限を得た
     アベ様。緊急事態宣言により、《報道統制がおこなえるようになる
     ことで、アベ様の好き勝手な報道ばかりが…「茶色の朝」になる訳だ。
     恐怖でしかない」

 テレ朝も優れたスタッフを雇い止め・大量解雇し、報道者を切り捨て、さらに、(北海道新聞から引き抜いた)朝日新聞も青木美希記者を現場から外す…。自分で、自分の首を絞める《メディアコントロール》。

   『●東京電力の「無主物」は50キロ付近の「地元」をも汚染
   『●《フィンランド…親の経済力にかかわらずすべての子どもたちが
              大学まで行ける…。老後も…》(鈴木穣記者)

 酷い話です…。ワセクロへ、是非…。
 日刊ゲンダイの記事【3.11から9年 朝日新聞“原発記者”が現場を外される異例人事】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/270283)によると、《政府主催の追悼式が中止されるなど風化が懸念されているが、そんな中、朝日新聞で前代未聞の人事異動が内示され、社内に衝撃が走っている。…原発報道に取り組み、新聞協会賞を2度も受賞(取材班)した社会部の女性記者Aさん(46)が現場から外され、広報部門の「記事審査室」への異動を命じられたというのだ。…「…原発問題を取材しすぎると、こうなるぞ』という見せしめ人事”じゃないかと疑われています」」》。
 レイバーネットの記事【原発問題を追いかける「朝日新聞」青木美希記者を現場から外さないで下さい】(http://www.labornetjp.org/news/2020/0308aoki)によると、《原発問題や社会的弱者を丁寧に取材されてきた朝日新聞の青木美希記者が、4月から現場を外され、一行も新聞に書けない部署への人事異動があったと聞き…。現場を一番大切にしてきた方が取材出来ない、被害者が取材してもらえない、事実が伝わらない歯がゆさを思うといたたまれません。…国家権力が揉み消そうとしている不都合な事実を「なかったことにはさせない」と抗い、被害者・弱者に寄り添い、いつも真に迫る記事を書き続けてくれている稀有な存在。特に原発問題をとことん追いかける記者は本当に貴重な存在だし、被害者の希望の光です。3.11から10年目を迎えオリンピックやコロナウイルス騒ぎで追悼式さえ中止になり、ますます被害が矮小化され、無かったことにされようとしています。忖度しまくるマスコミ業界の中で、美希ちゃんのような記者が絶対に必要なんです》。

 ツイッターから。

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https://twitter.com/aokiaoki1111/status/1238984690154893312

青木美希@aokiaoki1111
異動のお問い合わせが続いています。励ましのお言葉が多く寄せられ、大変有り難いです。突然、4月から記事審査室だと言われました。広報部門となり、朝日新聞記事は書けません。ただひたすら、政府が原発事故で何を隠しているのか、なぜ被害者を切り捨てるのかを追及してきたのに、と戸惑っています。
午前9:25 2020年3月15日
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https://lite-ra.com/2020/03/post-5304.html

ワセダクロニクル「吉田調書報道の真実」前編
「吉田調書」を報じた朝日新聞特報部元記者らが改めて検証! 誤報ではない「吉田調書報道」をなぜ朝日新聞は自ら葬り去ったのか
2020.03.11 07:22

     (朝日新聞デジタル「特集・連載:吉田調書」より)

 東日本大震災から9年、あれだけの被害を引き起こしたにもかかわらず、メディアには福島第一原発事故の真相を究明しようという動きはほとんど見られなくなった。そしてかわりに、『Fukushima50』のような安直な英雄譚映画が上映され、福島原発事故はただの原発所員が日本を救った感動物語にすりかえられようとしている。

 そんななか、リテラでは今回、朝日新聞の「吉田調書報道」の問題を取り上げることとした。吉田調書報道とは、福島第一原発の吉田昌郎所長(当時)の政府事故調査委員会による聴取録を朝日新聞がスクープ。その第1回目で、吉田所長の待機命令にもかかわらず福島第一原発所員の約9割が第二原発に撤退してしまったことを報じたものだ。

 だが、この吉田調書報道は、“第一原発の所員を誹謗・中傷した誤報”として批判を浴び(ちなみに批判の火付け役は映画『Fukushima50』の原作者・門田隆将である)、従軍慰安婦報道とともに朝日新聞バッシングの餌食となった。その結果、朝日は記事を取り消して謝罪。この記事を担当したのは、朝日新聞が本格的な調査報道に取り組むために立ち上げた特報部という部署だったが、その特報部も事実上、解体してしまった。

 しかし、この吉田調書報道は本当に取り消されるような「誤報」だったのか。当時、吉田調書の存在は内密にされており、朝日の報道がなければ調書そのものが表に出ることはなかっただろう。しかも、のちに正式に公表された吉田調書を見ると、朝日の報道とのズレがあるとはまったく思えなかった。にもかかわらず、朝日新聞社上層部はなぜこの重要な報道をなかったことにしてしまったのか

 実は、朝日新聞特報部でこの吉田調書報道を手がけた木村英昭記者は、同じく特報部所属の渡辺周記者とともにこの朝日の記事封殺の姿勢を批判して同社を退社。探査ジャーナリズムNGO「ワセダクロニクル」を立ち上げている。そして、あらためて吉田調書報道とその後の朝日社内の動きを取材。「ワセダクロニクル」のウェブサイト(https://www.wasedachronicle.org)で同サイトの編集長もつとめる渡辺周名で「葬られた原発報道」というレポートを連載している。

 今回はこの渡辺周、木村英昭が所属する「ワセダクロニクル」取材班に改めて、吉田調書報道とその後に何が起きたかについてのレポートを依頼した。それは、放置された原発事故の事実に迫ると同時に、この国のメディアの内実を暴露するものでもある。前後編に分けてお送りするので、ぜひじっくり読んでほしい。
(編集部)

………。
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その②へ]

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●アベ様の緊急事態宣言で私権が制限され、報道は統制される…《ヒトラーのナチス・ドイツ…ワイマール憲法48条の緊急措置を利用した》

2020年03月19日 00時00分34秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]



阿部岳さんによる、沖縄タイムスのコラム【[大弦小弦]これ会見と呼べますか】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/547450)。
琉球新報のコラム【<金口木舌>緊急事態宣言】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1090590.html)。

 《質疑に移って23分後、司会の政府高官が会見を打ち切ろうとした。とっさに「まだ質問があります」と声を張り上げた。同時に、全国メディアやフリーの記者が抗議していた。驚いた。輪の中にいて心強く感じた…(阿部岳)》。
 《国の新法をたたいた新聞「町の日常」が廃刊になった。次の標的は本図書館や本屋から次々に撤去され、情報の入手方法は「茶色新報」「茶色ラジオ」のみ ▼心理学者フランク・パヴロフ著の「茶色の朝」は全体主義に染まる架空の社会を描き、思考を停止するなと警鐘を鳴らす》。

 2020年3月14日(土)18時に開かれた総理会見。《とっさに「まだ質問があります」と声を張り上げた。同時に、全国メディアやフリーの記者が抗議していた》、一歩前進。つぎは、《更問い》を、是非、取り戻しましょう。記者の質問が尽きるまで、質疑をやってもらいましょう。ママに叱られる門限か何かがあるのか知らないが、《帰宅》しか《予定》がないんでしょ、アベ様には。第一、土曜日に開催する〝重要〟な総理会見の後に、《予定》なんて入れないでよ

   『●#COVID19 記者会見モドキから「逃げるは恥だし役立たず」…
           《首相動静 29日…6時、記者会見。7時12分、自宅。》

 アベ様による《メディアコントロール》に加えて、報道統制という悪夢。《国民とメディアに制限をかけるというフリーハンドの権限を得た》アベ様。緊急事態宣言により、《報道統制がおこなえるようになる》ことで、アベ様の好き勝手な報道ばかりが…「茶色の朝」になる訳だ。恐怖でしかない。《戦時下に言論や報道を統制して大本営発表を垂れ流したのと同じように、政権批判はバラエティ番組であっても許さない》…『1984』。《▼法整備が性急に進んだ大戦前夜の時代と重なる。今回の新型肺炎騒動でさいたま市はマスク配布先から朝鮮学校を除外し、横浜中華街の中国人店主らには「日本から出て行け」とヘイトの手紙が届く今朝、果たして世界は何色だろうか》。《ヒトラーナチス・ドイツ。…国内を一党独裁の一色に染めた。その手段の一つとしてワイマール憲法48条の緊急措置を利用した》…アベ様らは壊憲し、「国民主権の縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限」へ、さらに、「緊急事態条項」の導入を望んでいる。このままでいいんですか? 《2013年、麻生太郎財務相が改憲に絡む講演でナチスに触れ「あの手口、学んだらどうかね」と発言》…まさに、その通りになっているんですが…。(ナチス・ドイツや帝国ニッポンの)《結末はご存じの通り》とならないことを祈るばかりだ。

   『●《賢くもなく笑えない嘘つきが今、日本の総理大臣…大嘘こいたのだ。
         耳を疑った…世界中に向けて堂々と、とうとうと嘘をついている!》
   『●緊急事態条項? ご冗談を。こんないい加減なことしかできない
        独裁政権にさらに凶暴な武器を与えるなんて危険極まりない

    「「北海道の鈴木直道知事が非常事態宣言を…」…アベ様ら無為無策
     無能な政権は壊憲して、
     「国民主権の縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限」、さらに、
     「緊急事態条項」の導入を…という内心がミエミエでウンザリします」

   『●①内閣記者会が支える《台本劇》《台本営発表》、そして、愚者に
       さらなる凶器《緊急事態宣言》《緊急事態条項》を与える愚かさ
    「内閣記者会官邸記者クラブ)が支える《台本劇》《台本営発表》
     よって、独裁者に愚かな凶器《緊急事態宣言》《緊急事態条項》を
     与えるなどもっての外だ」
    「愚者で、かつ、独裁者に凶器を与えてはいけない」
    「戒厳令。独裁者気取りで、自身に酔いしれてアベ様が御命じになる…」

   『●「森羅万象すべて担当」「私が国家」なアベ様が全能感に自己陶酔
      したいがための〝戒厳令〟緊急事態宣言という凶器を渡していいの?
   『●《使い方誤れば「猛毒」》…アベ様が「猛毒」「凶器」を「正しく使う」
                  はずがないでしょ! 《戒厳令のような事態》に…
    「アベ様のNHKをはじめ、《メディアコントロール》なニッポンで、
     《報道統制がおこなえるようになる》ことでアベ様の好き勝手な報道
     ばかりが…恐怖でしかない。《戦時下に言論や報道を統制して
     大本営発表を垂れ流したのと同じように、政権批判はバラエティ番組で
     あっても許さない》…「1984」。《国民とメディアに制限をかける
     というフリーハンドの権限を得た安倍首相》、得意満面でしょうね」

   『●記者会が仕切り役を取り戻し、《総理会見では更問い(追加質問)が
       できないので、結局、総理の言いっ放しになってしまう》ことの改善を
    「阿部岳さんらが《「おかしいでしょう!」「これが記者会見と
     呼べますか」などと怒号が飛ぶ事態》《「まだあります!」》
     …とてもよかった。改善の一歩。でも、アベ様が、緊急事態宣言という
     凶器を振り回し、報道統制でもされたら…もっと問うてほしかった。
     アベ様の回答に、さらに問う機会が欲しい。《重ねて聞く
     「更問(さらと)」もなく、丁々発止とほど遠い》《総理会見では
     更問い(追加質問)ができないので、結局、総理の言いっ放しになって
     しまう》。こんな当たり前のこともできない、アベ様や最低の官房長官の
     会見って、いったい何? 《だからこそいま必要なのは、今回、
     記者たちが会見延長に追い込んだように、この対応が他国と比べて
     いかに酷いものなのか、国民を馬鹿にしきった態度なのだということを、
     メディアが伝えて正させることなのだ》」

=====================================================
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/547450

[大弦小弦]これ会見と呼べますか
2020年3月16日 07:30

 目が合っているようで、微妙に合っていない。安倍晋三首相と私の視線は直線上で何度も交わるが、間に透明なガラス板状の機器がある。そこに表示される冒頭発言の原稿を、首相は21分間ひたすら見つめ、読み上げた▼14日の記者会見に参加した。質疑に移って23分後、司会の政府高官が会見を打ち切ろうとした。とっさに「まだ質問があります」と声を張り上げた。同時に、全国メディアやフリーの記者が抗議していた。驚いた。輪の中にいて心強く感じた▼「総理、これ会見と呼べますか」。続けた一言が、怒号の隙間を縫って首相に届いた。今度は目が合った。すかさず司会が引き取り、別の記者を指名して会見は結局52分続いた。異例の事態になった▼前回2月末の会見は36分で打ち切られ、質疑も事前に仕込まれていた。「台本営発表」「劇団記者クラブ」。官邸と官邸記者クラブの「共犯関係」は市民に厳しく批判された。両者宛てのネット署名は1週間で3万筆に達した▼クラブ側は今回、時間の確保を求めた。官邸に聞かれても質問内容を教えず、それを記事で説明する社も出た。確かに変化が生まれている▼地方紙記者にとって首相会見はハードルが高い。でも、なりふり構ってはいられない今ここで市民の疑問に応えなければ、全国も地方もなく、全てのメディアが沈む。(阿部岳
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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1090590.html

<金口木舌>緊急事態宣言
2020年3月16日 06:00
新型コロナウイルス 憲法 金口木舌

 国の新法をたたいた新聞「町の日常」が廃刊になった。次の標的は本図書館や本屋から次々に撤去され、情報の入手方法は「茶色新報」「茶色ラジオ」のみ

▼心理学者フランク・パヴロフ著の「茶色の朝」は全体主義に染まる架空の社会を描き、思考を停止するなと警鐘を鳴らす。フランスで発行され、2003年に日本語版も出された

▼現実の話はヒトラーナチス・ドイツ優生思想を掲げ、ユダヤ人や障がい者を迫害・大虐殺し、国内を一党独裁の一色に染めた。その手段の一つとしてワイマール憲法48条の緊急措置を利用した

▼1919年施行のワイマール憲法は大統領と国会議員を選挙で選ぶ二元代表制。当時最も民主的な憲法とされた一方、大統領の緊急措置権を定め、公共の安全のため非常時に私権を制約できた。結末はご存じの通り

▼インフルエンザ等対策特別措置法が改正され、国民の私権制限につながる緊急事態宣言が可能となった。2013年、麻生太郎財務相が改憲に絡む講演でナチスに触れ「あの手口、学んだらどうかね」と発言したことを忘れてはいけない

▼法整備が性急に進んだ大戦前夜の時代と重なる。今回の新型肺炎騒動でさいたま市はマスク配布先から朝鮮学校を除外し、横浜中華街の中国人店主らには「日本から出て行けとヘイトの手紙が届く今朝、果たして世界は何色だろうか
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●「カラスはやっぱり「黒い」」と報じることさえ出来なくしろ!、と叫ぶ作家とそれに喝采する自民党議員

2015年07月01日 00時00分59秒 | Weblog


東京電力のコラム 【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2015062702000165.html)。

 「ある国で、新しい法律がつくられた。「ペット特別措置法」である。茶色以外の犬や猫は飼ってはならぬ。黒い犬も白い猫も「処分」せねばならぬという法律だ」。

 「黒い」カラスは殺処分。「カラスはやっぱり「黒い」」と報じることさえ出来なくしろ!、と叫ぶ作家センセとそれに喝采を叫ぶ若手自民党議員。異常だ。こんな事態を許容できるニッポンで良いのか? 

   『●カラスはやっぱり「黒い」: 「アベ様のNHK」的
        「政府が白というものを黒とは言えない」で良いのか?

   『●アベ様は「報道がそれで抑圧される、
      そんな例があったら私は辞める」と明言・・・ETV番組改編問題は?

   『●有言不実行: アベ様は「報道がそれで抑圧される、
              そんな例があったら私は辞める」と明言

   『●テレ朝問題: 「これは圧力です」なんて答える訳がない!  
              「私は辞める」なんて考える訳がない!!
   『●「主権在アベ様」=「地域住民ごときが文句を言うのは
             許されないというのが安倍政権の立場」

   『●アベ様と菅官房長官らが辺野古でやっていること・・・
       「人権や言論の自由も軽視され、植民地支配と同じ」

   『●今の辺野古破壊の基本構図:
      「今は米国と日本の政府が向こう岸にいて、沖縄に対峙している」

   『●福島瑞穂氏への「絶対権力」者の横暴と狭量:
     「自らと異なる立場に対する敬意や尊重などかけらもない」


 また、「最初は重大に見えないことが、恐ろしい結果につながり、気付いたときには手遅れになることを知ってほしい」。もうこれだけ「見えている」というのに・・・・・・。


   『●戦争屋による憲法違反の「集団的自衛権」閣議決定・・・ 
                 「やめろと言わないのは“許した”のと同意」
    「「▼「明日戦争がはじまる」という詩を人に教えられた。
     <まいにち満員電車に乗って/人を人とも思わなくなった/
     インターネットの掲示板のカキコミで/心を心とも思わなくなった/
     虐待死や自殺のひんぱつに/命を命と思わなくなった
     じゅんびはばっちりだ/戦争を戦争と思わなくなるために
     いよいよ明日戦争がはじまる>▼宮尾節子さんという詩人が
     書いた」・・・・・・ニーメラーの「彼らが最初共産主義者を攻撃したとき
     を思い出した。」

   『●戦争屋による憲法違反の「集団的自衛権」閣議決定
      ・・・「やめろと言わないのは“許した”のと同意」

   『●Nuclear:「核」と「原子力」の使い分け
    「講演のなかで、ホロコーストをまぬがれ強制収容所から生還した
     マルチン・ニーメラー牧師の「彼らが最初共産主義者を攻撃したとき
     という詩を引用をしてます:

      ナチ党が共産主義を攻撃したとき、私は自分が多少不安だったが、
      共産主義者でなかったから何もしなかった。

      ナチ党は社会主義者を攻撃した。私は前よりも不安だったが、
      社会主義者ではなかったから何もしなかった。

      学校が、新聞が、ユダヤ人等々が攻撃された。私はずっと不安だったが、
      まだ何もしなかった。

      ナチ党はついに教会を攻撃した。私は牧師だったから行動した
      ― しかし、それは遅すぎた。」


=====================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2015062702000165.html

【コラム】

筆洗
2015年6月27日

 ある国で、新しい法律がつくられた。「ペット特別措置法」である。茶色以外の犬や猫は飼ってはならぬ黒い犬も白い猫も「処分」せねばならぬという法律だ▼この法を批判する記事を連日のように載せた新聞は、政府によって廃刊に追い込まれる残ったのは「茶色新報」なる新聞だけ。そんな状況でも、人は考える。「茶色に守られた安心、それも悪くない」▼茶色は、フランスではナチスや全体主義を思わせる色。かの国で十数年前に出版されて、大反響を呼んだF・パヴロフ氏の短編『茶色の朝』(藤本一勇訳)は、人々が異を唱えることをためらううちに、あらゆるものが一色に染め上げられるさまを淡々と描いた寓話(ぐうわ)だ▼首相に近い自民党の若手議員の会合で「マスコミをこらしめるには広告料収入をなくせばいい」との発言があったという。その場で作家の百田尚樹氏は「沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない」と語ったともいう▼沖縄の二紙とは、安保法制などで反対の論陣を張る琉球新報沖縄タイムスのこと。「茶色新報や「茶色タイムス」を求めるような人が、この国の権力の中心近くにいるのだとするなら、茶色の寓話も妙に生々しく響く▼パヴロフ氏は執筆の動機をこう語っている。「最初は重大に見えないことが、恐ろしい結果につながり、気付いたときには手遅れになることを知ってほしい
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●自公議員に投票したことの意味: 原発は「重要なベース電源」、さらに「もんじゅ」「核燃サイクル」継続

2013年12月19日 00時00分17秒 | Weblog


東京新聞の社説【エネルギー政策 反省ゼロの基本計画】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013121102000126.htmlと『私説・論説室から』【おごれる者は久しからず】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2013121102000127.html)。asahi.comの記事【(もんじゅ君のエネルギーさんぽ)エネ計画どう変わる?】(http://www.asahi.com/articles/TKY201312120411.html)。東京新聞の記事【「原発ゼロ」なし崩し 核燃サイクル・もんじゅも継続明記】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2013121402000119.html。最後に佐賀新聞の記事【再稼働、現状では暴挙 専門家、新基準を批判】(http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2596187.article.html)。

 「経産省のエネルギー基本計画素案によると、原発は「重要なベース電源」で、輸出も推進、新増設の比率は明記しないが、将来に含みを残し、使用済み燃料を再処理する核燃料サイクル計画さえ、引き続き推進するという」・・・・・・メチャクチャ。東京電力原発人災の被災者に対して何の感情もわかないらしい。

   『●終わらない原発人災の影響: 「震災さえ」ではなく 「原発さえなければ・・・」
   『●「成長戦略に「原発の活用」」: あ~恥ずかしい政権、恥ずかしい国
   『●「もはや犯罪というしかない」 
              ~東京電力汚染水流出大事故と再稼働・輸出という犯罪~
   『●すぐさま廃炉作業に着手を!

   『●東京電力原発人災対策へのお金を「ケチ」ったあげくに、
                                  致命的欠陥対策にドブ金か?
   『●核開発・核使用、そして原発推進・・・・・・、それは愛国心の発露か?
   『●原発推進国同士が手を携えて原発輸出、さらに「死の商人」へ:
                           どうやら「恥」という概念は無いらしい
   『●「電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)」: あとは野となれ、山となれ
   『●呆れた!! 自公議員が、どの口で「憲法違反」を叫ぶのか!?
                            そして、国会は一体何をやってきたのか?
   『●東京電力原発人災4号炉問題
                    「「UFOキャッチャー」作戦」、想像しただけでゾッとする
   『●トルコ原発、「責任」を持って「死の灰」は
          日本に逆輸入してあげるのですか? 日本で10万年管理??

   『●東京電力原発人災4号炉問題・・・・・・「まさに『神頼み』」、それほど危険な作業

 しかもである、「実現性が疑問視されている核燃料サイクルは「着実に推進」とした。ずさんな保安管理とトラブル続きで停止中の高速増殖原型炉もんじゅの研究も「実施体制を再整備する」と継続を明記」なんて、正気の沙汰なのだろうか?

   『●事業仕分け忘れ?
   『●悪「夢の原子炉」
   『●美浜の会「もんじゅ運転再開への抗議声明」
   『●増殖もしない、発電もしない「もんじゅ」でも儲かる仕組み
   『●高速増殖炉もんじゅ廃炉
   『●廃炉と、核燃サイクル撤退を
   『●核燃サイクルという幻想に、まさに金をドブに湯水の如く
   『●核燃サイクルという幻想、推進ありき
   『●東京電力原発人災以降も続く無責任の連鎖
   『●東京電力人災が続く中、なに寝ぼけてんだか!?
   『●浅野健一ゼミ企画シンポジウム: 報道と福島原発人災
   『●全く原子力ムラの住人ときたら・・・・・・
   『●もんじゅに〝投資〟、まだやっている・・・
   『●原発立地県知事の神経を疑う: 「原発のお金が大好き」という最低レベルの議論
   『●復興予算をムダに「原子力ムラ」事業に流用
   『●2030「年代」原発ゼロと原発建設再開
   『●視察パフォーマンスと経団連詣で
   『●もんじゅ: 責任者に責任を取っていただきましょう
   『●「技術的には危険、経済的には損、資源的には何の意味もない」プルサーマル
   『●もんじゅ周辺の住民はそんなことを望んでいるの?
   『●「もんじゅ」の尻拭い・後始末も出来ない日本原子力研究開発機構が・・・・・・

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013121102000126.html

【社説】
エネルギー政策 反省ゼロの基本計画
2013年12月11日

 経済産業省の新たなエネルギー基本計画案を見て驚いた。福島原発事故の反省は一体どこへ行ったのか。三年足らずで、もう忘れてしまったのか。忘れた時に、人は過ちを繰り返すのではないか。

 経産省のエネルギー基本計画素案によると、原発は「重要なベース電源」で、輸出も推進、新増設の比率は明記しないが、将来に含みを残し、使用済み燃料を再処理する核燃料サイクル計画さえ、引き続き推進するという。

 福島の事故などまるでなかったかのように耳をふさいで、3・11以前にすべてを戻そうというのだろう。

 ベース電源とは、基本になる最も重要な電源の意味である。

 福島の事故を真摯(しんし)に反省し、原発依存度は可能な限り少なくするとは書いてある。だが、国の反省は伝わらない。素案をまとめた審議会委員の大半は、原発維持・推進派が占めている

 原発を「ベース電源」に位置付けるのは、エネルギーの安定供給や発電コスト、温暖化対策のためだという。

 しかし、今現に五十基ある原発は、すべて停止中である。汚染水さえ止められず、膨大な国費をつぎ込んでいる。この先、除染、補償、廃炉など、天文学的な費用が必要になるだろう。

 とてもではないが、原発は安定的とも低コストとも言い難い。そこにごまかしがあったのは、私たちの大きな反省点である。

 使用済み核燃料の処分方法は、棚上げにしたままだ。核燃料サイクルの実用化は可能かどうかわからない。再処理して取り出した危険なプルトニウムが蓄積されていくだけだ。代替エネルギーの開発は世界に後れを取りかねない。

 手続き的にも問題がある。

 民主党政権は、少なくとも討論型世論調査などの結果を踏まえて原発ゼロ方針を打ち出した。

 自民党は昨年末とこの夏の国政選挙に大勝した。しかし、エネルギー計画を明確な争点にはしていない。世論調査を見れば、それこそ民意のありかは明らかである。

 ゼロから推進へ、これほどの大転換を図るなら、国民の声をもっとよく聴いてからにするべきだ。

 特定秘密保護法に従えば、原発の事故対策すら、テロ防止を口実に公開されない恐れがある。

 基本エネルギーが原子力である必要はない。原発に代わる新技術をなぜ奨励しないのか。そこには国の未来がかかっている
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2013121102000127.html

【私説・論説室から】
おごれる者は久しからず
2013年12月11日

 過酷事故の後始末もできないのに「原発再稼働」を目指す公約違反の「TPP交渉参加」を決めるバラマキもやめないで「消費税増税」する民主主義を壊しかねない「特定秘密保護法」を強引につくる

 「民意」の多くに反する重大事案をさも平然と決めていく。安倍政権は国政選挙さえ勝てば「やりたい放題の免罪符を得ると勘違いしているのではないか

 もっとも、「民意」と政権との大きなズレは選挙結果で分かっていたことだ。一年前の総選挙で自民党は大勝したが、それは低投票率や小選挙区制の特性のおかげだった。全有権者でみれば自民の得票率は小選挙区で24%、比例代表はわずか15%四分の一以下の「民意」しか得ていない

 「ナチスの手口を学んだらどうか」「デモはテロという政権である。以前、この欄で触れた寓話(ぐうわ)『茶色の朝』の世界に、いよいよ近づいたと感じる。ファシズムの怖さを原体験に持つ作者パブロフ氏は言った。

 「民主主義は壊れやすい花瓶と同じ。小さなひびを放っておくと、いつの間にか割れてしまう」。氏は多くの人に伝えたいと印税を放棄し、寓話の原書は一ユーロ(約百四十円)で販売された。フランスでは学校教材としても広く読まれた。

 道徳を教科化するというなら、この国も教材に採用してはどうか。いや、「不都合な真実」を「秘密」にしておきたい政権には望むべくもないか。 (久原穏
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http://www.asahi.com/articles/TKY201312120411.html

もんじゅ君のエネルギーさんぽ)エネ計画どう変わる?
2013年12月13日09時43分

■「みんなでワーワーいう」のがだいじ

 こんにちは。もんじゅ君です。特定秘密保護法はとっても残念だったね。きまったあとで安倍さんが「もっとていねいに説明すべきだった」といっていたけど、開いた口がふさがらないとはまさにこのことですだよ

 法律は成立しちゃったけど、再認識したのは「みんなでワーワーいう」ことの大切さ。

 審議の終盤にかけてたくさんの人たちが国会前や日比谷公園にあつまって抗議や集会をしていて、それとともにテレビなどの報道でも法案への疑問を投げかけるものが増えたように感じたよ。


■声は届いている

 のちに撤回したけれども、石破さんが「デモはテロだ」といって問題になっていたでしょ。あれはきっと、官邸前でずっとつづいてきた脱原発の抗議活動がよっぽど耳ざわりだったんだよね。

 だとすると、とにもかくにも声は届いているということ。石破さんにとってはあの声が、脱原発や秘密保護法の撤回を「強制している」かのように感じる、いやなものだったということだよね。


■来年の再稼働にそなえて

 残念だけど、来年の春にはきっと原発の再稼働が現実的なものとして浮上してくると思うの。具体的には、愛媛の伊方くんとかね。

 そのときに早い段階からみんなでワーワー声を上げることがきっとだいじなんだろうな、と秘密保護法の騒動をとおして思いました。

 とりわけ、立地自治体の人たちの声というのは大切。ボクの地元・福井もそうだけれども、自分の住んでいるところに原発のある人は、はやくから「再稼働がくるかも。やだね」とまわりの人とお話ししたり、地元の議員さんに「応援してます。反対するようがんばってくださいね」と励ましの声を届けたりするといいのかもしれないね。


■年末ぎりぎりのエネルギー計画

 ところで、この年末にあたらしいエネルギー基本計画がリリースされそう。これは、国のエネルギーの全体量やうちわけについて、このさき10年、20年、30年の計画をしるしたもの。とっても重要なんだ。

 民主党さんの時代には「2030年代には脱原発依存社会に」という戦略が打ち出されていて、そのときにはそれでさえ「表現が弱い」と批判もあったのだけど、今回のエネルギー計画には「どんどん再稼働」「輸出もしていく」「核燃料サイクルはやめない」と書かれるようで、脱原発はおおきく後退しそう


■なぜこのタイミング?

 このタイミングで、再稼働の方針をはっきり打ち出したエネルギー計画を出すのには、電力会社さんの都合もありそうなんだ。

 ことし、安倍さんの原発イケイケな姿勢にあとおしされて各電力会社さんはもりもりと再稼働の申請を出していて、その数は7原発14基にもおよぶの

 年末に「再稼働をすすめます」という政府の計画が出れば、それも2014年度の事業計画に織り込むことができて、ほら、経営の見通しを明るく描けそうでしょ。

 ボクたちの暮らしにおおきくかかわるエネルギー計画が、ゆううつなクリスマスプレゼントになってしまわないように、サンタさんにお願いしておかなくちゃ。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2013121402000119.html

「原発ゼロ」なし崩し 核燃サイクル・もんじゅも継続明記
2013年12月14日 朝刊

 経済産業省の審議会「総合資源エネルギー調査会基本政策分科会」は十三日、エネルギー基本計画案を了承した。経産省の素案段階で「重要なベース電源」としていた原発を「基盤となる重要なベース電源」と書き換え、さらに推進色を強めた。国民の意見を踏まえて決めた民主党政権の「原発ゼロ目標」からの転換姿勢を鮮明にした。

 今後、国民の意見を募り、関係閣僚会議の議論を経て、来年一月に閣議決定する。前民主党政権は意見公募に加え、討論型世論調査などで国民の意見を取り入れ脱原発へ舵(かじ)を切ったが、現政権は意見公募しか行わない。政府が国民の声に耳を傾ける姿勢は大きく後退した。

 計画案は、脱原発の世論に配慮して「原発依存度を可能な限り低減させる」とした。ただ、原発をどう減らすか具体策は示さず、「必要な規模を確保する」と明記した。

 原発の依存度が増す新設や建て替えについての考えは記載せず、判断を先送りし、将来に含みを残した。運転から四十年で廃炉にする原則にも言及はなかった。脱原発につながる項目は曖昧にして、なし崩し的に原発を進めようとする姿勢が見え隠れしている。

 実現性が疑問視されている核燃料サイクルは「着実に推進」とした。ずさんな保安管理とトラブル続きで停止中の高速増殖原型炉もんじゅの研究も「実施体制を再整備する」と継続を明記し、研究終了を掲げた前民主党政権時の方針は白紙に戻した。実用化のめどがないまま国民の税金が投入され続ける恐れがある。

 基本計画は中長期のエネルギー政策の方向性を示し、三年をめどに見直す。

 前民主党政権は二〇一〇年の計画で、将来的に全電源の半分を原発に頼る方針を決めたが、福島第一原発事故後に「二〇三〇年代に原発ゼロ」目標に転換した。
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http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2596187.article.html

再稼働、現状では暴挙 専門家、新基準を批判

 佐賀県議会は13日、原子力安全対策等特別委員会を開き、井野博満東京大名誉教授(金属材料学)が参考人として出席した。原子力規制委員会が定めた原発の新規制基準について、「福島第1原発事故で破綻した設計基準そのものを見直していない」などと問題点を指摘した上で、現状での再稼働は「暴挙」と批判した。

 井野氏は、新規制基準に関し、外部電源の耐震性など従来の設計基準が見直されていないと指摘。過酷事故対策もフィルターベントなど5年の猶予期間を設けるなど、「付け焼き刃と批判した。

 さらに、規制委員会が「基準に適合しても原発の安全を完全に保証するものではない」としていることと、安倍政権が「適合した原発は再稼働させる」としていることが矛盾すると指摘。「原発の安全に誰が責任を持つのか」と批判した。

 現在、審査が行われている玄海原発3、4号機についても、メルトダウンした際、格納容器に注水するとしている九州電力の対応について、作業時間などの問題点を指摘した。

 再稼働の判断については、技術的な問題点や廃炉費用を含めた原発の経済性などをすべて公開して論議し、国民が判断すべきと提言した。

 特別委はこれまで九電や原子力規制庁の担当者などを招致。今回は、原子力政策に批判的な専門家として井野氏から意見を聞いた。今後は原発政策を推進する立場の専門家を招致する。

2013年12月14日更新
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