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●日刊ゲンダイ《かくほど左様に「妖怪の孫」の支配は強烈なのである。それが日本社会と経済、政治にどんな悪影響を及ぼしてきたのか。》

2023年05月06日 00時00分25秒 | Weblog

[※ 2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日というトリガー(『報道特集』、2021年06月26日)↑]


(20230419[])
古賀茂明さん《死してなお、日本を支配する安倍氏の呪縛。》 適菜収さん《「安倍的なものは、依然としてわが国を深く蝕み続けている。…実際、岸田政権は安倍的なものに則り、国家の破滅に向けて暴走を続けている》。
 前川喜平さん《安倍政治は決して過去のものではないそれはそのまま岸田政権に引き継がれ、戦争する国へと一直接に向かっている》。「妖怪のひ孫」までもが出てくる始末なニッポン。無能な3代目どころか、4代目まで……壊れ切っている国。醜悪な《妖怪の棲む国》。古賀茂明さん《死してなお、日本を支配する安倍氏の呪縛。それが完全に解けるかどうか。日本の危機脱出の第一歩はそこにかかっているのではないか。》

   『●スッゲェなぁ、山口2区、4区…《…信千世も東京生まれの東京育ちで、
       山口県なり2区は故郷といえるほどの生活実態などなにもない…》
   『●岸信夫前防衛相の辞職にともない、後継候補としての信千世氏が「家族
       の意志を受け継ぐ」と表明…どこまで私物化すれば気が済むのか?
   『●「妖怪の孫」アベ様は息吐く様にウソをつき、カルトとヅボヅボだった
         ……さらには、「妖怪のひ孫」までもが出てくる始末なニッポン
    《衝撃的な銃撃死から半年以上が経ったが、岸田政権や自民党を
     見ていると、いまだこの国は安倍晋三元首相に支配されているのか
     と思わずにはいられない。「彼がもたらしたのは、美しい国か、
     妖怪の棲む国か?」──。そんな視点で検証したドキュメンタリー
     映画「妖怪の孫」が今月17日から公開される》

   『●古賀茂明さん《死してなお、日本を支配する安倍氏の呪縛。それが完全に
       解けるかどうか。日本の危機脱出の第一歩はそこにかかっている…》
   『●映画『妖怪の孫』…《安倍政治は決して過去のものではない。それは
     そのまま岸田政権に引き継がれ、戦争する国へと一直線に向かっている》
   『●《「安倍的なもの」は、依然としてわが国を深く蝕み続けている…岸田
     政権は「安倍的なもの」に則り、国家の破滅に向けて暴走を続けている》
   『●妖怪のひ孫氏《「家族の意志をしっかり受け継ぐ」…安倍の遺志を
     継ぐ意向》!? ニッポンの政をどこまで私物化すれば気が済むのか?

 どこまで私物化すれば気が済むのか? (適菜収さん)《岸家・安倍家は反日カルト統一教会現・世界平和統一家庭連合ずぶずぶの関係にある》…カルトとヅボヅボのその本流・源流。《当選するか、しないかは地元有権者の判断次第》(日刊ゲンダイ)、さて、山口2区の皆さんの判断は? 世襲4代目も、楽々と当選させるつもり? ご本人は、《なにがあっても落選しないという自信がある》…と高を括っているようですが? (適菜収さん)《まさに「日本の社会問題が顕在化した日本の縮図」として山口2区は注目を集めているのだ》
 再度引用、日刊ゲンダイのコラム【適菜収「それでもバカとは戦え」/岸信千世がぶち込んだ「社会問題が顕在化した日本の縮図」】によると、《要するに批判は一切受け付けないという宣言だ。当選後、手のひらを返したように世間の声を無視する政治家は多いが、選挙前にこういうことを言う人はあまり見たことがない。なにがあっても落選しないという自信があるのだろう》。

 その古賀茂明さんについての記事。
 日刊ゲンダイの記事【映画「妖怪の孫」の原案者が警鐘を鳴らす「得体のしれない安倍的支配」】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/321539)によると、《「安倍晋三回顧録」(中央公論新社)が売れている。20万部を超えたらしい。本人による自慢話も結構だが、本当に安倍晋三という政治家を公平に評価したいのであれば、その罪の部分にスポットを当てた古賀茂明氏の新著も併せて読んでほしい。現在、公開中で話題の映画「妖怪の孫」の原案となった「分断と凋落の日本」(日刊現代発行、講談社発売)である》。

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/321539

映画「妖怪の孫」の原案者が警鐘を鳴らす「得体のしれない安倍的支配」
公開日:2023/04/15 06:00 更新日:2023/04/15 12:24

     (古賀茂明氏(C)日刊ゲンダイ)
 

安倍晋三回顧録」(中央公論新社)が売れている。20万部を超えたらしい。本人による自慢話も結構だが、本当に安倍晋三という政治家を公平に評価したいのであれば、その罪の部分にスポットを当てた古賀茂明氏の新著も併せて読んでほしい。現在、公開中で話題の映画「妖怪の孫」の原案となった「分断と凋落の日本」(日刊現代発行、講談社発売)である。

 この本は単純に安倍政治を振り返るものではない。政権は代わり、安倍元首相は凶弾に倒れたが、その後も得体のしれない安倍的なものがこの国を覆っている。古賀氏はそれを今なお続く「妖怪の支配」と書いている。妖怪とは安倍氏の祖父、岸信介のことで、その孫が安倍晋三。つまり、いま、日本を覆っているのは「妖怪の孫の支配」である。それが政界にも官僚機構にもメディアにも暗い影を落としている。そして、「妖怪の孫の支配」が日本社会の分断を深刻化させ、止まらない日本経済の凋落を招いている。つまり、日本は「妖怪の孫の支配」から覚醒しなければ、再生はないのだが、それを外交、安全保障、経済政策、エネルギー政策などから多角的に分析、問題点を抉り出し、再生へのヒントを提示しているのが、この本なのだ。

 古賀氏はまえがきで、今なお、政界が妖怪の支配下にある例として、先の日韓首脳会談をあげている。徴用工問題に一応の決着をつけた尹錫悦大統領と岸田首相の会談である。これにより、対韓輸出規制強化や日韓秘密軍事情報保護協定(GSOMIA)破棄問題が解決し、シャトル外交も復活することになった。めでたしめでたしなのだが、これをおぜん立てしたのは尹大統領のイニシアティブだ。岸田首相は自民党保守派からの反発を恐れて、自ら動こうとはしなかった。恐れたのは党内からの反発だけでなく、自民党の岩盤支持層である保守派からの支持が得られなくなることもあっただろう。

 安倍元首相が固めた極右的な支持層だが、いまや、これがないと自民党議員は当選がおぼつかない。だから、外交が柔軟性を欠き、中韓にはとにかくこぶしを振り上げるだけの硬直状態に陥ってしまっている。それを古賀氏は「妖怪の支配」の一例だとする。同じく、メディアもいまだに「妖怪支配」が続いている安倍批判でパージされたTVコメンテーターたちはいまだに戻れていないし、安倍派の重鎮、萩生田光一政調会長に忖度し、旧統一教会問題の追及に腰が引けていたのは間違いない。


■一度支配されると、他の意見には拒絶反応しか示さなくなる

     (古賀茂明さんの新著「分断と凋落の日本
      (日刊現代発行、講談社発売))

 古賀氏はもうひとつ、私たち国民の心にも「妖怪の支配」が及んでいるのではないか、と指摘するのだ。その部分を引用してみよう。

《10年前には議論されることさえなかった敵基地攻撃能力防衛費倍増憲法9条改正原発新増設などの問題に賛成する層が拡大している。安倍氏よりさらに過激な政策を岸田氏が異様な勢いで進めているのに、それを国民が本気で止めようという動きが見えない。それは国民の一定数が、安倍的なものに支配されるようになってしまったからなのではないか。一度支配されると、他の意見には拒絶反応しか示さなくなる議論の余地がなくなってしまうのだ。議論の余地がなくなってしまうのだ。(中略)一方、安倍的なものに支配されず、これに抵抗する人々もたくさんいる。このような思考を保っている人々が微かな望みではある。しかし、実はその人たちの心の中にも、どんなに頑張ってもどうせ止まらないというあきらめの気持ちが広がっているのではないか》

 かくほど左様に「妖怪の孫」の支配は強烈なのであるそれが日本社会と経済、政治にどんな悪影響を及ぼしてきたのか。古賀氏の本にはそれが詳細に書かれている。
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●《この国の為政者たちが誰を見て誰のために政治をやっているのか、憲法改定をはじめとする諸政策が目指す方向性とも深くかかわっている》

2022年09月13日 00時00分27秒 | Weblog

[※ 統一教会との関係 「わからなかった」から「答える必要はない」まで 国会議員たちの弁明 (週刊金曜日 1390号、2022年08月26日号) ↑]


(2022年08月29日[月])
統一協会…《自民党の政策決定や政権運営にどのような影響があったのか、真相を解明して再発防止策を講じる》べきなのに、全くその気無し。

 長周新聞の記事【国葬より政界のカルト除染が先 壺の沼に国民を巻き込むな 萩生田光一は更迭でよろしく】(https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/24307)によると、《自民党とカルト教団・統一教会(世界平和統一家庭連合)との持ちつ持たれつの深い関係性が、安倍元首相銃殺事件を契機に芋づる式に明るみに出ている。国の中枢を司る行政府が丸ごとカルト宗教に冒されていたという笑えもしない仰天事実だが、それはタブーとして触れられてこなかっただけで戦後何十年も半ば公然とくり広げられてきた。少しばかり関係していたというよりも初めから一心同体といえるほど歴史性をもった深い因縁がある。多くの人々にとっては知り得ようのない魑魅魍魎の世界ではあるが、この国の為政者たちが、誰を見て、誰のために政治をやっているのか、憲法改定をはじめとする諸政策が目指す方向性とも深くかかわっている。人々を欺いてきた戦後政治のタブーを引きはがし、抜本的にメスを入れることが求められている》。
 《この国の為政者たちが、誰を見て、誰のために政治をやっているのか、憲法改定をはじめとする諸政策が目指す方向性とも深くかかわっている》訳ですが、キシダメ首相や自公政権、自公お維コミ(立憲にも居られるようですが)の議員の皆さんは、統一協会が《諸政策》にどのような影響を及ぼしたのか、解明する気はあるのでしょうか? アベ様が票の差配までもやっていた訳ですから、選挙にどのような影響を及ぼしたのかの解明も必要です。
 汚染責任者アベ様という壺の蓋が割れた瞬間に、自民党“統一協会汚染”物質が壺から噴出…衆参院議長、防衛相、文科相、国家公安委員長…。自民党とズブズブじゃん。《いまや閉じてきた壺のフタが吹っ飛んで、ズブズブの壺の中身が丸見えになってしまった》。もう、後戻りはできませんし、後戻りさせてはいけません。

   『●《少数意見を尊重し、歩調を合わせようと努めて議論を重ね、成り
     立ってきた戦後民主主義ではないか。それを「聞かない」とは。…》
   『●《メディアコントロール》は続いている…《だからといって、政治》と
     統一協会の《関係について徹底追及がおこなわれているわけではない》
   『●武田砂鉄さん《繰り返し問題視されてきた団体…付き合いが深い議員…。
      再発防止のためにも、宗教と政治の関係を洗い出すのが必要不可欠》
   『●つまり、アベ様は《堂々と、司法の場でも違法性が指摘されている》
     統一協会の《実質トップの名前を自ら挙げ、敬意を表したのである》
   『●キシダメ首相は「民主主義を断固守る」ために国葬を行うというが、
     (政界地獄耳)《よほど民主主義を逸脱し独裁的ではないのか》?
   『●統一協会名称変更問題…《実体が変わらないのに、名称を変えることは
         できない》はずなのに、《あり得ない》ことがなぜ可能になったの?
   『●元文科相からして、統一協会とズブズブだったのではないのか? 反面
      教師として、文科省道徳教育教材『わたしたちの道徳』に載せては?
   『●伊達忠一前参議院議長が元総理に統一協会票を依頼したと驚きの証言…
     《今回…安倍さんは…。『井上(義行氏)をアレ(支援)するんだ』…》
   『●汚染責任者アベ様という壺の蓋が割れた瞬間に、自民党“統一協会汚染”
      物質が壺から噴出…衆参院議長、防衛相、文科相、国家公安委員長…
   『●《暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団または
     個人》=統一協会…《自民党が大っぴらに反社とつながっていることに》
   『●茂木敏充幹事長、統一協会と「党としては一切関係がない」…《その
     爛れた関係が岸信夫防衛相や二之湯智国家公安委員長、末松信介文科相…》
   『●《法外な寄付を集め、家庭を崩壊させるような活動が問題に…次々と関与が
       判明する自民党こそ、教団との関係を国会の場で丁寧に説明すべき》
   『●《このように安倍氏の一存で統一教会の組織票の差配が決まっていたと
     すれば…》…もはや開いた口が塞がらないよ。どこまでズブズブだったの?
   『●安田菜津紀さん《安倍政権とは何だったのか…「強きにすり寄り、
      弱きをへし折る政権」…「引き継がれた『膿』を出し切るのはこれから」》
   『●統一協会汚染議員一掃…《支持者こそが提言しなければならない善後策
      …あれだけ奉り続けた…元首相が、彼らのせいで殺されたのだから》
   『●斎藤貴男さん《安倍政治の最大の罪は、民主主義を完全に形骸化し、
     日本社会を根底から腐らせたこと…》《ネポティズム》《冷笑主義の蔓延》
   『●《〈関連団体とは存じ上げませんでした〉…「統一教会の何が問題
     なのか正確に承知していません」…しらじらしいにも程がある》お維
   『●悍ましい構図…さらには、アベ様が票の差配までするほどズブズブ
       ヅボヅボだった訳ですが、そんな自民党に投票するとはねぇ…
   『●統一協会…《自民党の政策決定や政権運営にどのような影響があった
     のか、真相を解明して再発防止策を講じる》べきなのに、全くその気無し
   『●憲法53条…《本来国会は開かなければならないが、安倍内閣では
     その要求を無視し続けていたことがある。岸田政権も応じる気がない》
   『●《自民党右派…政界の右派のみならず、それを支える日本最大の右派
     改憲団体、日本会議など》も統一協会と《「蜜月」関係を築いてきた》??
   『●統一協会が《法令に反するなどの例》は山のようにある訳で、《実体が
       変わらないのに、名称を変えることはできない》ことに何の問題?
   『●第2次キシダメ改造内閣の悲惨な船出 ―――― 統一協会非汚染者
     による組閣や役員人事もままならない、ズブズブヅボヅボな自民党…
   『●《安倍元首相の側近で、安倍派内ではポスト安倍の一番手》だった
     萩生田光一政調会長は加計学園問題等だけでなく、やはりヅボヅボだった…
   『●《保守の安倍が反日カルトとつながった》? 《保守ではなく、反日の
     エセ保守…支持してきたのは新自由主義勢力と政商とカルトの複合体》
   『●【適菜収 それでもバカとは戦え/戦後を代表する“ホラ吹き”安倍
    元首相の「思い出に残るデマと嘘」】…息吐く様にウソをつくアベ様
   『●《他人の不幸に付け込み…壺などを売りつけ、信者の家庭を破壊する
     カルト教団に「信教の自由」などないことを、メディアは自覚すべき》
   『●臨時国会どうなった? ゴルフをやってる場合だったのか? 質問したい
       「右派記者」と質問する気のない「左派記者」ももっと突っ込んでよ
   『●票の差配をするほどズブズブヅボヅボなアベ様という壺の蓋…《壺の蓋が
            吹っ飛んで…中から…熟成された汚物が出てくる、出てくる…》


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https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/24307

国葬より政界のカルト除染が先 壺の沼に国民を巻き込むな 萩生田光一は更迭でよろしく
政治経済 2022年8月27日

 自民党とカルト教団・統一教会(世界平和統一家庭連合)との持ちつ持たれつの深い関係性が、安倍元首相銃殺事件を契機に芋づる式に明るみに出ている。国の中枢を司る行政府が丸ごとカルト宗教に冒されていたという笑えもしない仰天事実だが、それはタブーとして触れられてこなかっただけで戦後何十年も半ば公然とくり広げられてきた。少しばかり関係していたというよりも初めから一心同体といえるほど歴史性をもった深い因縁がある。多くの人々にとっては知り得ようのない魑魅魍魎の世界ではあるが、この国の為政者たちが、誰を見て、誰のために政治をやっているのか、憲法改定をはじめとする諸政策が目指す方向性とも深くかかわっている。人々を欺いてきた戦後政治のタブーを引きはがし、抜本的にメスを入れることが求められている。この間、明らかになった事実をもとに記者座談会で論議した。


人の不幸の上に築いた権力構造

 A 安倍晋三の銃撃事件から1カ月半余りが経過した。当初は、「一強」とか「戦後最長の総理」と崇められ、退いた後も政界の「キングメーカー」として振る舞うであろうと思われていた人物が、思いもよらないあっけない終わり方をしたものだから世間は騒然としたし、メディアも「悲劇の元宰相」として神格化キャンペーンに熱をあげて追悼ムードを演出した。

 だが、犯人である山上某の銃撃動機が、安倍晋三の政治信条への反発や安倍本人への直接的な恨みではなく、家庭を蝕み崩壊させた統一教会への私怨を拗らせたものであり、「(安倍晋三が)現実世界で最も影響力のある統一教会のシンパ」(山上)であることも「思い込み」ではなく、祖父の岸信介と教祖・文鮮明の時代から親子3代にわたってズブズブの関係にあったことや、さらには統一教会は清和会(安倍派)を中心に自民党との濃厚な関係を築き上げ、自民党にとって重要な存立基盤となっていることが白日の下にさらされ、銃撃事件の背景だけにとどまらず、近年の安倍一強や右傾化なるものの根底にあったものまでがズルズルと引きずり出されてきた。


      (第2次岸田内閣の面々)


 首相側近をはじめ、防衛大臣、文科大臣、経産大臣などの閣僚、反社組織を取り締まる国家公安委員長にいたるまでが統一教会と浅からぬ関係を築いており、選挙で教団組織や信者たちから献身的な支援を受ける見返りに、教団が望む名称変更(統一教会であることをカモフラージュできる)を許可したり、多数の被害者を生み出している霊感商法や家庭を破産させるほどの法外な献金ノルマなどの違法活動の摘発をせず、野放しにしてきた。取り締まるどころか教団の各種イベントの実行委員長になったり、韓鶴子総裁を「マザームーン」と崇め立てて花束を贈呈したり、安倍晋三みたく教団を全面的に支持するメッセージを送ってみずから広告塔になっていたのだ。異常であるがゆえにタブーとされてきた両者の契りが、近年はむしろそれを誇示するように公然とおこなわれていたわけだ。いまや閉じてきた壺のフタが吹っ飛んで、ズブズブの壺の中身が丸見えになってしまった。


 B 当初、自主規制を敷いたメディアは「(統一教会といわず)特定の宗教団体」とか「犯人の思い込み」と真相をぼかしていたが、霊感商法や献金被害者の救済にとりくんできた弁護士やカルト研究者たちが暴露した政界汚染が広く知れ渡ると、雪崩を打つように統一教会と自民党との関係性を報じるようになった。「安倍一強」のもとで数々の不祥事を積み上げてきた清和会からのシフトチェンジの力も働いているようにみえる。NHKは最後まで統一教会を名指ししなかったが、「NHKも相当に壺に毒されているのではないか?」との世間の疑念を膨らませ、慌てて方針転換した。それでもまだ腫れものに触るような報道に終始している。


 C 世間一般からすればドン引きもいいところだ。むしろ怒りに変わっている。「マザームーン」「真の父母様」あたりから、追悼ムードはサーッと潮が引くように沈静化したし、8月頭の世論調査(共同通信)では「国葬」実施に「反対」が過半数をこえ、統一教会と政界との実態解明が「必要」が80%以上にものぼった

 これまで統一教会といっても、70~80年代に各地の大学ではびこった原理研究会(サークルを装った布教活動)とか桜田淳子の合同結婚式などが社会問題になった時代を知らない世代としては、数ある怪しげな新興宗教の一つくらいの認識しかなかったが、今でも全国に数万人もの信者を抱え、教団の内部資料で1999~2008年までだけ見ても、日本の信者から年間600億円もの献金を韓国の教団本部が召し上げていたというのだから驚かされる。一般信者だけでなく、企業ぐるみの一大コンツェルンができあがっているのではないかと思うほどの巨額献金だ。

 山上一家のように家庭内の不幸につけ込まれて入信させられ、「この世の不幸は地獄にいる先祖からのメッセージ」「地獄で苦しんでいる先祖を救うために徳を積め」と献金を迫られ、身ぐるみを剥がされて家計も家族関係も破綻するような家庭がゴロゴロしていることも弁護士たちの発信によって顕在化した。

 教義でも、旧約聖書になぞらえて「韓国はアダムの国、植民地化をやった日本は(禁断の果実を食べた)エバの国であり、エバはアダムを支えなければならない」と説き、日本の信者からむしりとれるだけむしりとって韓国や米国の教団支部に配分して世界的な布教戦略を展開していたわけだ。これを「日本をとり戻す!」「戦後レジームからの脱却を!声高にいってきた自民党や安倍界隈が崇め奉り、さまざまに便宜を図ったり、二人三脚で選挙をやってきたのだから、いい加減にしろ! と思う。よくいえるものだ、と。


日本の右傾化の推進役 自民党と統一教会

 D
 矛盾だらけで、にわかに理解しがたいものがあるが、統一教会の成り立ちから探れば、韓国では親米独裁政権を敷いた朴正煕(岸信介と満州時代からの師弟関係)の時代にKCIA(米CIAをモデルにした国家諜報機関)と結びついて勢力を拡大し、米国では反共主義を掲げるニクソン政権のころから共和党保守派を買収し、日本では戦犯を免れてCIAに抱えられた岸信介や児玉誉士夫、日本財団の笹川良一といった右翼人士と繋がって、「反共」を旗印にした国際組織として形成している。要するに、米国を中心にした戦後の権力構造の一翼を為していたわけで、それを維持するためにカルト宗教を利用したし、教団としては権力に支えられることで財を成して勢力を拡大した。

 だから「美しい国」「日本をとり戻す!といいながら、「日本はエバの国」というようなマザームーンを崇め立てる矛盾に満ちた関係が生まれるのだ。いずれにせよ、日本に生きる人々は搾取の対象でしかなく、どれだけ人々が苦しんでいようが、家庭が崩壊しようが関係ない教義からして「日本人は苦しめ!」という教団とタッグを組んで、日本社会を蝕んでいたわけだ


 B SNS上でも、普段はあれほど「反日パヨク」とか「北の工作員」といって他者を攻撃するネトウヨが、この「反日カルト」の統一教会に対しては一斉に口をつぐんでいる。以前、自民党から資金提供を受けて世論煽動に勤しんでいたツイッターアカウント「Dappi」などが問題になったが、ネトウヨの正体って壺なんじゃね? と臭わせるものがある。

 やれ従軍慰安婦徴用工問題は「反日プロパガンダなどと声高にいっていた杉田水脈衆議院議員(なぜか自民党山口県連所属)も、統一教会の関連団体で講演していたり、「旧統一教会から支援や協力を得ることは何の問題もない」と開き直っている。なるほど持論の「子どもを産まないもの(LGBT)は生産性がない」は統一教会の主張そのものでもある。


 A そもそも安倍晋三自身が、一度か二度メッセージを送ったことがあるという程度の関係ではなく、まさに統一教会そのものだった。死後になって、参議院議員の青山繁晴とか、元参議院議長の伊達忠一、統一教会の支援を得られずに出馬を辞退したことがある宮島某などの自民党関係者が、「教団票」の割り振りを安倍晋三自身がやっていたことを暴露しているし、統一教会幹部の講演録画でも、統一教会のイベントにメッセージを送るに至った安倍晋三との生々しいやりとりを勝共連合の梶栗会長みずから明かしている。壺の中で統一教会と抱き合っていた自民党議員らが「名前が違うのでわからなかった」としらばっくれているが、そのための名称変更の承認もすべて安倍政権下でおこなわれてきたことなのだ。


     (統一教会が韓国・ソウルで開催した大規模な
      安倍晋三追悼セレモニー(12日))


 C 統一教会としても、教団本部がある韓国ソウルで大規模イベント(12日)を開き、「統一と平和のための運動にご尽力」(教団)した安倍晋三を弔うセレモニーを大々的にやっている。壇上には安倍晋三の「平和は人から与えられるものではない。勝ち取るものだ」という言葉が写真とともに映し出され、献花する儀式がおこなわれた。安倍晋三がどれだけ教団にとって重要人物だったかを物語っているし、統一教会葬そのものだ。トランプが動画メッセージを送ったほか、カナダのハーパー前大統領、ポンペオ前米国務長官などが参列して献花するなど、いまさらこれに輪を掛けてわざわざ「国葬」をする必要があるのか? と思わせるものがある。


行政府に巣喰う壺議員 「日本を神の国に」とも

 A
 報道や世論の変化で泡を食っているのが岸田政府で、支持率低迷に慌てふためいて内閣改造を1カ月前倒し、自身を除く19閣僚のうち統一教会との関係を認めた閣僚7人を交代させ、閣僚や副大臣や政務官に対しても「教団との関係を点検・見直すことを求め、了解した者のみを任命した」と説明した。だが、フタを開けてみると、政務三役(大臣・副大臣・政務官)のうち少なくとも30人以上が統一教会と何らかの接点をもっていたことが明らかになっている。閣僚級では10人、そして副大臣、政務官54人のうち半数を占める24人にのぼる【表参照】。

 しかも、その直後、統一教会と閣僚ら政務三役の関係については「個人の政治活動に関するもので、調査を行う必要はない」とする答弁書を閣議決定。元首相銃撃にまでいたった統一教会との政界癒着の除染はおこなわず、そのまま闇に葬ることを宣言した。

 さらに浮上したのが、政調会長の萩生田光一と統一教会との蜜月関係で、先の参院選では、自民党が東京選挙区に擁立した元タレントの生稲晃子候補を連れて統一教会の教団施設に出向いていたことが露呈。さらに統一教会との関係を掘り下げると、萩生田が八王子市議だったころからの30年来の付き合いで、落選中の2009年~2012年には毎月1、2回、教団施設の礼拝や会合に出席し、青年部を相手に説教や講演をおこなっていたことが教団サイドの資料から明らかになっている。


     (萩生田光一生稲晃子


 TBS『報道特集』が報じた信者たちの生々しいインタビューでは、「私もご父母様(総裁夫婦)の願いを果たせるように頑張るから、皆さんも一緒に頑張りましょう。一緒に日本を神様の国にしましょう」とか、「あなたたちの信仰で、日本の未来がかかっているから死ぬ気でこの自民党を復活させてほしい」と若手に力説していたと信者たちが赤裸々に語っていた。

 長年来、教団や信者から幹部以上の扱いを受けていたのに、今になって萩生田自身が「そんな事実は一切ない」「お願いしたこともない」と知らぬ存ぜぬをやるものだから、腹を立てた信者たちが「私は選挙で電話がけとか決起大会のスタッフで誘導や案内係をやってました」「ウグイス嬢も教会員」「いつもポスター貼りは青年部の仕事です」「国際勝共連合のスタッフも選挙事務所に常駐しています」など、ボロボロと内幕を暴露している。

 そのため萩生田も、今後はきっぱり「関係を絶つ」とはいえず、「適切な対応をする」と言葉を濁すほかなく、いまさら掌返しは通用しない。閉じていたはずの壺のフタはいまや全開しているわけだ安倍晋三にかわる自民党と統一教会とのパイプ役といわれ、ポスト安倍として有力視された人物の生態が暴露されたことは大きい。

 政調会長といえば、党内で政策や法律を立案して予算案に反映させるうえでのとりまとめ役であり、カルト教団の代理人が国の舵取りをしているに等しい。こんなものを党三役ポストに起用すること自体、壺の、壺による、壺のための政府を今後も続けていくことであり、岸田政権への世間の目は厳しいものがある。


国葬費用は天皇以上か 総額37億円とも

 B 国民の過半数が反対している国葬だが、国として国民に弔意の強制はしないものの、「企業や学校などに対し弔旗掲揚や葬儀時間中の黙とうを要請するかどうか、葬儀の在り方は現在検討中」などと報じられている。実際7月には、山口県では安倍晋三の葬儀の時間にあわせて「哀悼の意を表すため半旗掲揚すること」を求める教育委員会から通知が県内の小中高校や特別支援学校にもなされた。「強制はしないのなら、なぜそんなことをやるのか?」と現場で気持ち悪がられている。

 国葬を定義する法律は存在せず、そもそも法的根拠はない。そんなものを全額国費でやるという。それでも実施にこだわる理由は、自民党内の安倍派を繋ぎ止めるという党利党略があるだけで、それ以上でも以下でもない。しかも、国葬の責任者である森首相補佐官がかつて乱倫パーティーに参加していたとか、運営業務を担うのはまた電通といった情報も噴き出して、壺内閣の迷走とあいまってカオス状態となっている。悲嘆に暮れている自民党や壺関係者の合同葬にしておけばいいものを、わざわざ国葬にこだわるばかりに胡散臭さが増している印象だ。

 C 国が全額負担する国葬の費用についても、献花用の菊の花だけでも2000万円とされ、警備費用では、昭和天皇の「大喪の礼」では24億円、今上天皇の「即位礼正殿の儀」では28億5000万円がかかっているといわれる一方、今回は6000人も集めるうえに時節柄、警備を強化せざるを得ないので35億円はかかるという試算もある。武道館の会場費や設営費、海外からの来賓の接待費などを含めると、少なくとも37億円になると見積もられている。安倍晋三が天皇以上の扱いというのだから呆れる。

 この一件だけみても、誰を見て、誰のための政治をやっているのか、疑うべきものがあるし、国民としては黙祷どころか激怒する案件だ。

 しかも日本中がコロナ禍第7波で過去最多、世界最多の感染者で溢れ、医療現場も保健所などの自治体現場はひっ迫して悲鳴を上げている。高齢者など救える命が、入院すらできずに亡くなっている緊急事態に、政治は一体何をしているのか?だ。

 壺に冒されたあげく、コロナまん延を手放しで放置し、人々の生命や社会を危険に晒す為政者こそ駆逐されるべき“サタン”そのものではないか

(8月22日付)
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●汚染責任者アベ様という壺の蓋が割れた瞬間に、自民党“統一協会汚染”物質が壺から噴出…衆参院議長、防衛相、文科相、国家公安委員長…

2022年08月11日 00時00分30秒 | Weblog

[※ 「自民党と旧統一教会の闇」(週刊金曜日 1386号、2022年07月22日) ↑]


(20220730[])
汚染責任者アベ様という壺の蓋が割れた瞬間に、自民党“統一協会汚染”物質が壺から噴出…衆参院議長、防衛相、文科相、国家公安委員長…。自民党とズブズブじゃん。
 日刊ゲンダイのコラム【「知らなかった」と大嘘 自民党“統一教会汚染”議員の見苦しい言い訳】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/308941)によると、《まさに“総汚染”である。旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)と自民党議員との癒着が次々に明らかになりはじめている。現職大臣だけでも3人が旧統一教会と関わっていたことが発覚している。二之湯国家公安委員長は、2018年に旧統一教会の関連団体が開催したイベントの実行委員長…》。

 自民党と統一協会の関係やその実態…今、明らかにせずに、いつやるのか?
 長周新聞の記事【記者座談会 安倍晋三は神様なのか? やるなら統一教会葬でどうぞ 英雄扱いする報道の異様さ】(https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/24185)によると、《カルト宗教である統一教会への恨みから、その親派として元首相が射殺されるという衝撃的事件から1週間以上が経過した。その後、メディアは気味悪いほど元首相である安倍晋三の神格化に勤しみ、お涙頂戴キャンペーン一色に染まっている。問題の宗教団体と自民党の癒着やその構造、戦後からこの方に至る歴史的な経緯、政教分離の実態について迫るものは乏しく、むしろ亡くなった途端に生前の数々の疑惑は帳消しとなり、まるで国家の英雄であったかのような持ち上げっぷりである。そして、岸田政権はあろうことか吉田茂以来、55年ぶりの国葬(開催費用はすべて国家負担)を実施するなどといい始め、その是非を巡って波紋が広がっている。各種媒体や関わってきた弁護士等々の努力によって、徐々に明るみになってきた自民党と統一教会の関係やその実態…》。

 清水潔さんのつぶやき:

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https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1551431511626330112

清水潔@NOSUKE0607

かつての首相が深く関わった宗教。そのトラブルに起因して溺愛していた孫の元首相が殺害されるというストーリーがかなり怖い。

さらにその容疑者の自供を無きものにするため精神鑑定し、国葬で全てを終わらせる政府という続編に凍りつく夏。
……

午後1:57  2022年7月25日
―――――――――――――――――――――――――――――――

 前川喜平さん《カルト対策が進まないのは、政治家と宗教団体が持ちつ持たれつの関係だからです。政治家は集票や選挙中の勤労奉仕を期待し、教団側は所轄庁や税務署との緩衝材の役割をあてにする》、《図らずも、銃撃事件によって政治家とカルトの関係が明るみに出て、カルト問題を顕在化させた。対策を取らないのは政治の怠慢だと思います》。
 《さらにその容疑者の自供を無きものにするため精神鑑定し、国葬で全てを終わらせる政府》…怖すぎます、ニッポン。自公お維コミに投票した「1/4」、選挙に行かないことで間接的に自公を支持した「2/4」がもたらしたニッポンの惨状、あとの祭りだ。いま、自民党と統一協会のズブズブの関係を炙り出せないようであれば、お終いだね。

   『●「統一協会、暴力団、日本会議に神道議員連盟…どうするの」と
     ヤジり返して、アベ様にそれらの真偽を確認してもらうべきだった
   『●あとの祭り…《故人の過大評価、美化・神格化…「安倍元首相の悲願は
        憲法改正」「憲法改正が安倍元首相の夢だった」》の垂れ流し…
   『●《二〇二一年時点で民主主義国は八十九で、権威主義国は九十。世界人口
       の七割の約五十四億人が権威主義下で暮ら》す…91国目に堕ちる?
   『●《私は意見を言いません、強いものの近くにいたいのです、という宣言
      に、音楽業界の偉い人がすり寄っているという光景は、あまりに…》
   『●前川喜平さん《「暴力と言論」…言論の衰退と暴力の増長の悪循環を
     止めるには言論を立て直すしかない。だから今言論が委縮してはいけない》
   『●《メディアコントロール》という置き土産 … 《新聞・テレビはこの
      宗教団体の名前を報じていないが、ネット上では「統一教会」…》
   『●《彼のしたこと、しようとしてきたことはただただカネ儲け、戦争が
     できる国への道づくりだった》…それを支持する「1/4」と「2/4」
   『●《「民主主義への挑戦・冒涜」という点で言えば、それこそ安倍政権の
        8年とは、まさに民主主義への挑戦と冒涜、否定の連続であった》
   『●《元首相の死によってすべての疑惑を闇に葬り去るどころか、安倍氏を
     神格化しようとしている》…「民主主義を断固として〝破壊〟する決意」
   『●「不気味な兆候」は既に現実になっている…《まさに言論の砦たる
        メディアとメディア人の役割が問われています》(青木理さん)
   『●《少数意見を尊重し、歩調を合わせようと努めて議論を重ね、成り
     立ってきた戦後民主主義ではないか。それを「聞かない」とは。…》
   『●《メディアコントロール》は続いている…《だからといって、政治》と
     統一協会の《関係について徹底追及がおこなわれているわけではない》
   『●武田砂鉄さん《繰り返し問題視されてきた団体…付き合いが深い議員…。
      再発防止のためにも、宗教と政治の関係を洗い出すのが必要不可欠》
   『●つまり、アベ様は《堂々と、司法の場でも違法性が指摘されている》
      統一協会の《実質トップの名前を自ら挙げ、敬意を表したのである》
   『●キシダメ首相は「民主主義を断固守る」ために国葬を行うというが、
      (政界地獄耳)《よほど民主主義を逸脱し独裁的ではないのか》?
   『●統一協会名称変更問題…《実体が変わらないのに、名称を変えることは
        できない》はずなのに、《あり得ない》ことがなぜ可能になったの?
   『●元文科相からして、統一協会とズブズブだったのではないのか? 反面
      教師として、文科省道徳教育教材『わたしたちの道徳』に載せては?
   『●伊達忠一前参議院議長が元総理に統一協会票を依頼したと驚きの証言…
     《今回…安倍さんは…。『井上(義行氏)をアレ(支援)するんだ』…》

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https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/24185

記者座談会 安倍晋三は神様なのか? やるなら統一教会葬でどうぞ 英雄扱いする報道の異様さ
2022年7月21日

 カルト宗教である統一教会への恨みから、その親派として元首相が射殺されるという衝撃的事件から1週間以上が経過した。その後、メディアは気味悪いほど元首相である安倍晋三の神格化に勤しみ、お涙頂戴キャンペーン一色に染まっている。問題の宗教団体と自民党の癒着やその構造、戦後からこの方に至る歴史的な経緯、政教分離の実態について迫るものは乏しく、むしろ亡くなった途端に生前の数々の疑惑は帳消しとなり、まるで国家の英雄であったかのような持ち上げっぷりである。そして、岸田政権はあろうことか吉田茂以来、55年ぶりの国葬(開催費用はすべて国家負担)を実施するなどといい始め、その是非を巡って波紋が広がっている。各種媒体や関わってきた弁護士等々の努力によって、徐々に明るみになってきた自民党と統一教会の関係やその実態について見ながら、記者たちで議論を深めてみた。


 A その後のメディアの扱いがあまりにも酷すぎると各所で話題になっている。異様さを感じとっている人は少なくない。こぞって「悲しみに暮れる日本国民みたいなものばかりを強調し、泣きながら献花を捧げる人にインタビューしたりして、まるで「安倍晋三天皇」の如く偶像崇拝しているのに特徴がある。突然射殺されて、それ自体ショッキングな事件であることは疑いないが、「日本国の父・安倍晋三様の逝去みたいな世界観が滲み出ていて、極めて宗教的であるし気色悪さすら感じる
 淡々と事実報道に徹すればいいのに、同調圧力をともなったプロパガンダを仕掛けている。ウクライナを巡ってもそうだが、異論は許さぬといわんばかりに染め上げていく。ファッショ的だ。小学生が「安倍元首相は天に昇られるのだと思います」とインタビューに答えているのを見て、「天に昇る」ってまさに統一教会の教えじゃないのか? ひょっとして信者に動員かかってるんじゃないの? と鳥肌が立ったほどだ。いったい延々と何を見せられているんだろうか…と思う。「鬱陶しいからテレビを消す」という人も多い。

 B 何年か前に選挙の街頭演説で「安倍帰れ!」コールをくらって、「あんな人たちに負けるわけにはいかない」と叫んだ後の街頭演説を東京で取材していた際、アンチに対抗して脇を固めるように応援部隊として動員されていたのは明らかに宗教団体だった。今思うに統一教会だったのではないかという気がしてならないが、一般人ではない人々、勢揃いするように目つきの厳しい集団が一群を占めていて、異様な光景だったことを思い出す。安保法制を巡って国会前に群衆が押し寄せていた際も、それに対して統一教会の学生組織が安倍晋三支持でデモを仕掛けるなど、きわめて戦闘的な印象がある。統一教会が安倍親衛隊として動いていたのだろう。
 いずれにしても、その後のキャンペーンはあまりにも安倍晋三を持ち上げ過ぎで、生前の実態についてかき消すように神様扱いしていて驚かされる。日本会議とか統一教会、あるいは安倍晋三教団の信者でもない者としては、事件そのものへの衝撃こそあれ涙を流すほどの感情もないし、そこに同調せよと迫られても正直引く。偶像崇拝したい人々がいるなら勝手に崇拝すれば良いしそれは自由だと思うが、周囲に迫ってくる圧がそれこそ統一教会ではあるまいか? と思うほど強引なのだ。「立派な政治指導者だった」「国のために尽くした偉人だった」と思わない人々は、サタンにとり憑かれているとでもいい出しかねない空気が煽られている個人崇拝も大概にしなければならない

 C とはいえ、世間はメディアが思うほどプロパガンダに染まっていないし、冷静に眺めている人がほとんどだと思う。国葬についても「やるならホテル・ニューオオタニで会費は5000円サントリーが酒を無料提供し、統一教会葬として実施したらよいのではないか」と桜を見る会前夜祭に重ねて提案する声だってある。それに共感する人々も意外に多い。本当にその通りだなと思う。死に様が衝撃的だったとはいえ、それだけをもってどうして国家あげて葬儀する必要があるのかと――
 国葬に法的根拠もないが、どうして統一教会との密接な関係があったが故に狙われた一人の政治家に対して、統一教会の信者でもない者までが「一億総喪中」をしなければならないのかだ。ボスを失って安倍派とか清和会が悲しいというなら、彼らが政教分離など知ったことかと宣言して、統一教会や日本会議などといっしょに身内でやればよいだけで、国家あげて天まで持ち上げて葬儀をあげるなどどうかしている。吉田茂以来55年ぶりというが、だいたい吉田茂の国葬そのものがおかしいのだアメリカの対日支配に協力した為政者ほど崇め奉られるようなのが伝統なのかだ。

 D 国費を投じた国葬といっても、どうせ電通とかパソナが請け負うんだろうと思うとゲンナリする。なんのことだか。それで国をあげてのお涙頂戴キャンペーンが秋になってもまだくり広げられ、「一億総号泣」でもしろというのだろうか。いい加減にしてもらいたい。

     (統一教会の関連団体・UPF(宇宙平和連合)の大会に
      送られた安倍晋三元首相のメッセージ)

 A 今回の事件は、自民党のなかでもとりわけ清和会と宗教団体との歴史的なつながりが仇になったもので、日本の政治の裏側を引きずり出すものになった。日本の独占大企業や資本家にとって、またその上段に君臨して戦後の対日支配を実行してきたアメリカにとって、岸信介(CIAのエージェント)から安倍晋三につながる政界の権力というのは、彼らが与えて育んできた権力にほかならない。いわゆる戦後の冷戦期から今日に至る右の軸なわけだ。そこにカネが集まるから最大派閥というものができあがり、日本の政界において隠然たる地位を築くことができたのだ。
 自民党の結党資金をCIAが提供していたことなども既に周知の事実ではあるが、親米右派であったり、親米左派をも培養し、いわば右手と左手を使いこなしながら対日支配を実行してきたのがアメリカだ。そのなかで、統一教会や勝共連合も右派運動の一翼として存在を認められ、右派政治家たちと密接な関係を切り結びながら今日に至るも活動をくり広げているに過ぎない。「神様のご加護」ではなく「為政者及び権力者のご加護」、力添えのおかげで統一教会みたいな宗教団体がのさばり、どれだけ信者が苦しもうが存在を許されてきたのだ。

 C 「統一教会はCIAがカネを突っ込んでつくった右派セクター」という指摘もあるが、教祖の文鮮明とつながってその設立に関わった岸信介自身がCIAのエージェントとして戦後の歩みを進めたわけで、まったく無関係とも思わないし、特にビックリ仰天するような話でもない。60年安保とか70年安保など、冷戦期の激動の時代にあって、対日支配の道具として過激な右側である国際勝共連合は育まれたし、その必要から笹川良一や岸信介が立ち上げたのだ。
 だいたい世界中で宗教組織、テロ組織を培養して政権転覆なり恐怖支配をくり広げてきたのがCIAで、謀略などなんでもあり。その基準は民主主義の実現とか善悪ではない。アメリカにとって都合が良いなら恥も外聞もなくテロ組織だろうが宗教団体だろうが培養するのだ戦犯の岸信介だろうが手先として使う。その岸信介をルーツとした統一教会についても、政治的な存在として捉えないといけない。信者を塗炭の苦しみに追い込むほどカネを巻き上げるひどいカルト宗教であるが、そのようなものがどうして自民党政治と癒着し、存在を許されてきたのかだ

 D 統一教会そのものは朝鮮動乱を経た50年代頭に韓国で産声を上げ、アメリカが作り上げた韓国の軍事独裁政権ともつながって、まさに右派セクターの一翼として出発している。日本と韓国の戦後出発は、ともにアメリカの軍事支配から始まった。韓国ではアメリカ仕込みの李承晩が送り込まれて軍事政権で国内を抑え込み、一方の日本では天皇のみならず岸信介をはじめとした日本軍国主義の為政者や統治機構が丸ごとアメリカに屈服して武装解除をやり、戦後の地位を保証されたもとで占領統治が実行された。つまり、日本の独占企業なり為政者はアメリカに屈服したもとで首の皮をつなぎ戦後出発したのだ。
 官僚機構もそのまま。大本営を主導した朝日新聞の緒方竹虎や読売新聞の正力松太郎などもCIAのエージェントとなってメディアの世界に居座り続けた。先程から論議になっているように、岸信介もCIAのエージェントだったことが明らかになっているし、笹川財団の笹川、右翼のドンといわれた児玉など、アメリカの占領支配に協力するものはみな抱えられ、戦後もポストを与えられた。いわば間接統治の駒として機能していく。アメリカが最上段に君臨したもとで、それら対日支配の協力者の国内での権力は与えられたのだ。

 A 一方で、統一教会と日本国内の右派がズブズブだった関係と関わって韓国でどうだったかというと、これもあまり日本国内では報道されないものの、日本の占領統治に協力していた朝鮮総督府の面々や日本陸軍士官学校関係者などが復職を許され、アメリカはおおいに統治に利用した。それこそ徴用工問題と関わって1965年の日韓請求権協定を結んだ朴正煕は日本陸軍士官学校卒の軍人で、昵懇(じっこん)の関係を結んでいた岸信介などは占領時代の上司みたいなものだ。
 それで8億㌦の経済支援で戦後賠償は終わったみたいなことをいうが、要するにODA方式で三菱重工業はじめとした大手企業が地下鉄工事その他の事業を請け負い、日本にバックさせる、自民党政治家にバックさせるという手法だった。総元締めにいたのが岸信介であり、脇を固めたのは満鉄調査部の幹部だった連中など植民地支配を実行していた面面だ。満鉄調査部の人員は戦後、電通がごっそりとひきとり、それがメディアを支配する電通の今につながるルーツでもある。その電通に首根っこを抑えられたメディアが「安倍晋三様のご逝去」報道をくり広げているのだから笑えない。

 D 岸信介といえば韓国利権で有名だが、いわゆる韓国の保守というのが、日本の旧植民地主義者たちにとってはかつての目下の部下であり、彼らは深くつながりを持ちながら共にアメリカの支配下で戦後出発を迎える。日米韓を又にかけて宗教活動をくり広げた統一教会も反共右派の一翼だったというだけだ。アメリカにも拠点がある。そうして、日本国内から巻き上げた信者からの多額の献金によって、韓国では財閥のような存在となり、系列の有名な飲料会社がサッカーチームを持っていたほどだ。

     (政治と宗教の解明必須 統一教会野放しの背景)

 A 『週刊文春』が山上某の伯父へのインタビューを掲載していたが、まことに過酷な人生を歩んでいたことがうかがえて、ちょっと言葉がない。詳しくは『文春』を読めばいいが、宗教団体に家族を狂わされた二世の気持ちを想像すると、どうしてこのような宗教団体が野放しにされてきたのかと心底思う。弁護士たちものべていたが、このような社会悪がとり締まられることなく、むしろ政界にも侵食していたのだから異常事態だそれこそ民主主義への挑戦だろう。

     (統一教会の機関紙の表紙を何度も飾っていた)

 なぜ安倍晋三を狙ったのか本人が理由にもあげていた統一教会の関連団体であるUPFの大会メッセージを見てみたのだが、「ご出席の皆様、日本国前内閣総理大臣の安倍晋三です。UPF主催のもと、より良い世界実現のための対話と諸問題の平和的解決のために、およそ150カ国の国家首脳、国会議員、宗教指導者が集う希望前進大会で、世界平和を共に牽引してきた盟友のトランプ大統領と共に演説機会を頂いたことを光栄に思います。特にこの度出帆したシンクタンク2022の果たす役割は、大きなものであると期待しております。今日に至るまでUPFと共に世界各地の紛争の解決、とりわけ朝鮮半島の平和的統一に向けて努力されてきた韓鶴子総裁(統一教会総裁)をはじめ、皆様に敬意を表します――」の挨拶に始まるメッセージは、広告塔としても十分過ぎるが、単純に広告塔だったというだけでは済まない

 D この間の報道で明らかになったことを見てみると、統一教会のイベントに祝電を送ったり、講演したり、来賓挨拶したり、機関紙のインタビューに応じたり、公に関係を持っている政治家だけあげつらっても相当数にのぼる。安倍晋三に始まり、菅義偉麻生太郎下村博文高市早苗稲田朋美細田博之加藤勝信萩生田光一岸信夫平井卓也山谷えり子猪口邦子逢沢一郎衛藤征士郎といった清和会を中心としたメンバーの他に、野党関係者のなかでも前原誠司細野豪志なんかも関係がとり沙汰されている。竹中平蔵も日韓トンネル財団の関係の催しで挨拶している。まだまだこんなものではないのだろう。統一教会が姿を変えるのを得意技とし、企業に扮したり様々な業態に七変化することから分かりづらいものの、「政治と宗教」の関係がどうなっているのか実態解明は必要だ。

 B 残酷な献金や詐欺まがいのカネ集めはどう見ても反社会的なもので、オウム真理教と同じように犯罪捜査の手が及ばなければならないのに、2006年の第一次安倍政権のもとで公安が統一教会を重点監視対象から外し、第二次安倍政権下の2015年には、1994年から認めてこなかった統一教会の名称変更を文科省が承認した。あの宗教団体の衣替えを公認したのだ。当時の大臣は清和会所属の文教族・下村博文だ。そして安倍晋三の私物化疑惑と同じように同教団のおこないは厳しく報道されることもなく、むしろ闇の勢力として政界でも存在感を強め、暗躍していたのが実態なのだろう。政治家がこぞって統一教会とつながり、隠すことなくメッセージを寄せたりするのが常態化し、むしろ統一教会にすり寄った者ほど安倍政権のもとで大臣に出世したのだ。
 信者からの激しい献金の巻き上げで悲劇がいくつも起きていることは霊感商法対策弁護士連絡会の会見でも浮き彫りになったが、そのカネは政界にも流れていたことは容易に想像がつく。それが自民党だけでなく民主党にも及んでいる。国会議員の秘書として三桁に届くくらい統一教会から送り込まれているというが、これをズブズブといわずしてなんというのだろうか

 A 国際勝共連合の運動方針を見てみると、第一次、第二次安倍政権で安倍晋三やそのとり巻きたちが力を入れてきた政策とぴったり符号するものばかりだ。非核三原則の改廃、日本版NSCの設置、集団的自衛権の行使容認、武器輸出三原則の改廃、防衛産業を成長戦略に盛り込む、宇宙の軍事利用促進、緊急事態基本法の制定、憲法改正、男女共同参画社会基本法の改廃、青少年健全育成基本法の制定、勝共思想の定着、共産主義の脅威から国を守る、ジェンダーフリーや過激な性教育の廃止、夫婦別姓の阻止などがテーマとして掲げられている。家族の絆云々をことのほか強調するのも特徴だ。まあ、山上一家みたく家族を切り裂いておいて何をかいわんやでもあるが、日本会議とか自民党右派の特徴ともかぶる

 C 軍事的な要求としては、アメリカの対日政策ともぴったり符号するもので、まさに安倍政権の8年で実現してきたことばかりなのだ。日本版NSCを発足させ、特定秘密保護法を制定し、消費税は二度の増税を実施し、内閣人事局を発足させて官僚支配を強めたり、憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法案を成立させ、共謀罪を盛り込んだ組織犯罪処罰法を成立させ、一方ではモリカケ桜、お気に入りのブレーンを検事総長につけようとしたり、河井案里事件があったり大暴走をくり広げてきた八年といえる。それ自体前代未聞の権力の私物化がとり締まられることなく黙認されたり、何もなかったように誤魔化されてきたのも、対中国の軍事的拠点としてアメリカの盾となる道を進み、そのための法整備を大暴走してでもやり遂げる駒だったからであり、独占資本にとっては大企業天国を保証してくれる政策の実行者だったからにほかならない。

 A 安保法制などが最たるものだが、それはすなわち自衛隊の米軍の二軍化であり、一連の法整備や安倍政権のもとで進んだ軍事戦略・配置は、アメリカの盾となって日本をウクライナのように最先端の戦場にしてしまいかねないものだ。それらは強面の右傾化勢力にガッチリと支えられ、自民党内でも他がチンとおとなしくなるような力でもっておし進められた。最終的に改憲で戦争できる国作りの総仕上げにかかっている。口先とは裏腹に「日本を守る」ではなくミサイルの標的に立候補して「アメリカを守る」をやっているわけだ鉄砲玉になる道に誘っているのだから売国奴といわなければならない。そのような政治を実行してきた者を、なぜ神様の如く国葬で一億総号泣して送らなければならないのかだ

 B 安倍晋三の射殺事件後、なぜかネトウヨが統一教会には寛容でおとなしいことが不思議がられている。実はこの何年来かの右傾化の主体的勢力だったのではないかという見方もされているが、過激で戦闘的な宗教団体が組織的にこの数年来の右傾化なるものの担い手となり、安倍晋三親衛隊として支えていたとしても何ら不思議ではない。それはもう、お爺さんの代から密接なのだ統一教会と自民党及び政治の関係について、引き続き報道の手を緩めてはならないし、依存している政治家の存在に光を当て、一人残らず引きずり出すことは重要だ。依存しているとは要するにカネもかかわった話であろうし、それは統一教会信者たちへの残酷な搾取の賜であることからも許しがたいものなのだ。号泣するどころか、むしろ激怒しなければならない性質の問題だ
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●軍艦島を始めとする「明治日本の産業革命遺産」が世界文化遺産に…ユネスコでの日本側のアノ「約束」から履行してみては如何だろうか?

2022年02月10日 00時00分50秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]


――――――《内閣官房は文化審議会とは別の有識者会議を設けて「明治日本の産業革命遺産を推薦する」と言ってきた。最後は官邸主導の政治決断となり、「長崎教会群」ではなく「明治産業革命遺産」が選ばれたんです。初めから結論は決まってたんですよね》(前川喜平さん)

―――――― 上野英信さん『追われゆく坑夫たち』には、《Yさん…「…」と鉄棒をさすりながら勤労係が言いました。こうして私は海のなかの恐ろしい監獄島――三菱端島炭鉱で働くことになりました》



(2022年01月30日[日])
日刊ゲンダイのコラム【立岩陽一郎 ファクトチェック・ニッポン!/「佐渡島の金山」世界文化遺産登録をめぐる「めざまし8」での私の発言が批判を浴びているが】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/300424)。 

 《まず、世界遺産には自然遺産と文化遺産があり、文化遺産については歴史もその評価の対象となる。その上で、負の歴史があるならそれも含めて遺産と考えるべきで、反論するよりも、そうした事実を含めて遺産として考えるべき。予想通り、「反日」の言葉とともに罵詈雑言が浴びせられている。発言はあくまで一般論として私見を語ったものだが、別にそう釈明する気もない。安倍元首相は「歴史的な事実に基づき」と言うが、「過酷な労働」の「過酷な」は認識だ。認識は事実ではないのでファクトチェックできない。双方の主張は平行線をたどるしかない》。

 まず、同コラムで、立岩陽一郎さん《そこまで考えて気づく。番組担当者は仮のような番組は間違っても作らない。その「ミス」が深刻な事態を招くことを誰もが知っているからだ。私たちはそういう社会に生きており、メディアはそれにあらがう力を既に失っている》。
 《失われ尽くしつつあるマスコミの矜持と信用》(斎藤貴男さん)。

   『●《黒田さんは「差別」と「戦争」を最も憎んだ。人々の幸福実現が
     新聞の最大の使命なら、それを最も阻害するのが差別と戦争だからだ》
   『●お維の大阪府と包括連携協定の下足番広報紙…《メディアの役割は
     府政の監視をし、その政策を客観的・批判的な視点から報じること》
   『●エール ―――《そんな世の中において、一つの言論機関としての矜持を
       持ってやっていく、しかも…貫くことの大変さは身に染みてわかる》

 さて、佐渡金山。軍艦島について、ユネスコでの日本側のアノ「約束」はどうなったの…? まずは、アノ「約束」から履行してみては如何だろうか? ニッポンに対して、2021年7月、《ユネスコが、守られていないと批判する決議を採択》したわけですが、その後、どうなったのですか? 《こんな不誠実な態度、下劣な二枚舌を使えば、国際社会は呆れ返り、すでにガタ落ちしている信頼はさらに失墜し、相手にされないのは目に見えている》《「約束破りな上、二枚舌を使うという国際社会からの信頼を失墜させる自殺行為にほかならず、日本が歴史修正主義による“ならず者国家”だと印象づけるだけの、愚行以外の何ものでもない。世界遺産登録をめぐって「歴史戦」などというネトウヨ用語が飛び交う状況こそが異常なのだ》…あぁ、情けなく、恥ずかしいニッポン。

   『●《内閣官房は文化審議会とは別の有識者会議を設けて「明治日本の
     産業革命遺産を推薦する」と…。最後は官邸主導の政治決断となり…》

 リテラの記事【安倍のせいで「佐渡金山」世界遺産は逆に絶望的に! 歴史修正主義宣伝と影響力誇示のためだけに“安倍フォン”かけまくり関係者に圧力】(https://lite-ra.com/2022/01/post-6155.html)…《安倍のせいで「佐渡金山」世界遺産は逆に絶望的に!》の可能性が高く、でも、アベ様にとってそんなことはどうでもよく、「力を誇示」できればそれが本望だったというオチのようだ。日夜キシダメ首相、そして、マスコミも情けないなぁ…。

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/300424

立岩陽一郎 ジャーナリスト
ジャーナリスト。91年、一橋大学卒業後、NHK入局。テヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクなどを経て退職。現在は調査報道とファクトチェックを専門とするNPOメディアInFact編集長。同コラムを書籍化した「ファクトチェック・ニッポン 安倍政権の7年8カ月を風化させない真実」発売中。毎日放送「よんチャンTV」、フジテレビ「めざまし8」出演中。

ファクトチェック・ニッポン!
「佐渡島の金山」世界文化遺産登録をめぐる「めざまし8」での私の発言が批判を浴びているが
公開日:2022/01/26 06:00 更新日:2022/01/26 06:00

     (安倍元首相(C)日刊ゲンダイ)

 1月21日のフジテレビの情報番組「めざまし8」での私の発言が批判を浴びているようだ。「佐渡島の金山」の世界文化遺産登録について、韓国政府が「朝鮮半島出身者が過酷な労働をさせられた場所だ」などと反発したため、政府が推薦を見送る方針との内容について話したものだ。

 番組では安倍晋三元首相の「歴史的な事実に基づき、しっかり反論すべきだ」との発言や、新潟県知事の「(韓国政府の反発は)世界遺産の価値とは関係がない」などの発言が紹介され、それを受けて私が意見を求められた。

 私の発言は以下だった。まず、世界遺産には自然遺産と文化遺産があり、文化遺産については歴史もその評価の対象となる。その上で、負の歴史があるならそれも含めて遺産と考えるべきで、反論するよりも、そうした事実を含めて遺産として考えるべき

 予想通り、「反日」の言葉とともに罵詈雑言が浴びせられている。発言はあくまで一般論として私見を語ったものだが、別にそう釈明する気もない。安倍元首相は「歴史的な事実に基づき」と言うが、「過酷な労働」の「過酷な」は認識だ。認識は事実ではないのでファクトチェックできない。双方の主張は平行線をたどるしかない。

 これも当然だが、もし仮に私が「政府の弱腰は情けない。韓国にしっかり反論して世界遺産に推薦すべきだ」と言っていればこうした批判を受けることはない。その発言に失望を覚える人は、表現の自由を理解している可能性が高く、ましてネットで罵詈雑言を書き連ねるような真似はしない。それがわかっているから、罵詈雑言をする側に配慮した発言に終始する人はいるだろう

 この仮に、という仮定を現在起きているメディアのさまざまな問題に当てはめて考えてみたい。仮に、民放テレビ局が正月の特別番組で共産党から出た自治体の長2人と共産党で長く活躍した著名な識者を出し、タレントの司会で政治や社会について語らせたらどうだろうか? 放送後しばらく経った後に社長が記者会見で調査をすると語るだけで済むだろうか

 これも仮に、だが、NHKが東京五輪の公式記録映画を製作する映画監督に密着取材した番組で、「五輪『賛成』デモに参加している」「お金をもらって動員されていると打ち明けたとテロップで紹介したらどうだろうか? 実際にはそうした証言はなかったにもかかわらず番組を制作した大阪拠点放送局の局長が謝るだけですむだろうか

 説明するまでもなく、前者は政党名を変えて、後者は「賛成」を「反対」に変えて実際に起きたことだ。それだけの違いだが、仮に、この仮の話が起きていたら与党は大騒ぎし、「国会に関係者を呼んで事実関係をただせ」と大物議員が発言するニュースが飛び交っていただろう

 そこまで考えて気づく。番組担当者は仮のような番組は間違っても作らない。その「ミス」が深刻な事態を招くことを誰もが知っているからだ。私たちはそういう社会に生きており、メディアはそれにあらがう力を既に失っている

※コラムへの感想や意見は以下のアドレスへ。
 tateiwa@infact.press
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https://lite-ra.com/2022/01/post-6155.html

安倍のせいで「佐渡金山」世界遺産は逆に絶望的に! 歴史修正主義宣伝と影響力誇示のためだけに“安倍フォン”かけまくり関係者に圧力
2022.01.30 08:00

     (安倍晋三Facebookより)

 2023年の世界文化遺産登録を目指す国内候補に選ばれた「佐渡島の金山」(新潟県佐渡市)について、政府がユネスコへの推薦を「見送る」とした報道から一転、28日、岸田文雄首相は「本年申請をおこない、早期に議論を開始することが登録実現への近道であるという結論に至った」と公表、ユネスコへ推薦すると表明した。

 岸田首相は「変わったとか(方針を)転換したとの指摘は当たらない」と述べたが、安倍晋三・元首相からのゴリ押しに屈したことは一目瞭然だ

 佐渡金山は昨年末の2021年12月28日に文化庁が文化審議会においてが国内候補に選定されたと発表したのだが、この決定に対し、佐渡金山は戦時中に朝鮮人の強制労働がおこなわれた歴史があることから韓国政府が反発。外務省も「登録が見込めない」という理由からユネスコへの推薦に消極的な姿勢を示していた。

 ところが、急に安倍元首相がしゃしゃり出るようになり、「(韓国に)ファクトベースでしっかり反論すべきだ」「論戦を避けた形で申請しないのは間違っている」などと主張。自民党政調会長である高市早苗氏やネトウヨ論客たちも一斉に岸田バッシングを開始し、ついに岸田首相は見送りの方針を一転させたのだ。

 だが、暗澹とさせられるのは、今回のユネスコ推薦決定に対し、ネトウヨたちだけではなく、マスコミや世論からも「安倍元首相や高市氏の主張は当然」「韓国が政治問題化させているだけ」という声があがり、「岸田首相が弱腰すぎた」など安倍元首相のゴリ押しを評価する向きがあることだ

 まったく何を言っているんだか、という話だろう。まず、そもそも岸田首相や外務省がユネスコへの推薦に消極的だったのは、戦時中の朝鮮人強制労働の歴史を重く見たとか、そういう理由ではまったくなく、自分たちの「二枚舌」が国際的に問題となることを見越した上での判断だった

 というのも、日本政府は2015年に中国が世界記憶遺産(現・世界の記憶)に申請した「南京大虐殺の文書」が登録されたことや2016年に日中韓などの民間団体が旧日本軍「従軍慰安婦」にかんする資料を申請したことに対して政治利用されているなどと猛反発し、ユネスコに審査方法の見直しを要求。2017年には日本政府の強い反対によって慰安婦関係資料の登録判断が延期され、登録申請の受付も中断させていた。そうしたことを受けて、ユネスコの執行委員会は2021年4月、加盟国による異議申し立てを認め、関係国が無期限で対話するなど「加盟国の反対がある限り遺産登録を見合わせるという制度改革案を承認したのだ。

 つまり、日本政府が南京大虐殺や従軍慰安婦にかんする文書・資料の登録・申請に猛反発し、加盟国の反対があれば遺産登録を見合わせられるという制度をユネスコに導入させたというのに、今回は韓国から反対の声があがっていることも無視して推薦しようというのだ。

 今回は世界文化遺産への登録をめざすもので「世界の記憶」とは制度が異なるが、無論、「言っていることとやっていることが違う」とユネスコや国際社会から反感を買うのは火を見るより明らか。だからこそ、外務省は佐渡金山のユネスコ推薦に消極的だったのだ。現に、〈外務省内では、「今回は日本が逆の立場になり、韓国の反発がある中で推薦すれば国際社会の信用を失いかねない」との判断も働いた〉(読売新聞20日付)といい、今回の推薦決定を受けて、〈韓国が反発する中で推薦することで「日本のこれまでの主張と整合性がとれなくなる」(外務省幹部)との懸念が出ている〉(毎日新聞29日付)という。


■「明治日本の産業革命遺産」では、「徴用の実施」をきちんと説明すると言いながら約束を反故に

 しかも、問題はこれだけではない。世界遺産登録をめぐっては、日本側はユネスコの世界遺産委員会との約束を堂々と破り、昨年には世界遺産委員会が「強い遺憾を示す」とする決議を採択しているからだ。

 問題となっているのは、2015年に当時の安倍首相の肝いりによって世界遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」。この世界遺産登録には韓国が反発していたが、日本側は朝鮮人徴用工について意思に反して連れて来られ、厳しい環境の下で働かされた多くの朝鮮半島出身者等がいたことを認め、〈第二次世界大戦中に日本政府としても徴用政策を実施していたことについて理解できるような措置を講じる〉(内閣官房「産業遺産情報センターの在り方等について(第一報告書))」)約束していた

 ところが、世界遺産登録後の2017年に日本側がユネスコへ提出した「保全状況報告書」では、朝鮮人徴用工について「戦前、戦中、戦後にかけて日本の産業を支えた多くの朝鮮半島出身者がいた」という記述で強制連行や過酷労働の実態を矮小化。2019年に出された「保全状況報告書」では朝鮮人徴用工について一切触れないという下劣な手に出た

 さらに、「徴用政策を実施していたことについて理解できるような措置を講じるという約束から設置された「産業遺産情報センター」の一般公開では、徴用工の置かれた過酷な状況を説明するどころか、父親が軍艦島炭鉱で働いていたという人の「いじめられたとか、指さされて『あれは朝鮮人ぞ』とは全く聞いたことがない」という証言を紹介、給与やボーナスが支払われていた物証などを展示したのだ。

 あらためて言っておくが、戦時中の朝鮮人強制連行は、当事者の証言だけでなく、公文書を含んだ史料がいくつも残っている歴史的事実だ。また周知のように、徴用工は企業によって、一部、日本人と変わらない待遇を受けているケースもあったが、大半が日本人とまったく違う劣悪な環境で働かされ、虐待や暴力を受けていた。そのことは、戦時中の日本政府の文書など公文書にも記録されている客観的事実だ。

 ところが、同センターはそうした事実をほとんど無視して、逆にごく一部のケースを強調して強制労働の否定を宣伝したのだ。

 当然、こうした展示実態をユネスコの世界遺産委員会も問題視。2021年7月の報告書では、「産業遺産情報センター」への専門家の現地視察を踏まえて、「朝鮮半島出身者らが意思に反して連れてこられ労働を強いられたと認識するのは難しそうだという強い印象が残った」と指摘。そして、2021年7月22日に世界遺産委員会は朝鮮半島出身者らが強いられた労働についての説明が不十分なままだと判断し、「強い遺憾を示すとする決議を全会一致で採択。「意思に反して連れてこられ、厳しい環境の下で働かされた多くの朝鮮半島出身者らがいたことや、日本政府の徴用政策について理解できるような措置を考慮することを迫ったのだ

 だが、このユネスコの決議に対しても、当時の加藤勝信官房長官は「約束した措置を含め誠実に実行し、履行してきた」と反論。まるで反省がないという絶句するような態度をとったのである。


■安倍は自らネトウヨ用語の「歴史戦」を宣言! おかげで佐渡金山の世界遺産登録は絶望的に

 ユネスコとの約束を反故にして、突きつけられた決議に真摯に向き合うこともないのに、平然と次の世界文化遺産候補を推薦することは、怒りを買う行為にほかならない。しかも、前述したように「加盟国の反対がある限り遺産登録を見合わせる」という制度変更を要求してきたくせに、今度は加盟国から反発が起こっている案件を推薦しようというのだこんな不誠実な態度、下劣な二枚舌を使えば、国際社会は呆れ返り、すでにガタ落ちしている信頼はさらに失墜し、相手にされないのは目に見えている。外務省が消極的だったのは当たり前の話だろう。

 ところが、安倍元首相はこうした国際的な常識もおかまいなし。ここぞとばかりに佐渡金山のユネスコ推薦をゴリ押ししたのである。

 言っておくが、安倍首相の目的は、「世界遺産登録によって佐渡金山の価値を広めたい」というようなものではまったくない。なぜなら、安倍首相がやろうとしているのはまったく逆の結果を生むものだからだ。

 もし、日本が本気で佐渡金山の登録をめざすのであれば、まずは「明治日本の産業革命遺産」に対して出された決議に基づいて「産業遺産情報センター」の展示を見直し、国際社会にその姿勢を示すのが先決だし、さらに今回の佐渡金山の推薦も「江戸時代の手掘りの伝統手工業遺産に対するものだ」(高市早苗政調会長の発言)などとただ反発するのではなく、佐渡金山における戦時中の強制労働の実態についてもしっかりと認めた上で韓国と対話することが必要だ

 そうした努力もしないまま、強引に佐渡金山の世界遺産登録を主張しても、ユネスコがそれに応じることは、まずありえないだろう。それだけではない。一度世界遺産への登録が不可能と判断された推薦候補がその後、登録された例はない

 つまり、安倍元首相のこのゴリ押しによって、佐渡金山は今回だけでなく、将来にわたっても世界遺産登録が難しくなる可能性が高いのだ。

 しかし、安倍元首相は、そんなことはどうでもいいのだろう。なぜなら、安倍元首相やネトウヨの目的は、佐渡金山の世界遺産登録ではなく、今回の問題を朝鮮人強制労働の事実を否定する「歴史修正」に利用しようというものにすぎないからだ。

 事実、安倍元首相が勢いづいたのは、佐渡金山が国内候補に決定して韓国から反発を受けて以降のこと。しかも、27日には自身のFacebookでこう主張していた。

「(韓国側に)歴史戦を挑まれている以上、避けることはできない」

 周知のように、「歴史戦」という言葉は先の戦争を肯定する歴史修正主義者の言論拠点である産経新聞が生み出したネトウヨ用語。そんな言葉を堂々と使ったことからも、「徴用工問題は絶対に認めない」という、歴史的事実を捻じ曲げるためだけにユネスコへの推薦をゴリ押ししたのは明らかだ。


■安倍の頭の中は「ネトウヨ趣味」と「政治力維持」だけ、関係者に「安倍フォン」かけまくり

 そもそも、佐渡金山の世界遺産登録の大きな阻害要因となっている「明治日本の産業革命遺産」をめぐる国際公約破りや、「産業遺産情報センター」での歴史修正主義宣伝も、安倍元首相の意向に基づくものといわれている。

 実際、安倍元首相は2020年、「産業遺産情報センター」を視察した際、Twitterで展示パネルの「戦時中の長崎造船所 徴用工に支払われていた給与+ボーナス」写真を貼り付けた上で〈当時の彼らの労働に対する待遇が本当はどうであったかを物語る貴重な資料〉〈いわれなき中傷への反撃はファクトを示す事が一番〉などと主張していた。

 当時、本サイトでは、安倍元首相が挙げた資料が徴用工の差別的待遇や強制労働を否定する「ファクト」ではけっしてなく、元徴用工の人びとが証言している強制動員・強制労働や差別的な扱いを「いわれなき中傷」などと決めつけている主張こそがフェイクであることを歴史的資料・証言に基づいて検証したが(既報参照→ https://lite-ra.com/2020/10/post-5682.html)、安倍元首相は今回の佐渡金山をめぐっても、同じようなフェイク宣伝をやろうとしているのだろう。

 佐渡鉱山では長崎の端島をはじめとする地域と同様、朝鮮人が強制的に連行された上で危険な労働を強いられていたことが指摘されており、それは新潟県が編纂した通史でも記述されている事実だが、安倍元首相は佐渡金山の世界遺産登録働きかけ運動によって、同じように徴用工の強制労働、虐待否定を展開するはずだ。

 しかも、安倍元首相には、今回のユネスコへの推薦問題を歴史修正に利用しているだけではなく、自身の政治的影響力を誇示する目的もある。

 実際、外務省が今回のユネスコへの推薦に消極的な姿勢を見せると、安倍元首相は安倍派の会合で「論戦を避ける形で登録を申請しないというのは間違っている」「しっかりとファクトベースで反論していくことが最も大切だ」と発言。これは〈推薦を見送れば、党内の安倍氏に近い議員らが首相を見放しかねないとのメッセージ〉(朝日新聞29日付)だったが、じつは安倍元首相は裏でも策動息のかかった関係官僚やメディア関係者に次々と「安倍フォン」をかけまくり、「世論を盛り上げろ」と指示していたという

 安倍元首相は最近、自分と距離を置こうとする岸田首相に対して焦っていたというが、そんななかで持ち上がった今回の問題は、自分の政治力を岸田首相に見せつける絶好のチャンスだった。安倍元首相は昨年の総裁選でも自分の影響力を誇示して岸田氏を服従させるべく、高市支持を呼びかける「安倍フォン」を発動させたが、今回も同じように岸田首相を揺さぶろうと必死になっていたのだ。

 そして、安倍元首相の目論見どおり事は運び、岸田首相は完全に屈服。NHKや読売新聞までもついに産経用語の「歴史戦」という文言まで用いて推薦することを後押しし、世間も「弱腰の岸田」「安倍元首相の主張はもっとも」などと評価しているのだ。つまり、すべては安倍元首相の思うツボとなったわけだ。

 だが、繰り返すが、今回の決定は「約束破りな上、二枚舌を使うという国際社会からの信頼を失墜させる自殺行為にほかならず、日本が歴史修正主義による“ならず者国家”だと印象づけるだけの、愚行以外の何ものでもない。世界遺産登録をめぐって「歴史戦」などというネトウヨ用語が飛び交う状況こそが異常なのだと強く言っておきたい。

(編集部)
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●(マハティール首相)「日本は核兵器が使われた際の悲惨さを知っている」はずなのに、アベ様ときたら核兵器保有論者

2019年08月12日 00時00分59秒 | Weblog


東京新聞の記事【日本は核禁止条約支持を マハティール氏「唯一苦しんだ国」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201908/CK2019080802000169.html)。
琉球新報のコラム【<金口木舌>走り続ける被爆者】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-968903.html)。

 《「日本は核兵器で苦しんだ世界で唯一の国だ」と述べ、核兵器禁止条約を支持し、核廃絶を国際社会に強く働き掛けるよう訴えた。日本の憲法九条については戦争を紛争解決の手段とすることを禁じており、他国も見習うべきだと評価し、改正せずに維持するべきだとの考えを示した》。
 《「日本は唯一の被爆国。核兵器禁止条約に参加して、核保有国と非保有国との橋渡し役を果たすべきだ」。長崎で被爆した伊江和夫さん…》。

 マハティール首相は「日本は核兵器が使われた際の悲惨さを知っている」と言います。だからこそ、《「日本は核兵器で苦しんだ世界で唯一の国だ」と述べ、核兵器禁止条約を支持し、核廃絶を国際社会に強く働き掛けるよう訴えた》訳です。なのに、《日本も参加せず、発効に至っていない。マレーシアは署名している》…哀しい状況。

 ましてや、アベ様ときたら、《憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。小型であればですね》…こんな人がニッポン国の首相。この国はあまりに恥ずかし過ぎる

   『●「核なき世界」: 「核廃絶に向けた決議の採決で、
       唯一の被爆国の日本が反対票…日本はあまりにも鈍感」
   『●「唯一の被爆国」で原発人災も起こしたニッポンが
        「原発は『プルトニウムをつくる装置』」を理解できず…
   『●肥田舜太郎さん「せめて未来の子どもたちのために、
       放射能の心配のない日本を残していけるよう…努力」を
   『●オバマ氏の広島訪問さえも単なる選挙対策…
       …自民党は「口だけ」、選挙で同じ過ちを繰り返してはいけない
    「「核なき世界」どころか、「核兵器のない世界」ですらアベ様の
     「息吐く様に嘘つく」、アベ様のウソ吐きだったようです」

   『●サーロー節子さん「自分の国に裏切られ、
      見捨てられ続けてきたという被爆者としての思いを深くした」
    「「核兵器なき世界」さへ目指さないアベ様の言う「核なき世界」が
     如何にいい加減かが分かろうというもの…
     「憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。
     小型であればですね」というアベ様の思想は何も変わっていない
     のでは?」

   『●核兵器禁止条約…核発電「麻薬」中毒者への忠告、
       近衞忠煇氏「実際にはそれしか選択肢はないのです」
   『●室井佑月さん「安倍さん率いるこの国に、誇りが持てない」
                       …アベ様の辞書には「倫理」無し
   『●「核廃絶の訴えは政府だけの役割ではない」…
        とは言え、そこに居るべき国が居ない恥ずかしさ
   『●核兵器禁止条約不参加で、「どこの国の総理ですか」な 
          アベ様の「わが国のアプローチ」とやらは一体全体?
    「《核兵器禁止条約…日本は条約に不参加》《首相は…
     「わが国のアプローチと異なる署名、批准を行う考えはない」》…
     居るべき国がそこに居ない、という大恥。
       「平和祈念式典」は、平和を祈るための式典では?
       平和を祈念・希求しないアベ様は、よくノコノコと「あいさつ」に
     行けるモノだ…「憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、
     憲法上は。小型であればですね」という発想は何も変わっていないでしょ?
       広島や長崎の皆さんに、あまりに失礼でしょ!」

   『●「核なき世界」の足を引っ張る、平和を希求しないアベ様は、
                  よくノコノコと「あいさつ」に行けるモノだ…
    《参列した約5万人を前に『核兵器のない世界』の実現に向けた歩みを
     着実に前に進めると誓ったその歩みの足を引っ張っている人こそ、
     安倍首相自身なのである》。
    《「核廃絶」より「トランプからの寵愛」を優先させたのだ

   『●ささやかな核兵器廃絶の願い…高校生の言論封殺: 
       アベ様のメンツを守るための外務省の横やりという大愚
   『●「核兵器禁止条約」…「核なき世界」への
     その先頭を走るべきアベ様やニッポン政府は一体何をしていたの?
   『●「核の傘」の下のニッポン…オーストリア軍縮大使
         「世界で唯一の被爆国として特別な役割がある」
   『●ICAN・フィン氏、「核の傘」による核抑止は「神話だ。
          …時代遅れの政策を継続していることこそ脅威」
   『●トランプ氏「学校の先生たちを銃で武装させる」…
      アベ様は「戦争できる国」になり、「銃を持った善人」に
    《日本政府、つまり安倍首相の考えは、
     “核の保有や核兵器の使用は認められるべき”なのだ。
     …安倍首相は官房副長官時代の2002年に、早稲田大学で
     開かれた田原総一朗氏との対話のなかで
     「憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。
     小型であればですね」と語っている」》

   『●《非核三原則や日本の憲法9条がハメネイ師から
      高い評価を受けたとの一部情報もある》…なぜ主張しないの?

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201908/CK2019080802000169.html

日本は核禁止条約支持を マハティール氏「唯一苦しんだ国」
2019年8月8日 朝刊

 マレーシアのマハティール首相(94)=写真=は七日、訪問先の福岡市で共同通信と単独会見し「日本は核兵器で苦しんだ世界で唯一の国だ」と述べ、核兵器禁止条約を支持し、核廃絶を国際社会に強く働き掛けるよう訴えた。日本の憲法九条については「戦争を紛争解決の手段とすることを禁じており、他国も見習うべきだと評価し、改正せずに維持するべきだとの考えを示した。

 元徴用工問題で悪化する日韓関係を巡っては「過去ばかりに目を向けていると関係は常に悪いままだ」と指摘。過去の問題で「日本はもう謝罪した」と述べ、「対立せず話し合って解決すれば良い」と両国に促した。

 首相を計二十年以上務め「アジアの重鎮」として世界情勢を俯瞰(ふかん)し続けたマハティール氏は、事実上の核保有国であるインドとパキスタンの緊張が高まり、核兵器を使うかもしれないとても深刻な状況に陥っていると現状を分析。「日本は核兵器が使われた際の悲惨さを知っている」と強調し、被爆国としての役割に期待した。

 また、米国やロシアなどが核兵器撤廃に合意する必要があると指摘し、「撤廃が無理ならせめて減らし、各国は国際機関による査察を受け入れるべきだ」と呼び掛けた。

 日本に自衛の戦力は必要だとしつつ、防衛強化は「特定の国から積極的に戦争に参加するよう促される可能性があり、世界の平和にとって大きな後退だ」と懸念した。

 核兵器の保有や使用を全面禁止する核兵器禁止条約は二〇一七年に採択されたが、米国などの核大国が反対、日本も参加せず、発効に至っていない。マレーシアは署名している。

 マハティール氏は一九八一~二〇〇三年に政権を担い、一八年五月、野党連合を率いて下院選に勝利、九十二歳で世界最高齢の首相に就任した。親日家としても知られ、「日本の次世代リーダー養成塾」に講師として招かれ、来日した。
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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-968903.html

<金口木舌>走り続ける被爆者
2019年8月9日 06:00
被爆者 核兵器禁止条約 沖縄戦 広島 長崎 金口木舌

 「日本は唯一の被爆国。核兵器禁止条約に参加して、核保有国と非保有国との橋渡し役を果たすべきだ」。長崎で被爆した伊江和夫さんが本紙の取材に答えている

▼伊江さんは74年前のきょう、爆心地から3・2キロの場所で被爆した。建物の陰にいたため無事だったが、川には熱線で焼かれて皮膚が垂れ下がった人や、体が膨れあがった人が浮いていたという。「とてつもなく恐ろしい兵器だ」と語る

▼厚生労働省によると被爆者健康手帳を持つ被爆者は全国で14万5844人、沖縄は132人だ。うちなーんちゅは沖縄戦だけでなく、原爆とも無縁ではない。長崎に原爆を投下したB29がテニアンの米軍基地に戻る前、読谷村で給油したことも知られる

▼核兵器禁止条約は2017年7月に国連で採択された。田上富久長崎市長が9日の平和祈念式典で読み上げる平和宣言文案には、同条約への政府の賛同を求める文言を盛り込んだ

▼核兵器廃絶を訴える取り組みには「ヒバクシャ国際署名」もある。広島、長崎の被爆者が16年から取り組み、20年までに世界で数億筆を集めることが目標だ。核兵器禁止条約に全ての国が加盟することを求めている。今年4月までに941万筆余が集まった

二度と被爆者を生まない。その思いを抱え、74年を経ても被爆者は走り続ける。すべての人がわがことととらえる必要がある。
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●東京電力の下請け、孫請け、ひ孫請け…核発電人災の後始末や廃炉作業に《特定技能の外国人の雇用》か?

2019年04月29日 00時00分09秒 | Weblog


東京新聞の記事【福島第一、廃炉に特定技能外国人 東電受け入れへ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201904/CK2019041802000279.html)。
リテラの記事【東電と安倍政権が福島原発の廃炉作業を外国人労働者に押しつけ!「特定技能」制度を利用し被曝リスクと搾取の劣悪労働】(https://lite-ra.com/2019/04/post-4667.html)。

 《福島第一では、東電や協力企業の社員が一日平均で計約四千人働いている。東電の広報担当者は「特定技能の外国人の雇用は協力会社の判断であり、具体的に雇用規模などが決まっているわけではない。発注元としてしっかり管理したい」と話している》。
 《本日、驚くべきニュースが報じられた。東京電力ホールディングスが、福島第一原発の廃炉作業などに新たな在留資格である「特定技能」の外国人労働者を受け入れる方針を示したのだ。これまでの外国人技能実習制度では、廃炉作業は「一般的に海外で発生しうるものではない」として受け入れは認められていなかった》。

   『●《廃炉の時代》、そして、核燃料サイクルという閉じない「環」…
                  未来無き核発電に邁進するアベ様独裁政権

 東京新聞の記事【廃炉に特定技能外国人 東電方針、安全策に懸念】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201904/CK2019041902000145.html)によると、《東京電力ホールディングスは…四月から始まった新たな在留資格「特定技能」の外国人労働者を福島第一原発(福島県)の廃炉作業などで受け入れる方針を明らかにした。核燃料が溶け落ちた原発構内で最も懸念されるのが作業員の被ばくだ。防止策は徹底されるのか、日本語が意思疎通の壁にならないか。具体策は見えない》。

   『●政界地獄耳《入管法改正…移民法…
     お寒いほどのスカスカの内容で、つまり法案といえるものではない》

 《法務省によると、廃炉作業への技能実習生の受け入れは「習得した技術を母国で役立てる」という制度の趣旨に合致しないとして、認めていない》とは言うけどね…。東電の下請け、孫請けひ孫請け…核発電人災の後始末や廃炉のために、《お寒いほどスカスカの内容な》法の下、《特定技能の外国人の雇用》? 東電やアベ様らは正気? 《廃炉への道のりは険しく遠い。あらためてつくづく思う。この国で大変なことが起きてしまった起こしてしまったと》…そんなニッポンの核発電人災の後始末や廃炉の現場で、奴隷労働させるつもり? 《原発での作業は建設業での受け入れが主となる見通し》だそうだけれど、東電が知らぬ間に、ねぇ? 御得意の《忖度》するんじゃないの?
 まず東電上層部の人々や自公お維の議員の先生方が現場で「特定技能」を発揮すべきではないのか?

 以下は最近のつぶやきから:

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◆昔のブログ 『●「原発崩壊」樋口健二さん写真展』/「原発の安全神話に早くから批判の目を向けてきた樋口健二さん。下請け原発労働者の被爆問題にも早くから取り組んでおられた。そのような被爆労働や労働者なくして成り立たない社会や原発労働環境の異常さ」(https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/bf3e52d6de493f4a7f7a5298cba5abbf

◆昔のブログ 『●原発を稼働させるということ=誰かの犠牲の上でしか成り立たない社会』/「こんなことをやっていても、「放射能の直接的な影響で死んだ人は一人もいない」らしい。電力会社はそう嘯いている…【線量計に鉛板、東電下請けが指示 原発作業で被曝偽装】」(https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/42020e767b8a0d90e5641e9a213cc15a

◆昔のブログ 『●非常時だけでない、恒常的な被爆労働・犠牲でしか成り立たない原発という特殊な発電システム』/《累積被ばく線量を偽装…ごまかし…。下請け、孫請けひ孫請け…。末端の原発労働に近づくほど、日雇いや非正規労働者が増え、危険にさらされる》(https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/2d6cd96b0f17151029f173753e33fc0c

◆昔のブログ 『●本当に大飯原発を再稼働させて良かったのか?』/「大飯原発の幹部らがのうのうと生活し、逆に原発下請や孫請け労働者が差別的に過剰に被爆させられている。これは原発人災のような非常時だけでなく、恒常的にそういう状態にあることが想像され…」(https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/a368a5cefc3ba72d21dadf9104bf9386

◆昔のブログ 『●「原子力」と「核」、言葉は違えど「原発=原爆」である』/「非常時だけでなく、恒常的に労働者を被曝させなければ原子力発電は成り立たない。しかも、それは電力会社の幹部ではなく、下請けや孫請けの弱い労働者である。「たかが電気のために」…」(https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/c2a811b05802d42660b96fcf4048999c

◆昔のブログ 『●東京電力の体質は変わらず』/「山岡俊介さん【加入組合をたらい回しーー未だ原発労働者の“中間搾取”を放置し続ける「東京電力」(Ⅰ)】《大手ゼネコンが元請→下請け→孫請け→ひ孫請け→現場労働者といった多重請負構造賃金の中抜きをやり易く…》」(https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/a5407155a54f491a9397630a774bfa25
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201904/CK2019041802000279.html

福島第一、廃炉に特定技能外国人 東電受け入れへ
2019年4月18日 夕刊

 東京電力ホールディングスは十八日、四月から始まった新たな在留資格「特定技能」の外国人労働者を、福島第一原発(福島県)の廃炉作業などで受け入れる方針を明らかにした。再稼働を目指す東電の柏崎刈羽原発(新潟県)の工事でも受け入れる考え。建設業界では人手不足が深刻で、大手電力や建設会社は作業員の確保に苦労しており、全国の原発に波及する可能性がある。

 東電は協力会社数十社向けの会議で、特定技能の外国人受け入れについて既に説明した。対象業種は廃炉作業に関連する「建設」や「電気・電子情報関連産業」のほか、事務棟などでの仕事となる「ビルクリーニング」や「外食業」が該当するとした。

 廃炉作業では被ばくの防止が重要なため、線量計の携帯が必要な放射線管理区域では、放射線や作業手順に関する正しい理解が必要で、日本語での指示を正確に理解できる能力を持っていることが必要だと伝えたという。

 福島第一では、東電や協力企業の社員が一日平均で計約四千人働いている。

 東電の広報担当者は「特定技能の外国人の雇用は協力会社の判断であり、具体的に雇用規模などが決まっているわけではない。発注元としてしっかり管理したい」と話している。

 福島第一を巡っては、国際貢献が主目的の外国人技能実習生が、施設内の建設作業に従事したことが昨年発覚。東電が、福島第一の廃炉作業は特殊で国際貢献にならないとして、協力企業に対し是正を求めた問題もあった。特定技能外国人の活用が可能なことは法務省に確認済みだという。

 法務省によると、廃炉作業への技能実習生の受け入れは「習得した技術を母国で役立てる」という制度の趣旨に合致しないとして、認めていない


<特定技能> 少子高齢化などを背景とした人手不足に対処するため、国が4月1日施行の改正入管難民法で創設した外国人の新たな在留資格。建設や農業など14業種が対象。「1号」の取得には、就労分野の一定の技能と日常会話程度の日本語能力が必要。在留期限は通算5年で家族帯同は認められない。熟練技能が必要な「2号」は在留期間の更新や家族帯同が可能だが、当面は受け入れを建設業と造船・舶用工業に限る。原発での作業は建設業での受け入れが主となる見通し
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https://lite-ra.com/2019/04/post-4667.html

東電と安倍政権が福島原発の廃炉作業を外国人労働者に押しつけ!「特定技能」制度を利用し被曝リスクと搾取の劣悪労働
2019.04.18 10:58

     (東京電力ホールディングスHPより)

 今月1日、外国人労働者の受け入れを拡大する改正出入国管理法が施行されたが、本日、驚くべきニュースが報じられた。東京電力ホールディングスが、福島第一原発の廃炉作業などに新たな在留資格である「特定技能」の外国人労働者を受け入れる方針を示したのだ。

 これまでの外国人技能実習制度では、廃炉作業は「一般的に海外で発生しうるものではない」として受け入れは認められていなかった。だが、東電の方針を本日の朝刊でいち早くスッパ抜いた朝日新聞の記事によると、東電が特定技能について法務省に問い合わせた結果、「新資格は受け入れ可能日本人が働いている場所は分け隔てなく働いてもらうことができる」(東電広報担当)と判断したのだという。

 この決定の背景には「深刻な人手不足」があると言うが、その大きな要因のひとつとなっているのは、東京五輪開催に伴い建設業界などを中心に人手が取られているということ。復興や廃炉作業の足を引っ張っておいて復興五輪安倍首相はよく言えたものだ

 そしてもうひとつは、原発作業員に対する給与の“ピンハネ”の横行だ多重下請け構造のなかで、違法な雇用契約、複数の会社による中間搾取によって日当や危険手当がきちんと払われていないという事例は数多く、危険と隣り合わせの作業を余儀なくされるにもかかわらず劣悪な労働環境が指摘されてきた。

 こうした原発作業員をめぐる状況を改善するのではなく、外国人労働者に押し付ける──。安倍首相は外国人労働者受け入れ拡大の改正案審議の際に「外国人材のみなさんは人間として受け入れる」と明言したが、さんざん懸念が示されてきたように、結局、実態は「安く使い倒せる労働力」として扱おうというのだ。これは、まさしく“奴隷労働”ではないか。

 しかも、原発作業員として外国人労働者を受け入れることで、労働環境の劣悪さが助長させることは目に見えている。

 たとえば、昨年、外国人技能実習生に除染作業をさせていたことが判明したが、このとき監理団体は技能実習生に「仕事は簡単」「誰でも出来る」としか説明していなかったという。一方、特定技能1号では、「日本語基礎テスト」または「日本語能力試験」で5段階のうち4番目にやさしいレベルの「N4」(ややゆっくりの会話であれば、ほぼ理解できるレベル)での合格が必要となるが、廃炉という危険が伴う作業についてしっかり意思疎通をはかることが現場で徹底されるのか。技能実習生の除染作業従事問題の一例をとっても不安しかないだろう。

 何より問題なのは、被曝線量の把握だ。国外の原発で働いて被曝した場合、被曝線量は労働者が自己申告しなければならないというが、今朝の朝日新聞では、廃炉作業に従事し『福島原発作業員の記』の著者でもある池田実さんが「日本人ですら、被曝による労災申請の方法はよく分からず、ためらう。外国人ではなおさらではないか」と懸念を示している。


■国連人権理事会でも「被爆のリスクと搾取」が問題視された福島原発作業

 しかも、昨年、国連人権理事会の特別報告者は「除染などのために雇われた労働者には、移民労働者やホームレスが含まれていると伝えられている」「被ばくのリスクに加え、経済的な理由から危険な労働条件を受け入れざるを得ない状況適切な訓練や防護措置が取られているかについて非常に懸念している」と声明を公表し、日本政府に対応を求めた。しかし、外務省は「政府として真摯に対応してきた。一方的な申し立てに基づく声明は、いたずらに不安をあおり混乱を招く」と反論した(東京新聞2018年8月17日付)。

 国連から原発作業について緊急の対応を求められても逆ギレして返すだけの日本政府──労働者の安全性の確保にまったく配慮を見せないこのような姿勢のまま廃炉作業への受け入れがはじまれば、外国人労働者がどんな危険に晒されるのかは火を見るより明らかだ

 徴用工問題では歴史を無視してヒステリックに「解決済み」と叫ぶ安倍政権だが、近い将来、原発作業をめぐっても従事させられた外国人労働者からの損害賠償請求などが起こり、国際問題に発展することも考えられる。安倍首相は法案審議でも外国人労働者の人権を軽視しつづけたが、このままでは世界から軽蔑される国になることは間違いないだろう。

(編集部)
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