Activated Sludge ブログ ~日々読学~

資料保存用書庫の状況やその他の情報を提供します。

●茶番なヤラセ会見…《本来あるべき記者の責務を…だと考えているとすれば、もはやこの国は民主主義国として終わっているのではないだろうか》

2023年06月16日 00時00分04秒 | Weblog

[↑ 雑誌「TIME」(2023.5.22・29)… (TBS NEWS DIG)《「日本を軍事大国に変えようとしている」との見出しは政府の申し入れのあと、変更》(https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/481736?display=1)]


(2023年05月28日[日])
茶番会見”、ヤラセ会見、世界に恥さらし…。茶番のG7議長国記者会見、ヤラセの議長国会見、情けなさ過ぎる。尾形聡彦さん《茶番としか言いようのない「記者会見もどき」「やらせ会見」であり、米ホワイトハウス高官や記者たちがよく言う「Kabuki(歌舞伎)」だった》。
 更問いに答えることはなく…(尾形聡彦さん)《首相は、核軍縮ビジョンについて自分の言いたいことだけを述べ、記者会見場を後にした。私はその岸田首相に向かって、「総理、その核軍縮ビジョンは核を認めるもの、その点お答えいただけないか」「広島で大きな間違いを犯したんじゃないでしょうかと再度呼びかけたが、岸田首相からの答えはなかった》。

   『●広島サミット…サーロー節子さん「自国の核兵器は肯定し、対立する国の
     核兵器を非難するばかりの発信を被爆地からするのは許されない」と批判
   『●《「被爆地・広島」の政治利用のためだけに――。こうなると、広島弁
     でいうところの「わりゃー、大概にせえよ!」の声が溢れるのも当然》
   『●《“茶番会見”…海外メディアも多く取材に訪れている場で、ヤラセの
     質疑応答を繰り広げる岸田首相、この茶番に手を貸す日本のメディア…》

 再度、尾形聡彦さんのつぶやき(https://twitter.com/ToshihikoOgata/status/1661000947013935104)によると、《日曜の岸田首相会見でなぜ、私が「逃げるんですか」と問いかけたのか。その動画を先ほどアップしました。会見中に最前列の中央で挙手し続けましたが無視され、終了時に「事前に決まっていた社だけではなく、質問させて欲しい」「核軍縮ビジョンについて聞きたい」などと7度呼びかけましたが無視され、さらに首相が帰ろうとしたので「逃げるんですか」と問いかけました。岸田氏はようやく回答しました…》(午後10:27  2023年5月23日)。続きはリンク先を。
 それを受けて、望月衣塑子さんのつぶやき(https://twitter.com/ISOKO_MOCHIZUKI/status/1661239970609381376)によると、《私もこの会見にArc Times記者として参加していたが、他の記者の挙手がほとんどないのが気になった》、《どの記者が指され、何を質問するのか事前に決まっているなら挙手は無駄だということだろう》(午後2:17  2023年5月24日)。こちらも、続きはリンク先を。

 アベ様や元最低の官房長官・ガースーオジサンらによる、唯一成功した〝政〟である《メディアコントロール》。《事前に決まっていた社だけ》《何を質問するのか事前に決まっている》《挙手は無駄だ》《ヤラセの質疑応答を繰り広げる》《首相と記者クラブがグルになった異常な馴れ合い状態》《〈…事前質問式・更問いなしの記者クラブに慣れ切った日本〉》、なんという情けなさ…。(リテラ)《まさに世界中に日本の後進性を晒すもので、恥ずかしいとしか言いようない》。一体どんな議長国記者会見? 《メディアコントロール》はさらに深化してしまっている。(リテラ)《国際的には民主主義の国の記者として「当たり前」の態度だったにもかかわらず、それがこの国では非難の対象となる──。しかも、岸田政権では、総理会見を骨抜きにした安倍政権や“パンケーキと恫喝”でメディアを懐柔した菅政権以上に、記者会見の場は最悪の状態に陥っている》、《不条理な会見の制限をかけられても言われるがまま海外に発信されるサミット後会見でさえ出来レースの質疑応答を繰り広げる大手メディア。そうした報道を見続けてきた結果、ニュースの受け取り側である市民までもが本来あるべき記者の責務を「礼儀を守ること」だと考えているとすれば、もはやこの国は民主主義国として終わっているのではないだろうか》。

 dot.の【【本人寄稿】私が岸田首相に「逃げるんですか」と会見で問いかけた理由/Arc Times 編集長・尾形聡彦】(https://dot.asahi.com/dot/2023052500019.html)によると、《G7広島サミット最終日の5月21日、岸田文雄首相の記者会見の最後に私は声を上げた。「総理、事前に決まっていた社だけではなくて、質問させていただけないでしょうか」 しかし、岸田首相は、明らかに聞こえていたのに無視し続けた。「1問だけでいいので」などと私が計7度言葉を継いでも、岸田首相は背を向けて帰ろうとした。最後に「総理、逃げるんですか」と問いかけた。それは、どうしても聞きたい、聞かなければならないと思った質問があったからだ》。

=====================================================
https://dot.asahi.com/dot/2023052500019.html

【本人寄稿】私が岸田首相に「逃げるんですか」と会見で問いかけた理由Arc Times 編集長・尾形聡彦
G7広島サミット 2023/05/25 15:00
尾形聡彦

     (質問を求め手を挙げる尾形氏(代表撮影/Arc Times提供))

 G7広島サミット最終日の5月21日、岸田文雄首相の記者会見の最後に私は声を上げた。

     (【写真】会見で質問に応じる岸田首相)

「総理、事前に決まっていた社だけではなくて、質問させていただけないでしょうか」

 しかし、岸田首相は、明らかに聞こえていたのに無視し続けた。「1問だけでいいので」などと私が計7度言葉を継いでも、岸田首相は背を向けて帰ろうとした。最後に「総理、逃げるんですか」と問いかけた。それは、どうしても聞きたい、聞かなければならないと思った質問があったからだ。

 21日の広島は晴れわたり、コンクリートの回廊が続く平和記念公園は夏を思わせる陽気だった。午後2時すぎ、資料館近くの建物の日陰で待機させられていた記者たちに、日本政府のスタッフが「今は一番暑い時間帯ですからねえ」と声をかける。会見のスタート予定時刻の午後2時半まで10分を切ったとき、慰霊碑前の記者席にようやく案内された。

 私は、記者会見場の最前列で、首相の演台の目の前の席に座った。岸田首相になんとしても聞きたい質問があったからだ。

 会見前に、ある大手メディア記者が私にこう明かしていた。

「会見は30分間。会見で質問する社も、質問も、事前に全部決まっていますよ。官邸記者クラブ、地元の広島の記者クラブ、そして外プレ(外国プレス)です」

 「えー、それはひどい。僕はどうしても質問したい」と私が問うと、大手メディア記者は「無理でしょうね。もう全部決まってますから」とにべもなかった。だからこそ、私は、岸田首相に一番近い、正面の席を確保し、そこで手を挙げて、なんとか質問したいと思った。

 静かな平和記念公園に午後2時40分すぎにあらわれた岸田首相は、冒頭で関係者への謝意を述べた後、「1945年の夏、広島は原爆によって破壊されました。平和記念公園が位置するこの場所も一瞬で焦土と化したのです」と切り出した。それから23分間にわたり、首相は左右のプロンプターを見ながら、演説を続けた。ようやく質疑応答に入り、四方敬之内閣広報官が「質問のある方は挙手をお願いします」と告げた。首相の目の前の一番目立つ場所から真っ先に手を挙げた私に、広報官は目もくれず、最初から後列の方を探し、「3列目の一番端の方どうぞ」と言った。

 大手メディア記者から「事前に全部決まっています」と聞かされていただけに予想はしていたものの、あまりに露骨な「やらせ」ぶりには驚いた。

 その後も、私は最前列の中央で手を挙げ続けたが、四方広報官は、私とは目を合わせようともしなかった。そして、その場で手を挙げた記者をたまたま指しているようには全く見えない最初からわざわざ後ろの席にいる、事前に決まった記者を指そうとしていた記者も後ろから手を挙げてそれを待つその“下手な演技ぶり”に、あきれるしかなかった。それに合わせている、日本人記者や外国人記者にも強い疑問を感じた

 事前に官邸側に通告されている質問内容を、事前に決まっていた記者が読み上げる。それを、岸田首相が、さもその場で答えているかのように、「えー」などと言いながら、メモに目を落として読み上げる茶番としか言いようのない「記者会見もどき」「やらせ会見」であり、米ホワイトハウス高官や記者たちがよく言う「Kabuki(歌舞伎)」だった。

 私は朝日新聞で日本の財務省の主税局担当をしていたとき、第一次安倍政権で安倍晋三元首相の自民党での記者会見で「参院選で消費税について問わないのは、『消費税隠し』ではないのか?」と質問したことがある。当然ながら、事前に質問通告などはしておらず、その場での私の質問に、安倍元首相は「消費税隠しではない」とメモなしで答えた。

 米ホワイトハウス担当だった2011年の3月11日の東日本大震災当日には、その日たまたま予定されていたバラク・オバマ米大統領の記者会見で、「日本の大震災についての率直な思い」を私が聞いた際、「心が砕かれる思いだ」と心情を吐露したオバマ氏の会見での記憶と比較しても、岸田氏と記者団の「歌舞伎会見」は異常だった

 午後3時半前、「歌舞伎会見」を終えて、その場を去ろうとした岸田首相に私は呼びかけた。

「総理、事前に決まっていた社だけではなくて、質問させていただけないでしょうか」

 岸田首相は、目の前の私からの呼びかけにやや困った表情を浮かべながらも無視した。「核軍縮ビジョンについて聞きたいんですけども」、「総理、お願いします」、「決まっていた社だけではおかしいと思うんですけど」、「4社(が事前に)、決まってて」、「核軍縮ビジョンについて聞かせてください、総理」、「一問だけでいいので」----。私は連続して7度言葉を継いだが、岸田首相は、クルッと後ろを向いて、帰り始めた。最後に私は問いかけた。

総理、逃げるんですか

 その瞬間、岸田首相がピクっと止まったのが見えた。首相は振り返ると、広報官に「一問ぐらい答えるよ」と告げ、演台に戻って、「核軍縮ビジョンについて答えろという質問でありました」と説明を始めた。岸田首相は、核軍縮ビジョンが、「核兵器国と非核兵器国の信頼の基盤になる」と強調し、ビジョンに盛り込まれた取り組みを具体的に始めていくことが「厳しい現実を理想に結びつけていくために何よりも重要である」と、この会見で初めて、メモなしで自らの考えを述べ続けた。(※私が問いかけた様子は、Arc TimesのYouTubeチャンネルで公開しているので「<G7広島サミット>岸田首相になぜ『逃げるんですか』と問いかけたのか、首相はなんと答えたのか」をご覧ください)

 「核軍縮ビジョン」とは、今回のG7広島サミットの期間中の19日に取りまとめられた「核軍縮に関するG7首脳広島ビジョン」だ。文書では、核軍縮の必要性について一部は触れている一方で、22年1月に米国、ロシア、中国、英国、フランスの5大核保有国が出した、核についての共同声明の文書の根幹部分がそのまま盛り込まれていた。この5大国共同声明は「核戦争に勝者はおらず、決して戦ってはならないことを確認する」とした一方、「核兵器は、それが存在する限り、防衛目的のために役割を果たし、侵略を抑止し、戦争を防止する」として、核兵器を明確に容認する内容だった。

 そして、今回、岸田首相が成果を強調する19日の「核軍縮ビジョン」には、同じ文言で「核兵器は、それが存在する限り、防衛目的のために役割を果たし、侵略を抑止し、戦争と威圧を防止する」と、核兵器の存在意義を明確に評価する内容が盛り込まれたのだ。5大国共同声明の上記の内容に、「威圧(coercion)」という、中国などを念頭に置いた言葉が1語加えたものだった。

 つまり、「核軍縮に向けたはず」のビジョンに、核大国の核保有の論理がそのまままぎれ込む、実質は「核兵器を認める」声明になっているのだ。その点の説明を、私は岸田首相にどうしても求めたいと考えていた。それこそが、この核廃絶のシンボルである広島・平和記念公園での記者会見で、広島選出の岸田首相に問うべき、最も重要な質問だったと思う。しかし、事前に質問することが決まっていた4社からは、核軍縮ビジョンを問う質問はなかった。官邸クラブの時事通信の記者は「衆院解散するのか」といつもの政局質問を聞いた。

 私が「逃げるんですか」と問いかけたことで、岸田首相は、核軍縮ビジョンについて、自らが喧伝したい内容を述べた。が、私はマイクできちんと質問する機会を与えられず、質問の趣旨も伝えることができなかった

 首相は、核軍縮ビジョンについて自分の言いたいことだけを述べ、記者会見場を後にした。私はその岸田首相に向かって、「総理、その核軍縮ビジョンは核を認めるもの、その点お答えいただけないか」「広島で大きな間違いを犯したんじゃないでしょうかと再度呼びかけたが、岸田首相からの答えはなかった

Arc Times 編集長・尾形聡彦
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●《“茶番会見”…海外メディアも多く取材に訪れている場で、ヤラセの質疑応答を繰り広げる岸田首相、この茶番に手を貸す日本のメディア…》

2023年06月15日 00時00分08秒 | Weblog

[↑ 雑誌「TIME」(2023.5.22・29)… (TBS NEWS DIG)《「日本を軍事大国に変えようとしている」との見出しは政府の申し入れのあと、変更》(https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/481736?display=1)]


(2023年05月28日[日])
茶番会見”、ヤラセ会見、世界に恥さらし…。茶番のG7議長国記者会見、ヤラセの議長国会見、情けなさ過ぎる。

   『●広島サミット…サーロー節子さん「自国の核兵器は肯定し、対立する国の
     核兵器を非難するばかりの発信を被爆地からするのは許されない」と批判
   『●《「被爆地・広島」の政治利用のためだけに――。こうなると、広島弁
     でいうところの「わりゃー、大概にせえよ!」の声が溢れるのも当然》

 リテラの記事【「総理、逃げるんですか」記者をバッシングする日本の後進性! 民主主義国では当然の質問、異常なのは記者クラブがグルの茶番会見】(https://lite-ra.com/2023/05/post-6278.html)によると、《しかし、いずれの記者からの質問に対しても、岸田首相は手元の紙をただ読み上げるだけ。ようするに、明らかに事前に記者から質問を集めて用意された答えを読むという“茶番会見”だったのだ。海外メディアも多く取材に訪れている場で、ヤラセの質疑応答を繰り広げる岸田首相この茶番に手を貸す日本のメディア。まさに世界中に日本の後進性を晒すもので、恥ずかしいとしか言いようないが、しかし、ここで事件が起こった。4名の質疑応答が終わると、まだ挙手している記者がいるにもかかわらず、四方内閣広報官は会見の終了をアナウンス。岸田首相も壇上から降りようと背を向けたのだが、ある記者から「総理、逃げるんですか」と声が上がり、岸田首相がマイク前に再び戻って質問に答えざるをえなくなった。この「逃げるんですか」と声を上げた記者は、元朝日新聞記者で、現在は自ら立ち上げた独立メディア「Arc Times」編集長を務める尾形聡彦氏。》

 尾形聡彦さんのつぶやき(https://twitter.com/ToshihikoOgata/status/1661000947013935104)によると、《日曜の岸田首相会見でなぜ、私が「逃げるんですか」と問いかけたのか。その動画を先ほどアップしました。会見中に最前列の中央で挙手し続けましたが無視され、終了時に「事前に決まっていた社だけではなく、質問させて欲しい」「核軍縮ビジョンについて聞きたい」などと7度呼びかけましたが無視され、さらに首相が帰ろうとしたので「逃げるんですか」と問いかけました。岸田氏はようやく回答しました…》(午後10:27  2023年5月23日)。続きはリンク先を。
 それを受けて、望月衣塑子さんのつぶやき(https://twitter.com/ISOKO_MOCHIZUKI/status/1661239970609381376)によると、《私もこの会見にArc Times記者として参加していたが、他の記者の挙手がほとんどないのが気になった》、《どの記者が指され、何を質問するのか事前に決まっているなら挙手は無駄だということだろう》(午後2:17  2023年5月24日)。こちらも、続きはリンク先を。

 アベ様や元最低の官房長官・ガースーオジサンらによる、唯一成功した〝政〟である《メディアコントロール》。事前に決まっていた社だけ》《何を質問するのか事前に決まっている》《挙手は無駄だ》《ヤラセの質疑応答を繰り広げる》《首相と記者クラブがグルになった異常な馴れ合い状態》《〈…事前質問式・更問いなしの記者クラブに慣れ切った日本〉》、なんという情けなさ…。(リテラ)《まさに世界中に日本の後進性を晒すもので、恥ずかしいとしか言いようない》。一体どんな議長国記者会見? 《メディアコントロール》はさらに深化してしまっている。(リテラ)《国際的には民主主義の国の記者として「当たり前」の態度だったにもかかわらず、それがこの国では非難の対象となる──。しかも、岸田政権では、総理会見を骨抜きにした安倍政権や“パンケーキと恫喝”でメディアを懐柔した菅政権以上に、記者会見の場は最悪の状態に陥っている》、《不条理な会見の制限をかけられても言われるがまま海外に発信されるサミット後会見でさえ出来レースの質疑応答を繰り広げる大手メディア。そうした報道を見続けてきた結果、ニュースの受け取り側である市民までもが本来あるべき記者の責務を「礼儀を守ること」だと考えているとすれば、もはやこの国は民主主義国として終わっているのではないだろうか》。

   『●青木理さん《関口宏さんが番組で言っていましたが、『われわれはこの
      番組の姿勢を淡々と貫いていかないといけない』ということに尽きる》

=====================================================
https://lite-ra.com/2023/05/post-6278.html

「総理、逃げるんですか」記者をバッシングする日本の後進性! 民主主義国では当然の質問、異常なのは記者クラブがグルの茶番会見
2023.05.23 11:55

     (議長国記者会見(首相官邸HPより))

 広島で開催されていた主要7カ国首脳会議(G7サミット)が閉会した。岸田文雄首相は「世界の政治のリーダーに被爆の実相に触れてもらうことについて、大きな成果を上げることができた」と成果を強調し、話題は解散総選挙に移っている。

 いったい、何が「大きな成果を上げた」だ。実際、被爆地・広島で実施されたにもかかわらず、G7初の独立首脳文書「広島ビジョン」では「核抑止」論を肯定、正当化してしまった。これには2017年にノーベル平和賞を受賞した国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のダニエル・ホグスタ暫定事務局長が「危険ですらある内容」「期待外れ」と言及。被爆者であるサーロー節子さんは「広島まで来てこれだけしか書けないかと思うと、胸がつぶれそうな思い死者に対して侮辱死者に対して大きな罪だった」と語り、平岡敬・元広島市長も「岸田首相が、ヒロシマの願いを踏みにじった」と言及するなど、批判が高まっている。

 しかし、こうした批判の声は、とりわけテレビでは大きく取り上げられることもないまま、「各国首脳が原爆慰霊碑へ 歴史的な瞬間」など、成果を前面に出した報道に終始。その結果、「サミットは大成功」「岸田首相がリーダーシップを発揮」「「核兵器のない世界」に向けて国際的な機運が高まる」などと評価が集まり、読売や毎日新聞の世論調査では前回よりも支持率が急上昇している。

 しかも、かつてない「岸田フィーバー」が起こるなかで、記者会見での記者の質問にバッシングが巻き起こる事態となっているのだ。

 それは、岸田首相が閉会後におこなった議長国記者会見でのこと。記者会見は30分間と予定されていたが、冒頭から約23分にわたって岸田首相が発言。つづけて記者からの質問時間となり、四方敬之・内閣広報官が時事通信とNHK広島放送局の記者、海外メディア記者2名の計4名を指名。しかし、いずれの記者からの質問に対しても、岸田首相は手元の紙をただ読み上げるだけ。ようするに、明らかに事前に記者から質問を集めて用意された答えを読むという“茶番会見”だったのだ。

 海外メディアも多く取材に訪れている場で、ヤラセの質疑応答を繰り広げる岸田首相、この茶番に手を貸す日本のメディアまさに世界中に日本の後進性を晒すもので、恥ずかしいとしか言いようないが、しかし、ここで事件が起こった。

 4名の質疑応答が終わると、まだ挙手している記者がいるにもかかわらず、四方内閣広報官は会見の終了をアナウンス。岸田首相も壇上から降りようと背を向けたのだが、ある記者から「総理、逃げるんですか」と声が上がり、岸田首相がマイク前に再び戻って質問に答えざるをえなくなった。

 この「逃げるんですか」と声を上げた記者は、元朝日新聞記者で、現在は自ら立ち上げた独立メディア「Arc Times」編集長を務める尾形聡彦氏。尾形氏は米ワシントン特派員としてホワイトハウス取材の経験もあり、これまでも日本の記者会見のあり方に疑義を呈してきた人物だ。

 おそらく、尾形氏は首相と記者クラブがグルになった異常な馴れ合い状態に、一石を投じようとしたのだろう。

 ところが、ネット上では、この尾形氏へのバッシングが巻き起こっている


■「逃げるんですか」と質問した記者がバッシングされる異常 民主主義国家なら当たり前なのに

 たとえば、記者会見のこの一幕を伝えた毎日新聞の記事が転載されたYahoo!ニュースのコメント欄では、7000件を超えるコメントが殺到。「逃げるんですか」と声を上げた記者に対するバッシングが巻き起こっているのだ。

〈こういう言い方しかできないのはどこの記者だろう。〉
〈記者が自分本位でどうするんだ?〉
〈この記者はKYだ。何様だと自分を思っているのだ。言葉遣いがひどい。相手は一国の首相である。言葉遣いを一から勉強し直した方が良い。これに対して岸田首相は戻る義務もないのにわざわざ戻って誠実に答えていた。〉
〈逃げるんですか?っていう前に、誰に物を言うてんの??って話だがな。時間が決まった中で要点を絞って話したんだからそれ以外何があるのか??政治も腐ってるけど、それを監視し疑問を投げ掛けるメディアも腐ってる。〉
〈予定時間を過ぎた首相に向かって「逃げるんですか?」なんて、記者の都合からの上から目線で総理大臣のスケジュールを汲んでいないし、非常に失礼で傲慢な姿勢。岸田総理もよく怒らなかったと思うよ。〉
〈こういう場での記者会見でまで、逃げるのかという発言をする記者の品性を疑う。〉

 「言葉遣いがなっていない」「空気を読め」「非常に失礼で傲慢」……安倍政権下でもこうした声が上がってきたが、ネトウヨに人気が広がらない岸田政権では異例の記者バッシングと言っていい。しかもその内容は、相も変わらずいずれも的外れな批判ばかり。「予定時間が過ぎていたのに」などと言うが、そもそもG7サミット閉会後の議長国記者会見という重要な場で記者からの質問時間を10分しかセットしていない時点で「逃げている」のは事実だ。にもかかわらず、質問を打ち切ろうとした岸田首相ではなく、記者のほうがここまで叩かれるとは……。海外からみれば、これこそが異常というものだろう。

 実際、このヤフコメの異常な批判の声に対し、アカデミック・ジャーナリストである柴田優呼氏は自身のTwitterで〈この質問形式は、多くの民主主義国で一般的〉とし、〈米国では、記者が叫んで大統領に質問。事前質問式・更問いなしの記者クラブに慣れ切った日本で異例なだけ〉と解説。さらに、神田外語大学特別専任講師であるジェフリー・J・ホール氏も、〈多くの右派ネットユーザーはルールを守っていないとして同氏を非難しているが、この種の質問は多くの民主主義国家でよくあることだ〉〈大統領がこれらの質問に答える場合もあれば、答えない場合もある。しかし、質問しようとした彼らを責める人はほとんどいません〉と投稿している。


■コロナ5類移行でイベントの人数制限撤廃しておきながら、官房長官記者会見はいまだ人数制限継続

 国際的には民主主義の国の記者として「当たり前」の態度だったにもかかわらず、それがこの国では非難の対象となる──。しかも、岸田政権では、総理会見を骨抜きにした安倍政権や“パンケーキと恫喝”でメディアを懐柔した菅政権以上に、記者会見の場は最悪の状態に陥っている

 というのも、新型コロナの感染症法上の分類を5類に引き下げ、イベントの人数制限をなくし声出し応援も可能にしたというのに、平日に午前と午後の2回開かれる官房長官の記者会見は、いまだに「感染防止対策」と称して人数制限を継続。コロナ前は会場に100席が設けられ、人数制限もなかったというのに、現在は43席しかない状態なのだ。その上、首相会見では質問ができなかった社に書面回答をおこなってきたが、官邸報道室はそれも取りやめると内閣記者会に通告している。

 だが、情けないのは、首相会見および官房長官会見の主催であるはずの内閣記者会の姿勢だ。〈内閣記者会は人数制限と書面回答廃止に関する官邸報道室からの通告に対し、再三にわたり再考を求めた〉(東京新聞5月9日付)というが、このような岸田政権の理不尽な態度に対し、本来なら官房長官会見をボイコットしてでも抵抗すべきだ。ところが、そうしたアクションも起こさず、人数が制限された会見を引き続き実施しているのである。

 不条理な会見の制限をかけられても言われるがまま海外に発信されるサミット後会見でさえ出来レースの質疑応答を繰り広げる大手メディア。そうした報道を見続けてきた結果、ニュースの受け取り側である市民までもが本来あるべき記者の責務を「礼儀を守ること」だと考えているとすれば、もはやこの国は民主主義国として終わっているのではないだろうか

(編集部)
=====================================================

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●青木理さん《関口宏さんが番組で言っていましたが、『われわれはこの番組の姿勢を淡々と貫いていかないといけない』ということに尽きる》

2023年03月29日 00時00分16秒 | Weblog

[『学校が教えないほんとうの政治の話』(斎藤美奈子著、ちくまプリマ―新書257)↑]


(2023年03月10日[金])
青木理さん「そうした出演者を含め、おかしなことにはおかしいと、政権にとってみれば耳の痛いことも果敢に物申してきた。逆に言えば今回の文書は番組にとって名誉かもしれません。『一強』を謳歌(おうか)した長期政権にそれほど嫌悪され、敵視されていたということは、時の政権を監視するというメディア本来の使命を果たしてきた証左とも言えるわけですから」。
 アベ様直伝の息吐くようなウソ吐き…「礒崎さんという名前は今年3月になって初めて聞いた」!? 「202333日は高市早苗元総務相のタンカ記念日」。「報道の自由」「知る権利」「権力の監視」を委縮させた問題についての高市早苗元総務相のタンカ…。(琉球新報)《しかも高市氏に対する質疑内容について官邸は「こちらの方で質問立てしたい」との意向を総務省に伝えていた。まさに自作自演》だった。青木理さん《礒崎氏が自身のコントロール可能な議員に“ヤラセ質問”をさせ、官邸の意向に沿う答弁を総務大臣にさせることで、放送法の解釈を変えてしまおうという構図であり、論外です》。この問題、有耶無耶でいいのか?

   『●「電波」な「凶器」高市総務相の暴走と
     「報道現場の声」: 「自粛」「忖度」「委縮」…が「内部から」
   『●「2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」…さて、高市早苗氏の
     「タンカ」も、アベ様同様、有耶無耶になってしまうのだろうか、それとも…
   『●「2023年3月3日は高市早苗元総務相のタンカ記念日」…《「捏造文書
     でなければ大臣も議員も辞職するか」と問われて「結構ですよ」と答弁》
   『●《あのね、政治を考えるのに「中立」はないの。メディアの役目は「中立
     公正、不偏不党な報道」ではなく「権力の監視」なんです。それ、常識。》

 東京新聞の【<コラム 筆洗>テレビ司会者の関口宏さんに『テレビ屋独白』という著書がある…】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/235670?rct=hissen)によると、《▼一つの番組ではなく局の番組全体をみて判断するという従来の政府解釈だけでは納得せぬらしい補佐官。「とにかくサンデーモーニング」「けしからん番組は取り締まるスタンスを示す」と言ったらしい▼首相の同意を経て、一般論として一つの番組でも極端な場合は政治的公平を確保しているとは認められない高市早苗総務相が国会で答弁すると補佐官はその旨ツイッターで発信した。成果を誇ったのか▼関口さんは恐怖心を「横に置くしかない」と記す。それを自覚しつつ囚(とら)われずに番組をつくろうという趣旨らしい。不特定多数の目がもたらすこの恐怖以外にテレビマンに強いていいものなどなかろう》。

 斎藤美奈子さん《メディアの役目は「中立公正、不偏不党な報道」ではなく権力の監視なんです。それ、常識。》 (日刊ゲンダイ)《第2次安倍政権以降、権力は公然と大手メディアに圧力をかけ、萎縮したメディアによる忖度は常態化し、「権力の監視は骨抜きにされた。大きな転換点となったのが、2015年5月に示された放送法政治的公平性をめぐる「新たな解釈」の追加だ。政権に批判的なメディアに対する圧力を強めるため、…》。
 dot.のインタビュー記事【総務省文書で名指しされた『サンモニ』出演の青木理氏 政権からの敵視は「番組にとって名誉」なこと】(https://dot.asahi.com/dot/2023030900006.html)によると、《3月2日、立憲民主党の小西洋之参院議員が国会内での記者会見で公表した総務省の「内部文書」は、当時総務相だった高市早苗経済安全保障担当相の進退問題にまで発展している。文書の中身について、小西氏が「超一級の行政文書」と言えば、高市氏は「悪意を持って捏造されたもの」と反論。「この文書が捏造でなければ大臣も議員も辞めるか」と小西氏に追及されると、高市氏は「結構ですよ」と答えるなど激しい応酬が続いている。同文書には、具体的な番組名としてTBS系の報道番組『サンデーモーニング』などが挙げられているが、当の出演者は何を思うのか。同番組にレギュラー出演しているジャーナリストの青木理氏に問題の本質を聞いた》。

 以下、Arc Timesの録画映像もご覧ください。


【Arc Times The News ● 総務省文書の衝撃 安倍政権から続くメディア攻撃 / 今後の日韓 / 少子化と首相の迷走【青木理望月衣塑子尾形聡彦】】
 (https://www.youtube.com/watch?v=SnOmjz8kDOg

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/235670?rct=hissen

<コラム 筆洗>テレビ司会者の関口宏さんに『テレビ屋独白』という著書がある…
2023年3月10日 07時05分

 テレビ司会者の関口宏さんに『テレビ屋独白』という著書がある▼自身も含む「テレビ屋」の敵は視聴率や裏番組ではなく自身に巣くう「恐怖心」だという。人が恐れるのは人の目。多数の視聴者の目を意識するゆえ恐怖心は生まれる。「これじゃ視聴者が逃げてしまうのではないか」とあざとい策に走り空回りすることも。おびえては一人前になれぬが、恐怖心はなくならないという▼関口さん司会で、出演者が政権批判を厭(いと)わぬTBSの番組『サンデーモーニング』。偏向しているとみる安倍政権の礒崎陽輔首相補佐官が約八年前、放送法の政治的公平の解釈をめぐり担当官僚らに働き掛けたことを官僚が記録していた▼一つの番組ではなく局の番組全体をみて判断するという従来の政府解釈だけでは納得せぬらしい補佐官。「とにかくサンデーモーニング」「けしからん番組は取り締まるスタンスを示す」と言ったらしい▼首相の同意を経て、一般論として一つの番組でも極端な場合は政治的公平を確保しているとは認められない高市早苗総務相が国会で答弁すると補佐官はその旨ツイッターで発信した。成果を誇ったのか▼関口さんは恐怖心を「横に置くしかない」と記す。それを自覚しつつ囚(とら)われずに番組をつくろうという趣旨らしい。不特定多数の目がもたらすこの恐怖以外にテレビマンに強いていいものなどなかろう
=====================================================

=====================================================
https://dot.asahi.com/dot/2023030900006.html

総務省文書で名指しされた『サンモニ』出演の青木理氏 政権からの敵視は「番組にとって名誉」なこと
サンデーモーニング 023/03/09 09:33
上田耕司

     (ジャーナリストの青木理氏)

 3月2日、立憲民主党の小西洋之参院議員が国会内での記者会見で公表した総務省の「内部文書」は、当時総務相だった高市早苗経済安全保障担当相の進退問題にまで発展している。文書の中身について、小西氏が「超一級の行政文書」と言えば、高市氏は「悪意を持って捏造されたもの」と反論。「この文書が捏造でなければ大臣も議員も辞めるか」と小西氏に追及されると、高市氏は「結構ですよ」と答えるなど激しい応酬が続いている。同文書には、具体的な番組名としてTBS系の報道番組『サンデーモーニング』などが挙げられているが、当の出演者は何を思うのか。同番組にレギュラー出演しているジャーナリストの青木理氏に問題の本質を聞いた。

【写真】文書にはかつてメディアで話題になった「女性総務官僚」の名前も
     (※引用者注: アノ山田真貴子元内閣広報官のこと)

*  *  *

 青木氏はまず、この文書を読んだ感想をこう話す。

極めて異常なことが、当時の安倍晋三政権の内部、総務省の内部で起きていた事実が見事に浮かび上がる文書です。ある意味で、安倍政権の体質が凝縮されていると思いました」

 文書の信ぴょう性については、7日午前に松本剛明総務相が「すべて総務省の行政文書であることが確認できた」と認めた。ただ、記載されている内容には正確性が確認できない部分があるとして、引き続き精査が必要だとも付け加えた。

 一方、高市氏も同じく7日午前の会見で自身が登場する4枚の文書について「内容が不正確であるということに確信を持っている。ありもしないことをあったかのようにつくるというのは捏造だ」と一歩も引かない構えだ。

 文書の内容は、当時、安倍氏の首相補佐官だった礒崎陽輔氏が放送法の「政治的公平性」についての解釈を変えようと総務省に働きかけたというもの。これにより、従来は『放送事業者の番組全体を見て判断する』とされてきたテレビ局の政治的公平性に、『一つ一つの番組を見て全体を判断するという新たな解釈が加わった

 礒崎氏は3日、ツイッターで「総務省と意見交換をしたのは事実」と、総務省に働きかけたことを認めたが、青木氏はこう問題視する。

「時の政権の一員である首相補佐官の礒崎氏が総務省に迫り、文書にもあるような“ヤクザまがいの恫喝も交え民主社会の根本たる言論・表現や報道の自由に関する法令解釈変更を裏で迫るのは大問題です」

 2015年1月29日付の文書の中で、礒崎氏は官邸でこう言ったと記載されている。

「総理がどう仰るかにもよるが、いつ誰が質問するかは慎重に決めたい。(補佐官は質問に立てないので)質問は補佐官がきちんとコントロールできる議員にさせる」

 それに対して、情報流通行政局長は「実際に国会で質問いただく場合、総務省としては、今回整理した『極端な事例』の適否について質問者から例示いただく形(中略)にしていただきたい」などと答えている。

礒崎氏が自身のコントロール可能な議員に“ヤラセ質問”をさせ、官邸の意向に沿う答弁を総務大臣にさせることで、放送法の解釈を変えてしまおうという構図であり、論外です。そもそも放送法が定める政治的公平性とは、時の政治権力の介入などで放送をゆがめてはならないという趣旨であり、むしろテレビ局の自主性、独立性を担保するもの。一方、総務省の従来の解釈は『放送事業者の番組全体』で判断すると一定程度は自制的なものでしたが、今後は『極端な場合』は『一つの番組』でもダメだと踏み込んだ。しかも礒崎氏は文書の中で『けしからん番組は取り締まるスタンスを示す必要がある』とまで言い放っている。あまりに露骨な言論、報道の自由への政治介入、直接的なメディア攻撃です」(青木氏)

 そして、礒崎氏が主張する「政治的公平性」の解釈について、こう批判する。

「文書の中で礒崎氏らが盛んに言っているのは、国民的に議論が二分されるテーマは公平にせよということです。たとえば特定秘密保護法にしても安保法制にしても、政権は何が何でも押し通したいが、反対する声は大きかった。実際、それぞれの政策には重大な問題もあった。それが政権側から見れば『国論を二分』という理屈になるのでしょうが、それでメディアに『政治的公平性』を保てということは、『政権批判をやめろという意味に等しい。批判をするなら同じ分量で政権の立場も伝えろ、ということになれば、物事はすべて相対化され、時の政権や各種権力を監視するメディアとジャーナリズムの使命は死にます。結局のところ、政権に批判的なメディア、番組をつぶしたいのが本音なのでしょう」

 当時、文書の中で問題のある報道として名指しされていた番組は『サンデーモーニング』『NEWS23』(ともにTBS系)、『モーニングバード』『報道ステーション』(ともにテレビ朝日系)などがあった。

 15年3月5日付の文書には「サンデーモーニングはコメンテーター全員が同じことを述べている等、明らかにおかしい」という礒崎氏の発言が記録されている。青木氏は『サンデーモーニング』にレギュラー出演しているが、政権からの圧力を感じたことはあるのだろうか。

「私はいち出演者ですから、直接的圧力はありません。ただ、こうした政権の態度はテレビ局、あるいは制作陣に直接、間接的に影響を及ぼすでしょう。また、18年に亡くなられた『NEWS23』のキャスターだった岸井成格さんは、安倍晋三氏と相当な遺恨があったのではないでしょうか。岸井さんは毎日新聞の政治部時代、安倍氏の父親である晋太郎氏の番記者であり、晋三氏の素顔もよく知っている。今回の文書が記す放送法問題と同時期、安倍氏の応援団は岸井さんを攻撃する新聞広告を出しています。政権が『サンデーモーニング』などに異様な敵意を示したのは、長く番組に出演した岸井さんへの遺恨ゆえかもしれません」

 実際、『サンデーモーニング』はどういうスタンスで報道していると青木氏は感じているのか。

「5日、司会の関口宏さんが番組で言っていましたが、『われわれはこの番組の姿勢を淡々と貫いていかないといけないということに尽きるのではないですか。実際、『サンデーモーニング』が偏っているわけではなく、番組のコメンテーターには元自民党議員や外務省の元事務次官も出演してきましたし、保守系の外交評論家だった故・岡本行夫さんも長く出演されていました。ただ、そうした出演者を含め、おかしなことにはおかしいと、政権にとってみれば耳の痛いことも果敢に物申してきた。逆に言えば今回の文書は番組にとって名誉かもしれません。『一強』を謳歌(おうか)した長期政権にそれほど嫌悪され、敵視されていたということは、時の政権を監視するというメディア本来の使命を果たしてきた証左とも言えるわけですから」

 一方、高市氏は前述のように、文書の一部を「捏造だ」と主張している。高市氏が「私が出てくる4枚」と言ったものの一つにあたると思われる15年2月13日付の文書には、当時、総務相だった高市氏が大臣室でこう発言したとある。

「そもそもテレビ朝日に公平な番組なんてある? どの番組も『極端』な印象。関西の朝日放送は維新一色。維新一色なのは新聞も一緒だが、大阪都構想のとりあげ方も関東と関西では大きく違う」

 この発言に対して、青木氏はこう批判する。

「現実にさまざまなテレビ番組があり、中には劣悪な番組があるのも事実でしょうが、時の政権や閣僚が自らの尺度で『公平性』を押しつけるのは、まさに政治権力の横暴であり、メディアへの政治介入です。まして放送行政をつかさどる総務大臣が『これは極端』などと断ずるのは放送メディアに対する介入であり、許されないことです」

 15年3月9日付の文書は「高市大臣と総理の電話会談の結果」とあり、「政治的公平に関する件で高市大臣から総理に電話(日時不明)」と記載されている。高市氏はこれについて「日時不明で私が安倍首相と会話したと書いてあるが、私の電話を誰かが盗聴でもしているのか」と反論したと報じられた。青木氏は言う。

「本当にそういう電話があったのかは知りませんが、一般的に官僚は政治家に忖度するものです。まして官僚は時の大臣の意向に沿って仕事をするわけですから、大臣が誰と会って何を話したか、どういう意向を持っているか、日常的に目と耳をそばだてて情報収集する。それを公文書として保存するか否かはともかく、メモとして残しておくのは生来の習性でしょう」

 そして、こう続ける。

「そんな官僚たちが、大臣の発言や行動に関する文書を捏造するとは考えられず、そんなことをしても何の得もない。むしろ、できるだけ正確に記録するでしょう。実際、礒崎氏は放送法解釈に関する働きかけを総務省にしていたことを認め、現実にそれが高市大臣の国会答弁に反映されているわけですから、文書が記す細かい日付や発言のニュアンス等は精査が必要でも、文書のほとんどは真実だと考えるのが自然でしょう」

 だが、青木氏は政局的な動きに矮小化すべきではない、と語る。

「高市氏は『捏造でなかったら辞める』と断言してしまったので一種の政局になっていますが、問題の本質は放送法の不当な解釈変更であり、そのやり口であり、『けしからん番組』は『取り締まる必要がある』とまで言い放って報道の自由に露骨な介入を企てた安倍政権の姿勢です。もちろん高市氏は当時の総務大臣であり、当事者でもありますから、私は辞任が当然だと考えますが、高市氏の進退問題だけに目を奪われるべきではない。政治とメディアの関係、そもそもメディアはどうあるべきか、そして放送法とは何か、さらには安倍政権の本音や体質は岸田政権にも色濃く受け継がれているのではないか、これを機に考察すべき論点はたくさんあります」
=====================================================


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●「2023年3月3日は高市早苗元総務相のタンカ記念日」…《「捏造文書でなければ大臣も議員も辞職するか」と問われて「結構ですよ」と答弁》

2023年03月23日 00時00分25秒 | Weblog

[※ 2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日というトリガー(『報道特集』、2021年06月26日)↑]


(2023年03月06日[月])
2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」…さて、高市早苗氏の「タンカ」も、アベ様同様、有耶無耶になってしまうのだろうか…、それとも、きっちりと大臣も議員も辞職するのか? (リテラ)《国民の「知る権利」を侵害するかたちでこのまま「真偽不明」で闇に葬られる可能性は高い》。

   『●「電波」な「凶器」高市総務相の暴走と
     「報道現場の声」: 「自粛」「忖度」「委縮」…が「内部から」
   『●「2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」…さて、高市早苗氏の
     「タンカ」も、アベ様同様、有耶無耶になってしまうのだろうか、それとも…

 東京新聞の【本音のコラム「勇気ある内部告発者前川喜平】によると、《当時の高市早苗総務相と安倍首相の電話会談の記録について、高市氏は「捏造文書だ」と主張。「捏造文書でなければ大臣も議員も辞職するか」と問われて「結構ですよ」と答弁した》。
 「2023年3月3日は高市早苗元総務相のタンカ記念日」。アベ様や当時の最低の官房長官による《メディアコントロール》の威を借り、《当時、高市早苗総務相が国会で「電波停止もありうる」と発言》していた訳で、何十頁にもわたる今回の文書が捏造であるとまでタンカを切ったのだが、墓穴を掘ったのではないか。自分が長を務めていた総務官僚が「捏造文書」を作成していたなどと言える大臣って、一体?

 リテラの記事【安倍政権の言論弾圧「放送法解釈変更」をめぐる総務省内部文書のリアルすぎる中身! 高市早苗はこれでも「捏造」と言い張るのか】(https://lite-ra.com/2023/03/post-6265.html)によると、《しかし、なぜ高市総務相が唐突に解釈変更を明言したのか、その背景に何があったのかはこれまで謎に包まれていた。ところが今回、公開された総務省の内部文書では、当時、安倍晋三首相の首相補佐官を務めていた礒崎陽輔氏が、おもに『サンデーモーニング』(TBS)をやり玉に挙げるかたちで、しつこく総務省に事実上の解釈変更を要求していたことが判明。さらに、安倍首相の“鶴の一声”によって、高市答弁に至っていたことがわかったのだ》。

   『●アベ様は「報道がそれで抑圧される、
     そんな例があったら私は辞める」と明言・・・ETV番組改編問題は?
    《文書は「選挙時期における報道の公平中立ならびに公正の
     確保についてのお願い」というタイトルで、20日付で在京の
     テレビキー局に送付された。差出人は筆頭副幹事長の
     萩生田光一と報道局長の福井照の連名。
     その中身がむちゃくちゃなのだ》

   『●「政権にとって「白紙委任状」ほど好都合なものはありません」:  
                       2014年12月衆院選に是非行こう!
    《その2日後、自民党はNHKや在京テレビ局に要望書を出しました
     萩生田光一・自民党筆頭副幹事長、福井照・報道局長の
     両衆院議員の連名で、出演者の発言回数や時間▽ゲスト出演者の選定
     ▽テーマ選び▽街頭インタビューや資料映像の使い方――の4項目
     ついて「公平中立、公正」を要望する内容になっています》

=====================================================
https://lite-ra.com/2023/03/post-6265.html

安倍政権の言論弾圧「放送法解釈変更」をめぐる総務省内部文書のリアルすぎる中身! 高市早苗はこれでも「捏造」と言い張るのか
2023.03.05 07:00

     (首相官邸HPより)

 安倍政権下でおこなわれた報道圧力の実態がつまびらかとなる内部文書が公開され、大きな問題となっている。2日に立憲民主党の小西洋之・参院議員が公開した、約80ページにもおよぶ総務省の内部文書だ。

 放送法における「政治的公平性」について、政府はそれまで「一つの番組ではなく、放送事業者の番組全体を見て判断する」という見解をとってきた。だが、安倍政権下の2015年5月12日、当時の高市早苗総務相が参院総務委員会で「一つの番組のみでも極端な場合は一般論として政治的に公平であることを確保していると認められない」と答弁し、突然の解釈の追加、事実上の解釈変更をおこなったのだ。

 この解釈変更がテレビの番組づくりにもたらした影響は計り知れない。ご存知の通り、安倍政権下では批判的だったキャスターやコメンテーターが次々と番組から消えていった一方、政権を擁護するコメンテーターが跋扈するようになった。さらに、情報番組やワイドショーでは政権批判や不正の追及をすること自体がどんどん減っていった。こうしたいまにつづく状況をつくり出したのは、高市総務相が明言した解釈変更によって、ひとつの番組内で中立を保たなければならなくなったことが大きく影響しているのだ。

 しかし、なぜ高市総務相が唐突に解釈変更を明言したのか、その背景に何があったのかはこれまで謎に包まれていた。ところが今回、公開された総務省の内部文書では、当時、安倍晋三首相の首相補佐官を務めていた礒崎陽輔氏が、おもに『サンデーモーニング』(TBS)をやり玉に挙げるかたちで、しつこく総務省に事実上の解釈変更を要求していたことが判明。さらに、安倍首相の“鶴の一声”によって、高市答弁に至っていたことがわかったのだ。

 当の高市氏は、この内部文書を「捏造文書だ」「非常に悪意をもってつくられた文書」と主張し、「捏造文書でなかった場合には議員辞職するか」という質問にも「結構ですよ」と応答。森友公文書改ざん問題のきっかけとなった安倍首相の「私や妻が関係していたということになれば総理大臣も国会議員もやめる」を想起させる展開となってきている。

 いかに高市氏の主張が苦しいものなのかについては後述するが、そもそもこの内部文書を総務省が「捏造」する理由がない上、礒崎氏本人も「総理補佐官在任中に放送法で定める政治的公平性の解釈について総務省と意見交換をしたのは事実」だと認めている。そして、実際に解釈変更がおこなわれたのも事実なのだ。

 それでは、政権への忖度と擁護に溢れかえるいまのテレビ番組の状況を生み出すことになった放送法の解釈変更は、いったい、どのようなやりとりのなかで実行されるにいたったのか。公開された約80ページにもおよぶ内部文書から、紐解いていきたい。


■『サンモニ』批判を繰り返していた磯崎 そして“安倍首相『NEWS23』で逆ギレ事件”の直後…

 はじまりは2014年11月26日、元総務官僚である当時の礒崎首相補佐官が総務省放送政策課に電話をかけたことからはじまる。「厳重取扱注意」と記された「「政治的公平」に関する放送法の解釈について(礒崎補佐官関連)」という文書によると、この日、礒崎首相補佐官は「コメンテーター全員が同じ主張の番組(TBSサンデーモーニング)は偏っているのではないか」という問題意識を総務省側に伝え、「政治的公平」の解釈や運用、違反事例を説明してほしいと迫った

 じつは礒崎首相補佐官は、自身のTwitter上で以前から『サンデーモーニング』への批判を繰り返しおこなっていたのだが、直前の11月23日・24日にも同番組に対して猛批判を展開していた。

〈日曜日恒例の不公平番組が、今日も、放送されています。仲間内だけで勝手なことを言い、反論を許さない報道番組には、法律上も疑問があります。特定秘密保護法でも、集団的自衛権でも、番組に呼んでいただければ、いつでもきちんと御説明します。〉
〈偏向した報道番組はたくさんありますが、相手側ゲストを呼ばず、一切の反論権を認めない番組は、最悪です。仲良しグループだけが集まって政治的に好き放題言うような番組が、放送法上許されるはずがありません。今の立場では余り動けませんが、黙って見過ごすわけにはいきません。〉
〈女性のO・Eさん(編集部注:大宅映子氏を指していると思われる)がレギュラーで出演している頃には、それほど違和感がなかったのですが、最近傾きが大きくなってきました。間違ったことを本当のように言われるのが、一番困ります。〉

 また、ここで注意したいのは、礒崎首相補佐官が動き出したタイミングについてだ。礒崎首相補佐官が総務省側に電話をかける約1週間前にあたる11月18日、安倍首相は『NEWS23』(TBS)に生出演したのだが、このとき安倍首相は放送された街頭インタビューのVTR内にアベノミクス批判をする声が入っていたことに対し、厳しい意見を意図的に選んでいると逆ギレ。さらにその2日後の11月20日に自民党は、在京テレビキー局の編成局長、報道局長宛てに「選挙時期における報道の公平中立ならびに公正の確保についてのお願い」と題した“報道圧力文書”を送りつけている。この文書の差出人は、当時、自民党筆頭副幹事長だった萩生田光一・現政調会長と報道局長だった福井照氏(2021年衆院選で落選)だ。

 つまり、礒崎氏による総務省への働きかけは、安倍首相が『NEWS23』に逆ギレを起こしたことをきっかけに安倍首相の子飼い議員である萩生田氏が自民党としてテレビ局に圧力をかけたタイミングと同時期におこなわれたのだ。これらの客観的事実からも、内部文書に記された礒崎首相補佐官の言動に齟齬はなく、信憑性が高いと考えられるだろう。


■磯崎首相補佐官のゴリ押し要求に高市早苗総務相は「この答弁は苦しいのではないか?」と疑問

 話を内部文書に戻そう。2014年11月26日に礒崎首相補佐官から放送法が規定する「政治的公平」についての説明を求められた総務省側は、2日後の11月28日に官邸の礒崎総理補佐官室を訪問。そこで礒崎氏は「一つの番組でも明らかにおかしい場合があるのではないか」「絶対おかしい番組、極端な事例というのがあるのではないか。これについても考えて欲しい」と述べ、事実上の解釈の変更に向けて検討するよう迫っている

 首相補佐官が官僚を呼び出し、当たり前の政権批判をおこなう特定の番組をやり玉に挙げて法の解釈変更を要求する──。政権にとって目障りな番組を潰すために法を捻じ曲げさせようとは言語道断の行為であり、安倍官邸の報道圧力体質が浮き彫りになっていると言えるだろう。

 一方、礒崎氏に無理難題をふっかけられた総務省側は、あきらかに困惑。しかし、磯崎首相補佐官の要求は再三にわたっておこなわれ、2015年1月15日には総務省側が提出した説明資料に「激高」したことも記述されている。こうしたやりとりの結果、2015年1月29日には、高市総務相と安倍首相に了解を得た上で、国会で「(磯崎氏が)きちんとコントロールできる議員」が質疑をおこなう方向性が確認されている。

 そして、礒崎首相補佐官が押し進めてきた事実上の解釈変更をめぐる国会答弁について、2015年2月13日、総務省の担当局長らが高市総務相にレクをおこなう。この場で高市総務相は、総務省が作成した整理ペーパーに記された答弁案に対し「この答弁は苦しいのではないか?」と疑問を呈しつつ、このように発言している。

「そもそもテレビ朝日に公平な番組なんてある?どの番組も「極端」な印象。関西の朝日放送維新一色
「苦しくない答弁の形にするか、それとも民放相手に徹底抗戦するか。TBSとテレビ朝日よね」
官邸には「総務大臣は準備をしておきます」と伝えてください
総理も思いがあるでしょうから、ゴーサインが出るのではないかと思う」

 つまり、高市総務相は「答弁としては苦しい」部分があると認識しながらも、安倍首相の判断の上で話を前進させることを了承したのである。

 ところが、ここで思わぬ人物からの横やりが入る。その人物とは、2013年から2015年まで安倍官邸で広報担当の首相秘書官を務めていた山田真貴子氏だ。


■NHKに言論弾圧電話をかけたあの側近の意外な反応 磯崎首相補佐官を「変なヤクザ」と

 山田首相秘書官は礒崎氏と同じ総務省出身で、菅義偉政権の発足で菅氏が官邸に呼び戻し、内閣広報官に据えた人物。菅首相の息子が絡んだ東北新社の接待問題で辞職に追い込まれたことは記憶に新しいが、2020年には菅首相が生出演したNHK『ニュースウオッチ9』において、有馬嘉男キャスターが日本学術会議問題の追及をおこなったことに対し、「総理、怒っていますよ」「あんなに突っ込むなんて、事前の打ち合わせと違う。どうかと思います」とNHKの政治部長に怒りの電話をかけたと報じられ、その後、有馬キャスターが降板するきっかけにもなったと見られている。

 ようするに、山田氏自身も、菅首相の子飼いらしい報道圧力体質を持った人物なのだが、しかし、このときは逆の動きを見せていた。

 2015年2月18日、総務省側が放送法の解釈変更について安倍首相の首相秘書官である山田氏にお伺いを立てたところ、山田氏はこう難色を示したのだ。

「今回の整理は法制局に相談しているのか? 今まで「番組全体で」としてきたものに「個別の番組」の(政治的公平の)整理を行うのであれば、放送法の根幹に関わる話ではないか。本来であれば審議会等をきちんと回した上で行うか、そうでなければ(放送)法改正となる話ではないのか」

 意外にもまっとうな指摘だが、ここから山田首相秘書官による礒崎首相補佐官の批判がつづく。

「礒崎補佐官は官邸内で影響力はない(長谷川補佐官は影響力あるとの言)。総務省としてここまで丁寧にお付き合いする必要があるのか疑問」
「今回の話は変なヤクザに絡まれたって話ではないか」
「礒崎補佐官からすれば、前回衆院選の時の萩生田(議員名の要請)文書と同じ考えで、よかれと思って安保法制の議論をする前に民放にジャブを入れる趣旨なんだろうが、(山田秘書官からすれば)視野の狭い話。党がやっているうちはいいだろうし、それなりの効果もあったのだろうが、政府がこんなことしてどうするつもりなのか。礒崎補佐官はそれを狙っているんだろうが、どこのメディアも萎縮するだろう言論弾圧ではないか

 まさかの礒崎氏を「変なヤクザ」呼ばわり……。この物言いからも官邸内のパワーバランスが透けて見えるようだが、重要なのは、礒崎首相補佐官が進めようとしている放送法の解釈変更に対し、首相秘書官からしっかりと「言論弾圧」だという認識が示されていたことだ。

 さらに山田首相秘書官は、こうもつづけている。

「総理はよくテレビに取り上げてもらっており、せっかく上手くいっているものを民主党の岡田代表の時間が足りない等言い出したら困る」
「だいたい問題になるのは「サンデーモーニング」「ニュース23」「報道ステーション」だろうが、国民だってそこまで馬鹿ではない。今回の件は民放を攻める形になっているが、結果的に官邸に「ブーメラン」として返ってくる話であり、官邸にとってはマイナスな話」

 ようするに山田氏は、「一つの番組」で政治的公平を言い出せば、逆に「安倍首相だけ取り上げられているのはおかしい!」と野党からつけ込まれること、さらには政権に批判的な番組を露骨に狙い撃ちすれば国民から反発が巻き起こることを懸念したのだ。ある意味、冷静な判断だとも言えるだろう。


■磯崎首相補佐官「俺と総理が二人で決める話」「ただじゃあ済まないぞ」「首が飛ぶぞ」と総務官僚を恫喝

 このように、言論弾圧をしたい首相補佐官vsそれを阻止しようとする首相秘書官の対立構図となった放送法の解釈変更問題だったが、困り果てたのが、両者の板挟みとなってしまった総務省だった。山田首相秘書官のレクから約1週間後の2015年2月24日、総務省側は礒崎首相補佐官と面談し、「総理にお話される前に官房長官にお話し頂くことも考えられるかと思いますが」と提案。つまり、礒崎・山田両氏の頭が上がらない菅官房長官にジャッジしてもらおうと考えたらしい。

 だが、この提案に礒崎首相補佐官は怒り心頭。総務省の官僚たちをこう恫喝しはじめるのだ。

「何を言っているのか分かっているのか。これは高度に政治的な話。官房長官に話すかどうかは俺が決める話。局長ごときが言う話では無い。総理が(官房長官に相談しろと)仰るなら勿論話をする。この件は俺と総理が二人で決める話
「俺の顔をつぶすようなことになれば、ただじゃあ済まないぞ首が飛ぶぞ。もうここにも来ることができないからな」
「俺を信頼しろ。役所のOBなんだし、ちゃんとやってくれれば、役所の悪いようにはしない。そちらも、官邸の構造論を分かっておくように」

 「俺と総理が二人で決める話」「ただじゃあ済まないぞ」「首が飛ぶぞ」……。事態が一筋縄ではいかなくなったなか、ついに2015年3月5日、礒崎首相補佐官と山田首相秘書官、さらには今井尚哉首相秘書官が同席するもとで、安倍首相に意向を確認することとなったのだ。

 このとき、山田氏のみならず今井首相秘書官も「総理単独の報道が萎縮する」「メディアとの関係で官邸にプラスになる話ではない」などと説明。

 ところが、マイナス面を説明したというのに、ここで安倍首相が「前向きな反応」を示すのだ。

 山田首相秘書官が総務省側に伝えた安倍首相の反応をまとめた「総理レクの結果について(放送番組の政治的公平について)」という文書には、安倍首相の発言がこのようにまとめられている。

「政治的公平という観点からみて、現在の放送番組にはおかしいものもあり、こうした現状は正すべき」
「(放送番組全体で見ることについて)「JAPANデビュー」は明らかにおかしい、どこでバランスを取っているのか」

 安倍首相が具体名を挙げた『JAPANデビュー』とは、2009年に放送された全4回のNHKスペシャルのシリーズだ。このシリーズ第1回目で日本の台湾統治を取り上げた「アジアの“一等国”」をめぐっては、当時、安倍氏は「番組はひどすぎる」「『反日』で貫かれています」「イメージ操作を行い、これでもかと日本を貶めています」と猛批判。安倍氏や中川昭一氏らを含む自民党国会議員有志で「公共放送の公平性を考える議員の会」を発足させたほどだった。つまり、こうした「反日」番組を取り締まるためにも、放送法の解釈変更はありではないか、と安倍首相は前のめりになったのだ。

 さらに、ここで礒崎首相補佐官が追い打ちをかける。礒崎氏が「サンデーモーニングはコメンテーター全員が同じことを述べている」「明らかにおかしい」と発言すると、安倍首相はこう呼応したというのである。

「放送番組全体で見る」とするこれまでの解釈は了解(一応OKと)するが、極端な例をダメだと言うのは良いのではないか」

 再度、山田首相秘書官がマイナス点を説明しても、もはや暖簾に腕押し。安倍首相は「有利不利ではない」「全部が全部とは言わないが、正すべきは正す」と引かなくなってしまったのである。


■“安倍首相もサンデーモーニングを問題視”と磯崎首相補佐官 一方高市総務相は「本当にやるの?」

 上記は山田首相秘書官が総務省側に伝えた安倍首相の反応についての報告だが、一方の礒崎首相補佐官が総務省側に伝えた安倍首相の反応をまとめた「礒崎総理補佐官からの連絡(総理レクの結果について)」という文書には、礒崎氏の発言として、こうも書かれている。

「総理がいちばん問題意識を持っているのはNHKの「JAPANデビュ―」だが、これはもう過去の話。今はサンデーモーニングには問題意識を持っている。(報道ステーションの)古舘も気に入らないが、古舘はゲストを呼ぶ。ゲストが弱くて負けるのはしょうがないが、この違いは大きい。サンデーモーニングは番組の路線と合わないゲストを呼ばない。あんなのが(番組として)成り立つのはおかしい」
とにかくサンデーモーニング。番記者にもいろいろ言っているが、総務省もウォッチしておかなきゃだめだろう」
「古舘は番組には出演させる。総理が呼ばれれば総理はけんかするだろう。その意味でもサンデーモーニングは構造的におかしいのではないかということ。皆さんもこうした意識は頭に入れておいていただきたい。(笑いながら)あんまり無駄な抵抗はするなよ」

 つまり、礒崎氏の弁によれば、安倍首相自身も『サンデーモーニング』が問題だという認識を持っていた、というのである。

 このように、ついに安倍首相が乗り気となってしまったことで、法解釈の変更を国会質疑でおこなうという方向がいよいよ現実化する。

 「大臣レクの結果についての安藤局長(編集部注:安藤友裕・総務省情報流通行政局長)からのデブリ模様」と題された文書によると、総務省は礒崎首相補佐官から受けた安倍首相の反応などを高市総務相に報告するが、高市氏は〈あまり記憶がなかった様子〉だったらしく、第一声は「本当にやるの?」。その後、この問題の内容を思い出してくると、「これから安保法制とかやるのに大丈夫か」「民放と全面戦争になるのではないか」「(前回衆院選の)要請文書のように、背後で動いている人間がいるのだろう」と懸念などを口にし、最終的には「一度総理に直接話をしたい」と発言。高市氏は〈平川参事官(編集部注:平川薫・総務省大臣官房参事官のこと)に今井総理秘書官経由で総理とお話できる時間を確保するようその場で指示〉したという。

 この結果、高市総務相は安倍首相と電話会談を実施。その内容を2015年3月9日に平川参事官が安藤局長に報告した内容をまとめた「高市大臣と総理の電話会談の結果」という文書によると、高市氏が安倍首相に電話をしたとあり(日時不明)、こう綴られている。

〈総理からは、「今までの放送法の解釈がおかしい」旨の発言。実際に問題意識を持っている番組を複数例示?(サンデーモーニング他)〉
〈国会答弁の時期については、総理から、「一連のものが終わってから」とのご発言があったとのこと。〉

 こうした流れを経て、礒崎首相補佐官が放送法の解釈変更について、国会における「質問」を総務省側に送付。〈NHK予算が終わった後のタイミングで、参・総務委員会の一般質疑で質問する〉方向性が示され、実際、2015年5月12日の同委員会で、自民党・藤川政人・参院議員の質問に答えるかたちで、高市総務相が一つの番組のみでも極端な場合は一般論として政治的に公平であることを確保していると認められないという解釈変更を明言するにいたったのである。


■「捏造文書でなければ議員辞職する」と啖呵を切った高市早苗大臣だが…

 ──以上、今回公表された総務省の内部文書約80ページをざっくりと追ってみた。ここからは、少なくともこの放送法の解釈変更が「言論弾圧」(山田首相秘書官)という大きな危険を孕んだものであり、審議会に諮ることや法改正が必要であるという認識が示されながらも、『サンデーモーニング』を異常なまでに目の敵にしている礒崎首相補佐官の執念と恫喝、さらには礒崎氏に同調した、安倍首相による絶対的な「天の声」があって実行に移されたことがよくわかる。

 また、総務省も結果的に政治に振り回されるだけで、問題があることを理解しながら唯々諾々と従ってしまっているまさに安倍政権の官邸支配の構図が浮かび上がる内容だと言えるが、こうした文書を総務省が「捏造」する理由など、どこにもないだろう

 しかも、現在、「捏造文書だ」と主張している高市大臣は、法解釈の変更を答弁した張本人であるわけだが、その答弁にいたった経緯について問われると「質問通告があったからじゃないか。答弁書の案を私が見たのは前日。その経緯は知らない」などと発言。しかし、とてもじゃないが従来の政府解釈を変更するという重大な答弁書を、経緯も知ろうとせずにそのまま読み上げたというのはおかしい。むしろ、内部文書にあるように「本当にやるの?」「一度総理に直接話をしたい」という反応こそリアリティがあるだろう。

 さらに高市大臣といえば、いま刑事告発されている政治資金規正法違反問題で、疑惑隠蔽のために「虚偽の領収書」を発行したという“証拠の捏造”疑惑が浮上。高市大臣は「捏造文書だ」と決めつける前に、自身の事務所の“証拠の捏造”疑惑について説明すべきではないのか。

 その上、高市大臣が「捏造文書でなければ議員辞職すると啖呵を切ったばかりに、今後、総務省が事実の隠蔽に走り、万が一、関係官僚が命の危険にさらされるような事態へと発展しないか、不安は大きい。いや、高市大臣のみならず、3日の参院予算委員会で岸田文雄首相は「(内部文書について)正確性が定かでない」と答弁し、松本剛明総務相も「発言者に内容の確認を取っておらず、文書の記載について、かなりの方々が認識が異なると言っていることが判明した」などと発言しているように、すでに逃げの一手に出ている国民の「知る権利」を侵害するかたちでこのまま「真偽不明」で闇に葬られる可能性は高い

 だが、それでいいはずがあるまい。繰り返すが、この解釈変更は、政権批判が封じられ、かたや擁護で溢れかえるといういまのテレビ番組の状況をつくり出した元凶ともいえるものだ。そして、政権批判を厭わずおこなう『サンデーモーニング』のような番組を狙い撃ちにし、時の権力が恣意的に解釈を変更させていたのである。解釈変更の見直しの議論は当然のこと、テレビ番組における報道のあり方を問い直すためにも、この内部文書をなかったものにするわけにはいかないのだ。

(編集部)
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●『エルピス』《政権にダメージを与えかねないスクープを自社では報じられず、「後追いならできる」という理由で週刊誌などにネタが…》

2023年01月24日 00時00分32秒 | Weblog

[※ 「自民党と旧統一教会の闇」(週刊金曜日 1386号、2022年07月22日) ↑]


(2023年01月10日[火])
癒着の根幹》…アベ様と統一協会のヅボヅボな関係。その話がほとんどされなくなっている。名称変更問題は? 票の差配問題は?? 数多のアベ様案件と同様に、このまま有耶無耶のままで良いのでしょうか? このまま、ニッポンの「政」がヅボヅボな議員やヅボヅボ党の下駄の雪党の議員らに支配されていていいのだろうか。どんだけニッポンの政を歪めてきたのか。彼らを一掃する以外に、ニッポンが救われる道はあるのだろうか。そんな両党の議員になりたいとか、そんな両党の議員を支援したい、という人たちの気が知れないね。

   『●悍ましい構図…さらには、アベ様が票の差配までするほどズブズブ
       ヅボヅボだった訳ですが、そんな自民党に投票するとはねぇ…
   『●票の差配をするほどズブズブヅボヅボなアベ様という壺の蓋…《壺の蓋が
            吹っ飛んで…中から…熟成された汚物が出てくる、出てくる…》
   『●統一協会事件と教育破壊…《安倍の出身派閥・清話会の指定席》な文科相
      の系譜の酷さ…《下村博文、馳浩、松野博一、…柴山昌彦、萩生田…》
   『●統一協会名称変更問題…《実体が変わらないのに、名称を変えることは
        できない》はずなのに、《あり得ない》ことがなぜ可能になったの?
   『●村上誠一郎議員の発言よりも、統一協会票の差配等々のアベ様案件こそ
      が《国賊》であり、《党員の品位を汚す行為》だと思いますが?(1)
    「リテラ…【岸田はおかしくなっている! 性差別発言や統一教会擁護の
     極右安倍応援団・小川榮太郎をブレーンに 国葬も小川の進言か】」
    《ここで語られている阿部正寿氏は「世界戦略総合研究所」の会長であり、
     安倍元首相と阿部氏が握手する写真も残されているが、小川氏は
     この阿部氏と「1年に何度か会う」仲だというのである》

   『●村上誠一郎議員の発言よりも、統一協会票の差配等々のアベ様案件
      こそが《国賊》であり、《党員の品位を汚す行為》だと思いますが?(2)
   『●新年こそは、まともな国に生まれ変わることを切に願う ――― 素晴ら
      しい国にならなくてもいいので、〝まともな国〟になってほしいだけ

 リテラの記事【統一教会最古参元幹部が安倍晋三と教団の深い関係をテレビで激白! 総理復帰を決意させた「高尾山登山」にも深く関与】(https://lite-ra.com/2022/12/post-6254.html)によると、《しかし、自民党および岸田政権は、癒着の根幹にかかわる安倍元首相と統一教会の関係について調査することすら拒絶したまま。当初は一部メディアでは追及の姿勢を見せていたものの、いつの間にか尻すぼみとなり、いまではまるで終わったことのように扱われている。だが、そんななかにあって、28日放送の『報道1930』(BS-TBS)では、あらためて安倍三代と統一教会の関係について検証。しかも、統一教会の最古参元幹部である阿部正寿氏が、なんと初めてカメラの前で証言をおこなったのだ》。
 この記事の結び近く、《ドラマ『エルピス─希望、あるいは災い─』(フジテレビ系)で描かれていたのとまったく同じ、政権にダメージを与えかねないスクープを自社では報じられず、「後追いならできる」という理由で週刊誌などにネタが持ち込まれるというパターンなのではないのか。安倍元首相銃撃事件に端を発した「統一教会と自民党の関係」という重大事を、このまま闇に葬るなんてことは許されない》。

   『●《権力の横暴とそれに従属するマスコミの報道姿勢への問題意識を燃料に
       書いてきた──。脚本家がそう明言するドラマが、地上波で放送…》
   『●【<土曜訪問>表現の幅、狭めない 冤罪事件から着想 ドラマ「エルピス」
          で脚本 渡辺あやさん(脚本家)】(東京新聞・石原真樹記者)

=====================================================
https://lite-ra.com/2022/12/post-6254.html

統一教会最古参元幹部が安倍晋三と教団の深い関係をテレビで激白! 総理復帰を決意させた「高尾山登山」にも深く関与
2022.12.29 09:25

     (『報道1930』で証言した統一教会最古参元幹部)

 今年国内で起こった最大の事件は、何と言っても安倍晋三・元首相の銃撃事件、そして銃撃事件をきっかけにし、安倍元首相を中心とする自民党と統一教会の癒着関係が暴かれたことだろう。

 しかし、自民党および岸田政権は、癒着の根幹にかかわる安倍元首相と統一教会の関係について調査することすら拒絶したまま。当初は一部メディアでは追及の姿勢を見せていたものの、いつの間にか尻すぼみとなり、いまではまるで終わったことのように扱われている

 だが、そんななかにあって、28日放送の『報道1930』(BS-TBS)では、あらためて安倍三代と統一教会の関係について検証。しかも、統一教会の最古参元幹部である阿部正寿氏が、なんと初めてカメラの前で証言をおこなったのだ。

 阿部氏は、文鮮明氏が1969年に初めて日本でおこなった合同結婚式参加した「12双」のひとりで、統一教会草創期からの信者。国際勝共連合の事務総長のほか、1970年に岸信介元首相が大会推進委員長を務めた世界反共連盟の世界大会では責任者を務めるなど、日本の統一教会を語る上で外すことのできない最重要人物のひとりだ。

 今回、阿部氏は“統一教会による多額の献金で苦しむ信者たちのためにインタビューに応じた”とし、実権を握る韓国本部が日本の教団に多額の献金を求めていることに対して怒りを見せ、「日本人をコケにしている。私は許せない」「日本の超党派で調査団を韓国に派遣すべき。献金の実態を調査すべき」と提言。文鮮明氏についても「教祖として尊敬はしている」としながらも「心の中ではこの人は相当反日だと思っていました」と語った。

 しかし、今回成功した阿部氏の独占インタビューでもっとも注目すべき点は、安倍元首相と統一教会の接点について語られた部分だ。

 というのも今回、阿部氏は、いかに統一教会が安倍元首相とのパイプを重要視していたのか、さらに阿部氏が安倍元首相を再び総理に返り咲かせるために尽力したかを、赤裸々に語ったからだ。

 統一教会が安倍晋三氏に接近した理由。それは「安倍晋太郎と文鮮明に約束があったから」だと阿部氏は言う。

「安倍総理のお父さんの安倍晋太郎さんとうちの久保木(修己・統一教会初代)会長は仲良かったんです。文先生は安倍晋太郎さんに言った。あなたがもし自民党総裁、首相になったら、まずは韓国に来たときは、大統領官邸に行くんじゃなくて、文先生の自宅がある漢南洞に挨拶に行きなさい。それと日韓トンネルを応援しなさい。約束したんです」

 統一教会初代会長と仲を深め、総理になったら日韓トンネルを支援するなどといった約束を文鮮明教祖と交わしたという晋太郎氏。だが、晋太郎氏は総理大臣の座に就くことなく病死。そこで、約束の遂行のために後継者である晋三氏を応援したというのだ。阿部氏はこう語る。

「安倍晋三個人は全然知らないんだから。でも、文先生と約束した安倍晋太郎の息子だったら、その使命は残っているはずだから、絶対に(総裁を)安倍晋三にすべきである」


■安倍晋三に総理復帰を決意させた「高尾山登山」にも統一教会関係者がこぞって…

 阿部氏は文鮮明氏に信者の獲得を命じられイギリスやイスラエルで布教活動をおこない、日本に戻ってきたのは2010年だったという。そう、まさに安倍晋三氏が下野していたときだった。

 絶対に安倍晋三を総裁・総理にしなければならない。そこで阿部氏は、自身が会長を務める統一教会系の政策シンクタンク「世界戦略総合研究所」で安倍元首相を招いて講演会を開催したほか、「気落ちする安倍元首相を励ますため」に高尾山の登山を企画したという。

 この阿部氏が企画したと言う「高尾山の登山」というのは、2012年4月30日におこなわれたものだ。「安倍元首相にもっとも近いジャーナリストのひとり」と呼ばれてきた元TBS記者の山口敬之氏は、安倍ヨイショ本『総理』(幻冬舎)のなかで、この2012年4月の高尾山登山を〈重要な変化を与えたイベント〉〈5カ月後の総裁選に向けて一つの転機となった〉と記している。

 しかし、山口氏はこの登山について、企画したのは第二次安倍政権で首相補佐官と内閣広報官を務めた長谷川榮一氏であり、〈フェイスブック上で、「安倍元総理と一緒に登りませんか」と一般国民に呼びかけた〉と記述。〈フェイスブックの呼びかけを見てやってきた300人はいようかという登山者が、安倍の周りで大きな塊を作った〉〈安倍に掛けられる声はどれも温かった〉〈安倍と昭恵は、満面の笑みで記念撮影の求めに応じ、握手をし、言葉を交わした〉としている。

 だが、この安倍元首相に総理復帰を決意させた高尾山登山について、阿部氏はこう語ったのだ。

私たちが若者たちを300人ぐらい集めてですね、『安倍先生、もう一度立ってください私たちは応援しますよ。そのときね、安倍さんは『自分は日本国民に迷惑をかけたから、それはできないんだ』と言ったんだけど、いや、そんなことなくて、やっぱり安倍先生あなたしかいないんですよね。(安倍氏は)自分を支えてくれる人がすごいいるんだったら、自分ももっとやっていいと思えて、もう一度ね、選挙出て、それで彼は立ったんだ」

 よほど思い出深いのか、ときに声を震わせ、涙ぐみながらこのエピソードを語る阿部氏。つまり、阿部氏の主張では、安倍元首相を励ますために駆けつけた300人というのは、文鮮明との約束を遂行させるために是が非でも安倍氏を総理に返り咲かせようとしていた統一教会の力によって集められた、というのである。

 実際、この日の登山には統一教会系の人脈が参加していたことが確認されている。たとえば、「世界戦略総合研究所」の事務局次長である小林幸司氏や筆頭理事の加藤幸彦氏も参加。小林氏はその後、2013年〜2016年の「桜を見る会」に4回連続で招待されている人物だ。さらに、安倍応援団のひとりである小川榮太郎氏も参加していたが、小川氏と阿部氏は「1年に何度か会う」仲であることを小川氏自身が認めている。また、高尾山がある八王子の統一教会とのズブズブの関係が明らかになっている萩生田光一氏も、安倍元首相一行と下山後に合流したことをブログに写真付きで記している。

 小川氏は「高尾山登山は私が仕切ったもの」と主張しているが、誰が仕切ったのかどうかは別として、少なくともこの登山に統一教会系人脈が流れていたことは事実だ。さらにいえば、安倍元首相を励ますための登山には、前述した長谷川榮一氏や首相秘書官を務めた今井尚哉氏、内閣情報官や国家安全保障局長を歴任した北村滋氏といった第二次安倍政権を支えた官邸中枢の人物がかかわっていた。もし、本当に阿部氏が300人もの若者を集めたのが事実であれば、その後の側近たちは皆、安倍氏と統一教会の関係や、その関係の重要性を理解していたことになるだろう。


■自民党本部と統一教会の深い関係を追及するスクープが潰されたとの情報も…

 このように、安倍元首相と統一教会の関係を追及する上で重要な証言が飛び出した、今回の『報道1930』。自民党と統一教会の関係を清算する上で、安倍元首相と統一教会がいかに関係を結んできたのかという事実の解明は欠かせないものだ。そして、継続した取材がいかに重要か、今回の『報道1930』は示したともいえる。追及すべき人物や事柄はまだまだある。追及をつづけることで、新たな証言を得て事実を明らかにすることはできるからだ。

 だが、残念ながらどうやら大手メディアは相当、及び腰になっているようだ。

 というのも、27日に配信されたYouTube番組「Arc Times The News」では、ゲスト出演していた有田芳生氏が「ある新聞社が、自民党本部にかなり統一教会が入り込んでいたというスクープを記者が書こうとしたら、ストップがかかったというのですよ」と発言。有田氏は「1月1日に大スクープで出るんじゃないか」と期待を寄せていたが、司会を務める元朝日新聞記者・尾形聡彦氏は「僕が聞いている範囲では逆ベクトル」と言い、このままスクープが潰されてしまうのではないかという見方を示していた。

 有田氏は「そこ(新聞)で出なかったら(別媒体で)必ず出る」とも述べていたが、これは先日最終回を迎えたドラマ『エルピス─希望、あるいは災い─』(フジテレビ系)で描かれていたのとまったく同じ、政権にダメージを与えかねないスクープを自社では報じられず、「後追いならできる」という理由で週刊誌などにネタが持ち込まれるというパターンなのではないのか

 安倍元首相銃撃事件に端を発した「統一教会と自民党の関係」という重大事を、このまま闇に葬るなんてことは許されない。統一教会の問題点をメディアが放置し、安倍元首相のビデオメッセージ問題もスルーしたことで「空白の30年」は生まれたとされているが、来年こそメディアは「追及すること、報道すること」でその責任をとってほしい

(編集部)
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●子ども庁? (政界地獄耳)「接待防止庁」、(前川喜平さん)「政治家監督庁」を創れ ――― デジタル庁ねぇ、ホントに必要なの?

2021年05月04日 00時00分28秒 | Weblog

[※《自助》大好きオジサン・最低の官房長官と学商 (日刊ゲンダイ 2020年9月7日)↑]


(20210411[])
日刊ゲンダイのコラム【金子勝の「天下の逆襲」/縁故資本主義によるボロボロ政策しかない菅政権は死に体だ】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/286874)。
日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/デジタル庁が出来ても中身が心配だ】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202104060000104.html)。

 《しかし、その中身はズタボロだ。既得権益を排し、縦割り行政を打破し、規制緩和に取り組むと言っていた張本人が、まったく真逆のことをしていたのだから当然である…菅政権は死に体だ一日も早い政権交代が日本を救う唯一の道である》。
 《いかに乱暴な審議をしているかについては先月31日、衆院内閣委員会で同党の川内博史の質問でも強引で異様なことが分かる。 ★オリパラアプリの入札公示時期について問うと公示時期は「昨年12月28日から1月8日正午まで」という。70を超える入札が事実上4日間だというが、どのくらいヒアリングしたのかの問いには業者に迷惑がかかるから非公表。するとデジタル相・平井卓也は「時期が迫っていた」と説明するが、オリンピック(五輪)は5年前から決まっていたのではないか。この公平性のないドンブリ勘定手法で接触確認アプリ「COCOA」も発注され不具合が起きていたし、マイナンバーカードに健康保険証のデータ組み込みもうまくいかないのではないか。その中であわてて作られるのがデジタル庁だ。本来は立ち止まるタイミングではないか》。

   『●違憲な壊憲、縁故主義・政権の私物化までも《継承》…《主権者である
         国民の一人一人が幸せを追求できる政治を実現》する気も無し

 《縁故資本主義》まで、アベ様からしっかしと継承した利権漁りカースーオジサン。
 《マトモな国家戦略を描けない》《菅内閣は思いつきの場当たり政治》…何もかもデタラメ。

   『●アベ様「ここ1、2週間が極めて重要な時期」、《自助》大好き
     政策スカスカオジサン「この3週間が極めて重要な時期」…無為無策無能
   『●病床のダウンサイジング…《病床削減のために195億円もの巨額が
     計上…しかも、その病床削減のための財源は、消費増税分で賄われる》
   『●COVID19変異株による第4波に対して何を? 「#打つ手なし」で
     非常事態宣言解除 ―――― 無為無策無能過ぎるカースーオジサン
   『●ボイコフ教授《新型コロナウイルスのパンデミックのさなか、聖火
     リレーは五輪の虚飾のため、公衆衛生を犠牲にする危険を冒している》
   『●《五輪利権をむさぼり尽くさずにはいられない豚の卑しさと…中国に
     「証し」とやらのマウントを取られたくないド腐れ猿の哀れすぎる性》

 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/「接待防止庁」の方が先だろう】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202104050000091.html)によると、《「子ども庁」設置…ネットでは「その前に自分の長男の人格はどこにとか、子ども内閣の子ども閣僚の問題点を洗い出せとか、公務員接待防止庁、自民党夜の会食禁止庁を先に作れ」と揶揄(やゆ)される。子ども庁の考え方は決して悪いものではない。立憲民主党の議員が言う。「民主党政権時に子ども家庭庁の設置が議論されたが、自民党からは批判の嵐だった」》。

   『●《彼女の言う「幸運」とはひとえに自分のための幸運だ。それは
     要するに出世して人々の幸運を実現するという使命をどれほど自覚》?
   『●前川喜平さん《総務相…経験者…高市氏は「最終決裁者は大臣ではなく
      局長だ」とあぜんとする言い訳をした…。法律は政治家に甘すぎる》


 前川喜平さんのつぶやき:

--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---
https://twitter.com/brahmslover/status/1379051895029866501

前川喜平(右傾化を深く憂慮する一市民)@brahmslover

子ども庁をつくるなら、若者庁もつくれ。老人庁もつくれ。女性庁も男性庁もつくれ。障がい者庁もつくれ。外国人庁もつくれ。性的少数者庁もつくれ。失業者庁もつくれ。ついでに政治家監督庁もつくれ

午後9:42 · 2021年4月5日
--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---


 前川喜平さん「政治家監督庁」、政界地獄耳《「接待防止庁」の方が先だろう》、同感。
 日刊ゲンダイの記事【子ども庁も週休3日も 菅内閣は思いつきの場当たり政治】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/287588)によると、《理念なき首相に政治をオモチャにされたら亡国への道 「選挙利用の臭いがぷんぷんする。本気度があるとは思えない」 立憲民主党の江田憲司代表代行はバッサリだったが、本当にその通りだ。唐突に政府・自民党挙げての“重要施策”になってきた「こども庁」のことである》。

=====================================================
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/286874

金子勝 立教大学大学院特任教授
1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。法政大学経済学部教授、慶應義塾大学経済学部教授などを経て現職。慶応義塾大学名誉教授。文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。近著「平成経済 衰退の本質」など著書多数。新聞、雑誌、ネットメディアにも多数寄稿している。


金子勝の「天下の逆襲」
縁故資本主義によるボロボロ政策しかない菅政権は死に体だ
公開日:2021/03/24 06:00 更新日:2021/03/24 06:00

     (さきの予算委員会では、総務省の接待疑惑で紛糾
      (C)日刊ゲンダイ)

 菅政権はもうボロボロだ。新型コロナウイルス対策は後手後手続きで、死者数はおよそ9000人に上る。打ち出すスローガンは先端的で格好がいい。デジタルトランスフォーメーション(DX)に、カーボンニュートラル(脱炭素宣言)。しかし、その中身はズタボロだ。既得権益を排し、縦割り行政を打破し、規制緩和に取り組むと言っていた張本人が、まったく真逆のことをしていたのだから当然である。

 菅はカネをバラまき、昇進をエサにし、シッポを振ってくる人間ばかりを雇ってきた縁故資本主義が染みついている体質ゆえに、政策は必ず行き詰まる。総務省の接待漬け問題はその象徴だ。「ミスター携帯」谷脇康彦元総務審議官、山田真貴子元内閣広報官、「国民の疑念を招くような会食には一切応じない」と強弁してきた武田総務相もNTT幹部と会食していた。表向きは規制緩和によって市場競争を強めて携帯電話料金を値下げする政策だが、実際は政府が株式の3分の1を保有する事実上の国策会社であるNTTに、NTTドコモを完全子会社化する“国有化”を許して肥大化を認め、それによって値下げを命じるという真逆の政策になったのだ。

 NHKの受信料値下げについても、許認可権を握る総務省の圧力が疑われる。山田元広報官は否定しているが、日本学術会議の任命拒否問題について質問したキャスターに抗議したとの疑惑は消えない。圧力の結果、値下げが実現したのだとしたら、国民をバカにしている。菅肝いりのふるさと納税と同じ発想で、公共性を解体して得をすればみなハッピーだと思ったら大間違いだ

 今国会で審議されるデジタル庁法案もまた総務省案件だ。マイナンバーを使って、GAFAに太刀打ちできない日本のIT企業を救済する政策である。そこから新しい情報通信産業は生まれないだろう。また、脱炭素を口実に原発再稼働をもくろんでいるが、輸出計画は全て失敗時代遅れの再稼働で電力会社の独占を許し、国際競争力を失った電機メーカーを救済しようとしている。だが、ゾンビ企業救済は無理筋だ東京電力はIDカード不正使用に加え、侵入検知不備のデタラメ日本原子力発電東海第2原発は避難計画が不十分だとして水戸地裁に運転差し止めを命じられた

 菅政権は死に体だ一日も早い政権交代が日本を救う唯一の道である
=====================================================

=====================================================
https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202104060000104.html

コラム
政界地獄耳
2021年4月6日9時15分
デジタル庁が出来ても中身が心配だ

★菅内閣は政権の目玉政策にデジタル庁や子ども庁設立を急ぐが、立憲民主党代表代行・蓮舫がツイッターで指摘するように、デジタル改革関連法案に同意なく個人情報が利用される懸念や、個人情報保護に関する自治体の裁量権が制約を受ける恐れがあることなどとともに、60本超の法案を束ね法案にすることには懸念がある。いかに乱暴な審議をしているかについては先月31日、衆院内閣委員会で同党の川内博史の質問でも強引で異様なことが分かる。

★オリパラアプリの入札公示時期について問うと公示時期は「昨年12月28日から1月8日正午まで」という。70億を超える入札が事実上4日間だというが、どのくらいヒアリングしたのかの問いには業者に迷惑がかかるから非公表。するとデジタル相・平井卓也は「時期が迫っていた」と説明するが、オリンピック(五輪)は5年前から決まっていたのではないか。この公平性のないドンブリ勘定手法で接触確認アプリ「COCOA」も発注され不具合が起きていたし、マイナンバーカードに健康保険証のデータ組み込みもうまくいかないのではないか。その中であわてて作られるのがデジタル庁だ。本来は立ち止まるタイミングではないか

★その間にも過日、サーバーなどが海外にあり、個人情報が閲覧可能だったことが分かった国内で8600万人が利用する無料通信アプリLINE(ライン)はあわてて総務省がLINEを通じて提供している行政サービスの運用を停止、今度は防衛省が業務での使用を禁止している。また省庁間のやりとりにLINEを使っている場合が多くみられ、官庁のわきの甘さと、危機管理能力のなさから、今後デジタル庁が生まれても、国民や利用者の意識が変わらなければ意味がないのではないか。その意味でも拙速な運用や庁の設置は心配なことが多すぎる。(K)※敬称略
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●前川喜平さん《総務相…経験者…高市氏は「最終決裁者は大臣ではなく局長だ」とあぜんとする言い訳をした…。法律は政治家に甘すぎる》

2021年03月19日 00時00分13秒 | Weblog

[※歴代自民党内閣は「国民のために働」いていなかった!? 縁故主義・政権の私物化もアベ様から《継承》 (日刊ゲンダイ 2020年10月14日)↑]


(20210315[])
日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/「会食したが接待ない」ご飯論法だろう】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202103130000049.html)。
前川喜平さんの、東京新聞の【本音のコラム/全体の奉仕者の責任 前川喜平】(https://twitter.com/SiamCat3/status/1371228338908372994/photo/1)[ツイッターからの孫引き]。

 《★昨今の国会の議論だけ聞いていて、与党の発言をまとめただけでも、これをまっとうな政治と呼んでいいのかと思うことばかりだ。安倍政治の延長が通用すると感じているのはその恩恵を受けていた関係者だけで、安倍政権がつくり上げた方便がまかり通る時代ではない。安倍政権では詭弁(きべん)を弄(ろう)して不都合を合法的にするため疑惑が向けられた首相夫人を私人とするなどの閣議決定が多く行われてきた》。

   『●マトモなニッポン国リーダーは居ないのかねぇ? マトモな官僚は
     居ないのかねぇ? 「忖度」「虚偽答弁」が蔓延する哀れなニッポン国…
   『●アベ様夫人は「私人」と閣議決定 ――― 《首相が息子を助けるために
        首相と息子は別人格と閣議決定しても、その構造は変わらない》
   『●《彼女の言う「幸運」とはひとえに自分のための幸運だ。それは
     要するに出世して人々の幸運を実現するという使命をどれほど自覚》?
    「前川喜平さんの、東京新聞のコラム【本音のコラム/
     幸運を引き寄せる力】」

 《これをまっとうな政治と呼んでいいのか》? 生計は一緒にしていないだの…《息子は別人格》で済む話ではなく、違法、犯罪です。官僚らの《更迭》《定年退職…辞職》《人事異動》で済む話ではない。
 (政界地獄耳)《いくら何でも政権の犯罪を国民は見逃さない》…これは大いなる疑問。《メディアコントロール》の下、118回も国会で息吐く様にウソを吐き続けた元総理が今も国会議員としてのうのうと生きています。7年8カ月に渡り首相で居続けました。与党自公や癒党お維がニッポンを破壊し続けています。


 Siam Cat_036さんのつぶやき:

-- - --- -- - --- -- - --- -- - --- -- - --- -- - --- -- - --- -- - --- -- - --- -- - --- 
https://twitter.com/SiamCat3/status/1371228338908372994

Siam Cat_036@SiamCat3

官僚より責任が重い大臣に全体の奉仕者にもとる行為があったなら、官僚より厳しい処分を受けるのが当然」だが「大臣規範」に違反しても処分はされない。「法律は政治家に甘すぎる」。選挙により国民から負託を受ける政治家がその義務に反するなら選んだ方の製造物責任は選挙で果たさなければならぬ。

午前7:34 2021年3月15日
-- - --- -- - --- -- - --- -- - --- -- - --- -- - --- -- - --- -- - --- -- - --- -- - --- 

 添付されていた東京新聞のコラムから文字起こしさせて頂きました。前川喜平さんの【本音のコラム/全体の奉仕者の責任 前川喜平】。

 「国民から疑念を持たれるような」接待かどうかなんて関係なく、「収賄」「饗応」という犯罪です。国民から疑念を持たれない接待とはいかなるものか? 答えられない加藤官房長官。さらに、2021年03月15日の参院予算委員会で、カースー「総理は饗応に応じることはありませんね?」という問いに、「饗応に応じる訳がない」と明言できないニッポン。大丈夫か? 《大臣も憲法が言う「公務員」だが、国家公務員倫理法は適用されない。「大臣規範」は閣議決定にすぎず、違反しても処分を受ける訳ではない》(前川喜平さん)…倫理観なきお粗末なニッポンのリーダー。《自助》《利権漁り》大好きなリーダー、情けない。《官僚より責任が重い大臣に全体の奉仕者にもとる行為があったなら、官僚より厳しい処分を受けるのが当然ではないのか法律は政治家に甘すぎる》(前川喜平さん)。
 最早諸悪の根源な〝内閣人事局〟を捻じ曲げて、人事でどう喝して、忖度でしか官僚が生きていけない状況に。滅茶苦茶だ。

 そして、一昨日…「国民の疑念を招かない会食」とはどのようなものなのかにも答えない醜悪さで国会での野党議員の質問時間をさんざん空費させてきた訳ですが……結局、武田良太総務相もNTT澤田社長との会食があったとの(クソッタレ文春)報道(21.03.17)。…武田総務相には「個別案件」で恐縮ですが、「国民の疑念を招かない会食」の定義も含めて、その会食は「国民の疑念を招かない会食」であったかどうかを国会で証言頂きたいものだ。国会が見ものだったのですが…大臣失格です。

=====================================================
https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202103130000049.html

コラム
政界地獄耳
2021年3月13日8時47分
「会食したが接待ない」ご飯論法だろう

★昨今の国会の議論だけ聞いていて、与党の発言をまとめただけでも、これをまっとうな政治と呼んでいいのかと思うことばかりだ。安倍政治の延長が通用すると感じているのはその恩恵を受けていた関係者だけで、安倍政権がつくり上げた方便がまかり通る時代ではない。安倍政権では詭弁(きべん)を弄(ろう)して不都合を合法的にするため疑惑が向けられた首相夫人を私人とするなどの閣議決定が多く行われてきた。

安倍政権時代の不始末を覆い隠すために以下の発言を閣議決定でもして、逃げ切ったらいかがか。無論、そんなことを選挙前にやってみたらいい。いくら何でも政権の犯罪を国民は見逃さない

★NTT側からの接待で前総務相・高市早苗は自身のホームページに「大臣も副大臣も『通信事業の許認可に直接関わる』ことなどない『最終決裁』をするのは、大臣や副大臣ではなく局長だ」とした。大臣は決裁には関わらないはぜひ閣議決定すべき案件だろう。加えて「会食はしたが接待は受けていない」というご飯論法早急に閣議決定すべきだ。というのも自民党幹事長代行・野田聖子は総務相在任中にNTT幹部と会食したが、最近会食費を支払い「総務省とは関わらないプライベートの会合」「私的懇談会」と言い出した。さしずめ「接待の定義は確定していない」というところか。

★法相・上川陽子は総務副大臣退任後にNTT幹部から接待を受けていたとの報道には答えず「さまざまな方々と懇談を持ち、意見交換することは必要な政治活動。意見を聞かせてもらうあらゆる機会を大切にしている」とした。つまり職務権限がなければ接待とは言わないとの理屈を、編み出したのだ。これも早めに閣議決定しないと。ほかにもたくさんあるが、今日はここまで。(K)※敬称略
=====================================================

=====================================================
https://twitter.com/SiamCat3/status/1371228338908372994/photo/1

本音のコラム「全体の奉仕者の責任前川喜平

 週刊文春が総務官僚の東北新社やNTTからの違法接待疑惑を毎週報じている。そのつど官僚の答弁は虚偽答弁になり、総務省の調査はやり直しになる。山田内閣広報官は給与を一部返納の上、体調を理由に辞任。谷脇総務審議官は懲戒処分を受けた上で更迭され、三月末で定年退職。国家公務員倫理法に違反した以上当然の成り行きだ。

 文春が今週報じたのは、高市早苗氏、野田聖子氏など総務相、副大臣経験者がNTTから接待を受けていたことだ。高市氏は最終決裁者は大臣ではなく局長だあぜんとする言い訳をしたが、最終権限が大臣にあることは自明だ。追及は武田良太総務相にも及んでいる。NTTの澤田社長らとの会食の有無を問われた武田氏は「個別事案は答えを差し控える」と答弁拒否を繰り返した。もう誰もが「武田氏も接待を受けていたんだ」と思っている。

 憲法十五条第二項は「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない」と規定する。大臣も憲法が言う「公務員」だが、国家公務員倫理法は適用されない。「大臣規範」は閣議決定にすぎず、違反しても処分を受けるわけではない。しかし、官僚より責任が重い大臣に全体の奉仕者にもとる行為があったなら、官僚より厳しい処分を受けるのが当然ではないのか法律は政治家に甘すぎる。(現代教育行政研究会代表)

2021.3.14
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●《彼女の言う「幸運」とはひとえに自分のための幸運だ。それは要するに出世して人々の幸運を実現するという使命をどれほど自覚》?

2021年03月18日 00時00分41秒 | Weblog

[※ 赤木俊夫さんの「国家公務員倫理カード」は擦り切れている… (『報道特集』、2020年9月12日)↑]


(20210305[])
日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/菅政治の手法を学んだ息子と官僚の関係】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202102230000116.html)。
日刊ゲンダイのコラム【立岩陽一郎 ファクトチェック・ニッポン!/日本の民主主義にとって百害あって一利なしの内閣広報官】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/285880)。
前川喜平さんの、東京新聞のコラム【本音のコラム/幸運を引き寄せる力】(https://twitter.com/SiamCat3/status/1365820470499545090/photo/1)[ツイッターからの孫引き]。

 《その根底にあるのは民主党政権が政治主導のためにつくった内閣人事局を、自民党と安倍政権が政権復帰後、都合よく解釈して官僚の人事権を政権維持のみならず権力保持に利用したり、人事権をかざして無理を通させ、政策をねじ曲げてきたからではないか》。
 《彼女の言う「幸運」とはひとえに自分のための幸運だ。それは要するに出世して人々の幸運を実現するという使命をどれほど自覚しているのだろう?
 《内閣広報官とは特別職の国家公務員で、事務次官級の要職だという。加藤官房長官によると月給は117万5000円だという。それだけの高給を与えられて何をしているのか? 副広報官とともに、内外への広報を担当するということだが、実際に担っているのは広報実務の仕切り役にしか見えない》。

 まず最初に、「国民の疑念を招かない会食」とはどのようなものなのかにも答えない醜悪さで国会での野党議員の質問時間をさんざん空費させてきた訳ですが……結局、武田良太総務相もNTT澤田社長との会食があったとの(クソッタレ文春)報道(21.03.17)。…武田総務相には「個別案件」で恐縮ですが、「国民の疑念を招かない会食」の定義も含めて、その会食は「国民の疑念を招かない会食」であったかどうかを国会で証言頂きたいものだ。国会が見ものだ。

 諸悪の根源は「内閣人事局」の創設。内閣人事局が直接的・間接的に育成した「忖度」「隠蔽」の高級官僚ら。その後、山田真貴子・元内閣広報官には、総務官僚時代、利権漁りカースーオジサン・元総務相の御長男・菅正剛氏らによる贈賄事件、その収賄事件に加えて、NTTからも多額の接待があった、収賄という犯罪が行われていたことが判明しました。デタラメです。犯罪なのですから、辞職で済む話ではない。



[※ ↑【「忖度」「虚偽答弁」が問題となった事案】(東京新聞2021年02月19日)]



[※↑ 【首相長男と総務省幹部の接待をめぐる問題】(東京新聞2021年02月23日)]


   『●《こんな官僚接待がいまだに行われていたとは、驚きと怒りを禁じ
     得ない。しかも、接待した側に菅義偉首相の長男がいた。政官癒着の典型》




[※ 赤木俊夫さんの「国家公務員倫理カード」は擦り切れている… (『報道特集』、2020年9月12日)↑]


 Siam Cat_036さんのつぶやき:

-- - --- -- - --- -- - --- -- - --- -- - --- -- - --- -- - --- -- - --- -- - --- -- - --- 
https://twitter.com/SiamCat3/status/1365820470499545090

Siam Cat_036@SiamCat3

彼女の言う『幸運』とはひとえに自分のための幸運だ
山田内閣広報官にも幸福に生きる権利はあるが国家公務員たる自分の“地位”をその道具としてはならぬ国家公務員倫理カードを常に身につけ、それに忠実に生きようとした森友事件公文書改ざんで自死した赤木俊夫さん。余りに対照的な二人です

午前9:25 2021年2月28日
-- - --- -- - --- -- - --- -- - --- -- - --- -- - --- -- - --- -- - --- -- - --- -- - --- 

 添付されていた東京新聞のコラムから文字起こしさせて頂きました。前川喜平さんの【本音のコラム/幸運を引き寄せる力 前川喜平】。

 首相会見の仕切り役を、記者達は取り戻すべきではないか。
 「《いびつ》《ズブズブの関係》がさらに明らかに。《自助》大好き、利権漁りカースーオジサンによる《メディアコントロール》の一端を担うあの方の名も ――― 山田真貴子内閣広報官。記者会見を記者たち自身が仕切る形に改善するきっかけに!」
 アベ様の政権下、実質的に《メディアコントロール》を先導していたのは元・最低の官房長官。この《メディアコントロール》の象徴が、山田真貴子・元内閣広報官らによる首相会見の仕切り。

   『●記者は、内閣広報官から首相会見の仕切り役を取り戻せ! アベ様や
       元・最低の官房長官の《メディアコントロール》の頚木からの脱却を!

=====================================================
https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202102230000116.html

コラム
政界地獄耳
2021年2月23日9時5分
菅政治の手法を学んだ息子と官僚の関係

★一連の総務省接待疑惑は早晩、国家公務員法違反のみならず贈収賄事件化するだろう。その根底にあるのは民主党政権が政治主導のためにつくった内閣人事局を、自民党と安倍政権が政権復帰後、都合よく解釈して官僚の人事権を政権維持のみならず権力保持に利用したり、人事権をかざして無理を通させ、政策をねじ曲げてきたからではないか。つまり、ゆがんだ人事権の掌握に最初の問題があったのではないか。民主党が崩壊し、官僚たちはしばらく政権交代がなくなると察知し、自民党の顔色さえ見ていればやっていけると考えたのかもしれない。それでこのゆがんだ人事査定がまかり通ってきた

★そうでなくとも首相・菅義偉は総務相時代が政治家としての頂点で、あとは官房長官と首相という道を歩んでいる。官僚を人事で操り、自分に関わった側近官僚を重用。政策は前任の総務相・竹中平蔵延長だった。しかし、官房長官時代に携帯電話の料金が高いとかみつき、首相になった最初の仕事も携帯電話の値下げだった。いずれも総務省と携帯端末業者の攻防戦が背後にあった。こうなれば郵便、通信、電波と巨大な利権と許認可を背景に官僚と業界をコントロールしてきた菅政治の手法が問われているのではないか。

★その手法を首相の息子は秘書官として間近に接し、帝王学を首相とも近い民間放送事業者・東北新社で発揮することは、別人格でできることではない。その薫陶を受けたことで、官僚たちも必要以上に便宜を図り、コロナ禍の中でも会食の時間を割いてきたのではないか。今後、総務省と首相は因果関係がないと言い続けるだろうが、国民がその説明を信じることはないだろう。首相は自助・共助・公助をうたうがこの政官民の関係に自助は全く見えてこない。(K)※敬称略
=====================================================

=====================================================
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/285880

立岩陽一郎 ジャーナリスト
ジャーナリスト。1967年生まれ。91年、一橋大学卒業後、NHK入局。テヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクなどを経て、2016年12月に退職。現在は調査報道を専門とする認定NPO運営「INFACT」編集長。フジテレビ「とくダネ!」、毎日放送「ちちんぷいぷい」出演中。

ファクトチェック・ニッポン!
日本の民主主義にとって百害あって一利なしの内閣広報官
公開日:2021/03/03 06:00 更新日:2021/03/04 09:20

     (内閣広報官は本当に必要なのか(C)JMP)

 内閣広報官とは何だろうか? 山田真貴子氏の広報官続投と、その後の入院、辞表提出の報を聞いて、それを考えた。

 2月25日の衆議院予算委員会に出てきた山田氏の答弁はとても誠実と言えるものではなかった。総務審議官だった2019年11月6日に菅総理の長男・菅正剛氏ら利害関係者と会食した件を問われ、「利害関係者かどうかのチェックが不十分だった」と答えた。7万円を超える接待を受けていて、参加者を確認しなかったというから虚偽答弁と見られても仕方ない。

 加藤官房長官は会見で、本人が月額給与の6割を自主返納すると申し出たとして、その責任を果たしたとした。そして、菅総理は、「国会で本人が答えた」から問題ないとした。典型的な幕引きだ。

 内閣広報官とは特別職の国家公務員で、事務次官級の要職だという。加藤官房長官によると月給は117万5000円だという。それだけの高給を与えられて何をしているのか? 副広報官とともに、内外への広報を担当するということだが、実際に担っているのは広報実務の仕切り役にしか見えない。


■官邸記者クラブににらみ

 代表的なのは総理大臣の会見での仕切り役だ。「1社1問」などの会見ルールの説明、質問者の指名、会見打ち切りの宣言が仕事といってよい。それに事務次官級を選任する必要があるのだろうか? 政治部記者だったNHK時代の先輩に問うと、「昔はああいう存在はいなかった」と言った。2001年に官邸強化の一環として設置されたポストだという。「なんで事務次官級の特別職なのか?」と問うと、「恐らく、官邸(記者)クラブににらみをきかすためだろう」と話した。

 この山田氏については、NHKに抗議したとの疑惑が国会でも追及されている。ニュースウオッチ9で学術会議について有馬キャスターが行った質問に総理が怒っていると伝えたとされる。山田氏は「通話履歴がない」との妙な言い訳でごまかしたが、政治部長が当人から直接抗議を受けたとは、NHK内で共有されている情報だ。まさに、にらみをきかす役割ということか。

 そもそも、このポストは必要なのだろうか? 例えばアメリカにはホワイトハウスの広報官がいる。自ら記者会見を開いて大統領の政策を伝える役割を担っている。記者の質問を受け、時に袋叩きにあう姿がニュースで報じられる。仮に、内閣広報官がそうした役割を担うなら、事務次官級もあり得るだろう。しかし官邸記者ににらみをきかすだけなら、そのポストはそもそもいらない。その存在は日本の民主主義にとって百害あって一利なしだ

 菅総理は首都圏の緊急事態宣言解除に伴って記者会見を行うと話した。その会見も後任の広報官が仕切るのだろうが、官邸記者クラブに言いたい。広報官の仕切る会見への出席を拒否するべきだ。これが総理大臣と記者との真剣勝負を回避させていることは会見を見ていれば明らかだ。それは私たちの知る権利を阻害している

 ちなみに、山田氏が答弁した予算委員会をNHKは中継しなかった。しかし別に驚くことではない。にらみが一番きくメディアだからだ
=====================================================

=====================================================
https://twitter.com/SiamCat3/status/1365820470499545090/photo/1

本音のコラム「幸運を引き寄せる力前川喜平

 東北新社から高額の接待を受けていた山田真貴子内閣広報官。安倍政権で首相秘書官に抜擢され、総務省では情報流通行政局長、総務審議官と重要ポストを歴任。彼女の官僚人生は華々しい成功だ。しかし、この人は一体何のために仕事をしてきたのだろう

 若い人に向けた動画の中で彼女は「幸運を引き寄せる力」について話している。飲み会は、自分にチャンスをくれる人に出会う幸運に巡り合う機会だ。断る人は二度と誘われない。私は「飲み会を絶対に断らない女」としてやってきた…。

 「飲み会を断るな」とは、まるで昭和時代の人生訓だ。僕は若いころに飲み会への参加を強いられて散々嫌な思いをした。今の若い人には「嫌な飲み会はちゃんと断れ」と言いたい。

 彼女の言う「幸運」とはひとえに自分のための幸運だ。それは要するに出世して人々の幸運を実現するという使命をどれほど自覚しているのだろう?

 彼女の最大の「幸運」は菅義偉氏に出会ったことだ。だから菅氏につながる東北新社の接待も断らなかった。二十五日の予算委員会で山田氏は、東北新社や菅正剛氏との関係についてきわめて曖昧な説明に終始した。それは菅首相に対する精一杯の忖度だ。それは必ずや彼女に新たな「幸運」をもたらすだろう。(現代教育行政研究会代表)

2021.2.28
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●記者は、内閣広報官から首相会見の仕切り役を取り戻せ! アベ様や元・最低の官房長官の《メディアコントロール》の頚木からの脱却を!

2021年03月15日 00時00分57秒 | Weblog

[※↑ 【首相長男と総務省幹部の接待をめぐる問題】(東京新聞2021年02月23日)]


 (2021年02月28日[日])
日刊ゲンダイの記事【島根・丸山知事は東京でも堂々90分超 これぞザ・記者会見】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/285694)。
日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/コーヒー1杯にも律していたはずが】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202102260000067.html)。

 《会見は予定時間を大幅に超える1時間半にも及び、司会者が「それでは時間がまいりましたので…」と会見終了を促したが、丸山知事は挙手する記者を指名し続けた島根県民のために現状を訴え、何とか改善したいという真剣な気持ちが記者らにヒシヒシと伝わってきた。…なお、朝日新聞デジタルが25日、菅首相は緊急事態宣言の先行解除に伴う26日の記者会見を取りやめる方向で「山田広報官の問題も影響か」と報じた。…自主返納する意向だが広報官は続投するため、逆風が止む気配はない。情報公開や改革などを訴え当選しながら、今や自身が「伏魔殿の女帝」と揶揄される小池都知事ともども、丸山知事のThe 記者会見」と呼ぶべき対応をお手本にするべきだろう》。

   『●《国のトップとして未知のウイルスとどう戦うのか、どれほどの思いで
       自粛を要請しているのか――…明確なメッセージが伝わってこない》
    《望月: 昨年春の1度目の緊急事態宣言が出た後、官房長会見と
     首相会見は、参加できる記者が「1社につき1人」と限定されて
     しまいました。表向きは「コロナ対策で密を避けるため」とされて
     いますが、明らかに私のような目障りな記者を排除することが目的
     でしょう。そのため、現在、首相会見は基本的に政治部の記者と抽選で
     選ばれたフリー記者しか入れません。私は社会部の記者なので、
     政治部が譲ってくれない限り、会見場には入れないのです。
      また、会見の進行も司会役の山田真貴子内閣広報官
     1人につき1」「さら問い(質問を重ねること)は禁止などの
     ルールを定めて、相変わらず突っ込んだ質問をさせないようにしています
     これまで6回あった首相会見で北海道新聞、東京新聞、日本テレビ、
     ジャパンタイムズの4社は一度も指されていません。ウチ(東京新聞)の
     ように事前に質問を投げることを拒否している社や、厳しい質問をする
     記者がいる社は避けられているのでしょう。逆に不自然なほど何回も
     指名されている社もある。菅さんは答えるときに手元にいつも目を
     落とすので、「この社は事前に質問を投げたなということは
     すぐにわかります
      菅さんはこうしておけば記者会見は乗り切れるとナメていたわけですが…》

   『●マトモなニッポン国リーダーは居ないのかねぇ? マトモな官僚は
     居ないのかねぇ? 「忖度」「虚偽答弁」が蔓延する哀れなニッポン国…
   『●《こんな官僚接待がいまだに行われていたとは、驚きと怒りを禁じ
     得ない。しかも、接待した側に菅義偉首相の長男がいた。政官癒着の典型》
   『●アベ様夫人は「私人」と閣議決定 ――― 《首相が息子を助ける
     ために首相と息子は別人格と閣議決定しても、その構造は変わらない》
    「《いびつ》《ズブズブの関係》がさらに明らかに。《自助》大好き、
     利権漁りカースーオジサンによる《メディアコントロール》の一端を担う
     あの方の名も ――― 山田真貴子内閣広報官。記者会見を記者たち自身が
     仕切る形に改善するきっかけに!」

 アップロードする機を逸してしまいましたが、山田真貴子現・内閣広報官殿の、総務官僚(総務審議官)時代の収賄という犯罪について。

 まず、鈴木耕さんのつぶやき:

== -- == -- == -- == -- == -- == -- == -- == -- == -- == -- == -- ==
鈴木 耕@kou_1970

しかし、山田真貴子広報官殿はこの後、どんな顔をして“記者会見”を仕切るのだろう。誰か「まさか質問、断らないですよね」なんて突っ込んでくれる記者はいないかなあ…。

午後6:48 2021年2月25日
== -- == -- == -- == -- == -- == -- == -- == -- == -- == -- == -- ==

 2月26日[金]に予定されていた首相会見そのものが、まさかの取り止め。ぶら下がり会見だけでの実施。山田真貴子広報官の仕切りは無し。
 記者は、内閣広報官から首相会見の仕切り役を取り戻せ! アベ様や元・最低の官房長官の《メディアコントロール》の頚木からの脱却を! 《丸山知事は挙手する記者を指名し続けた島根県民のために現状を訴え、何とか改善したいという真剣な気持ちが記者らにヒシヒシと伝わってきた》そうだ。


 リテラの記事【菅首相が山田内閣広報官を処分しない理由に「女性」を強調! 女性問題を悪用し「飲み会を断らない」不正官僚を守る態度こそ性差別だ】(https://lite-ra.com/2021/02/post-5807.html)によると、《こんな処遇で許されていいのか──。昨日24日、総務省の高級官僚たちが菅義偉首相の長男である菅正剛氏ら東北新社の幹部と違法会食を繰り返していた問題で、政府は谷脇康彦・総務審議官ら11人を減給や戒告の懲戒処分とすると発表。しかし、その一方で、一晩で7万円を超える接待を受けていた山田真貴子・内閣広報官は「厳重注意」となり、給与の10分の2の3カ月分を自主返納するだけで「続投」させるというのだ。山田内閣広報官の月額は117万5000円だというから、返納額は70万5000円となる。山田氏が接待を受けたのは総務省の総務審議官時代だが、現在は特別職の国家公務員であるために処分の対象外となったというが、そんな馬鹿な話があるか。ご存知のとおり、山田内閣広報官は総理大臣会見でも司会進行役として現場を取り仕切っているだけでなく、菅首相の右腕として重要政策の広報を担う人物であり、何より国民からの信頼が担保されなければならない要職に就いている。にもかかわらず、今回、山田氏は当初「菅総理の長男と会食した明確な記憶はない」と否定しておきながら、追い詰められてようやく「接待を受けた」と認めた。つまり、国民の信頼を真正面から裏切ってみせたのだ》。

 収賄という犯罪。《処分》《更迭》という名の《通常の異動》や、《厳重注意》で済む話ではない。
 沖縄タイムスの【社説[後絶たぬ官業癒着]問われる「政治の責任」】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/712940)によると、《接待を巡る官僚の不祥事が後を絶たない。霞が関のモラル低下は深刻だ。菅義偉首相の長男が勤める放送事業会社から接待を受けていた総務省官僚11人が24日、処分された。「利害関係者からの接待」などを禁じる国家公務員倫理規程の違反であり、行政の公正性への信頼を揺るがすもので当然だ。ただ、総務審議官当時に1回で7万円超の接待を受けていた山田真貴子内閣広報官は、厳重注意にとどまった。給与の一部を自主返納するという。衆院予算委員会で参考人として出席した山田氏は「公務員の信用を損なうことになり、深く反省している」と謝罪した。だが、信頼回復に努める責任があるとして、辞任は否定した。利害関係者からの接待を受けたことには「チェックが行き届かなかった」、長男との関係について詳細は「覚えていない」などと曖昧に答えた。広報官として国民に説明する立場にもかかわらず、責任を果たせていない。そもそも、長男が勤める放送事業会社がなぜ接待を繰り返したのか、許認可を巡る便宜供与はなかったのかなど問題の背景、核心部分は明らかになっていない。総務省の調査では、山田氏を含め計13人が、2016年7月から20年12月にかけて、延べ39件の接待を受けた》。
 琉球新報の【<社説>総務省幹部ら処分 身内に甘く話にならない】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1277258.html)によると、《首相の長男が絡む「官業癒着」にもかかわらず、虚偽答弁によって国会を侮辱した。その揚げ句、身内に甘い処分では話にならない。菅義偉首相の長男・正剛氏が勤める放送事業会社「東北新社」による接待問題で、総務省は幹部ら9人を減給や戒告の懲戒処分にするなど計11人を処分した。国家公務員倫理規程で禁じる「利害関係者からの接待」に該当すると判断した。しかし、倫理規定違反による処分だけで幕引きさせてはならない。官業の癒着によって行政の公平性がゆがめられなかったか、贈収賄の疑いはないのか、他の業者からの接待はなかったのか。これらの疑惑は解明されていない。第三者委員会による徹底調査を求める。同時に山田真貴子内閣広報官だけでなく、正剛氏や業界関係者も国会招致して真相を解明すべきだ。特に山田氏は総務省の総務審議官だった2019年11月に、正剛氏が勤める「東北新社」から和牛ステーキなど約7万4千円に上る高額な飲食接待を受けていた。菅首相は山田氏を厳重注意し、本人は給与の一部を自主返納する。山田氏は安倍前政権で女性として初の首相秘書官を務め、菅政権で女性初の内閣広報官に抜てきされた。山田氏が「責任を痛感」し、辞任の意向を伝えたのに、厳重注意と給与返納では甘くないか。》
 日刊ゲンダイの記事【血税の官房機密費で返納か? 渦中の山田広報官に怨嗟の声】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/285690)によると、《<いやはや、首相会見を仕切るだけで、そんなにもらえるのか><これじゃあ、どれほど批判の声が出たって辞めないわけだよ> ネット上では怨嗟の声が広がっている。放送関連会社「東北新社」に務める菅義偉首相の長男らによる総務省幹部接待問題で、同社から総務審議官時代の2019年11月に約7万4000円に上る高額な接待を受けていた山田真貴子・内閣広報官(60)。山田広報官は25日の衆院予算委に参考人として出席。「公務員の信用を損なったことを深く反省している。本当に申し訳なかった」と陳謝したものの、「今後、職務を続ける中で、できる限り自らを改善したい」と述べ、引き続き内閣広報官を務める意向を示した》。
 さらに、東京新聞の【<社説>総務官僚の接待 処分で幕引き許さない】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/88233?rct=editorial)によると、《総務省は正剛氏が勤める東北新社による接待を利害関係者からの違法接待と認め、次官級の谷脇康彦、吉田真人両総務審議官を減給十分の二(三カ月)の懲戒とするなど計十一人を処分した。…総務審議官当時に接待を受けた山田真貴子内閣広報官は、すでに同省を退職しているため処分対象とならず、加藤勝信官房長官による厳重注意にとどまった。山田氏は給与の十分の六に相当する七十万五千円を自主返納するという。ただ、七万円超の高額接待を受け、利害関係者との認識もなく、申告もしなかった山田氏は、内閣と国民とを結ぶ広報を担う責任者として適任なのだろうか。公務員への信頼を損ねた責任は重い。野党の辞任要求は当然だ》。

 東京新聞のコラム【筆洗/天台宗の開祖、最澄が残したありがたい言葉の中に、「道心の中…】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/88238?rct=hissen)によると、《▼菅首相の長男が勤める会社から高額接待を受けた山田真貴子内閣広報官が陳謝した。同じ問題で、総務省は接待を受けた十一人の処分を決めた。農林水産省も鶏卵生産大手元代表に接待されたとして幹部六人を処分した▼綱紀か倫理か、緩みが同時に別の場所に現れているようにみえる。それにしても七万円超の接待とは、想像を超えている。会食で働き掛けはないと山田氏は説明したそうだが、その場だけの問題ではなかろう。そんな接待を受けて企業との関係が変わらないとは思えない。他の接待も解明が必要だろう▼山田氏は続投だそうだ。崩れた投手を引っ張り続ければ、試合はさらに壊れて、本人の傷も深くなる。立ち直ることもあるから、野球では続投の判断の難度は高いものらしい。首相の采配はどうだろう▼不祥事が多い。政権の指揮官の道は荒れているようだ》。

 東京新聞の記事【司会役の「山田広報官」隠し? 緊急事態宣言解除で記者クラブが首相会見申し入れも加藤官房長官は「行わない」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/88279)によると、《加藤勝信官房長官は26日の記者会見で、緊急事態宣言解除に関連し、菅義偉首相が同日中に記者会見を行わないことを明らかにした。「宣言が全面解除された場合には国民に説明する必要があるが、本日の段階では、そうした状況に至っていない」とした。首相会見は、菅首相の長男正剛らから高額な接待を受けていた山田真貴子内閣広報官が司会を務めているため、「山田氏隠し」との見方も出ているが、加藤氏は山田氏との関連を否定した。…官邸記者クラブ「内閣記者会」幹事社は、26日中に首相の記者会見を開催するよう官邸側に申し入れていた》。

 そう、《ナメられているのは大メディア》。
 日刊ゲンダイの記事【“断らない”内閣広報官続投 ナメられているのは大メディア】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/285714)によると、《国民の関心はきわめて高い。菅首相の長男が勤める放送関連会社「東北新社」が、総務省幹部に違法接待を繰り返していた問題。総務省は、東北新社が「利害関係者」にあたると認定し、24日、幹部ら11人に減給などの処分を行ったが、何の目的で接待が行われ、なぜ幹部がホイホイ応じてきたのかという…》。

 そういえば、あの時、厚生省の講師の方は謝金を断られたな…出されたコーヒーに口をつけられたかどうかは覚えていない。
 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/コーヒー1杯にも律していたはずが】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202102260000067.html)によると、《★結局、安倍・菅政権は公務員と政策で渡り合うことができず、情実的人事権の行使と偏った政治主導で霞が関全体をゆがめたのだろう。安倍政権の時には経産省の役人が官邸を取り巻き、官邸官僚という言葉まで生まれた。それまで霞が関全体で幅を利かせていた財務省が経産省の後塵(こうじん)を拝することになるという霞が関の珍事は既に常識になった。一方、同政権下では官房長官・菅義偉の情報網が政権維持に功を奏す。今度は官邸ポリスという情報をコントロールして政権を維持する手法が用いられていると小説という形での暴露があった。今もそれが続いているのだろう》。

=====================================================
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/285694

島根・丸山知事は東京でも堂々90分超 これぞザ・記者会見
公開日:2021/02/26 06:00 更新日:2021/02/26 10:17

     (都道府県会館で会見した丸山知事(C)日刊ゲンダイ)

 「東京五輪の聖火リレー中止検討」発言で注目を集めた島根県の丸山達也知事(50)が25日に上京し、政府や地元選出の国会議員に対し、新型コロナウイルスの第3波の検証を踏まえた感染症対策の改善・強化や、緊急事態宣言の影響を受けている飲食店などへの支援策の拡大を要請した。

 丸山知事はこの日、内閣府や厚労省、中小企業庁を訪問して要請書を提出。その後、自民党細田派の細田博之会長(76)や、丸山知事の発言について呼んで注意するとコメントして批判が出た竹下派の竹下亘会長(74)ら島根県選出の同党国会議員と面会。地元飲食店らの窮状を訴えた。

 その後夕方に都道府県会館(東京都千代田区)の会議室で会見を開いた丸山知事。竹下会長と面会した際のやり取りを記者に問われ、竹下氏に啖呵を切ったのかと思いきや、「私は政治経験も、人生経験もない。注意していただけるのはありがたいこと」と謙遜し、「私の所作が問題があったとしても、県民のためにきちんと対応しようと言っていただいた」と語った。


■「小池都知事は知事会に参加していない」とチクリ

 総務官僚出身であり、聖火リレーの中止検討発言や上京して支援策拡大を求めた自身の行動について「政治のルール破り」と理解しつつも、「今の状況で知恵がなければ島根県の飲食店がなくなってしまう」と切実な思いを訴えた丸山知事。政府を介さず、東京都の小池百合子知事(68)と直接、やり取りするべきではないかーーといった趣旨の質問に対しては、「私は知事会に出席していますが、ここ5回ほど本人(小池都知事)は参加していない」と答えた。

 会見は予定時間を大幅に超える1時間半にも及び、司会者が「それでは時間がまいりましたので…」と会見終了を促したが、丸山知事は挙手する記者を指名し続けた島根県民のために現状を訴え、何とか改善したいという真剣な気持ちが記者らにヒシヒシと伝わってきた

 なお、朝日新聞デジタルが25日、菅首相は緊急事態宣言の先行解除に伴う26日の記者会見を取りやめる方向で「山田広報官の問題も影響か」と報じた。首相会見で司会進行役を務める山田真貴子・内閣広報官(60)が、首相の長男が勤める放送関連会社「東北新社」から7万4203円の食事接待を受けていたことが発覚、給与10分の6(70万5000円)を自主返納する意向だが広報官は続投するため、逆風が止む気配はない。

 情報公開や改革などを訴え当選しながら、今や自身が「伏魔殿の女帝」と揶揄される小池都知事ともども、丸山知事の「The 記者会見」と呼ぶべき対応をお手本にするべきだろう。
=====================================================

=====================================================
https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202102260000067.html

コラム
政界地獄耳
2021年2月26日9時17分
コーヒー1杯にも律していたはずが

★結局、安倍・菅政権は公務員と政策で渡り合うことができず、情実的人事権の行使と偏った政治主導で霞が関全体をゆがめたのだろう。安倍政権の時には経産省の役人が官邸を取り巻き、官邸官僚という言葉まで生まれた。それまで霞が関全体で幅を利かせていた財務省が経産省の後塵(こうじん)を拝することになるという霞が関の珍事は既に常識になった。一方、同政権下では官房長官・菅義偉の情報網が政権維持に功を奏す。今度は官邸ポリスという情報をコントロールして政権を維持する手法が用いられていると小説という形での暴露があった。今もそれが続いているのだろう。

98年、ノーパンしゃぶしゃぶ事件といわれた大蔵省接待汚職事件は公務員の矜持(きょうじ)が問われた。銀行からの接待に鼻の下を伸ばした大蔵高級官僚は大いに接待されたが当時、この店のコースは1万9980円。銀行の担当者は領収書が切れればといくらでも接待した。結果、官僚7人(大蔵省4人、大蔵省出身の証券取引等監視委員会の委員1人、日銀1人、大蔵省OBの公団理事)の逮捕・起訴に発展。起訴された官僚7人は、執行猶予付きの有罪判決が確定した。この責任を取り当時の大蔵相・三塚博と日銀総裁・松下康雄が引責辞任した。また大蔵省は財金分離が進み財務省と金融庁が生まれ解体された

憲法15条第2項の「すべて公務員は全体の奉仕者であって一部の奉仕者ではない」は当然ながら、国家公務員法96条では「すべて職員は、国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務しなければならない」とされている。またこの事件をきっかけに2000年に生まれた政令「国家公務員倫理規程」の2条では、国家公務員が職務上で関わる8つの事業者・個人を「利害関係者」と厳密に位置づけ、当時はコーヒー1杯飲むのにも官僚は律したが、20年たつと、特定の議員や親族のためにだけ勤務する公務員が増えたということになろうか。これだけの規定があるにもかかわらず、守れない官僚に同情する必要があるだろうか。情けない。(K)※敬称略
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●アベ様夫人は「私人」と閣議決定 ――― 《首相が息子を助けるために首相と息子は別人格と閣議決定しても、その構造は変わらない》

2021年02月26日 00時00分01秒 | Weblog

[※↑ 【首相長男と総務省幹部の接待をめぐる問題】(東京新聞2021年02月23日https://www.tokyo-np.co.jp/article_photo/list?article_id=87579&pid=268559)]



晴れ (20210223[])
日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/菅長男疑惑「ノーパンしゃぶしゃぶ」と同じ】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202102220000071.html)。
山口哲人川田篤志両記者による、東京新聞の記事【元総務相として、父として…「ズブズブの関係」に菅首相の影 東北新社の接待問題】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/87579)。

 《★この問題が発覚して以来、首相は「長男とは別人格」と国会で説明してきたが、自身が総務相時代は秘書官をやらせており、首相も東北新社から献金を受けてきた関係。別人格が通るかどうかは世論動向だろう》。
 《菅義偉首相の長男正剛氏が勤める放送事業会社「東北新社」による接待問題。会食に参加した総務省幹部は、これまでの判明分を含めて計13人に上ることが省内の調査で分かり、官業が癒着している実態が鮮明になった。コロナ禍でも会食を繰り返した関係は、客観的に見てもいびつだ背後には、かつて総務相を務め、今も省内に影響力を残す父の影もちらつく。(山口哲人川田篤志)》


[※ ↑【「忖度」「虚偽答弁」が問題となった事案】(東京新聞2021年02月19日)]


   『●マトモなニッポン国リーダーは居ないのかねぇ? マトモな官僚は
     居ないのかねぇ? 「忖度」「虚偽答弁」が蔓延する哀れなニッポン国…

 《首相の長男ということを除いても元総務相秘書官が退官して衛星放送関連会社に転職し、当時の人脈を駆使して会社と役所をつなぎ便宜供与を図らせたという構図だ。無論、その背景に首相の影を感じたのは分かるが、首相と別人格の息子秘書官後に口利き屋になった》というヒッドイ話し。マトモなニッポン国リーダーは居ないのかねぇ? マトモな高級官僚は居ないのかねぇ? 「忖度」「虚偽答弁」が蔓延する哀れなニッポン国…。もはや誰も《公正公平な行政》などと思わない。
 《いびつ》《ズブズブの関係》がさらに明らかに。《自助》大好き、利権漁りカースーオジサンによる《メディアコントロール》の一端を担うあの方の名も ――― 山田真貴子内閣広報官。記者会見を記者たち自身が仕切る形に改善するきっかけに!
 アベ様夫人は「私人」と閣議決定 ――― 《首相が息子を助けるために首相と息子は別人格と閣議決定しても、その構造は変わらない》。

 《官僚人事に強い影響力を持つ首相の威光を恐れた…人事権をてこに省庁を掌握し、左遷も辞さない政治姿勢が広く知られている》。

   『●前川喜平さん《ふるさと納税制度の問題点…を説明するだけで左遷された
            わけですから、この人事は霞が関全体に衝撃を与えました》
   『●斎藤美奈子さん《菅は安倍よりたちが悪い。…先代のレガシーを継承
       しつつ、番頭時代そのままのコワモテの政治を、今度は表でやる》
    《それで失敗したのが第一次安倍政権だった。そんな失意の安倍に再起を
     促したのが菅だったというのは有名な話。菅という人事権をにぎった
     コワモテの番頭が、裏で議員や官僚に睨みをきかせ、メディアを牛耳り、
     三代目のスキャンダルをもみ消し、毎日の記者会見で追及の矢面に立つ。
     いわば裏の「汚れ仕事」を一手に引き受ける番頭がいたからこそ、
     三代目若社長は、国政は側近や官僚に任せて、外遊だ、オリンピックだ、
     有名人との会食だと、浮かれていられた……。もしそうだとしたら、
     道半ばで倒れた三代目に代わって、権力の座につく番頭がどんな政治を
     やるかは想像がつく。 番頭が権力者になるとき

   『●中小零細事業も潰し、《死なせる医療》も正当化し、超監視社会へも
      誤誘導…何処まで冷酷陰湿強権な利権漁りカースーオジサンなのか?
    《安倍氏の悲願は大日本帝国の“夢”よもう一度、だった。戦争という
     ものの意味が、しかしバーチャル化されきった現代の日本では理解され
     にくい。一方で、戦争よりも、ただ“支配したい”人なのが菅氏である。
     人事権のダンビラを振り回して恥じない独善が証左だが、支配される
     ことの恐ろしさは、大方にもさすがに伝わってきたらしい》

 沖縄タイムスの【社説[総務省幹部更迭] 首相は率先して説明を】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/710220)によると、《総務省幹部が放送事業会社に勤める菅義偉首相の長男らから接待を受けていた問題で、同省は幹部2人を事実上更迭する人事を発表した。…接待により放送行政がゆがめられたとの疑念はさらに強まった。同時に、政府側による国会での「虚偽答弁」がまたも繰り返されたことになる。森友学園問題では、当時の財務省理財局長らが国会で、交渉記録が「ない」などとする虚偽答弁を計139回繰り返した加計学園問題では、元首相秘書官が「記憶にない」とした地元自治体担当者らとの面会が明らかになった官僚らの間に、国民に真摯に説明することを避け、政権中枢への忖度と強弁を繰り返す思考がまん延している。国会と国民を軽んじるこうした姿勢は断じて容認できない》。
 琉球新報の【<社説>首相長男接待 疑惑を徹底的に解明せよ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1275425.html)によると、《放送行政を所管する総務省の幹部が、放送事業会社に勤める菅義偉首相の長男から接待を受けていた問題…公正公平な行政がゆがめられたと疑わざるを得ない。しかも背景に「首相の長男」に対する官僚の忖度が働いたとも考えられる。放送行政にどう影響を与えたのか、疑惑を徹底的に解明しなければならない。長男が役員を務める「東北新社」の子会社は総務省から衛星基幹放送事業者の認定を受けている。総務省幹部は長男ら同社幹部と2016年以降、延べ12回会食し、タクシーチケットや贈答品も受け取っていた。首相は総務副大臣と総務相を務め、総務省は今も首相の「直轄地」と異名が付くほど影響力を持つ。長男は首相が総務相時代に秘書官を務めていた。首相自身も東北新社創業者から献金を受けている》
 東京新聞の【<社説>総務官僚の接待 虚偽答弁は許さない】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/87114?rct=editorial)によると、《菅義偉首相の長男らによる総務省幹部四人の接待問題で、政府側による国会での虚偽答弁がまたもや明らかになった。議会制民主主義を愚弄する振る舞いだ。私たちは虚偽答弁を絶対に許さない。国会も随分なめられたものだ。総務省の秋本芳徳情報流通行政局長は、放送事業会社「東北新社」に勤める首相の長男らの会食接待を受けた際、「放送業界全般の話題が出た記憶はない」と国会答弁していた。しかし、音声データが公開されると一転「今となっては発言があったのだろうと受け止めている」と認めた。最初の答弁は虚偽だったことになる》。

 《処分》《更迭》という名の《異動》でお終いでいいのか?
 東京新聞の記事【菅首相長男の接待参加者は計13人 今の内閣広報官も 総務省、24日にも11人を処分へ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/87450)によると、《総務審議官だった山田真貴子・現内閣広報官も首相長男と会食していた。同省は13人中、山田氏を含む11人について、国家公務員倫理規程上の「利害関係者からの接待」に該当するか、その可能性が高いと認定。衆院予算委員会理事会に報告した。24日にも処分する方向で調整している》。
 同紙の記事【山田内閣広報官も接待受ける 菅首相の長男らから】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/87476?rct=politics)によると、《総務省は、山田真貴子内閣広報官が総務審議官を務めていた当時の2019年11月に菅首相の長男らから接待を受けていたと明らかにした。「利害関係者に該当していた可能性が高い」とした》。

 ネコでも退治は難しい。有権者も自公お維を間接的に支持する眠り猫ではダメ。
 【筆洗/生い立ちは恵まれなかったかもしれぬ。それでも三代の政権に仕…】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/87395?rct=hissen)によると、《▼本日は猫の日。…▼日本の国会にもネコを飼ってもらい、出世猫だと触れ回るか。ネコを目撃した政治家はより励み、コロナ禍で控えるべき酒場通いとは縁を切るだろう。官僚なら首相のせがれといえど利害関係者からの接待を毅然と断るかもしれない。政治のありさまにネコの手を借りたくなる》。

 何もかもアベ様から《継承》しているようでは話にならない。
 東京新聞のコラム【私説・論説室から/「仮面」の下にある顔は】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/87398?rct=opinion)によると、《新しく出会ったといえば、昨年六月に誕生した孫もそうだ。彼はマスクをして暮らすわけにはいかないから、こちらが細心の注意を払う。しっかり手洗いをし、抱っこも話し掛けるのも当然マスクを着けて。となると、孫にとってじいじ、ばあばの顔もマスク顔が普通。いつかコロナ禍が終息してマスクを外したとき「こんな怖い顔の人、知らない」と泣かれやしないかとヒヤヒヤしている。他人でありながらそんな乳幼児と毎日、密に接する保育士さんたちの苦労もどれほどかと思う。嫌われないよう、怖がられないようきっとマスクの下でも精いっぱい口角を緩めてほほ笑み「目は口ほどに…」の精神で一人一人への愛情を示してくれているのだろう。そして「目の力」といえば−。就任以来、目に政治への情熱が感じられないと評される菅義偉首相。マスクは日本語に直すと仮面。まさに顔を隠すことが目的の物だ。「仮面の下」とはおよそ良からぬ心を持った素顔を指す。くれぐれも国会答弁や会見ではマスクが仮面に見えることがないよう。(白鳥龍也)》

=====================================================
https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202102220000071.html

コラム
政界地獄耳
2021年2月22日8時29分
菅長男疑惑「ノーパンしゃぶしゃぶ」と同じ

★東京五輪・パラリンピック組織委員会の森騒動も一段落したといえようか。この間クローズアップされたのが、同委員会事務総長・武藤敏郎。元大蔵事務次官、日銀副総裁を歴任している。武藤の汚点は98年、大蔵省接待汚職事件(いわゆるノーパンしゃぶしゃぶ事件)が発覚。大蔵省官房長だった武藤自身は接待を受けたわけではなかったが、監督責任を問われて大臣官房総務審議官(現在の大臣官房総括審議官)に一時更迭され、後に主計局長を経て大蔵事務次官に就任した。

★総務省で放送行政や通信行政を所管する部署の幹部、総務審議官・谷脇康彦、同・吉田真人と情報流通行政局長・秋本芳徳、官房審議官・湯本博信が、東北新社に勤める首相・菅義偉の長男から通算12回もの接待を受け、タクシーチケットなどを受け取ったとの疑惑。総務省は20日付で秋本と湯本を官房付に異動させると発表。事実上更迭した。ただ総務省は「通常の人事異動という位置付けだ」と説明した。

★この問題が発覚して以来、首相は「長男とは別人格」と国会で説明してきたが、自身が総務相時代は秘書官をやらせており、首相も東北新社から献金を受けてきた関係。別人格が通るかどうかは世論動向だろう。武藤には迷惑な話だが、この総務省の接待疑惑は、23年前の大蔵省接待汚職事件以来の分かりやすい贈収賄事件に発展するのではないか。この問題は首相の長男ということを除いても元総務相秘書官が退官して衛星放送関連会社に転職し、当時の人脈を駆使して会社と役所をつなぎ便宜供与を図らせたという構図だ。無論、その背景に首相の影を感じたのは分かるが、首相と別人格の息子秘書官後に口利き屋になったという話だ。首相が息子を助けるために首相と息子は別人格と閣議決定しても、その構造は変わらない。(K)※敬称略
=====================================================

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/87579

元総務相として、父として…「ズブズブの関係」に菅首相の影 東北新社の接待問題
2021年2月23日 06時00分


【首相長男と総務省幹部の接待をめぐる問題】
 (https://www.tokyo-np.co.jp/article_photo/list?article_id=87579&pid=268559

 菅義偉首相の長男正剛氏が勤める放送事業会社「東北新社」による接待問題。会食に参加した総務省幹部は、これまでの判明分を含めて計13人に上ることが省内の調査で分かり、官業が癒着している実態が鮮明になった。コロナ禍でも会食を繰り返した関係は、客観的に見てもいびつだ背後には、かつて総務相を務め、今も省内に影響力を残す父の影もちらつく。(山口哲人川田篤志


◆1人2万円超の会食も多く

 「東北新社からの接待が常態化していたんだなと驚いた。半分以上、首相の息子が同席し、深く関わっていたことは見過ごせない」

 22日の衆院予算委員会の理事会。総務省から調査結果の報告を受けた立憲民主党の辻元清美氏は、記者団に語気を強めた。共産党の小池晃書記局長は記者会見で「ズブズブの関係にあったことを示すものだ」と指摘した。

 総務省がまとめた「会食一覧」には趣旨として「意見交換」「懇親会」など無難な表現が並ぶ。別に出された山田真貴子内閣広報官の調査結果でも、放送業界の話題が出た可能性に触れつつ「不適切な働きかけはなかった」と語ったことを報告している。

 野党は額面通りに受け取っていない。山田氏の1回で約7万4000円を筆頭に、1人当たりの会食費が2万円を超えるケースも珍しくない。秋本芳徳・前情報流通行政局長が19日、直近の会食について「記憶にない」としていた衛星放送の話題が出たと認めた。「呼ぶ方も下心がなかったらおごらない。そこが全然解明されていないのは、ふに落ちない」(辻元氏)


◆長男への問い合わせ拒否

 総務省幹部らが「1990年代の大蔵省接待汚職に匹敵する」(共産党の高橋千鶴子氏)ほど会食に応じた背景として、野党は官僚人事に強い影響力を持つ首相の威光を恐れたという見方を強めている。人事権をてこに省庁を掌握し、左遷も辞さない政治姿勢が広く知られているからだ。

 総務省の原邦彰官房長は予算委で、幹部らの意識として「特に首相の長男だからという影響はなかった」と述べたが、立民の大串博志氏は「首相の前では『関係なかった』と言わざるを得ない。忖度が生まれているのではないか」と指摘。正剛氏側からの誘いは「断れない、付き合わざるを得ないと特別扱いになっていなかったか」と追及した。

 だが、首相は当初から、自ら真相を究明しようという姿勢に乏しい。正剛氏と総務省幹部の会食の多さに「驚いた」と述べたが、本人に問い合わせるよう野党から求められると、総務省の調査であることを理由に「絶対に避けるべきだ」と拒否した。


◆衛星放送の更新時期に集中

 東北新社から幹部4人への会食の呼び掛けは、子会社が手掛ける衛星放送の認定・更新時期に集中した。

 立民の奥野総一郎氏は予算委で、総務省の審議会が昨年12月、東北新社の社外取締役が会長を務める一般社団法人「衛星放送協会」の要望に沿って衛星放送インフラの使用料引き下げや、周波数帯の割り当て方針を示したと指摘。直前まで谷脇康彦総務審議官らが続けざまに接待を受けているとして、こう主張した。

 「(会食で)何が話し合われたか分からないから、行政がゆがめられたという疑念が続く。役人が間違った方向に動いたのでは」
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●《こんな官僚接待がいまだに行われていたとは、驚きと怒りを禁じ得ない。しかも、接待した側に菅義偉首相の長男がいた。政官癒着の典型》

2021年02月25日 00時00分16秒 | Weblog

[※ ↑【「忖度」「虚偽答弁」が問題となった事案】(東京新聞2021年02月19日)]


(20210221[])
リテラの二つの記事【菅首相の長男が総務省幹部を「違法接待」 背景に長男所属の東北新社と首相の特別な関係! しかし菅は国会で「プライバシーの問題」と…】(https://lite-ra.com/2021/02/post-5784.html)と、
【“違法接待”菅首相の長男のCS放送を総務省が特別扱い! 当時の総務省責任者はNHKに圧力、有馬キャスターを降板させた山田内閣広報官】(https://lite-ra.com/2021/02/post-5794.html)。

 《支持率低下を受けて、最近では「低姿勢」アピールに余念のない菅義偉首相だが、そんななか…菅首相の決定的なスキャンダル菅首相の長男が、総務省の官僚幹部に「違法接待」をおこなっていた、というものだ》。
 《菅首相の長男が総務省の官僚幹部に「違法接待」をおこなっていた問題で、さらにとんでもない事実が明らかになった。国会での追及で、接待会食は12回にも及んでいた一方、菅首相の長男が勤める東北新社は2018年のCS 放送業務の認定において、総務省から不自然な特別扱いを受けていたことが判明したのだ。しかも、当時、その認定で職務権限があったのは、あの菅首相の子飼い官僚だった》。

   『●マトモなニッポン国リーダーは居ないのかねぇ? マトモな官僚は
     居ないのかねぇ? 「忖度」「虚偽答弁」が蔓延する哀れなニッポン国…


 上野実輝彦村上一樹両記者による、東京新聞の記事【忖度、虚偽答弁、再び?…菅首相長男接待問題に重なる「モリカケ」「桜」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/86837)によると、《放送事業会社「東北新社」に勤務する菅義偉首相の長男と会食した総務省の秋本芳徳情報流通行政局長が18日、当日のやりとりとされる音声の一部を自分の声だと認めたことで、野党は「同社の事業が話題に上ったことはない」としてきた答弁は虚偽だとの見方を強めた。官僚や周囲が首相らに忖度そんたくした言動を重ね、事実と異なる国会答弁につながったとすれば、構図は安倍政権での「森友加計学園」「桜を見る会」の問題と重なる》。
 マトモなニッポン国リーダーは居ないのかねぇ? マトモな官僚は居ないのかねぇ? 「忖度」「虚偽答弁」が蔓延する哀れなニッポン国…。《「桜を見る会」前夜祭をめぐる問題》だけで、《国会で計118回の虚偽答弁》って、一体どんな哀しい国? 真の意味で《悪夢》のアベ様政権、そして、「地獄」な利権漁りカースーオジサン政権。数々のアベ様案件、見事に、カースーオジサン案件として《継承》。

 沖縄タイムスの【社説[首相長男の官僚接待] 無関係では済まされぬ】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/703879)によると、《放送行政などを所管する総務省の幹部4人が、放送事業会社に勤める菅義偉首相の長男らから、個別に接待されていたことが明らかになった。…総務審議官や情報流通行政局長ら幹部4人が昨年10~12月、東京都内の料亭などで長男らからそれぞれ接待を受けた。帰りにはタクシーチケットや手土産を受け取っていた。手厚いもてなしぶりだ。長男が勤める会社の子会社は、総務省から衛星基幹放送事業者の認定を受けている。国家公務員倫理法に基づく倫理規程が禁じる「利害関係者」からの接待に当たる可能性がある。倫理規程では、利害関係者との会食で自分の飲食費が1万円を超える場合は届け出が必要だとしている。にもかかわらず費用が1万円を超えた3人について届け出がされたのは、報道前日の今月2日だった。それまでの間、必要な手続きが取られなかったのは、相手が利害関係者だという意識が働かなかったということなのか。常識的に納得できるはずがない。政策がゆがめられるようなことがなかったか、など疑問は尽きない》。





[※ 赤木俊夫さんの「国家公務員倫理カード」は擦り切れている… (『報道特集』、2020年9月12日)↑]

 《私人》の元首相の婦人といい、ニッポンの首相の周辺は酷すぎやしないか?
 東京新聞の【社説/総務省接待問題 隠蔽、改竄しないよう】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/84396?rct=editorial)によると、《こんな官僚接待がいまだに行われていたとは、驚きと怒りを禁じ得ない。しかも、接待した側に菅義偉首相の長男がいた政官癒着の典型ではないか。徹底的に調査し、真相を明らかにすべきだ。総務省の谷脇康彦、吉田真人両総務審議官と秋本芳徳情報流通行政局長、湯本博信官房審議官の幹部四人が昨年十〜十二月、衛星放送事業や番組制作などを営む「東北新社」幹部の会食接待を受け、手土産やタクシー券も受け取っていた》。

 アクセスジャーナル山岡俊介さんの記事【「菅首相長男、総務省幹部接待問題の本丸」】(https://access-journal.jp/56773)によると、《「東北新社」(2329。JQ。東京都港区)の社員である菅首相の長男・菅正剛氏が、昨年10月~12月にかけ、ナンバー2の谷脇康彦氏ら総務省幹部4人を個々に高級料亭などで接待していた問題――東北新社の売上の4分の1ほどが衛星放送事業で、同事業の許認可権を持つのが総務省。菅首相は元総務大臣(06年9月~07年8月)で、正剛氏は父の下で総務大臣秘書官を務めた後、東北新社に“天下り”。しかも接待時、4人それぞれにタクシーチケットまで渡しており、国家公務員倫理法で禁止する供応接待に該当するとなれば、国会で追及されて当然だろう。だが、この供応接待の本丸は別のところにあるとの情報が本紙の元には入って来ている…》。

   『●違憲な壊憲、縁故主義・政権の私物化までも《継承》…《主権者である
         国民の一人一人が幸せを追求できる政治を実現》する気も無し

 「私人」のアベ様ご夫人と言い、縁故主義までも《継承》。
 東京新聞の記事【菅首相長男側と会食、2016年から12回 タクシーチケットと贈答品も受領 総務省幹部4人接待で】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/85548)によると、《衆院予算委員会は12日午前、2021年度予算案に関する一般質疑を実施した。総務省は、菅義偉首相の長男らによる接待が報じられた幹部4人が長男側と会食した回数について、現時点の調査で16年から延べ12回に及ぶと明らかにした。昨年12月に集中した直近の会食では、いずれもタクシーチケットと贈答品を受け取っていたと説明した。会食費用を負担していたかどうかや、贈答品などを含む金額はいずれも「精査中」として回答を避けた。会食は谷脇康彦総務審議官が3回、吉田真人総務審議官2回、放送行政を所管する情報流通行政局の秋本芳徳局長4回、湯本博信官房審議官3回だった。野党は谷脇、吉田両氏の予算委への出席を求めたが、与党は拒否している》。
 同紙の記事【総務省幹部処分の可能性を示唆 菅首相の長男も聴取】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/86285?rct=politics)によると、《武田氏は調査結果の公表に関し「処分につながる問題だ。一刻も早く結果を出したいが、間違った報告になってもいけない」と述べた。総務省によると、長男が勤務する放送事業会社「東北新社」から本人を含めて聴取し、情報流通行政局の局長、審議官の経験者らとの会食の有無を調べている》。

 カースーオジサンの御長男・菅正剛氏の官僚接待確定、首相の責任は? 「別人格」「民間人」「プライバシーの問題」や、かつての「私人」の閣議決定で片づけていいの? それに、高級官僚は《処分》という名の「異動」でしょ? それって、《処分》といえるのか?
 東京新聞の記事【菅首相の長男と会食の総務省幹部4人を処分へ 武田大臣が表明】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/86298)によると、《武田良太総務相は16日の衆院本会議で、菅義偉首相の長男らと会食した総務省幹部4人を処分する考えを示した。「一日も早く調査を終え、処分を行い、関係法令に基づいて公表したい」と述べた…一方で調査は慎重に進める必要があると重ねて説明。調査結果や処分内容の公表は「証拠と確認を幾重にも積み重ね、人事院国家公務員倫理審査会と密に連絡を取る必要がある」とした。長男が勤務する「東北新社」の子会社は、総務省から衛星基幹放送事業者の認定を受けている。武田氏は「総務省は適切に業務を行っており、放送行政がゆがめられたということは全くない」と強調した》。

=====================================================
https://lite-ra.com/2021/02/post-5784.html

菅首相の長男が総務省幹部を「違法接待」 背景に長男所属の東北新社と首相の特別な関係! しかし菅は国会で「プライバシーの問題」と…
2021.02.05 12:50

     (4日、国会で答弁する菅首相
      (衆議員インターネットTV審議中継より))

 支持率低下を受けて、最近では「低姿勢」アピールに余念のない菅義偉首相だが、そんななか、4日発売の「週刊文春」(文藝春秋)が菅首相の決定的なスキャンダルを飛ばした。菅首相の長男が、総務省の官僚幹部に「違法接待」をおこなっていた、というものだ。

 菅首相の長男は菅正剛氏といい、現在、東北新社でメディア事業部趣味・エンタメコミュニティ統括部長を務めている人物。東北新社は映画製作・配給やCM・テレビ番組制作など映像分野で幅広く事業を手掛ける企業だが、事業の中核をなしているのがBS・CS放送関連事業。「スターチャンネル」や「スーパー!ドラマTV」「ファミリー劇場」などグループでBS・CS8ブランド10チャンネルの運営をおこなっている。そして、正剛氏は「囲碁・将棋チャンネル」を運営する株式会社囲碁将棋チャンネルの取締役も兼任している。

 総務省が認定する衛星基幹放送事業者の取締役である正剛氏が、放送行政を管轄する総務省の官僚幹部を接待していた──。実際、「週刊文春」では、ロン毛が特徴的な正剛氏が官僚たちに手土産を持たせてタクシーチケットを渡す場面などがバッチリ抑えられているのだが、これは完全に利害関係者からの接待や金銭・物品等の贈与などを禁じた国家公務員倫理規定に違反する行為だ。

 しかも重要なのは、接待がおこなわれた官僚たちが菅首相に近く、放送行政にも大きな影響力を持つ幹部だったことだ。

 たとえば、昨年10月7日に正剛氏らからの接待を受けた谷脇康彦・総務審議官は「次期事務次官」と目される総務省ナンバー2で、菅首相が力を入れてきた「携帯料金4割値下げ」の旗振り役。また、昨年12月8日に接待を受けた吉田眞人・総務審議官は、菅首相が総務相時代にNHK改革に絡んで「いいから、代えるんだ」と押し切って更迭したことを『政治家の覚悟』(文春新書)で誇らしげに記述している南俊行氏の後任として放送政策課の課長に抜擢した人物だ。さらに、12月10日に接待を受けた秋本芳徳氏は〈衛星放送の許認可を一手に握る情報流通行政局のトップ〉であり、12月14日に接待を受けた湯本博信・情報流通行政局官房審議官は「衛星放送にも明るい」という。

 まさに錚々たる面子といえるが、このような総務省の高級官僚を呼び出して接待をおこなうことなど、普通の事業者には到底無理な話だ。つまり、正剛氏が「菅首相の息子」であるからこそ、官僚たちが接待に応じてきたことは明々白々だろう。

 安倍晋三・前首相の妻である昭恵氏がその立場を利用して政治を私物化し、官僚が忖度して行政を歪めてきたことは周知のとおりだが、ようするに、ここにきて菅首相にも、同じような「私物化」「官僚忖度」疑惑が持ち上がったというわけだ。

 しかも、4日におこなわれた衆院予算委員会では、この違法接待問題について追及を受けると、菅首相は安倍前首相を彷彿とさせるような答弁を連発したのである。


菅首相「長男は民間人」と説明を拒否 しかし総務大臣秘書官に長男を抜擢していた

 まず、追及をおこなった立憲民主党の黒岩宇洋衆院議員が「週刊誌を読んだか」「記事やグラビア等はご覧になられたのか」と尋ねると、菅首相は「全体像は掌握しています」「それは見てます」と答弁。しかし、掲載された写真のなかで官僚たちにタクシーチケットを渡している人物は誰かと尋ねられると「それはわかりません」と言い、「長男か」と訊かれても「正直言って、そうかどうかはわかりません」と答えたのだ。

 写真には黒い目線が入れられているとはいえ特徴的な長髪とヒゲで、自分の息子であるというのに、写真に写っている人物が長男かどうかは「わからない」と言い張る。その上、報道を受けて正剛氏と「電話で話した」と言うのに、報道の内容が事実かどうかについては「確認はしてません」と平然と口にしたのである。

 さらに「総務省が事実関係を確認した上でルールに則って対応してほしい」と述べた上で、菅首相はこんな主張を繰り広げたのだ。

「私の親族であるとはいえ、公的立場にはない一民間人にかんするものであります。本人やその家族などの名誉やプライバシーにもかかわることでありですね、本来このような場で、お答えすべきことではないと私は思います」

 なんと、菅首相は「息子は民間人、私人だ」と主張し、プライバシーを盾に答弁を事実上拒否したのである。

 今回の問題は総務官僚による国家公務員倫理規定違反が疑われるものであり、行政の長たる菅首相には事実をつまびらかにする責任があるのは当然だが、接待をおこなっていたのが自分の子息だったのだから、なおのこと菅首相には説明責任がある。それを「民間人」などと言って拒否するのは、昭恵氏を「私人」認定して追及から逃げた安倍前首相とまったく同じではないか。

 しかも、菅首相は正剛氏を「民間人」だと強調するが、当の菅首相自身が正剛氏を「公人」として重用していた過去がある。

 というのは、じつは正剛氏は、菅首相が2006年に第一次安倍政権で総務相に任命された際、総務大臣秘書官に正剛氏を抜擢していたのだ。

 大臣秘書官は、大臣の申し出によって総理大臣が任命する特別職の公務員であり、長男を大臣秘書官に抜擢したこの菅氏の問題を追ったジャーナリストの畠山理仁氏が執筆した「週刊プレイボーイ」(集英社)2009年6月8日号の記事によると、〈官庁内に席はあるが、特別職なので出勤簿やタイムカードという概念もな〉く、給与も「最低の一号奉(月額25万9100円)から最高の十二号奉(同60万500円)」まであり、「このほかボーナスや諸手当も支払われ」るという。


長男を秘書官にした理由を菅首相は「バンドをやめてブラブラしていたから」

 また、「週刊文春」では当時の正剛氏の働きぶりについて、菅事務所関係者が「国会事務所に顔を出すのは週二~三回。菅さんは彼を依怙贔屓しており、毎週土曜朝八時の定例ミーティングの出席も免除していた」と語っている。

 当時から世襲政治を批判し、「世襲制限」を訴えてきた菅氏が、事実上、大臣の権限で任命できる大臣秘書官に自分の息子をつけ、大甘の待遇をしていた──。息子を 大臣秘書官に抜擢したことについて、畠山氏は当時、菅氏に直接問いただしているのだが、そのとき菅氏は、正剛氏がバンドをやっていたものの「バンドの人が体を壊して辞めて」しまったことを理由に挙げ、「(長男は)またプラプラしていたからその間だけ」と語っている。

 大臣秘書官に息子を付けた理由が「バンドを辞めてプラプラしていたから」だったとは、まさしく縁故主義の職権濫用、政治の私物化と言うほかないが、じつは今回発覚した違法接待を受けた官僚のなかには正剛氏が大臣秘書官時代に知り合ったと語っている者も複数いる。つまり、菅首相の縁故採用で「公人」となったこととが今回の問題にもつながっているのである。これでよく菅首相は「息子は民間人だ」と強調できたものだ。

 しかも、大臣秘書官を辞めたあと、菅首相は自身と同じ秋田出身である東北新社の創業者である植村伴次郎氏(故人)に正剛氏を「鞄持ち」として預け、正剛氏は東北新社で衛星放送事業に関わる総務省の窓口を担当するようになった(「週刊文春」より)。ちなみに、正剛氏の入社後、菅氏が代表を務める政党支部「自民党神奈川県第二選挙区支部」は、植村氏とその息子から合計500万円の献金を受けているという。

 菅首相はきょうの国会答弁で正剛氏の東北新社入社を「自分の考え方で就職には就いている」と説明しコネ入社疑惑を否定したが、こうした関係を見れば、とても信じられるものではない。「バンドを辞めてプラプラしていた」息子を大臣秘書官に抜擢したあと、その後を案じて自分の人脈を駆使し入社させたとしか思えない。

 しかも、問題は、その息子が菅氏の影響力が絶大な総務省の担当となったことだ。東北新社=植村氏が献金でバックアップし、その一方、正剛氏を総務省の担当においたのは、どう考えても、衛星放送の許認可などで特別なはからいを期待してのものだろう。

 実際、接待が繰り返された昨年12月というのは、「週刊文春」によると〈〇五年末に認定された「スターチャンネル」の、放送法で定められた五年に一度の更新の時期〉だったというが、このような違法接待がおこなわれる下地をつくったのは、紛れもなく菅首相なのである。


菅首相には、破産宣告された実弟をJR東日本子会社重役に押し込んだという疑惑も

 しかし、昨日の衆院予算委員会では、正剛氏を総務大臣秘書官につけていた問題について「総務大臣秘書官というのは(大臣が)任命すればなれる。(選挙に通らなければならない)世襲よりはるかに甘いことをやっている」と批判されると、菅首相はキレ気味に、めずらしく原稿もほとんど見ず、長々とこう抗弁したのだ。

「まずですね、秘書官にすることにどうして……ルールのもとに秘書官にしてるんです。世襲制限というのは私は言い続けています。息子3人いますけど、政治家には誰もしません。これは了解をしています。それと、いまもう40(歳)ぐらいですよ、もう。私は普段、ほとんど会っていないですよ」

「いずれにしろ、私自身は、自分の政治信条として、世襲は制限するということを私ずっと言い続けてきましたから、そこはやり遂げますし、秘書官やったのも10年以上前のことですよ。東北新社の社長っちゅーのは私の秋田の同じ出身ですから、まあ先般お亡くなりになりましたけど、いろんなご縁があって応援してもらったことは事実ですけども、それといまの私の長男との、結びつけるっちゅーのは、それはいくらなんでもおかしいんじゃないでしょうか。私、完全に別人格ですからね

「私の長男にもやはり家族がいますし、プライバシーももちろんあると思いますよ? それと、長男が長男がと言いますが会社の一社員ですから。そういうなかで、いま言われているような不適切なことがあったかどうかについては、総務省の政治倫理ですか? 審査会でそこはしっかり対応してもらいたいというふうに思います」

 あきらかな職権濫用で息子を特別職の公務員に引き立て、自分の伝手でコネ入社させた結果、今回の違法接待問題が浮上したのだから、これらの問題を結びつけるのは当たり前なのに「おかしい」とまくし立て、「別人格」「長男にもプライバシーはある」「会社の一社員」と言い張る。しかし、「おかしい」のは明らかに菅首相のほうではないか。

 しかも、菅首相は息子だけではなく、実弟をめぐっても同種の疑惑が取り沙汰されている。菅首相の実弟が脱サラして起業した製菓店が東京駅構内のキオスクに出店し、2002年に破産宣告を受けたものの、今度はJR東日本の子会社である駅ビル運営会社の幹部となり、重役にまで昇りつめていたことをジャーナリストの森功氏が「文藝春秋」2020年12月号であきらかにしているのだ。この問題についても、運輸族だった小此木彦三郎元通産相の秘書時代から築かれたJRとの関係をもって菅氏が弟の面倒を見てきた結果なのではないかと見られている。 

 ようするに、菅首相は「息子は別人格」だと言うが、政治家としての権力を自身の親族のためにフル活用してきたのが実態なのだ。国民には「自助」を強いているのに、である。

 マスコミはこの問題について、ワイドショーなどは大きく取り上げていない。しかし、このまま放置すれば、安倍政権時代と同じく、政治の私物化、親族とお友だちへの利権分配が繰り返されていくことになるだろう。

(編集部)
=====================================================

=====================================================
https://lite-ra.com/2021/02/post-5794.html

“違法接待”菅首相の長男のCS放送を総務省が特別扱い! 当時の総務省責任者はNHKに圧力、有馬キャスターを降板させた山田内閣広報官
2021.02.13 11:00

     (首相官邸HPより)

 菅首相の長男が総務省の官僚幹部に「違法接待」をおこなっていた問題で、さらにとんでもない事実が明らかになった。国会での追及で、接待会食は12回にも及んでいた一方、菅首相の長男が勤める東北新社は2018年のCS 放送業務の認定において、総務省から不自然な特別扱いを受けていたことが判明したのだ。しかも、当時、その認定で職務権限があったのは、あの菅首相の子飼い官僚だった

 改めて、経緯を説明しておこう。菅首相の長男は菅正剛氏といい、現在、東北新社でメディア事業部趣味・エンタメコミュニティ統括部長を務めている。東北新社は映画製作・配給やCM・テレビ番組制作など映像分野で幅広く事業を手掛ける企業だが、事業の中核をなしているのがBS・CS放送関連事業。「スターチャンネル」や「スーパー!ドラマTV」「ファミリー劇場」「囲碁・将棋チャンネル」などグループでBS・CS8ブランド10チャンネルの運営をおこなっている。そして、正剛氏は「囲碁・将棋チャンネル」を運営する株式会社囲碁将棋チャンネルの取締役も兼任している。

 ところが、その正剛氏が、放送行政を管轄する総務省の官僚幹部を接待していたことを「週刊文春」が写真付きでスクープしたのだ。文春の報道では、ロン毛とヒゲが特徴的な正剛氏が高級すし店や料亭の前で手土産を持たせてタクシーチケットを渡す場面などがバッチリおさえられており、これは完全に利害関係者からの接待や金銭・物品等の贈与などを禁じた国家公務員倫理規定に違反する行為だ、

 しかも、接待がおこなわれた官僚たちはみんな菅首相に近く、放送行政にも大きな影響力を持つ幹部だった。このような総務省の官僚幹部を呼び出して接待をおこなうことなど、普通の事業者には到底無理な話だ。つまり、正剛氏が「菅首相の息子」であるからこそ、官僚たちが接待に応じてきたことは明々白々だろう。

 ところが、菅首相は国会でこの問題を追及されると、「息子は民間人、私人だ」と主張し、プライバシーを盾に答弁を事実上拒否したのである。

「私の親族であるとはいえ、公的立場にはない一民間人にかんするものであります。本人やその家族などの名誉やプライバシーにもかかわることでありですね、本来このような場で、お答えすべきことではないと私は思います」

 こんな言い訳が通用するわけがないだろう。今回の問題は総務官僚による国家公務員倫理法違反が疑われるものであり、行政の長たる菅首相には事実をつまびらかにする責任があるのはもちろん、東北新社にいる長男が総務省幹部違法接待していた背景には明らかに、菅首相の存在がある。


菅首相の長男のCSチャンネルだけがハイビジョンでないのに総務省の基幹放送事業に認定

 正剛氏はもともと大学卒業後、バンド活動をしていたが、「バンドを辞めてプラプラしていたから」という理由で、菅首相が自身の大臣秘書官に採用。その後、自身と同じ秋田出身である東北新社の創業者・植村伴次郎氏(故人)に正剛氏を「鞄持ち」として預けた。正剛氏の入社後、菅氏が代表を務める政党支部「自民党神奈川県第二選挙区支部」には、植村氏とその息子から合計500万円の献金が行われている。

 菅首相は国会答弁で正剛氏の東北新社入社を「自分の意思」「コネ入社でない」と説明したが、こうした関係を見れば、とても信じられるものではない。「バンドを辞めてプラプラしていた」息子を大臣秘書官に抜擢したあと、その後を案じて自分の人脈を駆使し入社させたのである。

 しかも、問題は東北新社は正剛氏を衛星放送事業に関わる総務省の窓口に担当させたことだ。これは、東北新社=植村氏が献金でバックアップし、その一方、正剛氏を総務省の担当におくことで、菅首相の力を使って衛星放送の許認可などで特別なはからいを期待したとしか考えられない。

 実際、接待が繰り返された昨年12月というのは、「週刊文春」によると〈〇五年末に認定された「スターチャンネル」の、放送法で定められた五年に一度の更新の時期〉だった。

総務省の幹部が公務員倫理規程に違反する接待行為を受けたのは、明らかに菅首相の長男が担当だったから接待を断ったら菅首相に睨まれて飛ばされかねない。その恐怖で接待を受けたんでしょう。正剛氏も東北新社側もそれを見越して、違法接待を持ちかけ、共犯者に仕立てた。そうすれば、無理難題をもちかけても断れなくなりますからね」(全国紙総務省担当記者)

 実際、正剛氏が取締役を務める東北新社グループの子会社「株式会社囲碁将棋チャンネル」が、総務省からどうみても不自然な特別待遇を受けていた。

 同社は「囲碁将棋チャンネル」を放送するCS放送局で、2018年、総務省に「東経110度CS放送に係る衛星基幹放送の業務認定」を受けているのだが、当時、総務省はハイビジョン化を進めるために衛星基幹放送の大幅な組み替えを行なっており、この認定もハイビジョン放送であることが重視されていた。実際、このとき、認定を受けた12社16番組のうち11社15番組がハイビジョン放送だった。

 ところが、「囲碁将棋チャンネル」1番組だけが、ハイビジョンではない標準テレビジョンなのに、基幹放送の業務認定を受けているのだ。

「今回、改めて取材したところ、この認定は当時、総務省内でも話題になり、『菅さんの案件だから、特別待遇だったんだろう』という見方が流れていたようだ」(前出・全国紙総務省担当記者)


■当時、職務権限があった総務省情報流通行政局長はNHKに圧力かけた菅の子飼い官僚・山田真貴子内閣広報官

 しかも、この認定をめぐっては、正に菅首相の子飼い官僚が直接、圧力をかけたのではないかという疑惑も浮上している。

 というのも、「囲碁将棋チャンネル」が「東経110度CS放送に係る衛星基幹放送の業務認定」を受けた2018年4月、その認定を判断する最高責任者の総務省情報流通行政局長の職にあったのが、あの山田真貴子・現内閣広報官だったからだ。

 山田内閣広報官といえば、安倍政権下の2013年から2015年まで広報担当の首相秘書官を務めたあと総務省に戻っていたが、菅首相が新政権発足にともなって官邸に呼び戻した典型的な“菅の子飼い”官僚。しかも、NHKに圧力をかけ『ニュースウオッチ9』の有馬嘉男キャスターを降板に追い込んだ張本人とも目されている。

 先ごろ発表された有馬キャスターの降板だが、原因は昨年10月26日放送の『ニュースウオッチ9』に菅首相が生出演した際、日本学術会議の任命拒否問題について有馬キャスターが「総理自身、説明される必要があるんじゃないですか?」などと質問し、菅首相が「説明できることとできないことってあるんじゃないでしょうかと逆ギレしたことだった。その後、山田内閣広報官がNHKの原聖樹政治部長に電話をし「総理、怒っていますよ」「あんなに突っ込むなんて、事前の打ち合わせと違う。どうかと思います」と恫喝をかけたことで、つながったのである。

 このケースを考えれば、菅氏の長男が取締役を務める「囲碁将棋チャンネル」の「東経110度CS放送に係る衛星基幹放送の業務認定」においても、その判断の職務権限をもつ総務省情報流通行政局長にあった山田氏が、圧力をかけて、無理やり認定をさせた可能性は高い

 マスコミはこの問題について、『news23』や『報道ステーション』が報じたものの、ワイドショーなどは大きく取り上げていない。しかし、このまま放置すれば、安倍政権時代と同じく、政治の私物化、親族とおトモダチへの利権分配が繰り返されていくことになるだろう。

 この問題を国会で取り上げた立憲民主党の後藤祐一衆院議員は、山田内閣広報官と正剛氏の会食についても調査するよう総務省に求めていたが、その癒着は会食があるかどうか以前の問題だろう。

 放送行政を私物化する菅首相とその子飼い官僚を徹底追及する必要がある。

(編集部)
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●《国のトップとして未知のウイルスとどう戦うのか、どれほどの思いで自粛を要請しているのか――…明確なメッセージが伝わってこない》

2021年01月26日 00時00分02秒 | Weblog

[※《自助》大好きオジサン・最低の官房長官と学商 (日刊ゲンダイ 2020年9月7日)↑]


 (2021年01年23日[土])
作田裕史記者の、dot.asahiの記事【菅首相はなぜ国民から支持されなくなったのか 望月衣塑子記者が感じた記者会見での「決定的なミス」】(https://dot.asahi.com/dot/2021011400007.html)。
リテラの記事【ポンコツだけでは済まされない! 菅首相がコロナ会見で「国民皆保険の見直し」というグロテスクな本音をポロリ】(https://lite-ra.com/2021/01/post-5762.html)。

 《さらに国民を不安にさせたのは、その発信力の弱さだろう。国のトップとして未知のウイルスとどう戦うのか、どれほどの思いで自粛を要請しているのか――菅首相からは明確なメッセージが伝わってこない。官房長官時代から菅首相と対峙してきた東京新聞の望月衣塑子記者は、記者会見での「悪い癖」も国民不信を高めている要因の一つだ、と指摘する》。
 《神保哲生氏…は医療体制を強化するための感染症法や医療法の改正といった法制度変更の検討について「政府の仕事ではないのか」と指摘。その上で改正の意志があるのかを問うたのだが、菅首相の回答はこういうものだった…》。

   『●《不気味なおじさん…気持ち悪いおじさん…ずるいおじさん…優柔不断な
        おじさん…うそつきおじさん》…《「令和おじさん」像は次々劣化》
   『●この1年、《菅政権(その前の安倍政権も)は今までなにをやっていた
        のだろうか》? あげくに《責任を国民に転嫁》する始末の政権…
    「メディアの罪深さ。元・最低の官房長官が敷いた路線…
     《メディアコントロール》が今も効いている。《メディアが頻繁に
     露出させているからだろうが、とんでもない彼らの間違った
     新型コロナ対策を垂れ流すメディアのあり方も人命軽視そのものだ
     《だいたい、国会や会見ではなく、特定の番組に出て意見をいうって
     どうなの? 番組からは、総理に出てもらって有り難いというのは
     伝わってくるが、大事なことが聞けていない。コロナ対策、失敗
     がつづくのは、こういうことが原因では?》」

 《不気味なおじさん…気持ち悪いおじさん…ずるいおじさん…優柔不断なおじさん…うそつきおじさん》…《「令和おじさん」像は次々劣化》。《国のトップとして未知のウイルスとどう戦うのか、どれほどの思いで自粛を要請しているのか――菅首相からは明確なメッセージが伝わってこない》。官僚の書いた原稿棒読みの、下手糞な朗読劇に何の意味があるのか? 《全国民が明日の生活に不安を抱えながら、菅首相の一挙手一投足に注目しているなかで、1カ月先のことを答えられない、考えていないというのでは、首相として能力が疑問視されて当然です》(望月衣塑子さん)。ドイツのメルケル首相と彼我の差で、情けなくなる。
 首相会見…相変わらず滑舌も悪く、何を言っているのかさっぱり分からなかった。記者が「更問い」して、真意を確かめられるようにすべきだし、司会も記者サイドが取り戻せ。情けなさ過ぎる、官邸記者クラブの政治部記者達。《明らかに私のような目障りな記者を排除することが目的》…社会部の記者はジャーナリストの仲間とは思わないのかね? フリーのジャーナリストも含めて、「質問をする機会はすべての取材者に…」とは、なぜ、ならないの? まず、《事前に質問を投げることを拒否》してはどうですか。そんなことをやっている民主主義国家が世界の何処にあるでしょうか。

   『●新聞労連・南彰中央執行委員長による声明【オープンな
     首相記者会見を求める】…「質問をする機会はすべての取材者に…」

 日刊スポーツの記事【首相会見の「国民皆保険制度」言及で依然波紋】(https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202101150000338.html)によると、《検証や改正の対象が国民皆保険を指すのかどうか、また国民皆保険に言及した真意に波紋が広がる中、首相はこれまで、自身の口で真相を語っていない。加藤勝信官房長官は14日の会見で、首相が国民皆保険制度の見直しに言及したとの見方を、否定している》。
 《言葉も危機感も足りず》な利権漁り大好きカースーオジサン。西日本新聞のコラム【永田健の時代ななめ読み/「飛ばすぞ」で国民は動かぬ】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/682306/)によると、《そこで重要なのがリーダーの「言葉の力」だ。「コロナ慣れ」や「自粛疲れ」に陥りそうな国民に、情と理を尽くした言葉で呼び掛け、最適な行動を取るよう動かさなければならない。相手が官僚や与党の政治家なら「言うことをきかないなら飛ばすぞ」で動かすこともできるだろうが、国民を「飛ばす」など不可能だ。罰則にも限界がある以上、最も有効なのは「説得」なのである。しかし、菅氏のこれまでの会見を聞いても人の心に届く言葉が見当たらない。…何も口のうまさが大事と言っているわけではない。行動で範を示してこそ、指導者の言葉も説得力を増すものだ。しかし菅氏がやったのはその逆である》。

   『●中小零細事業も潰し、《死なせる医療》も正当化し、超監視社会へも
     誤誘導…何処まで冷酷陰湿強権な利権漁りカースーオジサンなのか?

 斎藤貴男さん《もっと恐れよう 菅政権の正体はおぞましい「3つの支配欲」》。
 琉球新報のコラム【<金口木舌>国民に目を向けて】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1257898.html)によると、《新型コロナウイルスの感染拡大を受けた昨年4月の緊急事態宣言の際、営業を続ける店舗への嫌がらせなどで問題となった「自粛警察」。相互監視社会は戦前を彷彿とさせた…▼ドイツのメルケル首相は昨年12月、「祖父母と過ごす最後のクリスマスになってしまうようなことはあってはならない」と感情をあらわにして不要不急の外出を控えるよう訴えた。会食を批判され「誤解を招いた」と釈明した菅義偉首相とは対照的だ ▼医療体制を維持し、国民の命を守るには自粛警察ではなく、国民に寄り添うリーダーのメッセージが必要だ。手元の資料を見て話すのではなく、国民にまなざしを向け、言葉を発してほしい》。

 利権漁りカースーオジサンに、何か「出来ること」ってある? 携帯料金!? そりゃぁ、この緊急事態下で、いま、国がやるべき政策ですか?
 日刊スポーツの記事【小沢一郎氏、菅首相を酷評「アドリブがきかない」】(https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202101150000221.html)によると、《「記者会見やテレビ出演の総理は、余裕が全くないように見える」と指摘。「単純な言い間違えの問題ではなく、おそらく基礎的用語や対策の内容をよく理解していない可能性が高い。だからいつも台本通りでアドリブがきかない」と、酷評した。その上で「(会見を仕切る)内閣広報官は追加質問を許さず、テレビ局にクレームを入れる。そんな総理でよい訳がない」ともつづった》。
 リテラの記事【菅政権の特措法・感染症法“罰則”案が酷い 調査拒否・虚偽報告に懲役刑も…片山前知事も「国会で118回嘘はお咎めなしなのに」と批判】(https://lite-ra.com/2021/01/post-5764.html)によると、《18日から通常国会が開かれるが、この感染拡大状況を招きながら、菅義偉首相はここにきてその本性をあらわにしてきた。申請期限を少し延ばしただけで「持続化給付金」や「家賃支援給付金」を打ち切り、追加の補償策や困窮者への支援策をほったらかしにしているというのに、特措法や感染症法の改正による「罰則」の強化を打ち出してきたからだ。菅首相といえば、官僚やメディアを恫喝によって従わせるという“強権性”によってここまでのし上がってきたが、ついに国民をも罰則で恫喝しようというのである。しかし、法改正によって目論む罰則の数々は、そのいずれもが政治の責任を放棄した、滅茶苦茶なものだ》。

   『●中小零細事業も潰し、《死なせる医療》も正当化し、超監視社会へも
      誤誘導…何処まで冷酷陰湿強権な利権漁りカースーオジサンなのか?

 検査検査検査…・追跡・保護に非積極的なカースーオジサンら。
 AERAのコラム【小島慶子「ウイルスに人の都合は通用しない 国や自治体は現実見据えて対策してほしい」】(https://dot.asahi.com/aera/2021011400015.html)によると、《目の前で医療現場が限界を超えているというのに、7月のオリンピックが既定路線で語られる。頼む、現実を見てくれ。そうであってほしい未来を語るのではなく、そうであってほしくない未来想定してすぐに手を打ってほしい病床数の確保や医療現場の増員、PCR検査体制の拡充など、感染爆発に苦しむ他国に学んで備える時間は十分にあったはずなのに。そう言っている間にも事態は進行しています。誰が感染していてもおかしくない状況だからこそ、敵の動向を知らねば良い策が打てません。徹底した広範な検査で、感染の広がりの実態の可視化を急いでほしいです》。

 カースーオジサンは、検査検査検査…・追跡・保護できない無為無策無能。というか、その気無し。
 日刊ゲンダイの記事【島根県「コロナ死者ゼロ」の理由 専門家も「基本に忠実」】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/283989)/《…濃厚接触者にとどめない幅広い検査で市中感染を抑えていることが大きな要因だという。たしかに幅広くPCR検査を行い、感染者を隔離すれば、感染拡大を阻止でき、結果的に医療も回る医療崩壊さえ起きなければ、重症者をケアできる。17日時点で島根の感染者数は全国で3番目に少なく、14日時点の病床使用率も7・1%と全国最低水準だ。さらに、無症状や軽症者も入院を原則とし、すべての感染者が治療を受けられるようにしている“検査の徹底”と“感染者全員の治療”――死者数ゼロもうなずける。…田村厚労相は「検査はやればやるほどいいと思います。ただ、税金で行う以上、費用対効果の問題がある」と語った。PCR検査を拡大して、早期発見する方が安く済むんじゃないか》。

=====================================================
https://dot.asahi.com/dot/2021011400007.html

菅首相はなぜ国民から支持されなくなったのか 望月衣塑子記者が感じた記者会見での「決定的なミス」
作田裕史 2021.1.14 09:19 dot.

     (東京新聞の望月衣塑子記者(撮影/小山幸佑))

 後手後手のコロナ対策が批判を浴び、支持率が39%(朝日新聞調べ)まで急落した菅政権。GoToトラベルに固執し、緊急事態宣言の発出が遅れた菅義偉首相の危機管理能力には、多くの国民が失望した。さらに国民を不安にさせたのは、その発信力の弱さだろう。国のトップとして未知のウイルスとどう戦うのか、どれほどの思いで自粛を要請しているのか――菅首相からは明確なメッセージが伝わってこない。官房長官時代から菅首相と対峙してきた東京新聞の望月衣塑子記者は、記者会見での「悪い癖」も国民不信を高めている要因の一つだ、と指摘する。

*  *  *

――昨年11月以降、菅首相のコロナ対応が強く批判され始め、支持率も大きく下落しています。昨年10月までは学術会議問題やGoToトラベル強行などに批判はありつつも、支持率はそこまで落ちませんでした。何がここまで国民の不信を増幅させたと思いますか。

望月
学術会議問題までは菅さんは強気だったと思います。学術会議の体質を問題視することで一部世論の支持も得られていたので、NHKのキャスターにも「説明できることとできないことがある」などと強い口調で反論していた。支持率も高かったので、GoToトラベルも強行できると踏んだのでしょう。しかし、11月の3連休前に政府の分科会で新型コロナ対応にあたる尾身茂会長が「GoToを見直してほしい」「政府の英断を心からお願い申し上げる」と言ったあたりから、潮目が変わったように思います。それまでの尾身さんは政府寄りの発言が多かったのに、一変した。かたや尾身発言の前日、菅さんは「ぜひ静かなマスク会食をお願いしたい」などと言うだけ。この人は本当に危機感があるのだろうか、と不安になった国民は多かったはずです。

――それ以降も、危機感が薄い発言は続きました。たとえば昨年11月25日の国会では「『トラベル』が主要な原因だというエビデンス(証拠)は存在しない」と答弁したり、12月11日にニコニコ生放送に出演した際には「ガースーです」と緊張感のない発言をして失笑を買ったこともありました。緊急事態宣言に関する記者会見などでも、言葉に感情がこもっていない印象を受けます。

望月:菅さんは本当に演説に自信がないのだなと、ひしひしと感じます。だからいつもは官僚が用意したペーパーを棒読みするだけなのですが、たまに気負って場違いなギャグを言ってしまったりする。裏方で権威を振るってきた人なので、表ではどう振る舞っていいのか戸惑っているのかもしれません。

 一方で、官房長官時代に1日2回の記者会見を7年8カ月も続けてきた体験から、記者たちはどうにでもなると思っているようにも見えます。全く問題ない」「指摘は当たらないなど一言で片付けてきた官房長官会見時の手法が、首相になっても通じると思っている。しかし、コロナ禍の非常時にはそれが完全に裏目に出てしまいました。

 顕著だったのは、1月7日に1都3県に2度目の緊急事態宣言を発出することを伝える記者会見の場面でした。記者から「仮に(宣言を)延長する場合、今回と同様に1カ月程度の延長を想定しているのか」と問われると、菅さんは「仮定のことについては私からは、答えは控えさせていただきたい」と答えた。官房長官時代から「仮定の質問には答えない」というのはお決まりのフレーズでしたが、この状況で使うことは絶対に避けるべきでした。全国民が明日の生活に不安を抱えながら、菅首相の一挙手一投足に注目しているなかで、1カ月先のことを答えられない、考えていないというのでは、首相として能力が疑問視されて当然です

 菅さんからすれば「今までは批判されなかったのに」と思っているかもしれないが、記者の後ろには国民がいて、その国民が首相の言葉ひとつひとつに神経をとがらせている。その認識が甘かったことが、今の支持率低下、国民の不信感の高まりにつながっていると思います。

――今行われているのは、「平時」の官房長官会見ではなく、いわば「有事」の首相会見です。記者の側もそれがわかっているはずなのに、なぜ菅首相に「仮定の話ではない」と突っ込まないのでしょうか。望月さんが会見に出て追及することもできると思うのですが。

望月:昨年春の1度目の緊急事態宣言が出た後、官房長会見と首相会見は、参加できる記者が「1社につき1人」と限定されてしまいました。表向きは「コロナ対策で密を避けるため」とされていますが、明らかに私のような目障りな記者を排除することが目的でしょう。そのため、現在、首相会見は基本的に政治部の記者と抽選で選ばれたフリー記者しか入れません。私は社会部の記者なので、政治部が譲ってくれない限り、会見場には入れないのです。

 また、会見の進行も司会役の山田真貴子内閣広報官が「1人につき1問」「さら問い(質問を重ねること)は禁止」などのルールを定めて、相変わらず突っ込んだ質問をさせないようにしていますこれまで6回あった首相会見で北海道新聞、東京新聞、日本テレビ、ジャパンタイムズの4社は一度も指されていません。ウチ(東京新聞)のように事前に質問を投げることを拒否している社や、厳しい質問をする記者がいる社は避けられているのでしょう。逆に不自然なほど何回も指名されている社もある。菅さんは答えるときに手元にいつも目を落とすので、「この社は事前に質問を投げたなということはすぐにわかります

 菅さんはこうしておけば記者会見は乗り切れるとナメていたわけですが、コロナ禍で、多くの国民が生活や仕事で不自由を強いられている中で、視聴者である国民から強い怒りをかうことになりました。今は、多くの国民が首相会見に注目するようになり、「もう会見を打ち切るのかなどと不満をツイートするようになっています。記者は制御したつもりになっても、国民の目はごまかせなかったということです。

 ――最後に、菅首相にはどのような発信力、国民へのメッセージを期待しますか。

望月
:ドイツのメルケル首相は、昨年12月の演説で、目に涙を浮かべながら「今年のクリスマスを我慢すれば、来年はおじいちゃんやおばあちゃんと皆でクリスマスが祝えるかもしれない。でも我慢しなければ、最後のクリスマスになるでしょう」と語りました。物理学者であり、普段は冷静沈着なメルケル首相が、時に感情をあらわにしながら、ドイツ国民にメッセージを送った姿には心を揺さぶられました。メルケル首相も手元にメモはあったけれども、それに頼らず、目線はしっかりと顔を上げ国民に向けられていました

 言質を取られないことが首相の仕事ではありません。感情をさらけ出すことを恥じずに、菅さんは言葉に「魂」を込めてほしい。私たちの国のトップが悩んでもがきながらも、未来を切り開いていこうとしていることが伝われば、国民の不安も今よりは少しは軽くなるはずです。(構成=AERA dot.編集部・作田裕史)
=====================================================

=====================================================
https://lite-ra.com/2021/01/post-5762.html

ポンコツだけでは済まされない! 菅首相がコロナ会見で「国民皆保険の見直し」というグロテスクな本音をポロリ
2021.01.14 06:15

     (首相官邸HPより)

 この非常時に、菅義偉首相の「ポンコツ」ぶりに磨きがかかってきた。昨日13日、菅義偉首相が新たに7府県を緊急事態宣言の対象に追加することを政府の対策本部会議で表明したが、その肝心の場面で、よりにもよって「福岡」と「静岡」を言い間違えたのだ

 本サイトでは、菅首相が「後手後手」との批判を挽回すべく『報道ステーション』(テレビ朝日)などのメディア行脚をしたものの、「変異種」「テレワーク」といった重要なキーワードさえ出てこずキャスターに助け舟を出してもらっていたことなど、その「ポンコツ」ぶりを紹介したばかりだが(詳しくは既報参照)、国民に緊急事態を宣言する場面でさえ、もっとも重大な対象県の名前を間違えるとは……。しかも、菅首相は言い間違いに気づかず、訂正さえしなかったのだ

 だが、もっと深刻な問題は、こうした肝心な言葉の言い間違いだけではない。菅首相は昨晩おこなった記者会見でも、この期に及んで補償や支援策を一切打ち出さなかった上に、自分の判断ミスを頑として認めず、責任をごまかすことしか口にしなかったからだ。

 たとえば、政府の諮問委員会では「不要不急の外出自粛」を求めていたにもかかわらず、菅首相はこの間、繰り返し「夜8時以降の不要不急の外出自粛」と言って「夜8時以降」を強調。これにより「昼ならいいのか」という当然の批判のみならず、「夜8時前だったら出かけても大丈夫」といった誤認識まで広がっていた。ようするに、菅首相のメッセージが混乱を招いてしまったのである。

 こうした状況に対し、政府はランチも含めて外食の自粛を呼びかけはじめたが、これにはサイゼリヤの堀埜一成社長が「ふざけんなよ」と政府を猛批判。これは当然の反応で、全時間帯で不要不急の外出自粛を呼びかけるならば、飲食店のみならず協力金の対象を広げ、さらに現状よりも手厚い補償をおこなったうえで時短ではなく休業を要請すべきなのは言うまでもない。

 しかし、この有害でしかない混乱を引き起こした張本人である菅首相は、自分の過ちを国民に詫びることも、明確な訂正をおこなうこともなく、「とくに夜8時以降の不要不急の外出の自粛」と、しれっと「とくに」という言葉を付け足しただけ。追加の補償や支援策には何ひとつ言及しなかったのだ。

 自分の判断ミスを認めなかったのは「ビジネス往来」の問題も同じだった。菅首相が打ち出したビジネス往来の継続は、菅首相が技能実習生東京五輪の選手受け入れにこだわったためだと言われてきた。しかし、変異株の問題も浮上したなかでの継続には反発が巻き起こり、ここにきて撤回に追い込まれた。

 この問題について、昨晩の会見ではテレビ東京の記者が「東京五輪開催を意識して判断が遅れた指摘もある」「本来であれば緊急事態宣言を最初に発出した段階で即時とるべき措置だったのではと責任を追及した。だが、菅首相は「東京オリンピック・パラリンピックを意識して判断が遅れたということはありません」「ビジネストラック、レジデンストラックの相手国からの入国者に変異株の感染が確認された事例はなかった」と主張し、“最近もイギリスやブラジルからの帰国者から変異株が確認された”ことを理由に「あらゆる手段を講じて予防的にリスクを取り除く。こうしたことの観点から判断した」と述べたのだ。それが「後手後手」だと言われているのに、自分の判断の遅さは棚に上げたのである。


■自分の判断ミスも認めず逆に罰則規定を持ち出す、菅首相の逆ギレ強権政治

 責任を問われているのに、国民からの批判など起こっていないかのようにケロッと受け流す──。しかも、「『効果が出ている』と高く評価していた大阪に緊急事態宣言を発令するが、時短営業だけで対策は十分と考えるか」という毎日新聞記者からの質問にも、菅首相は「去年の暮れぐらいは下降になってきたということも事実」とまたも自分の判断ミスを認めず、「自粛疲れや慣れにどう取り組むか」といった総理大臣としての明確な発言を求められている質問に対しても「何としてもこの感染拡大を減少方向に持っていかなければならない。そうしたことを国民のみなさんに強く訴える」と、まったく響かないメッセージを発信。さらにこうした回答になっていない回答を短くおこなうと、「先生からよろしいですか」などと会見に同席していた分科会の尾身茂会長に投げてしまったのだ。

 この国のコロナ対策の陣頭指揮のトップに立っているというのに、国民に対して説得力ある説明をまるでできないだけではなく、「あとはよろしく」と言わんばかりに人任せにする……。こんな体たらくで国民が信頼を寄せることなど、どだい無理な話だ。

 しかも、昨晩の会見では、「ポンコツ」というだけでは済まされない問題もさまざま浮上した。

 菅政権は十分な対策をとろうともせず、一向に自分たちの責任を果たさないままだというのに、一方で協力に応じない飲食店のほか、保健所の調査に回答を拒否あるいは虚偽の回答をおこなった患者や入院を拒否した患者への罰則を検討するという強権的な姿勢を打ち出そうとしている。

 この問題について、中国新聞の記者が「保健所の調査の回答拒否や虚偽回答が実際どれぐらいあるのか、また、どれほど深刻な問題かを裏付けるような具体的な数字を示してもらいたい」と追及したのだが、菅首相は「感染の拡大防止を図るために、新規陽性者の過去の行動を調査して、濃厚接触者の特定をして対策を講じることが、これは極めて重要なことであります」とその必要性を強調。感染拡大で神奈川県が濃厚接触者や感染経路の調査を原則やめると発表したように、すでに調査が破綻している状態にあるのに罰則を設けることに意味があるとは到底思えないが、さらに菅首相は信じられないことを言い出したのだ。

「どのぐらいの協力をいただけないケースがあったのか、そうしたことも私、具体的には承知しておりませんが、そうした事例がたくさんあったという報告を受けていますので、そうしたことの実例について、やはり申し上げる必要があるというふうに思っています」

 罰則を検討しているというのに、具体例は「承知していない」などと平然と言い放ったのである。

 根拠となる事例も答えられないのに、罰則には前のめり……。ようするに、官僚を恫喝によって従わせてきたように、国民も罰則で恫喝すればなんとかなるとでも考えている証拠ではないのか。


■想定外の質問に「国民皆保険の見直し」というグロテスクな本音をポロリ

 だが、こうした菅首相の“本性”がもっともあらわになったのは、会見の最後だ。質疑応答の最後は独立系ニュース専門ネット局「ビデオニュース・ドットコム」代表の神保哲生氏が指名され、神保氏は医療体制を強化するための感染症法や医療法の改正といった法制度変更の検討について「政府の仕事ではないのか」と指摘。その上で改正の意志があるのかを問うたのだが、菅首相の回答はこういうものだった。

「まず、このコロナ感染者への医療について、政府として、そこに対応してもらっているその医療機関に対して、しっかりご支援をさせていただいたり、あるいは保健所への人員の派遣、そうした体制をつくったり、クラスターが発生すると政府のチームがそこにおこなって対応するなど、そうしたことについて政府は対応をおこなってきました。
 そしてまた、医療機関でありますけれども、日本にはいまの法律があるなかで、逼迫状況にならないように、政府としては、ベッドは数多くあるわけでありますから、それぞれの民間病院に一定数を出してほしいとか、そういう働きかけをずっとおこなってきているということも事実であります」

 “法改正といった問題から検討するのが政府の仕事なのではないか”と追及されたのに、訊かれてもいない現状の対策(しかも不十分さが指摘されているものばかり)をダラダラと挙げるというのも「ポンコツ」感が満載だが、しかし、重要なのはこのあとの発言だ。

「そして、この感染症については先ほど申し上げましたけれども、法律改正はおこなうわけでありますから、それと同時に医療法について、いまのままで結果的にいいのかどうか、国民皆保険、そして多くのみなさんが診察を受けられるいまの仕組みをつづけていくなかで、今回のコロナがあって、そうしたことも含めて、もう一度検証していく必要があると思っています」

 問われたのは医療体制の強化のための法改正の問題だったのに、なんと菅首相は「国民皆保険の見直し」ともとれることを言い出したのである。

 そもそも、神保氏は官邸記者クラブのメンバーではない“フリージャーナリスト枠”として質問をおこなったため、当然、事前の質問通告もしておらず、その上、コロナに対する関心も理解力・読解力もまるでない「ポンコツ」の菅首相はその質問の意味をほとんど理解できていなかったはずだ。そんななか、自分が答えられることとして、「医療体制のための法の見直し」というキーワードから導き出されたのが、「国民皆保険」だったのだろう。

 ようするに、菅首相の頭のなかにはほかの新自由主義者たちと同じく「国民皆保険の見直し」があり、それが咄嗟の質問により図らずも口から出てきた、ということだ。

 実際、菅首相は8日に『報道ステーション』(テレビ朝日)に出演した際、「民間病院の協力が進んでない」という問題の認識を問われたとき、「コロナやってない病院のところにはですね、いわゆるお客さんが、行かないんですって」などと発言。病院に行く患者のことを「お客さん」と呼んで批判を浴びたが、これは国民皆保険制度を民間病院の「既得権益」になっていると考えているがために飛び出した発言だったのではないのか。

 言っておくが、この国では国民皆保険制度をとっていても困窮を理由に受診を控えて症状が悪化してしまう「メディカル・プア」が問題化しており、コロナによる経済的打撃によりそれはさらに深刻化していると指摘されている。そんななか、「無料低額診療」制度を拡充しようと言うのならまだしも、「国民皆保険」を見直し、軽症者の自己負担増や公的保険の範囲見直しなどが取り入れられれば、さらに受診控えが進行し、治療を受けたくても受けられないアメリカのような事態が巻き起こるのは必至だ。

 医療体制の強化をもとにした質問の回答が、よりにもよってこのコロナ禍にあって社会保障費削減を目指すかのようなものになる──。これはもはや「ポンコツ」で済ませられる問題ではない。「人でなし・残虐非道・鬼畜のポンコツ総理」と呼ぶべきだろう。

(編集部)
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●金子勝さん《無症状者のPCR検査をしない方針を変えず、東京五輪開催と「GoToキャンペーン」に突き進む。感染再燃は当然の結果》

2020年12月10日 00時00分09秒 | Weblog

[※《自助》大好きオジサン・最低の官房長官と学商日刊ゲンダイ 2020年9月7日)↑]




日刊ゲンダイのコラム【金子勝の「天下の逆襲」/抜本対策なしのバラまきでは新型コロナの根比べに勝てない】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/281451)。
リテラの記事【菅、安倍、森の“五輪私物化トリオ”がバッハ来日に大ハシャギ! コロナ隠しでGoTo続行、NHKの「開催不安の声」報道に圧力】(https://lite-ra.com/2020/11/post-5699.html)。

 《新型コロナ対策をめぐる最大の問題は、無症状者への対応だ。政府や新型コロナ感染症対策分科会は無症状者のPCR検査をしない方針を変えず東京五輪開催とGo To キャンペーンに突き進む。感染再燃は当然の結果だ。検査を徹底しなければ、外出自粛で多少は抑制できたとしても、経済活動を再開すれば感染は拡大する。政府とゴミ分科会の無能無策によって、こうしたジレンマが繰り返されている》。
 《しかし、この深刻な状況のなか、国民の健康と安全を置き去りにした、信じられないような光景が展開された。国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長の来日で、菅義偉首相をはじめ、安倍晋三・前首相、森喜朗・東京五輪組織委会長らが大はしゃぎを繰り広げたからだ》。

 西日本新聞のコラム【風向計/日本に「社会」はあるか 久保田正広】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/664992/)によると、《米国のトランプ大統領と同様、新型コロナウイルスを恐れずに振る舞った結果、感染して入院することになったのが、英国のジョンソン首相である。自己隔離中の今春に公表したビデオメッセージの中の言葉が話題になった。「コロナ危機が証明してくれたのは、社会というものが存在するということだ」 社会が存在する? 日本の私たちにはぴんとこないが、ジョンソン氏と同じ保守党の故サッチャー元首相の有名な言葉をもじったものだ。英国政治史を踏まえると含蓄があり、今の日本にも通じる。「社会なんてものは存在しない。いるのは個人としての男女とその家族だけ」-。サッチャー氏の政治哲学を端的に示した言葉とされる。つまり、個人は自由市場で競争し幸福を追求すべきで、うまくいかない人々を支える医療や福祉といった「社会」制度などに頼らず、まずは自力で頑張れということ。…郵政民営化の旗振り役だった竹中平蔵氏は今、首相の有力ブレーン。首相が発案した「ふるさと納税」も自治体間の競争をあおるものだ。首相とサッチャー氏の共通点に「たたき上げ」がある。サッチャー氏は上流階級出身が多い保守党にあって、地方都市の食料品店主の娘だ。その言葉には競争を勝ち上がった者ならではの響きがある。日本から「社会」がなくなることは当面なかろう。だが地方の農家出身で苦学の末に政界入りした人物が首相になれる社会で、あり続けるだろうか。》
 《自助》大好きオジサンが首相とそのブレーンという、ニッポンの不幸。《個人は自由市場で競争し幸福を追求すべきで、うまくいかない人々を支える医療や福祉といった「社会」制度などに頼らず、まずは自力で頑張れ》と、今後も、言われ続けるわけだ。

   『●政策スカスカオジサン《第1…日本学術会議の任命拒否問題》《第2…
       温室効果ガス排出量…実質ゼロ》《第3…新型コロナウイルス対策》

 どうして検査検査検査・追跡・保護の徹底しないの? それ以外どんな対策があり得ようか。《無症状者のPCR検査をしない方針を変えず東京五輪開催とGo To キャンペーンに突き進む。感染再燃は当然の結果》です。(金子勝さん)《抜本的なコロナ対策こそ、最大の経済対策》だというのに、無為無策無能な政権。本コラムでも、《検査、隔離、追跡を徹底し、治療方法を確立することこそ最優先の経済対策なのだ抜本的コロナ対策なしにいくらカネをバラまいても、新型コロナとの根比べには勝てっこない》。

   『●金子勝さん《抜本的なコロナ対策こそ、最大の経済対策なのだ》…
     検査検査検査・追跡・保護と社会的検査による無症状感染者の炙り出し

 《政府や新型コロナ感染症対策分科会は…東京五輪開催…に突き進む》。正気じゃない ――― 金(カネ)色の五つの輪を人類が新型ウイルスに打ち勝った証し」「コロナ克服五輪として開催する気満々だ。―――支離滅裂。IOC会長と違法・違憲オジサンの《2人の政治的公約のために行うためだけ政治的成功が欲しいだけ》の開催であり、何でもいいので《開催》すれば「成功」、《公約》達成、《コロナ克服》なのでしょう。《何よりも東京五輪が優先されコロナ対策を置き去りにする。──ようするに、菅首相も安倍前首相も森会長も、コロナそっちのけで自分たちの私利私欲のために五輪開催に向けて猛進》《この現役&歴代総理による“私物化五輪”の開催》…。呆れます。

   『●「説明できることとできないことってあるんじゃないでしょうか」…
     国民に「説明できないこと」をやる「国民のために働く」違法オジサン
    「リテラの記事【国会代表質問で菅首相の日本学術会議任命拒否の
     説明が支離滅裂、矛盾だらけ!『NW9』では「説明できないことが
     ある」と開き直り】…。【菅首相が生出演『ニュースウオッチ9』の
     質問に激怒し内閣広報官がNHKに圧力!『クロ現』国谷裕子降板事件の
     再来】」

   『●バッハ会長とニッポン人だけで金(カネ)色の五つの輪を「人類が
      新型ウイルスに打ち勝った証し」「コロナ克服五輪」として開催?

=====================================================
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/281451

金子勝 立教大学大学院特任教授
1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。法政大学経済学部教授、慶應義塾大学経済学部教授などを経て現職。慶応義塾大学名誉教授。文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。近著「平成経済 衰退の本質」など著書多数。新聞、雑誌、ネットメディアにも多数寄稿している。

金子勝の「天下の逆襲」
抜本対策なしのバラまきでは新型コロナの根比べに勝てない
公開日:2020/11/18 06:00 更新日:2020/11/18 06:00
今だけ無料

     (東京五輪開催と「Go To キャンペーン」にひたすらひたすら
      突き進む(菅首相と加藤官房長官)/(C)日刊ゲンダイ)

 新型コロナウイルスの「第3波」が襲来した。全国の新規感染者は連日、過去最多を更新。にもかかわらず、加藤官房長官は「政府は具体的な定義を定めているわけではない」とごまかし、失策を認めない。菅首相は「感染防止策の徹底と社会経済活動の両立」という矛盾だらけの指示を出すだけで、誰ひとり責任をとらないまま、ここまで来てしまった。

 新型コロナ対策をめぐる最大の問題は、無症状者への対応だ。政府や新型コロナ感染症対策分科会は無症状者のPCR検査をしない方針を変えず東京五輪開催とGo To キャンペーンに突き進む。感染再燃は当然の結果だ。検査を徹底しなければ、外出自粛で多少は抑制できたとしても、経済活動を再開すれば感染は拡大する。政府とゴミ分科会の無能無策によって、こうしたジレンマが繰り返されている。

 これに対して、東京・世田谷区の「世田谷モデル」は、エッセンシャルワーカーの定期検査で無症状感染者を捕捉する。実際、介護施設関連で無症状感染者が判明し、クラスター化を防いだ。さらに介護施設職員や保育士ら計2万人を検査する。

 千代田区や目黒区でも同様の動きがある。

 一方、北海道や大阪府、新宿区の陽性率は2ケタに上る。市中感染が疑われるこうした感染震源地はさらなる徹底検査が必須だ。政府は風評被害を理由に感染が発生した施設名などを伏せるよう圧力を加えているようだが、情報統制はかえって感染拡大を招くだけだ。むしろ差別を止める取り組みが求められる。

 ワクチンに対する過度な期待も禁物だ。英アストラゼネカなどが開発するDNAワクチンは副作用で治験がたびたび中断。米ファイザーなどが進めるRNAワクチンは好調だというが、新型コロナは変異が激しいため、効果は持続するのか、副作用はないのか、生産や流通などは十分に機能するのか。検証が不可欠だ。ワクチン開発には期待したいが、「来年6月までに供給」という政府の五輪強行に向けた政治利用はいけない。禍根を残すからだ。

 欧州で猛威を振るう、いわゆるスペイン型(20A.EU1)は警戒が必要だ。このタイプは東アジアに多いとされる交差免疫があると、かえって免疫暴走による重症化をもたらすからだ。政府は検疫を緩めているが、危険極まりない。検査、隔離、追跡を徹底し、治療方法を確立することこそ最優先の経済対策なのだ抜本的コロナ対策なしにいくらカネをバラまいても、新型コロナとの根比べには勝てっこない
=====================================================

=====================================================
https://lite-ra.com/2020/11/post-5699.html

菅、安倍、森の“五輪私物化トリオ”がバッハ来日に大ハシャギ! コロナ隠しでGoTo続行、NHKの「開催不安の声」報道に圧力
2020.11.17 11:06

     (菅首相を表敬訪問したバッハ会長(首相官邸HPより))

 新型コロナの感染拡大が止まらない。本日17日の新規感染者数は東京都が298人となり、重症者数も42人で緊急事態宣言後では最多に。大阪府は過去2番目に多い269人で、茨城県や新潟県、京都府など6府県は過去最多を更新。さらに、本日公表された米Googleによる数理モデルとAIを使った今後28日間(11月15日〜12月12日)の予測によると、日本の新規陽性者数は全国で5万3321人、新規死亡者数は512人にのぼると予想。国内の直近28日の陽性者数は2万6094人、死亡者数は229人だから、その倍近くになると弾き出されたのだ。

 しかし、この深刻な状況のなか、国民の健康と安全を置き去りにした、信じられないような光景が展開された。国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長の来日で、菅義偉首相をはじめ、安倍晋三・前首相、森喜朗・東京五輪組織委会長らが大はしゃぎを繰り広げたからだ。

 まずは菅首相だ。昨日16日、官邸にバッハ会長が訪問すると、菅首相はこう述べたという。

「来年の夏、人類がウイルスに打ち勝った証しとして、また東日本大震災から復興しつつある姿を世界に発信する、復興オリンピック・パラリンピックとして、東京大会の開催を実現する決意だ。安全安心な大会を実現するために緊密に連携して全力で取り組んでいきたい」

 一体どういう状態になったら「人類がウイルスに打ち勝った」ことになるのか不明だが、いまだ終息の目処も立っていないどころか感染拡大の真っ只中で「実現する決意」と宣言する──。まずは国内の感染拡大を食い止める対応を急ぐべきなのは言うまでもないが、さらに菅首相はバッハ会長に対して〈横浜スタジアムなどで観客を7−8割に抑えて実証実験を行っている経緯を説明した〉というのだ(ロイター16日付)。

 プロ野球では10月30〜11月1日に横浜スタジアム、11月7・8日に東京ドームで観客上限を約8割にまで引き上げた実験がおこなわれたが、これには実験の実施発表前にチケットを先行購入したファンから「後付けで実験台にされるなんて、納得いかない」「入場制限が5割だから安心して観戦できると思って買ったのに」という怒りの声も飛び出していた(「デイリー新潮」2日付)。

 つまり、菅首相はこの「第3波到来」と叫ばれるなかで「実証実験」ではなく人体実験もどきのパフォーマンスを実施させて、それを五輪開催のアピールに使ったのである。


■GoTo続行は、来日中のバッハ会長のコロナ感染拡大の悪印象を与えないため?

 国民の生命を何だと思っているのかと憤らずにはいられないが、それはこの期に及んでも「GoToトラベル」を中止していないことも同じだ。だが、この「GoToトラベル」続行の判断にも、バッハ会長の来日が影響したといわれている。時事通信が14日付記事でこう報じたからだ。

〈バッハ会長が15日に来日する。このタイミングで厳しい措置に踏み切れば、来夏の東京五輪・パラリンピック開催に向け日本への悪印象を残しかねない。政府高官は「キャンペーンはやめない」と言い切る。〉

 地方でも感染が拡大しているなかで政府が税金を使って人の移動を推奨するなど正気の沙汰ではなく、とりわけ北海道では「GoToトラベル」は続行なのに札幌市民の外出・往来自粛要請が決定するという矛盾した事態となっている。こうした「GoTo」のゴリ押しには、バッハ会長への印象を悪くしたくないという判断があったというのである。ようするに、菅首相にとっては、国民の安全と健康を守ることよりもバッハ会長、東京五輪開催のほうが優先順位が高いというわけだ。

 東京五輪開催に対する安倍前首相の執念もすさまじかったが、菅首相もまったく同じ──。無論、菅首相がここまで東京五輪開催に固執するのは、やはり安倍前首相と同じで、衆院選を睨んでのことだ。

 菅首相の自民党総裁の任期は来年9月いっぱい、衆院の任期も来年10月に満了となる。つまり、それらの選挙日程の直前である7月23日〜9月5日にオリンピック・パラリンピックの東京開催を是が非でも実現させることで、総裁選と総選挙を圧勝に持ち込もうと目論んでいるのだ。実際、16日付の朝日新聞デジタルの記事でも、こう伝えている。

〈首相周辺は「五輪を成功させた熱狂のまま衆院選になだれ込む」といった政治シナリオを想定。複数の政権幹部も「五輪は最大の政権浮揚策」「やはり衆院解散は五輪後だ」などと胸算用を語る。首相は最近も周辺に「五輪はいずれにせよやる」との決意を示したという。〉

「いずれにせよやる」って、繰り返すが新型コロナの収束について何ひとつ目処は立っていない。ワクチンがどうなるのかもいまだ不透明であり、五輪の実施となれば国内だけではなく世界の状況も十分に考慮しなくてはならない。なのに、菅首相の頭の中は権力維持のための東京五輪開催でいっぱいなのだ


■「オリンピック・オーダー」受章で安倍首相が国民無視のサムすぎるポエムスピーチ

 まったく身勝手にもほどがあるが、しかし、コロナ感染拡大を尻目にバッハ会長来日で醜態を晒したのは、菅首相だけではない。とにかくみっともないほどに大はしゃぎしていたのは、安倍前首相と五輪組織委の森会長だ。

 安倍前首相は昨日、IOCが五輪ムーブメント推進に功績があった人物に贈る「オリンピック・オーダー」の授与式に出席。バッハ会長から最高章にあたる金章を贈られると、ものの2カ月前に体調不良で辞任したとは思えぬ元気な姿で挨拶に立ったのだが、そこで安倍前首相は「私は本章を五輪ムーブメントに献身して倦むことを知らず、東京2020大会を待ち望み、成功させようと勇んでやまないすべての日本人になり代わる思いで頂戴します」と勝手に国民を代表すると、このような薄ら寒い“ポエム”を披露したのだ。

「今、人類は疫病との闘いに歯をくいしばり、唇をかみしめて、互いが互いを思いやりながら、夜に日を継いで耐え、勝利の日を待ち望んでいます」
「私たち人類は強い。絶望を希望に変える力を持っています。だからこそ五輪は聖なる火をともして、希望のたいまつとし、それを人の手から手へと渡し続けてきた。そうでは、ありませんか」
「2021年7月23日、東京の空高く、いま再びブルー・インパルスが天翔ける時、世界のどんなところに住まう方も、一度は絶望の淵にくれた人々でさえ、天を、そして青空を、はるかに仰ぐことでしょう。その日、東京にラッパが鳴る。ファンファーレは世界に響き、人の心に凍りついた恐怖を解かし、希望に置き換えてくれることでしょう」

 コロナ禍に政権を放り出した人間が「闘いに歯をくいしばり」「夜に日を継いで耐え、勝利の日を待ち望んでいます」などと言い回すことも無責任極まりないが、「絶望の淵にくれた人々でさえ、天を、そして青空を、はるかに仰ぐ」「東京にラッパが鳴る。ファンファーレは世界に響く」って……。繰り返すが、いままさに国民が危険に晒されている最中に、よくもまあこんな浮世離れ(しかも国威発揚風味の)話ができたものだ

 しかし、寒さ具合で言えば、森会長も負けていなかった。森会長はこんなことを言い出したのである。

「ゲームの世界ではマリオにはヨッシーという頼れる仲間がいました。私の名前は喜朗でありまして、ヨッシーであります。これからも安倍マリオと森ヨッシーのように助け合いながら、東京大会の成功に向けて力を尽くしてまいりたい」


■森喜朗は「私はヨッシー」とはしゃぐ一方で、NHKの「パートナー企業に不安の声」報道にクレーム

 だが、このように自らゆるキャラ化してみせた森ヨッシーは、その後おこなわれたバッハ会長と出席した会見では一転。NHKの記者が、NHKが実施したアンケート調査をもとにして、今年で契約が切れる五輪のパートナー企業から開催の確実性に対する不安の声などが上がっていることを質問すると、森ヨッシーは「率直に申し上げてNHKらしくない設問」「全社員に訊いたわけでもないし、役員に複数人訊いたわけではないでしょ」「個人的感情かもしれない」「この時期にそういうことを設問するのはNHKらしくない」などと非難したのだ

 自分たちに都合が悪い話は「NHKらしくない」と責める。これは「NHKは大本営発表だけしていろ」と言っているようなものではないか。

 このように、国民の不安をよそに東京五輪開催に向けて大はしゃぎし、その一方で不都合な調査結果を事実ではないかのように責め立て、何よりも東京五輪が優先されコロナ対策を置き去りにする。──ようするに、菅首相も安倍前首相も森会長も、コロナそっちのけで自分たちの私利私欲のために五輪開催に向けて猛進しているのだ。

 だが、いくらバッハ会長のお墨付きを得たとはいえ、この現役&歴代総理による“私物化五輪”の開催には暗雲が立ち込めている。前述したように、ワクチンの問題や世界の感染状況の問題も先が見通せてはいないからだ。さらに、アメリカの次期大統領であるバイデン氏はコロナ対応に力を入れることを明言しており、状況によってはアメリカが不参加になることも考えられる。そうなれば大会開催に与える影響は大きいだろう。

 ともかく、いま国民が求めているのは「人類がウイルスに打ち勝った証し」ではなく、足元の感染拡大を食い止める対策だ。それをすっ飛ばしているこの状況は、為政者の責任放棄、国民へのネグレクトではないか。菅首相らに対し、国民はもっと怒りをぶつけるべきだろう。

(編集部)
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●前川喜平さん《ふるさと納税制度の問題点…を説明するだけで左遷されたわけですから、この人事は霞が関全体に衝撃を与えました》

2020年12月02日 00時00分51秒 | Weblog

[※歴代自民党内閣は「国民のために働」いていなかった!? 縁故主義・政権の私物化もアベ様から《継承》 (日刊ゲンダイ 2020年10月14日)↑]



リテラの記事【菅首相に抵抗し飛ばされた元総務官僚・平嶋彰英がジブリの雑誌で青木理に語った恐怖支配の実態!「あそこまでひどい人はいない」】(https://lite-ra.com/2020/11/post-5696.html)。

 《そして、そのことを強く感じさせる証言がある。それは、スタジオ・ジブリが発行する小冊子「熱風」11月号に掲載されている、ジャーナリスト・青木理氏との対談に登場した元総務官僚・平嶋彰英氏の証言だ》。

 《いや、菅首相がこれまで見せてきた強権性を鑑みれば、「反政府」というよりも「俺に楯突くような奴は絶対に認めない」という独善的な考えから任命を拒否したのではないか。》…そして、左遷オジサンの恐怖支配な官僚人事への介入》《人事を盾にした脅迫》《あからさまな報復人事》《俺の言うことを聞かないという理由だけで、人事権を濫用し壊しつづけてきた》《人事で官僚を脅し、忖度を蔓延させた張本人前川喜平さん《ふるさと納税制度の問題点…を説明するだけで左遷されたわけですから、この人事は霞が関全体に衝撃を与えました》、その後も、《人事でも異常なことが続いています》。
 《いや、菅首相がこれまで見せてきた強権性を鑑みれば、「反政府」というよりも「俺に楯突くような奴は絶対に認めないという独善的な考え》をお持ちな違法・違憲オジサン。平嶋彰英氏「正直、私はいまも怖くて仕方ない」…言葉もないです…。

   『●あらゆる腐敗を《継承》する元・最低の官房長官スガ様…特に《メディア
         コントロール》は陰湿化し、悪質化し、強権の度合いが加速する
    《◆逆らえば「左遷」 第2次安倍政権で官房長官となった菅氏は、
     内閣人事局を最大限に利用し、官僚の人事を徹底的にコントロール
     してきた。一例を挙げると、菅氏が力を入れてきた「ふるさと納税」だ。
     総務省の平嶋彰英自治税務局長は、自治体に寄付する上限額の倍増を
     指示した菅氏に競争が過熱すると懸念を伝え、総務省の通知と法律で
     一定の歯止めをかけるよう提案すると、8カ月後に自治大学校長に
     「左遷」された。平嶋氏は、「自分だけでなく、菅氏の意向に逆らう
     官僚はあらゆるレベルで飛ばされた。ふるさと納税が引き起こす
     問題点を指摘しても、考慮して対処するどころか『逃げ切りは許さんぞ』
     との言葉が返ってきた。官僚の忠告や提案に耳を傾けられない
     ということは、国民にとってもマイナスだ」と指摘する》

   『●取巻きに堕さず《官邸と距離を置》くような官僚を左遷するアベ様や
       スガ様…《人事でも異常なことが続いています》(前川喜平さん)
    《前川ふるさと納税制度の問題点を菅さんに進言した元総務官僚の
     平嶋彰英さんは、省外に異動になりました。平嶋さんは事務次官候補
     だった人。問題点を説明するだけで左遷されたわけですから、この人事は
     霞が関全体に衝撃を与えました。官僚人事への介入は、菅政権でさらに
     強まるでしょう。安倍さんの政策は思いつきが多くて、うまく
     いかなかったことが山ほどある。最近ではアベノマスクです。こういった
     政策を主導したのは、安倍さんの側近で「官邸官僚」と呼ばれた
     経済産業省出身の今井尚哉首相補佐官、佐伯耕三首相秘書官、
     長谷川栄一内閣広報官でした。3人は菅内閣発足でそろって退任。これで
     経産省の影響力が弱まり、財務省や総務省が菅内閣で強くなります。》

=====================================================
https://lite-ra.com/2020/11/post-5696.html

菅首相に抵抗し飛ばされた元総務官僚・平嶋彰英がジブリの雑誌で青木理に語った恐怖支配の実態!「あそこまでひどい人はいない」
2020.11.11 08:21

     (「熱風」11月号)

 日本学術会議の任命拒否問題をめぐり、菅義偉首相の説明が二転三転どころか四転五転している。当初は拒否した理由を「総合的、俯瞰的に判断」と言っていたのに突如「多様性」と言い出し、実際には「多様性」と矛盾していることを突かれると、5日の参院予算委員会では「推薦前の調整が働かなかった」などと「事前調整」がなかったからだと強弁。「事前調整」とは法的根拠も何もない、まさに政治介入にほかならないものであり、過去の学術会議会長からも「調整」を否定する証言が飛び出すと、菅首相は10日の衆院本会議で「事前調整」を「すり合わせ」に表現を修正したのだ。

 「調整」を「すり合わせ」に表現を変えたところで問題は変わらないし、何より任命を拒否した理由の説明にはまったくなっていない。菅首相は否定しつづけているが、「政府の法案に反対」したから任命拒否したことはもはや隠しようもないだろう。

 8日に共同通信は「官邸、反政府運動を懸念し6人の任命拒否」と報道し、その後、批判が集まるとタイトルにあった反政府運動を括弧つきの「反政府先導」と表現を改めたが、しかし、菅首相にとっては根拠を挙げて政府の法案に異論を唱えるといういたって当然の行動さえも反政府運動だと映っているのだろう。

 いや、菅首相がこれまで見せてきた強権性を鑑みれば、「反政府」というよりも「俺に楯突くような奴は絶対に認めないという独善的な考えから任命を拒否したのではないか。

 そして、そのことを強く感じさせる証言がある。それは、スタジオ・ジブリが発行する小冊子「熱風」11月号に掲載されている、ジャーナリスト・青木理氏との対談に登場した元総務官僚・平嶋彰英氏の証言だ。

 平嶋氏は2014年7月に総務省の自治税務局長に就任したが、菅首相が総務相時代に肝いりではじめた「ふるさと納税」制度の拡充に反対。すると、官房長官だった菅氏は2015年の人事で事務次官候補とも呼ばれた平嶋氏を、極めて異例の自治大学校長に“左遷”させた。つまり、平嶋氏は菅氏に楯突いたことで排除された官僚のひとりだ

 その平嶋氏は、「熱風」での対談で菅首相の実像を、こんな強烈な言葉で語っている。

「率直に言って菅さんほどひどい方はいませんでした」
「とにかく乱暴なことばかり言って、乱暴なことでも言い出したら聞かなくて、気に入らないと人事権を振るうという印象しかありません」
「とにかく極端な人です。あそこまでひどい人はほかにいません」
「正直、私はいまも怖くて仕方ない


●「ふるさと納税」制度をめぐる提案をすべてはねつけた菅首相の恐るべき主張

 もちろん、これは人事で飛ばされた「逆恨み」で語っているような言葉ではない。菅首相は、官僚にそう思わせるだけのことをやってきたということだ

 実際、2005年に小泉純一郎政権で総務副大臣となった際から、菅氏の“恐怖政治”ははじまっていた。

「最初に菅さんが総務副大臣に就いたとき、私は上司らと一緒に食事をしたことがあります。その際に菅さんがいきなりおっしゃった台詞は忘れられません。「役人を動かすのは人事だと思っているからな、俺は」と」(平嶋氏)

 食事の席で出し抜けに人事を盾にした脅迫を口にする──。これには対談相手の青木氏も「いきなりそんなことを」と驚くが、平嶋氏は「面と向かって平然とそうおっしゃいました。実際に菅さんが総務相になった際、南君がいきなり飛ばされましたからね」と語っている。

 この「南君」というのは、菅氏が総務相時代に推し進めようとしたNHK受信料支払いの義務化などの改正案をとりまとめていた情報通信政策局放送政策課長だった南俊行氏のこと。南氏が菅氏の方針に対して否定的なことを口にしていたことが菅氏に伝わり、菅氏が激怒して更迭したといわれているが、先日、改訂版として発売された菅首相の自著『政治家の覚悟』(文春新書)でも、菅首相はこの南氏の更迭劇を〈「いいから、代えるんだ」と押し切りました〉などと誇らしげに記述している。

 公文書管理の重要性を説いた箇所は改訂で削除したというのに、あからさまな報復人事のエピソードは削除することなく残した。このことからも菅首相は人事権という権力の濫用を悪いとも恥ずかしいこととも感じていないことがよくわかるが、菅首相の問題は、それ以前の“自分の意見は絶対だ”という頑迷さにある。

 それを象徴するのが、平嶋氏が左遷されるまでにいたった過程だ。前述したように平嶋氏は2014年に「ふるさと納税」制度の拡充に抵抗。それは「ふるさと納税」制度が高所得者層のほうが得をするという「極めて不平等で、不健全」な問題を孕んでいたからだ。それを拡充するなんてありえないというのは、平嶋氏個人の考えではなく、さんざん議論を繰り返してきた自治税務局の総意でもあった。「せめて返礼品問題だけでもなんとかしなくちゃいけない」と考えた平嶋氏は、旗振り役であり当時官房長官だった菅氏を説得しようとさまざまな案を持って何度も説明をおこなった。

 だが、菅氏はすべてを撥ねつけ、こんなひと言でシャットアウトした。

「純粋な気持ちでふるさと納税している人を俺は何人も知っている」

 税の公平性が保たれない問題点を無視し、客観性もへったくれもない独断で異論を退ける──。実際にこのときの平嶋氏らの危惧は的中して返礼品競争は加熱し、結果的に自治体との訴訟にまで発展、国が逆転敗訴するという事態にまで陥っているが、官僚から寄せられた予見に菅氏が耳を傾けていれば、こんなことにはなっていなかったのだ。


■「ふるさと納税」制度をめぐる提案をすべてはねつけた菅首相の恐るべき主張

 しかし、菅氏がおこなったのは、官僚を罵り、怒り散らすことだけだった。実際、平嶋氏は「何度も怒られました」「最後は面罵に近かったですね」と言い、「ふるさと納税制度をめぐってここまで問題点が浮き彫りになってくれば、多少なりとも普通の感覚を持っている政治家ならわかってくださいます」と無念さを滲ませている。

「こんな制度、最初はおそらく菅さんの思いつきの類だったんだと思うんです。(中略)税や寄付の原則論から言ってもおかしな制度であって、住民税の基本的なありようを壊すことになりかねませんから、私の5代前ぐらいの自治税務局長も制度の導入時、抵抗したわけです。でも、その人も結局は飛ばされてしまった」

 しかも、平嶋氏が菅氏とやりあったのは「ふるさと納税」の問題だけではなかったという。2014年、平嶋氏は都市部商業地に適用されていた固定資産税を軽減する特例廃止を高市早苗総務相(当時)を納得させた上で進めていたのだが、「国交省が菅さんのところに泣きついた」ことから官邸が動き出した。菅氏の最側近である和泉洋人首相補佐官が横やりを入れてきたというのだ。

「しばらくして和泉さんから電話がかかってきて、「こんなことをやろうとしているのか」と。ですから私は和泉さんのところに説明にうかがい、「これはやらないとマズいことになります」「場合によっては憲法違反で裁判に負けます」「民主党でもやったのに(編集部註:民主党は住宅地の特例を廃止)、自民党でやらないわけにはいかないでしょう」とお伝えしたら、「そうか」とおっしゃる。
 ただ、菅さんは一度言い出したら聞かないともいうんですね。そこは理屈も何もなくて、和泉さんがおっしゃるには「とにかく国交省の幹部と握ってこい」と。そうすればできるから、というんですが、国交省と握れるわけなんかありませんよ。後ろに業界団体が控えているんですから。
 そうこうしていたら、日経新聞に記事が出たんです。この問題の議論がいよいよ税調でスタートする、と。
 それを目ざとく見つけた菅さんは「俺がダメだと言っていることを新聞まで使ってやろうとするのか」と激怒しているという話が和泉さんから伝わってきて、実際に次官(総務事務次官)にも菅さんから直接電話があって猛烈に怒られたそうです」

 裁判に負ける可能性があるという問題点がはっきりしていることでも、自分の右腕である和泉首相補佐官が「そうか」と納得したことでも、理屈もなく一度言い出したら聞かない。そして、平嶋氏は2度も菅氏の逆鱗にふれたことで、前述したように左遷されてしまったのだ。

 もちろん、平嶋氏はこうしたことを覚悟の上で抵抗したのだ。平嶋氏は人事について聞かされたときのことも「「ああ、やっぱりか」と思うだけで驚きませんでした。そうなるだろうと予想していましたから」「何かされるだろうなと(思っていた)」と語っている。


■固定資産税軽減をめぐっても菅首相がゴリ押し「菅さんは一度言い出したら聞かない」

 公平性を保たなければならないという当たり前の意見でさえ、人事で報復されることを覚悟しなければ言えない──。平嶋氏の姿勢は「国民全体の奉仕者」たる官僚として極めて真っ当だが、そうした官僚の真摯なあり方を、菅氏は俺の言うことを聞かないという理由だけで、人事権を濫用し壊しつづけてきたのである。

「もちろん私は、政治主導を否定するつもりはありません。われわれ官僚は選挙で選ばれたわけではありませんから、最後はやはり政治家が政治責任を伴う形で決断すべきでしょう。
 ただし、それは別に政治家の思いつきをすべて実現しろということではないはずです」
「私は菅さんの指示に従い、最終的にはおっしゃる通りにしました。ただ、その途中段階で異議を唱えた。すぐには「うん」と言わなかった。要するに「お前は俺の前で鐘と太鼓を叩いて『これはいいですね!』と言わなかった」という理由で飛ばされたわけです」
「「俺の手柄に傷をつけようとした」と思われたのかもしれません。これを手柄と思うこと自体、現実を直視されていないのだと私は思いますが、私が最後に菅さんにお目にかかったとき、その顔に書いてありましたよ、“こいつだけは許さん”と(苦笑)。
 実際、私が菅さんから最後に言われた言葉が「逃げ切りは許さんぞ」でしたから」

 しかも、重要なのは、平嶋氏が抵抗したとき、菅氏は直接の上司である総務相ではなく官房長官だった、ということだ。平嶋氏も「官房長官たる菅さんに本来、私を直接指示する権限などないはずです。内閣官房長官は、内閣の中に異なる意見があった際に調整する権限などはあるかもしれませんが、行政各局に直接指揮命令する権限などありませんよ」と述べているが、まさに言うとおりだろう。

 では、なぜ官房長官が平然と現場に介入するという異常事態になったのか。その背景を、平嶋氏はこう推測している。

「ふるさと納税制度に関して言えば、おそらく安倍総理にも相談していないでしょう。そんな官房長官の指示が「菅案件」などと呼ばれ、役人が振り回される状況になってしまっている。要は人事権を持っている人間が一番強く、これでは「法治」ではなく「人治」です。なぜそうなってしまったかといえば、単に安倍さんが任せてしまっていたからでしょう」
「安倍さんは結局、ご自分で厳しいことができないから、そこを菅さんに全部任せてしまった霞ヶ関のコントロールはすべて菅さんでした

 そうして人事で官僚を脅し、忖度を蔓延させた張本人が総理大臣の座まで登り詰め、さっそく日本学術会議の推薦者任命拒否という問題を起こした。この問題についても、平嶋氏は「自身が権力を持っているというのを見せびらかしたいとしか思えません。権力は実際に行使し、見せつけた方が権力基盤が固まると考えてらっしゃるのではないか」と語っているのだが、一方でこうも述べている。

「ただ、そういう残酷なことができるというのもある意味では能力ではあるのでしょう。人を切ったり飛ばしたりっていうのは、普通の人はなかなかできるものではありません。誰だって情もあるし、罪の意識だってある。精神的によほど強くなければ、そういう冷酷なことをできないでしょう。
 また、これは私の考えなのですが、菅さんは自分がなさってきたことと同じことを他人にも求めているのかもしれません。ご自身が官房長官という地位に就いて権力を維持するため、いったいどれだけ安倍さんに尽くしてきたか。それと同じものを私たちに求める」

 自身の権力維持のためには手段を選ばない、人並み外れた冷酷さ。そして、利己的にすぎない安倍首相への献身と同じものを官僚にも要求する──。あまりにも歪みきっていると言わざるを得ないが、これこそが菅首相の本質・正体ではないのか。


■菅首相が平嶋氏に最後に言ったセリフは「逃げ切りは許さんぞ」

 しかし、問題はこうした“俺が絶対”である菅政権のもとで、官僚たちは平嶋氏のようにおかしなことにはしっかりとおかしいと抵抗できるのか、という点だろう。

 対談では、最後に青木氏が「後輩官僚へのメッセージというか、伝えておきたいことがあればお話いただけませんか」と言うと、平嶋氏は「日本という国がおかしくならないようにがんばってくれと申しあげたい」と語り、さらに「それからもうひとつ」と付け加えた上で、こう述べている。

「ふるさと納税制度の拡充などは典型的ですが、国民に迷惑をかけてしまうような結果になれば、自分が死ぬときにものすごく後悔する。それだけは嫌だと私は思いました。
 政治家はもちろんですが、責任ある立場にいた官僚もいずれは歴史の法廷で裁かれます。そして自分の心に嘘はつけない。いずれ歴史の法廷に立って裁かれることを常に考え、自分の心に従い、官僚の後輩たちはそれに恥じないような行動をとってほしい。自分の行動を律し、おかしなことには誠実に声をあげていってほしい。心からそう願っています」

 じつは、この対談記事のあとには、青木氏の「付記」が加えられている。そこでは〈後輩官僚へのメッセージを尋ねた際、(平嶋氏の)語りはじめた声がかすかに震え、うっすらと赤らんだ眼には涙が浮かんでいた〉ことが書かれており、青木氏はその理由をこのように推察している。

自らがおかしいと感じた政策に必死の抵抗を試み、しかし最終的には屈服させられてしまい、従わざるをえなかった無念。その上にクビを切られた無力感と憤り。一方で、できる限りの抵抗は試みたことへのひそやかな自負……。
 それらがないまぜとなり、後輩官僚へのメッセージとして伝えようとした高揚が、平嶋氏の感情を根っこから揺さぶったのだろうと私は感じた。〉

 「正直、私はいまも怖くて仕方ない」とさえ口にする平嶋氏だが、官僚としての矜持を失わなかったその勇気にあらためて拍手を送りたい。そして、その勇気を称えると同時に、いま進行中の日本学術会議問題をはじめとする菅首相の暴走を止めなければならない。そうでなければ、菅首相のこの危険な独善性と強権性がさらに増長することは、火を見るより明らかだからだ。

(編集部)
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●「説明できることとできないことってあるんじゃないでしょうか」…国民に「説明できないこと」をやる「国民のために働く」違法オジサン

2020年11月14日 00時00分27秒 | Weblog

[※歴代自民党内閣は「国民のために働」いていなかった!? 縁故主義・政権の私物化もアベ様から《継承》 (日刊ゲンダイ 2020年10月14日)↑]



リテラの記事【国会代表質問で菅首相の日本学術会議任命拒否の説明が支離滅裂、矛盾だらけ!『NW9』では「説明できないことがある」と開き直り】(https://lite-ra.com/2020/10/post-5685.html)。

 《日本学術会議任命拒否問題で支離滅裂な説明を繰り返している菅義偉首相だが…衆院本会議でおこなわれた代表質問では、さらに辻褄の合わない、めちゃくちゃな答弁を披露した》。

 そして、日本学術会議6人「だけ」任命拒否事件に関連したリテラの続報。【菅首相が生出演『ニュースウオッチ9』の質問に激怒し内閣広報官がNHKに圧力!『クロ現』国谷裕子降板事件の再来】(https://lite-ra.com/2020/11/post-5697.html)によると、《菅義偉政権の誕生によって恐れていたことが、すでに起こりはじめているらしい。菅首相は安倍政権下で“メディア圧力担ってきた張本人だが、菅官邸でも報道現場に直接的な圧力をかけているらしいのだ。しかも、今回ターゲットとなったのは、公共放送・NHKだ。…この日、菅首相は『NW9』で日本学術会議の任命拒否問題について、有馬嘉男キャスターが「国民への説明が必要」と突っ込んだことに対し、キレ気味にこう述べていた。「説明できることとできないことってあるんじゃないでしょうか。105人の人を学術会議が推薦してきたのを政府がいま追認しろと言われているわけですから。そうですよね?」》。

   『●望月衣塑子東京新聞記者、議論無く
      「「欧米列強に倣え、進め」と武器輸出推進の道に歩みを進めている」
   『●「国策の名の下に研究者が軍事研究に
     加担させられた歴史を繰り返そうとしている…亡国の施策だ」
   『●取巻きに堕さず《官邸と距離を置》くような官僚を左遷するアベ様や
       スガ様…《人事でも異常なことが続いています》(前川喜平さん)
   『●《キンモクセイで世間の鼻をごまかし、学問の自由、言論の自由を
         脅かしかねない「腐臭」に気付かせぬようにしている》(筆洗)
   『●西日本新聞【例えるなら、こんな話か。授業が始まるのに数人の
     子が…】…取り巻きが《デマを流してまでも、必死で政権擁護》の醜悪
   『●政策スカスカオジサン《第1…日本学術会議の任命拒否問題》《第2…
      温室効果ガス排出量…実質ゼロ》《第3…新型コロナウイルス対策》

 さて、まずは問題の本質の解決を。質問は簡単。なぜ6人だけを任命拒否したのか? そんな簡単な疑問に対して、本質をはぐらかして暴走・迷走する首相。
 《説明できることとできないことってあるんじゃないでしょうか。105人の人を学術会議が推薦してきたのを政府がいま追認しろと言われているわけですから。そうですよね?」 「説明できないことをやったと総理大臣が自ら公共放送でゲロってしまう──。》…あ~ぁ、国民に「説明できないこと」をやる、「国民のために働く」と嘯く違法オジサン。主権者に説明できない違法なことをやり、主権者のために働くと言えるのか?

 国会嫌いオジサンがようやく国会を開き、所信表明を行い、代表質問に対して答弁したかと思えば、このザマだ。
 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/政治家の本分は「語ること」】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202010260000082.html)によると、《第203臨時国会がスタートする。令和おじさんの首相・菅義偉の最初の所信表明が行われる。今まで国民に伝える気がない棒読みの記者会見や少数の記者だけで会見したり、パンケーキを一緒に食べるオフレコの懇談ばかりで、国民に向けて発信すること、自分の言葉を持たない首相がこの国会で何を語るのかが注目される》。

 首相が違法オジサンという救いようのなさ。
 日刊ゲンダイの記事【学術会議の任命拒否「違法」裏付ける新証拠 立憲議員入手】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/280542)によると、《日本学術会議会員の任命拒否問題を巡り、菅首相の違法性」を裏付ける新たな証拠が出てきた。臨時国会召集の直前、立憲民主党の小西洋之参院議員が文書を入手。そこには、術会員の任命拒否について想定されていないと明記されているのだ。…問題の文書は、2004年1月26日の〈日本学術会議法の一部を改正する法律案(説明資料)〉と題されたもの。〈第17条~第22条の3改正の趣旨(会員の推薦関係)〉と書かれた項目で、会員の推薦と任命について、次のように説明している。〈日本学術会議が、規則で定めるところにより、優れた研究又は業績がある科学者のうちから、会員の候補者を決定し、内閣総理大臣に推薦し、内閣総理大臣が、その推薦に基づき、会員を任命することになる。この際、日本学術会議から推薦された会員の候補者につき、内閣総理大臣が任命を拒否することは想定されていない〉》。
 《菅首相の違法性」》が無いことを説明できる訳がない。だから迷走・暴走している。

 日刊ゲンダイの記事【説明出来ることと出来ないこと】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/280573)によると、《「俺が決めたのだから説明の必要はない」。倒産まっしぐらのパワハラ社長にありがちな考えとそっくりだろう。所信表明演説を終えて26日夜、NHKの報道番組に出演した菅首相。日本学術会議会員の任命拒否の問題を問われた際、こう言い放っていたから驚いた。「説明出来ることと出来ないことがある。学術会議が推薦したのを政府が追認しろと言われているわけですから」 いやはや、まさか本人は「このフレーズで行こう!」と思っているなら冗談ではない。これでは国会はいらなくなってしまう誰に何を聞かれても説明出来ないことで済んでしまうではないか。一体、自分を何様だと思っているのか。あくまで主権者は国民であり、主権者に説明すら出来ない事を強行することを独裁というのだ》。
 国民に「説明…出来ないこと」をやっている違法オジサン、独裁オジサン。

=====================================================
https://lite-ra.com/2020/10/post-5685.html

国会代表質問で菅首相の日本学術会議任命拒否の説明が支離滅裂、矛盾だらけ!『NW9』では「説明できないことがある」と開き直り
2020.10.28 09:43

     (衆院本会議での菅首相
      (衆議院TVインターネット審議中継より))

 日本学術会議任命拒否問題で支離滅裂な説明を繰り返している菅義偉首相だが、本日衆院本会議でおこなわれた代表質問では、さらに辻褄の合わない、めちゃくちゃな答弁を披露した。

 まず、代表質問に立った立憲民主党の枝野幸男代表は「総理自身の判断ではないのか。誰がどんな資料や基準をもとに判断したのか。任命しなかった理由は何なのか」と追及。すると、菅首相は「過去の国会答弁は承知している」としながらも、「日本学術会議の会員についても必ず推薦の通りに任命しなければならないわけではないという点については内閣法制局の了解を得た政府としての一貫した考えであります」とこれまでと同じ主張を展開。詳しくは後述するが、総理が任命を拒否することは「一貫した考え」などではまったくなく、この時点でもう破綻しているのだが、さらに菅首相はこうつづけたのだ。

「個々人の任命の理由については人事に関することであり、お答えを差し控えますが、任命をおこなう際には総合的・俯瞰的な活動、すなわち専門分野にとらわれない広い視野に立ってバランスのとれた活動をおこない、国の予算を投じる機関として国民に理解される存在であるべきということ、さらにいえば、たとえば民間出身者や若手が少なく、出身や大学にも偏りが見られることも踏まえて、多様性を念頭に私が任命権者として判断をおこなったものであります」

 え?「私が任命権者として判断をおこなった」って、菅首相は「(もとの推薦者名簿は)見ていない」と言い放っていたではないか。名簿も見ていないというのに、どうやって判断をおこなったと言うのか。

 しかも支離滅裂なのが、最近になって口にしはじめた「民間出身者や若手が少なく、出身や大学にも偏りが見られる」という言い訳だ。

 そもそも、日本学術会議法17条にもあるように、会員候補者の選考基準は〈優れた研究又は業績がある科学者〉であり、年齢や出身、大学を考慮することは求められていない。業績を残していることを考えれば、年齢などである程度の偏りが生まれるのは当然だろう。さらに、菅首相は今回の任命拒否の根拠にしている2018年の内閣府による文書でも「会員候補者が優れた研究又は業績がある科学者であり、会員としてふさわしいかどうかを適切に判断しうるのは、日本学術会議であること」と明記しているのだ。つまり、「若手が少ない」だの「出身・大学に偏りがある」だのといったことを理由に会員にふさわしいかどうかを総理大臣が口出しすることはできないのだ。

 だいたい、今回任命拒否された6人を外したところで、年齢のバランスや出身・大学の偏りを是正できるようなものでもない。そして、繰り返すが学術会議側から提出された推薦者名簿を「見ていない」人間が、どうしてそんなことを判断できたというのだろうか。


■NHK有馬アナに「説明できることとできないことってある」と逆ギレした菅首相

 ようするに、確固たる業績のある6人を「排除」したことの理由は、「政権の政策を批判していたから」にほかならないのだが、独裁国家であることを自ら認める本当の説明ができないために、まったく道理が通らない、後付けにさえなっていない取っ散らかった嘘をつきつづけているのだ

 実際、菅首相は所信表明演説をおこなった26日にNHKの『ニュースウオッチ9』に出演し、「民間の人も若い人、地方大学を満遍に選んでほしい」などと言い出したのだが、このとき、有馬嘉男アナが国民への説明が必要と突っ込んだのに対し、キレ気味にこう述べていた。

説明できることとできないことってあるんじゃないでしょうか。105人の人を学術会議が推薦してきたのを政府がいま追認しろと言われているわけですから。そうですよね?」

説明できないことをやったと総理大臣が自ら公共放送でゲロってしまう──。まさしくあ然とするほかないが、この「説明できることとできないことってあるんじゃないでしょうか」という開き直り発言は、非常におそろしいものだ。つまり、菅首相は国民に説明できないようなことも自分の判断があれば実行できる、と言っているからだ。

 自分は国民に説明できないようなこともやってしまえる立場にあると言ってしまう、この思い上がりと強権性。実際、菅首相が現在、任命拒否の根拠にしている、前述した2018年の内閣府の文書はその最たるものだ。この文書では学術会議の推薦通りに任命する義務は首相にないとする見解がまとめられているが、当時から菅氏は自分の手下である杉田和博官房副長官を使って学術会議の人事に介入していた。この文書も安倍政権が介入を正当化するために変更させたものとしか考えられない。

 だが、菅首相の任命拒否の説明が破綻していることを示す文書も出てきている。「推薦者の任命を拒否しない」という過去の答弁と整合性がとれていないことについて、菅首相は5日のグループインタビューで、学会の推薦制だった当時から現在は個々の会員による推薦制に変更されている点を挙げて「それぞれの時代の制度のなかで法律に基づいて任命をおこなっているという考え方は変わっていない」と述べた。だが、立憲民主党の小西洋之・参院議員が入手した資料では、総務省は推薦方式が現在のかたちへと変更された2004年に内閣総理大臣が任命を拒否することは想定されていないと明記していたのだ。つまり、推薦方式の変更を理由にすることはできないのだ。

 この任命拒否問題を看過してしまえば、菅首相はさらに増長してより強権的に、やりたい放題になっていくことは目に見えている。菅首相はきょうの答弁のなかで「私はつねづね国民から見て当たり前のことを実現すべく取り組んできた」と述べたが、国民に説明できないことをやってもいいなどと考えている総理大臣を、国民は当たり前だと思ってはいない。そのことを、いま国民が突きつけなければ、取り返しのつかないことになるだろう。

(編集部)
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする