阿部ブログ

日々思うこと

ロシアに対抗するNATO

2016年05月17日 | 雑感
ロシア海軍のフリゲート艦Admiral Grigorovichがバルト海から大西洋に向けて移動する中、英海軍のフリゲート艦HMS Iron Duke随伴監視を行った。 監視は、バルト海からデンマーク沖の北海まで。その後は、同英海軍フリゲート艦HMS Sutherland引き継監視を継続した。今回の随伴監視には、オランダ海軍のHNLMS Rotterdamとベルギー海軍BNS Castorも参加している。
既報の通り、バルト三国でのNATO軍によるスクランブル&哨戒監視が行われているが、エストニアの Amari空軍基地に展開するイギリス空軍のタイフーン戦闘機が、ロシア軍の輸送機に対しスクランブルを行っている。エストニア領空に接近したアントノフ26とアントノフ12、イリューシン76の3機編隊で、防空識別レーダーの問い合わせに応じなかったことからスクランブルと相成ったもの。今後、スクランブルは増加するだろう。
ロシア空軍の動向に敏感なポーランド軍は、防空監視機と洋上哨戒機を調達する意向を示している。それぞれ3機を調達し実戦配備したいところだが、実際に投入されるのは2026年以降となりそうだ。
それと、北欧諸国もロシアの軍事力に警戒を強めているが、ようやくフィンランド、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク 4ヶ国共同で、軍事装備品の調達を行う契約に調印した。Nordic Joint Procurement Agreementと呼ばれるもの。

米軍も対ロシア包囲網を着々と準備中だ。米海軍第 6 艦隊は、European Phased Adaptive Approachのフェーズ IIとなるAegis Ashore Missile Defense Systemが作戦可能となった。当該システムは、ルーマニアのDeveseluに配置され、開所式には、米ワーク国防副長官、NATOのスト流転バーグ事務局長、ルーマニアのシオロス首相らが出席。米軍とNATOは防衛施設だと主張しているが、ロシアはこれを認めていない。
また、米軍と英軍は、ジョージア (旧グルジア)軍がと合同演習 "Noble Partner 16"を開始。参加兵力はそれぞれ米500名、英650名、ジョージア150名で、主としてジョージア陸軍歩兵部隊に対する訓練と、防衛力強化が目的。この演習を期にファロン英国防相とジョージアのキビリカシュビリ首相と会談を行い、両国の軍事的協力関係の強化について声明を出している。これもロシア包囲網の一環である。

ロシアの対抗策は如何に。

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