阿部ブログ

日々思うこと

航空幕僚監部(空幕)にある宇宙監視班

2017年06月13日 | 雑感

防衛省の航空幕僚監部(空幕)に宇宙監視班がある。これは平成25年に締結された「日米宇宙状況監視(Space Situational Awareness:ssa)協力取極」を締結した事による。日本には、宇宙を監視する施設が2つある。それは日本宇宙フォーラム所有の上齋原スペースガードセンター(KSGC)のレーダと美星スペースガードセンター(BSGC)の望遠鏡である。これでスペースデブリを観測している。

さて、空幕は、要員養成の為、米国防総省戦略軍統合宇宙運用センター(Joint Space Operations Center:JSpOC)に隊員を派遣して教育を受けさせている。中味は、宇宙とは?など基礎的なレベルで、一般大学で教えている内容と左程変わらない。空幕は専門家から要員教育を国内で行う為、来年度の予算に計上する。

宇宙デブリなどを専門とする識者は、米国民間企業による超小型衛星ビジネスの展開には深く憂慮している。宇宙デブリが飛躍的に増えるからだ。今でも危険なのに・・・
OneWebやSpace-Xは数百、数千基と言う単位で小型衛星やCubesatコンステレーションをやろうとしている。米国政府も規制したいが、決め手がない。唯一条件を付けているのが「レーダーで観測できない超小型衛星(Chip Sat)は打ち上げないこと」ぐらい。FAAとFCCも規制の必要性を感じてはいるが、民間ビジネスに直接介入できないのが現実だ。

※過去ブログ:「日本の情報収集衛星が中国上空で機能停止と中国の宇宙戦能力
       「準天頂衛星のセンチメートルオーダー位置測位は無理らしい〜戦犯は三菱電機
       「米国の小型衛星革命イニシアティブ