阿部ブログ

日々思うこと

社会保険庁のシステムとNTTデータにみる政府系システムの無駄~やはり全体最適化が避けて通れない~

2011年10月20日 | 日記

社会保険庁の基幹システムである「社会保険(記録管理)オンラインシステム」の本番系と開発系は、NTTデータの三鷹市下連雀にあるセンターで運用管理されている。因みに開発系は地下1階にある。

社会保険庁のシステムは、マルチベンダ方式で調達されており、オンライ系は富士通(GS8000×11台)、バッチ系は日立製作所のMP5800×3台、配信系はNECのACOS×2台で構成されている。

以前のシステムは電電公社が開発したOSであるDIPSで稼働していたが、システム更改の際にマルチベンダ方式の調達となり、プライムがNTTデータ、その配下で富士通、日立、NECがそれぞれ開発を担当する事となった。
(DIPS自体は良いOSだったと思う。)

最終的にDIPSの火は社会保険庁のシステムを最後として消える事となった。(お疲れ様でした~)

DIPS時代から、現在のシステムまで延べ1兆3000億以上の巨費がこのシステム開発と運用に投じてきたと言われるが、5000万件以上の宙に浮いた名寄せデータが10年に渡り放置されてきたのは社会保険庁の無能さは勿論、NTTデータの責任も極めて大きく、かつ重大である。

政府のITガバナンスを強化する為にも、遅ればせながらNTTデータにメスを入れるべきであり、個人的には天下りは必要悪で取り立てて止めろ~とは言わないが、過去から現在に至る経緯・背景を調査し、必要な改革・改善を施す必要がある。
そして本当に社会保険庁のシステムが単独で必要か?との検証の是非とも必要。

基本的に社会保険のオンラインサービスの提供は、お役所なので基本9時~17時で、バッチ処理とバックアップを含めても繁忙期を除けば22時には終了しシャットダウンされる。つまり翌朝7時まではシステムは動いていないのだ。
クラウドコンピューティングとか言われている時代に、これは明らかに無駄だ。

今後税収が増える事は考えにくく、国家財政の自由度が急速に失われている中で、増税はやむ終えないのだろうが、しかし政府自体の無駄の排除も必須であり、やはり政府のIT全体最適は避けて通れない。

その中でもNTTデータが担う政府系システム、社会保険もそうだが、特に国税総合管理システム(一般にはKSKシステム)と呼ばれる国税庁の基幹システムにも大々的にメスを入れる時が来ている。
KSKシステムは文祥堂と言う銀座の文房具屋さんがプライムになっており、その裏には日本IBMの存在が取りざたされているが、勿論、NTTデータも勿論一枚かんでいる。(KSKシステムは陸上自衛隊・朝霞駐屯地に隣接する国税庁事務管理センターにある。)

まあ、でもメスを入れるとは言っても日本人では難しいだろうから外国から政府CIOを招聘し、その配下には元官僚の皆さん、例えば佐藤優氏や高橋洋一氏、それと9月26日付で経産省を退職した当方期待の古賀茂明氏などを配置するのが良いのではないか。まあ彼らの能力からするとIT系以外でも破壊と創造をお願いしたいものだ~

でも民主党政権ではこの手の改革はやる能力が本当に無いないので、どうせ次の選挙で民主党が大敗して、またまた政権交代となった時に、大いに活躍して頂こう。
それまで臥龍。沈思黙考で政策構想を練ろう。

放射能汚染された地域の除染をどうするのか?

2011年10月20日 | 日記
放射能に汚染された土壌の除染が大きな問題だ。

福島第1原発から10Km以内の警戒区域内では、特に西方約3Kmの大熊町小入野周辺では508ミリシーベルトと言う数値が検出されており、大熊町以外でも100ミリシーベルト超の地域があるが、このような高い数値が検出されている地域においては、一般的な除染だけだと20ミリシーベルト以下になるには10年以上かかると推測されている。

環境省によると、年間5ミリシーベルト以上の地域については国の責任で除染する方針を打ち出しているが、表土5cmの深さまではぎ取ることになると、はぎ取られた土壌の量たるや膨大なものとなるのは必然。
例えば福島県の場合、単純に縦横それぞれ3キロメートル、深さ10メートル、容積9000万立法メートルという巨大な廃棄場が必要という試算がなされているが、これは大変な量だ。

さて現在の土壌の線量が現在50ミリシーベルトと言う場所で除染を行わないままだと、20ミリシーベルト以下となるまでには、約4年かかるものとみられているが、本当だろうか?

福島以後、わが国でも初めて信頼できる除染データが公表された。
農業・食品産業総合研究機構(農研機構)が飯館村で農地の除染テストを行った。
セシウム137(半減期30年)の濃度が1kg当たり1万370ベクレル、空間線量が1時間当たり7.14マイクロシーベルトの場所で、表面の土を4センチ削り取っただけで濃度は75%減の同2599ベクレルとなり、線量も同3.39マイクロシーベルトに下がっている。

表土を剥離する以外には、表面から2センチほどを固化剤で固化した場合の計測もなされている。個化の場合だとセシウムの濃度は1kg当たり9090ベクレルから82%減の同1671ベクレルになり、空間線量も1時間当たり7.76マイクロシーベルトが同3.57マイクロシーベルトになっている。

また森林などでは、単純に地上に積った落ち葉を除去するだけでも放射線量を2分の1にできるとされているので、森林内の落ち葉の除去が推奨されるし、即実行が必要。

だが、除染の最大の課題は、山野の落ち葉や一般ゴミを焼却する際に発生する焼却灰、それと除染された地域の側溝などからの回収土もこれに含まれるが、この扱いが厄介。だが環境省は1kg当たり10万ベクレル超の高汚染の焼却灰については、何ら処置方法は定められていないので、これをどうするのだろうか?

福島では14万ベクレルという高度に汚染された焼却灰が排出さ続けているし、側溝泥だと会津若松で1kg当たり23万7000ベクレルという恐ろしい数値が出ている。関東圏だと松戸市のクリーンセンターの焼却灰からは1kg当たり4万7400ベクレルが検出されている。

東北は勿論、関東圏も含めた広域での本当は除染が必要だが、福島が優先され、その他の地域は手つかずのまま放置されるのは、明らかでこれはチェルノブイリ以上の壮大な社会実験というべきだが、これは一種の鎖国に近い状況が醸し出されているような感じがする。

今は東北・関東だが、今度は西日本で何か起きると、これは本格的な鎖国状態となる。世界経済も本格的な乱調、混乱状態に陥る事になると、これは恩寵かも知れない。