阿部ブログ

日々思うこと

醤油は 「かめびし」 が最高!

2011年10月15日 | 日記
醤油の味は麹で決まると言うが、昔ながらの「むしろ麹」で醤油を作っている、今では日本唯一となった「株式会社かめびし」。
「かめびし」は香川県東かがわ市にあり、創業は宝暦3年(1753年)の老舗。

「むしろ麹」製法とは、「むしろ」に蒸した大豆、炒って砕いた小麦、そして麹菌を「むしろ」に広げ、麹を育てる製法で、出来上がった麹は塩水と一緒に樽に仕込まれ、深いコクとふくよか&まろやかな旨味のある絶品醤油ができあがる。
勿論「むしろ麹」製法は大量生産になじまないので、ほとんどがすたれ、残ったのが「かめびし」と言う訳だ。

醤油の味を決めるのは、一に麹、二に櫂(かい)、三に火入れの3つ。これが決め手。
かめびしでは、蔵癖(くらぐせ)で諸味(もろみ)を熟成させる。かめびしの蔵には230種類もの酵母菌が棲みついていると言われ、これが独特の風味を醸し出す肝で、しかも100年以上の醸造蔵の杉桶に仕込み、2年、3年、5年、10年と長い時間と手間をかけた果てに、かめびしの絶品醤油ができあがる。

「かめびし」の濃口醤油は、仕込みから丸々2年以上熟成させ、その間幾度となく櫂入れを繰り返し、諸味に磨きをかける。
仕込みは10月初めから翌年5月にかけて行われ、純国産の大豆と炒って挽いた小麦に「こうじ菌」添加し、むしろこうじ室のわらで編んだむしろの上に広げる。この工程には4日をかけ「こうじ菌」を増殖・繁殖させる。
この「盛込み」と言われる作業は、8人がかりで何時間もかかるという大変な重労働を伴うと言う。
5日目から7日目には「こうじ」をほぐす作業を行う。これは「こうじ菌」の増殖を促進させる為の作業。この作業はむしろから「こうじ菌」をたたき落とし、再度「盛込み」を繰り返す。これを「手入れ」と言う。

「かめびし」の醸造蔵は、常に27℃~32℃に保たたれているが、エアコンは使用していない。あくまでも醸造蔵の各所にある窓の開け閉めでコントロールしている。但し、仕込みの最初の2日間は24時間体制で温度の微調整を、輪番で温度管理をするという。これは徹底している。この手間は大変なものだ。

「盛込み」が終わると「かめびし」の「もろみ」には、塩と水が混ぜられ「もろみ蔵」で更なる熟成の時を経る。
熟成開始当初は、毎日攪拌し、1年経つと2~3週間に1回程度の攪拌となる。これ以外は一切手を加えないで、寝る子は育つを地で行くが如くただひたすら時の経過をまつが、「かめびし」では10年以上寝かしてある「もろみ」もあり、最長では20年にもなると言う。

「かめびし」の醤油は、自然が作り織りなす芸術品だ。本物を知ってしまったからには醤油は「かめびし」これ一筋。