フクロウは夕暮れに

接触場面研究の個人備忘録です

規範再考2

2011-06-22 23:58:46 | research

今日は梅雨の晴れ間で30度近くまで気温も上昇。今年はぼくも教員の定期評価なるものに付されることになっているため、そのための提出資料を1日かかって作成。いかにちゃんとやっているかを示すわけだ、やれやれ。

さて、規範だが...

Neustupný (1985): Nromsには、「ある場面で適切な規範を選択する一般ストラテジー」について、まずは「その場の母語話者の規則が通常はその場面の規範に対する基盤(the base for the norm of that situation)となる」という表現がある。さらに、「この一般ストラテジーを用いて接触場面の規範の基底(the base of the norm of contact situation)が確立されるが、細かく見れば相当程度のバリエーションがある」と指摘している。

つまり、母語話者の規則がその場面の規範を確立するための基盤を提供するとしても、確立される基底規範は母語話者の規則とかなり異なっているということになる。逸脱はこのかなり異なっている基底規範を基準にして留意され、評価されることになるわけだ。...このあたりを考えると、Neustupný(2005)が規範の種類を母語規範、接触規範、二重規範、普遍規範、共有規範、グローバル規範などと分類したのは、興味深いと同時にある種の単純化の結果のようなところがあるような気がする。これはFairbrotherや加藤にも言えることだが。

一方で、基底規範が参加者相互に共有されるとしても、母語話者が想定する規範と非母語話者が想定する規範には自ずから不一致があるし、基底となった規範だけが適用されるわけでもないだろう。接触場面に向かう管理がありうるとすれば、こうしたズレや基底規範の狭間にこそあるのだろう。

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