先週末、長男のサッカーチーム”1”が、地域ブロックの大会・決勝トーナメントを戦った。
その日は2試合。2つ勝てば準決勝進出である。1戦目は、初対戦の市外のチーム。それに勝つと次の相手は、昨冬市内の大会で決勝戦で当たったチーム(以下、TAと略)か、現在次男(幼稚園)が所属し、長男が以前所属していたチーム(以下、TTと略)の勝者との対戦となる。
”1”の1試合目の前に、”TA"と”TT”との試合があった。
”TT”のペースで試合が進む。組織だった攻撃で押せ押せで攻めている。ちゃんと”攻め”の形ができているのだ。昨冬の大会で準優勝した”TA”は、その強かった面影は全くなく、圧倒されていた。結局、0-4で”TT"が勝ち、”1”が次の試合勝った場合の対戦相手となった。
そして、”1”の試合。試合は”1”ペースで進む。2点取って”これは楽勝”と思っていたのだが、その後ミスからFKを与えてしまう。やはり決勝Tまで駒を進めているチームには、上手なキッカーがいるものだ。直接決められ失点。その後、”技あり!”で1点とったものの、負の連鎖なのか、またミスから2失点して、同点で試合を終えてしまった。
トーナメントだから、PK戦である。子供は楽しみ、大人はハラハラ。今回の試合、長男はベンチだったのでキッカーにはならなかったが、それでも緊張した。今までのPK戦負けなしの”1”。キックを止められもしたが、何とか勝って次に駒を進めた。
いよいよ長男にとっては、”古巣”との対決。幼稚園当時から続けているメンバーは様々な事情でやめたりしているものの、3人ほど残っている。
長男が”TT”を離れる際、指導の先生に「対戦するのを楽しみにしています」と言われたのを思い出した。そんな対戦がこんなに早く実現するとは…。
今回その”恩師”は帯同せず、20代の若いコーチが2人、チームの指揮を執っていた(その内の1人は、次男のサッカーのコーチ)。大体少年サッカーのコーチ、あるいは監督と言えば、40以上の”オジサン”がやっているので、”TT”は他のチームとはちょっとチームの雰囲気が違う。
いよいよ試合が始まる。ベンチに向かう際に長男が「先発するよぉ」と言っていた。前の試合の流れを断ち切るためか?はたまた”古巣との対戦”ということでの温情か?とにかく長男は、前半からプレーすることになった。
試合開始。一進一退の攻防。しかしながら、”TT”は前の試合で見せた攻撃の形を取れていない。パスをことごとく”1”の選手がカットしていく。
前半、”TT”は形を作れず、枠に放ったシュートはわずか2本。一方”1”は、決定機に決めきれない。長男にもGKと1対1というチャンスがあったが、ボールはバーの上に。前半はスコアレスで折り返した。
両チームメンバー交代なしで後半開始。
相変わらず”1”の早いプレスに手を焼き”TT”は形を作れない。すると後半も半分を過ぎたあたりに、”1”のMFがボールを取って前線にいる俊足FWにスルーパス。DF1人を振り切り、出てくるGKを見ながらペナルティエリアギリギリから転びながらシュート!これがゴールネットを揺らし、”1”が先制した。
父兄はもちろん、ベンチにいる控えの選手、コーチは大喜び!1人冷静だったのが、指揮をとっていた年輩のコーチ。前の試合のこともあり、慎重のようだ。
試合を再開してしばらくすると、”TT”が選手交代をした。入ってきたのは、長男と幼稚園時代一緒にサッカーをやっていたY君だった。試合の流れを変えるために入ったようだ。
その後も”1”のプレッシャーが続く。”TT”もミドルシュートを打ってくるが、GKがセーブ。そんな展開の中、”TT”がパスミス。その球を拾って"1"のMFがミドルシュート!追加点を取った。
その後もしっかり守りきり、試合終了。”TT”との戦いに勝った。試合終了後、センターサークルでの挨拶で長男は、”TT”のY君と笑顔で握手した、と言っていた。
子供たちはいつも通りの喜びだったが、過剰に喜んだのがお母さま方。試合終了のホイッスルと同時に”キャー”。近くのお母さんどうしが抱き合い、泣いている人も…。確かに”グッ”とくる試合であった。僕もちょっと”ウルッ”ときてしまった。
試合後、”TT”のY君のパパ・ママに「おめでとう」「完敗でしたね」と声を掛けられた。嬉しいの半分、(何故か)恥ずかしいの半分。カミサンは同じ言葉を、”TT”のコーチから言われたそうだ。
正直”TT”だけには負けたくなかった。もし、負けていたら相当悔しかったと思う。本当に勝って良かった。
翌月曜日。長男とともに試合のDVDを見る。”ここは惜しかったなぁ”、”ここはオレのミスだ”など、珍しく反省しきりだった。
優勝まであと2つ。次のチーム”F”は、両ウイングが速く、CFのエースもかなり上手いようだ。勝てるかなぁ。
「次の試合も勝てるかなぁ」と聞いた時、次男が「”勝つ!”という気持ちを持って戦えば勝てるんだよ」と。この言葉は、長男の試合が始まるのを待っている間に、隣で話していた他のチームのコーチが言っていたことの受け売り。
次男よ、その言葉よ~く覚えておくんだぞ!
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