◎映画『ランボー』(1982)を鑑賞した
数か月前、映画『ランボー』(一九八二)を鑑賞した。本年五月に『ロッキー』(一九七六)を観て、『ランボー』も観たくなったのである。
『ランボー』もまた、傑作であった。ベトナム戦争によって、アメリカ将兵とアメリカ人が負うことになった深刻なトラウマを、いかにも「アメリカ」風に描いている。
サミュエル・トラウトマン大佐(ランボーの元上司)を演じたリチャード・クレンナも良かったが、それ以上に、ティーズル保安官を演じたブライアン・デヒネーが良かったように思う。
ティーズル保安官は、町にやってきたランボーを、単なる「流れ者」(drifter)としか見ない。あとから、ランボーがグリーンベレーの隊員だったと知るが、それでもランボーに対する評価を改めない。国防総省から派遣されたトラウトマン大佐に対しても、まったく敬意を払わず、その忠告を受けいれなかった。あくまでも保安官として、そのプライドを維持し、その職務を全うしようとしている。
この保守的なアメリカ市民を、監督のテッド・コッチェフは、冷ややかな眼で描いている。ブライアン・デヒネーは、その監督の期待に応え、その役柄をみごとに演じている。
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