私のつれづれ草子

書き手はいささかネガティブです。
夢や希望、癒し、活力を求められる方の深入りはお薦めしません。

有為転変

2011-03-29 | 13侘ぶ寂ぶ哀しむ
最近、この世を去られた方や、長くお勤めだった会社や団体を退かれた方の情報を得ることが多い。

今日も、ブランドにこだわらない私が、鞄だけはそこのものをずっと使っている某ショップの店長さんが、去年の夏退社されていたという事実を知らされた。

二十年近く、愛してやまないそのブランドの製品を、大切に大切に扱ってこられた女性だったが、ご家庭の事情で、挨拶状等の手配もなく、急遽退職されたのだそうだ。

年齢的に誰もが抱えることになる、親御さんの健康問題に発したことのようだ。

例によって、彼女の販売だけにとどまらない、商品に対する深い愛情と誇りに根ざした対応を引き継ぐ店員さんはいない。


世の中は、一時として同じ状態にとどまることはないのだ…ということを強く感じる。

絶望の淵にあっても、それは永遠に続くものではなく、今、飛ぶ鳥を落とす勢いであっても、栄耀栄華がいつまでも続くものではない。

無常観は日本人の心の底にしっかりと息づいていて、震災当初の各国が称賛する国民の在り様の拠り所になっているだろう。

そのうちにその称賛が、理解できない国民性だという評価に変わる日も来るだろうけれども、それとても移ろってゆくものだ。


有為転変。
時は移ろい、永久に固定された状態であることはない。

良い悪いではなく、そうした観念に深く支配されていると思う。

一喜一憂せず、悠久の流れの中で、坦々と人としての生命を生きるしかない。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 伝説のおやじさん | トップ | それでも怒りは沸々とたぎっ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。