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 玉川上水の木漏れ日の下

 ワヤン・トゥンジュク梅田一座のメンバー katakura のブログ  since 2013

スペイン旅30「懐かしい未来」ソフィア王妃芸術センター

2019-01-14 | スペイン旅

ソフィア王妃芸術センター新館のラウンジ

 ソフィアの見学でよく歩いたので喉が乾いた、ビールが飲みたくなって新館にあるラウンジに寄ってみた。
 そこはまるでSF映画のセットような不思議な世界でした。
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 この空間はSF映画のようなのですが、どこか古い感じの「懐かしい未来」でした。
 私が子供の頃、まだテレビが白黒だった時代に観ていたアメリカのコミカルなSFテレビ映画のような世界。”不気味な音を出す空飛ぶ円盤” ”頭にアンテナを立てた火星人” ”悪い博士が作ったロボット”とか、そんなのが出てくる映画です。良く言えば懐かしく?悪く言えば馬鹿らしい?
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 このラウンジに入って「なんなんだこれは!凄いな〜」と私たち全員が驚きました。
 みんな目を丸くして「凄いネ!」「不思議だネ!」「面白いネ!」と口々に感想を述べるのですが、誰一人「ここに腰掛けてビールを飲もうヨ」とは言いませんでした。
 私たち日本人とスペイン人の田舎者一行は、誰もこの「超最先端の空間デザインの素晴らしさ」が理解できなかったようです・・・と言うような難しいことではなく、ただ「ビールはもっと何でもないところで飲みたいね」と思っただけでした。
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 私たち田舎者一行は、この後すぐ近くの広場にある「ごく正常な」バルで冷えたビールを楽しく飲みました。揚げたてのイカリングフライとアスパラサラダが美味しかった。
 メデタシメデタシ


ソフィア王妃芸術センター新館 外観
この写真では「なんだかよくわかりませんね。」
でもこの現場にいても「なんだかよくわかりませんでした。」
オシマイ

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後日調べてみました。
この新館の設計はジャン・ヌーヴェルさん。
世界的に活躍している超凄い建築家です。
汐留の電通本社ビルも設計しています。




スペイン旅 29「なんだかカッコいい!」ソフィア王妃芸術センター

2019-01-13 | スペイン旅

(ソフィア王妃芸術センター:ロシア構成主義展)

「これは一体なんだろう?」
壁のコーナーをうまく使った立体構成の作品。
なんだかよくわからないけど「なんだかカッコいい!」
構成物を見るのか?壁に落ちた影を見るのか?どちらが作品なのか?
まるでワヤンのようですね・・・あれ?

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ソフィア王妃芸術センターを訪れました。
マドリードには大きな美術館が三つある、
プラド美術館、ティッセン美術館、そしてこのソフィア王妃芸術センターです。
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 このソフィアの目玉はピカソの名作「ゲルニカ」。
 でもゲルニカは撮影禁止、さらにゲルニカだけではなくこのフロアー全体が撮影禁止の厳戒態勢。トランシーバーを持った係員の人数も他の階より多く、とても緊張感のある雰囲気。ゲルニカが超有名な作品と言うことだけでなく政治的な意味の強い作品だからでしょうか?
 ゲルニカの前にいる見学者も凄い数、大盛況でした。
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 ソフィアではちょうど「ロシア構成主義(1910年代半ばにはじまったソ連での芸術運動)」の企画展も行われていました。この展示会場は見学者も少なくゆっくり鑑賞できて、充実した面白い内容でとても良かった。
 タトリン、リシツキーなど、学生の頃から写真で憧れていた作品を実際に見ることができて感動した!スペインでリシツキーの実物を見れるとは思いませんでした。
 ロシア構成主義の作品には今見ても少しも古さを感じさせない”パワー”がありました。
 100年前の作品なのにどれも「なんだかカッコいい!」


「ロシア構成主義展」会場風景


「ロシア構成主義展」こんな映像展示もありました。楽しいネ。

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「ゲルニカ」1973年 タテ 3.49 m × ヨコ 7.77 m 
とても迫力のある大作でした。素晴らしい!


ソフィア王妃芸術センター 外観
18世紀に建てられた病院を改築して1992年に開館したそうです。
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スペイン旅 28「お土産物屋さん」マドリード

2019-01-11 | スペイン旅

マドリード旧市街のお土産物屋さん

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 マドリード旧市街の裏通りを歩いていると、時々こんな「お土産物屋さん」に遭遇する。お店の前のアーケードまで所狭しと商品を並べていた。
 この楽しげな雰囲気、なんだかバリ島を思い出す。もっとも今のバリはお洒落なお店が多いから、サヌールの裏通りにあるような昔ながらのお土産物屋さんの感じかな?
 このゴチャゴチャとしたお土産物屋さん独特の空気感、私は好きです。
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 我が家の子供たちがまだ小さかった頃、バリのお土産物屋さんでよくまけてもらったことを思い出します。子供達はすでに気に入ったお土産を固く握りしめてしまっているので、お店側の圧倒的なアドバンテージで値切り交渉開始となるのですが、それでも笑顔でまけてくれたものです。楽しい思い出です。
 そんな楽しい雰囲気がこのお店にはありました。商品をよくみると子供達が欲しがりそうなものや子供サイズの服が多い。ターゲットは「孫へのお土産を探している、おじいちゃんおばあちゃん」なんでしょうね?・・楽しいですね。


「オラッ(こんにちは)何かお探しですか?
かわいいお孫さんへはフラメンコの赤いドレスはいかがですか〜?
お似合いだと思いますよ〜。
男のお孫さんへはリアルマドリードのTシャツもございます。
どちらもお安くなっております、ハイ。」

スペイン旅 27「プリント建築」マヨール広場

2019-01-09 | スペイン旅

観光客らしきお二人が見上げている中央の「旗」。
足場の仮囲いにプリントされた写真なんです。
影とかリアルで本当の旗があるように見えるでしょ?・・これが面白い。
現場でも「あれ〜?」と思わず近寄って確認したくなる。
このお二人も多分「あれ〜?」と思ったんでしょうね。ハハ。
この建物の「壁・窓・手すり・装飾」すべてが工事用の仮囲いに施されたプリントなんです。
これがとてもよくできているから面白い。
「プリント建築」です。

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マドリードの旧市街「マヨール広場」。
メンテナンス工事用の足場に建物全体がプリントされていた、
訪れた観光客をがっかりさせないための配慮なんでしょうね。
日本でも観光地で最近よく見かける光景です。
今のプリント技術は凄いですね。


広場はこんな感じです。
これでも結構雰囲気は出ていて楽しかったナ。

スペイン旅 26「闘牛」マドリード

2019-01-03 | スペイン旅

身体の軸のブレのない素晴らしい身のこなし・・オレッ!
(お正月から血まみれの写真でスミマセン)

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マドリードで闘牛を観た。
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この闘牛士は素晴らしかった。
瀕死の牛が突き上げてくるこのツノで突かれたら彼は死ぬ。
それを恐れることなく、堂々とした彼の立ち振る舞いに観客は惜しみない喝采を送る!
無駄がなく美しく、まるで洗練された「舞」を見ているようだった。
・・・・・・・・・
牛は倒され闘牛は終った。
稀に見る素晴らしい闘牛だった。
私は闘牛は初めてなので基準がよく分からないが・・そうらしい。
興奮した観客たちは闘牛士に声援を送りながら、会場の上段に位置した判定員席を見上げる。
やがてこの闘牛を見守る判定員たちからも「素晴らしい!OK!」の合図がでた。
これで「この闘牛が素晴らしかった!」と正式に会場中が認めたことになる。
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この瞬間からの会場が凄い!!
場内は観客全員が「白いハンカチ(布)」を振り大歓声で闘牛士を讃える。
よく覚えていないが、楽隊が勇壮な音楽を奏でていたような気もする・・。
闘牛士は栄誉の印の「倒した牛から切り取ったばかりの耳」を掲げ、
場内をゆっくりとした足取りで回り観客の歓声に答える。
観客席からは花や贈り物が闘牛士に向かって投げ込まれる、
まるでフィギュアスケートのリンクのようだ。
場内はワーワーと凄い熱気に包まれていた。
・・・・・・・・・
そんな中、殺された牛は馬に乗った係りの人たちに引かれ場外へと運ばれていった。
牛が引かれた血の跡を何人もの係員が手際よく掃いて何事もなかったように消していく。
そして会場は次の闘牛を待つ・・。
・・・・・・・・・
初めて闘牛を観た私は複雑な思いだった。
闘牛士に拍手を送りながらも楽しい気持ちにはなれなかった。
この場に引き出された「牛がかわいそう」だと思った。
闘牛士を見つめる「牛の目が悲しそう」だとも思った。
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でも「闘牛」をそんな単純な視点で非難しようとは思わない。
「闘牛」はスペインに伝わる彼らの大切な「文化」なのだ。
自分たちの単純な物差しや感情で軽々しく他国の文化を批判するのはよろしく無い。
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現在のスペインでも闘牛には賛否がある。
実際に7年前からカタルーニャ州では闘牛は禁止されている。
バルセロナの巨大な闘牛場は今はショッピングセンターに改装されていた。
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私の親しいスペイン人たちにも聞いてみた、
みなさん子供のころから親に連れられて闘牛を観てきた世代だ。
「闘牛が大好きでスペインの伝統として誇りに思っている。」
「闘牛は伝統として大切だと思うけど自分は怖いから観ない。」
「牛がかわいそうだから闘牛はやめたほうがいい。」
意見は様々だった。
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スペインの闘牛はこれからどうなるのだろう?
それはスペインの人たちが考えて決めることですね。



スペイン旅 25「美人薄命」ティッセン=ボルネミッサ美術館

2018-12-26 | スペイン旅

ドメニコ・ギルランダイオ作「ジョヴァンナ・トルナブオーニの肖像」(1489年頃)
ティッセン=ボルネミッサ美術館
本当に美しい人です、見とれてしまいます。

 この美しい女性はフィレンツェの高貴な生まれの「ジョヴァンナ」さん。フィレンツェの超名門ロレンツォに嫁いだのですが1488年に出産が原因で亡くなってしまいます。
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 この絵は彼女の死の翌年に描かれています。
 背景に描かれた紙片にはラテン語で「1488」と彼女の亡くなった年が記され、赤いネックレス(ロザリオ)や祈祷書が描かれています。「生前の美しい姿」と「死と祈りに関するもの」が同時に描かれている鎮魂の肖像画。とても悲しい絵です。
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 「美人薄命」と昔から言われています。
 美しい人ほど病弱で悲運で短命であったりする。この美しい横顔を見つめていると、「本当にそうなんだな〜、美しい人は薄命なんだ〜」とつくずく思いました。
 私の周りにも「美人薄命」を心配しなくてはいけない方々がたくさんおられます。みなさん「体だけは大事にしてください」・・美人なんですから。
 でも皆さんとても元気だし、よく食べてよく笑いよく寝ている、・・あまり短命な感じはしないので私は安心しています。


全体はこんな姿。
美しい人です。


スペイン旅 24「デューラーの手」ティッセン=ボルネミッサ美術館

2018-12-25 | スペイン旅

デューラーの名作「博士たちと議論するキリスト」(1506年頃)
ティッセン=ボルネミッサ美術館

 アルブレヒト・デューラーは「手」を描くととても上手い。もちろんデューラーだから何を描いても上手いのだが、特に「手」が上手い。
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 この「博士たちと議論するキリスト」は「手」が絵の中心に描かれている。若きキリストの手とユダヤの老博士の手。とても面白い構図だ。
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 この絵の物語は聖書からのエピソード。まだ若いキリストがユダヤの老博士たちと神学に関する高度な議論を交わしている様子、キリストの神の子としての知恵を示すエピソード。キリスト教史上とても重要な出来事であるらしい。
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 それまでの宗教画は「神」が絵の「中心」に描かれるのが普通だった、でもこの絵の中心にはキリストではなく「手」が描かれている、若きキリストは少しハニカミながら他のユダヤの老博士たちと同様に絵の縁に描かれている。
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 この頃から宗教画を描きながらも画家たちの描くテーマが変化していく時代になる。
 キリストを描きながらも「神」は絵の「中心」には存在しない、それまでの神の賛美のための宗教画から絵画の新しい表現が自立していく時代の面白い構図です。


それにしてもデューラーは「手」がとても上手い。
この絵のための手だけの素描も残っている。
私は学生の頃、写真を見ながら模写をしてみましたが上手く描けなかった。
「なかなかこうはいきません」

スペイン旅 23「カルパッチョの謎」ティッセン=ボルネミッサ美術館

2018-12-16 | スペイン旅

カルバッチオ作 「風景の中の若い騎士」(1510年頃) ティッセン=ボルネミッサ美術館
この鎧の中に写り込んでいるものはいったい何か?
室内のようにも見えます、レースのカーテンをつけた背の高い窓が並んでいる?
・・不思議な絵です。でも「カルパッチョの謎」とはこのことではありません。

・・・・・・・
 イタリアの画家の名前「カルバッチオ」とイタリアの料理の名前「カルパッチョ」はとても似ているが別物だと長いこと思っていた(私だけかも)。これが同じ「Carpaccio」だということを今回やっと知りました。最後の「cio」をどうカタカナ表記にするのか、その差のようです。
 もう一人、イタリアの画家で「カラヴァッジョ」もいるのでこれまたややこしい。
・・・・・・・
 読みは「カルパッチョ」と納得しても、料理名を画家名と同じにするのが紛らわしい。
 でも今の日本では「カルパッチョ」と聞いてイタリアの画家を連想する人の方が希少だとも思う。試しに「カルパッチョ」で検索するとレシピが出てきた。こう言う私も、居酒屋のメニューを見て「カルパッチョ」とあれば、魚介類のオリーヴオイル料理を連想して、イタリアの画家のことなど全く思わない。
・・・・・・・
「料理カルパッチョの由来」
 近年、イタリアの料理人が「画家カルパッチョの赤」を再現したという生牛肉料理を創作したのが始まりだそうだ。私たちがよく食べる新鮮な魚介類をオリーヴオイルとハーブで和えた料理は、ごく最近の「和製カルパッチョ」。・・これで長年の「カルパッチョの謎」がとけた気がする。
 画家も料理も「Carpaccio」


銀鮭のカルパッチョ (レシピ大百科より)
白ワインがこわくなる。
「カルパッチョの謎」



スペイン旅 22「スペインにはレンガ色がよく似合う」ティッセン=ボルネミッサ美術館

2018-12-15 | スペイン旅

ティッセン=ボルネミッサ美術館
正面にはカルバッチオの名作「風景の中の若い騎士」(1510年頃)
(注:カルバッチオはイタリア・ヴェネツィア派の画家の名前。ところでカルパッチョは牛生肉や鮮魚を使った料理の名前。・・あれ、これはもしかして同じ名前?)

・・・・・・・
 美術館のインテリアの印象は「淡〜いレンガ色」。人口塗料の発色ではない自然素材の落ち着いた質感なので素材はレンガかな(?)。
 この色がインテリア全体の壁面に使われています、天井と床が白系なのでコントラストがとても美しい空間でした。スペインのような日差しの強い風土にとても良く似合う色彩だと思いました。
 「スペインにはレンガ色がよく似合う」
・・・・・・・
 話はとびますが、スペインのテニスコートは「クレーコート(アンツーカーコート)」が多い。これは高温で焼いたレンガを粉にした赤褐色の土のコートです。スペインの強い日差し、真っ青な空と赤いレンガ色のコートはとてもよく似合う。(・・そう言えばナダルは元気かな?)
 「スペインにはレンガ色がよく似合う」
・・・・・・・
ティッセン美術館とプラド美術館はすぐ近くにあります。でも私たちは日を変えて訪ねました、同じ日に二つの美術館めぐりは疲れ切ってしまうから。
 ここのコレクションも凄い!
 デューラー、ホルバイン、ティツィアーノ、ルーベンス、レンブラント、ギルランダイオ、カルバッチオ。近代はモネ、ルノワール、ドガ、ゴッホ。20世紀はピカソ、ダリ、モンドリアン。とにかく凄い作品数です!ゆっくり鑑賞するのには ティッセン美術館だけでも三日はかかりそうです。
・・・・・・・
 この美術館のコレクション。ドイツの大財閥ティッセン=ボルネミッサ家の個人コレクションが元になっています。この大財閥に1985年に嫁いだのが元ミス・スペインの絶世の美女(見たことないけど多分そう)カルメンさんでした。(まるで映画のようなお話です)
 その縁からこの素晴らしいコレクション全てがスペインに来ることになります。1992年にこの美術館がマドリードで開館しました。・・カルメンは凄い!!
・・・・・・・
 現在の美術館はカルメンさんの個人コレクションもさらに加わり、ますます充実しています。素晴らしい!


エントランスホールの肖像画
ティッセン=ボルネミッサ男爵と妻カルメン(とワンちゃん)


エントランスホール
「スペインにはレンガ色がよく似合う」


古い建物を生かした素敵な外観でした。
「スペインにはレンガ色がよく似合う」



スペイン旅 21「ハイ!これありました〜見ました〜」プラド美術館

2018-12-12 | スペイン旅

プラド美術館:足場の光景
この光景、なかなか気に入ってます。
左下のシルエットの彫像は「椅子に座ったベラスケス」。
よく見ると・・中央下に「散歩の犬」・・シッポの角度が可愛い。


 プラド美術館はスペインで最大の美術館。とにかくものすごく大きくて広い。作品の数もものすごく多い、それも超名作ばかりです。ベラスケス、ゴヤ、グレコ、ブリューゲル、ボッシュ、デューラー、ティツィアーノ、ティントレット、ルーベンス・・などなど。
・・・・・・・・
 プラド美術館には4時間ほどいました。
 目星を付けた作品の前を通過しながら、「ハイ!これありました〜見ました〜」「ハイ!これありました〜見ました〜」と指差し確認をしながら足早に移動していきましたが、それでも全館はとてもまわれません。この美術館をゆっくりと鑑賞するのには一週間はかかりそうです。
 仮に、ここにあるゴヤが数点だけでも「上野の森」に来ると、「・・こちらが最後尾となっております・・入場までおよそ3時間ほどお待ちいただいております・・」とハンドマイクでのご案内状態になるでしょうから、プラドのコレクションは凄い!!
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 私たちは館内を早足でまわった最後に、プラドにレンブラントが一点だけあるのを思い出し「記念に一目見たい!」と、手元のパンフレットにある地点まで行きましたが見当たらない。近くにいたスタッフに尋ねました。「レンブラントはどこですか?」
 すると「先週移設しました、今は新館にあります。ここを真っ直ぐ行ってティツィアーノを通り過ぎ、ゴヤの手前を右に曲がり、次にグレコを左、エレベーターで地下に行き新館へ、ルーベンスを抜けて、突き当たりの階段を上がると、レンブラントがあります。」
 この説明はデタラメですが(よく覚えていないので)、でもだいたいこんな感じのことを教えてくれました。「ゴヤの手前を右に」とか「ルーベンスを抜けて」とか・・凄い道順だな〜と感心しました。
 そして私たちは「レンブラント」にたどり着くことができました。その絵は新館のとても奥まったところにポツンとありました、周囲には誰もいません。レンブラント貸切です。
 「ハイ!これありました〜見ました〜」とても良かった!



プラドのエントランスロビー
現代的な綺麗な空間でした。

スペイン旅 20「一階にも出口があったの?」アトーチャ駅

2018-12-09 | スペイン旅

アトーチャ駅(マドリード)待合ホール

まるで植物園のような大空間。
大きな熱帯系植物で溢れていました。
屋根架構はそのままに残し、プラットホームだった床部分を改修しています。
ディズニーランドのジャングルクルーズのような楽しげな空間でした。
この空間と連続して現在のプラットホームと新駅舎があります。
・・・・・・・・
「日本だと新駅舎を作るときは旧駅舎は取り壊してしまう、土地がないからネ。スペインは古いものを保存できて良いね」とスペイン人に言った。
「そうですネ、スペインは広い。良いでしょ。」との返事。羨ましいことです。
・・・・・・・・
 この駅で、コンチ(兄嫁)達と合流する予定だったがうまく会えない。どうやら待ち合わせ場所が違うようだ。
 申し合わせでは「列車から降りて真っ直ぐ進むと出口があるからネ。そこで待ってるネ。」これだけの情報である。まことにスペイン人らしいおおらかな表現である。言われた通り「真っ直ぐ進んだ出口」で待っていたのだがいくら待っても来ない。こんな巨大な駅である、「真っ直ぐ進んだ出口」が沢山ありそうだ。
 連絡を取りたくても海外対応の携帯電話を持っていない。仕方がないので公衆電話を探す、次に使い方がわからない、お金を入れるタイミングがわからない、頭の番号がわからない、近くのお店の人に使い方を聞いてやっと連絡がつく。
 彼女達は「真っ直ぐ進んだ『二階』の出口」で待っていたのでした。「え〜!一階にも出口があったの?ハハハ」と大笑いのコンチさん。・・あなたはスペイン人です。


旧駅舎。(1892年完成)
終着駅の雰囲気がありました。


コーヒーラウンジもあって楽しそう。
植物があると気持ちが良い。



スペイン旅 19「自由なんです」ミロ美術館

2018-12-03 | スペイン旅

ミロ美術館 バルセロナ

 ミロ美術館はバルセロナ市街を一望するモンジュイックの丘に建つ現代美術館。
 絵画・彫刻・タペストリー・版画・ポスターなど大きなものから小さなものまで、カラフルなものから素朴なものまで、自由奔放なミロの作品が館内に溢れていました。およそ10,000点はあるらしい、凄い数です。
 どこを見てもミロ。いくら見てもミロ。もっとよくミロ。強い子のミロ。
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 ジョアン・ミロはバルセロナ生まれの芸術家、詩人ブルトンやピカソとも交流があったそうです。
 この美術館はミロ自身が構想し、ミロの友人たちも協力して1975年に設立。現在はミロの構想に従い若い実験芸術家たちの活動のセンターともなっています。
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 美術館併設の図書館にも自由に入れます、係の人も親切で楽しかった。
 この建物がとても素敵だったので、図書館のカウンターの人に設計者を尋ねました。すると「この美術館の設計はね、ミロの友人のセルトが無償で担当したのよ、カタルーニャ人の建築家。この建物は近代建築の名作なのよ〜・・アラ〜知らなかったの?・・常識よ〜」と多分こんなことを係の女性がカタルーニャ訛りの英語(たぶん)で教えてくれました。


何も知らない東洋人の私たちを哀れに思い「この本をミロ!」
と、建築家セルトの本を出してくれました。
(販売もしていましたが、本は荷物が重くなるので買いませんでした)
勉強になりました。グラシアス。

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よくミロ。
「絵を描く技術なんて必要ないのサ、バケツがあれば充分サ」
ミロの声が聞こえてくるようです。
自由なんです。


自由なんです。


この屋上のアチらコチらに置いてあるカラフルなものは全てミロの作品。
(屋上用の掃除道具ではありません)
「どんなものでも作品になるのサ」
自由なんです。


ミロ美術館エントランス。
右端に可愛い彫刻がありました。


この子は男の子でした・・Why?
自由なんです。

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「強い子のミロ」
(このCMを知っている人はかなり古いですね)

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スペイン旅「バルセロナ」もやっと終わりです(たぶん?)。
次は「マドリード」に向かいます。
のらりくらりと、とても時間のかかるスペイン旅です。
ノラリ・クラリ・フニクリ・フニクラ・クラ

スペイン旅 18「海を見ていた午後」モンジュイックの丘

2018-12-01 | スペイン旅

モンジュイック城からはバルセロナ港がとてもよく見える。
遠くに地中海の水平線。
海の色が「モ〜素敵!」

 バルセロナは港街である。
 やれガウディだ、ピカソだ、なんだかんだ、と忙しく街中を駆け回っていると、港街であることを忘れてしまう。でも街の広場にはコロンブスの銅像があるし、考えてみるとバルセロナは地中海に面する港湾都市として発展した。
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 地下鉄パラレル駅からフニクラという登山電車に乗ってバルセロナを見渡せるモンジュイックの丘に登った。(フニクラは懐かしの名曲「 ♪フニクリフニクラ〜!」のあれである。この曲はイタリアの歌だが、スペイン語でも登山電車のことは同じくフニクラと呼ぶらしい)
 急勾配を登って来たフニクラの駅を出る。目的地は丘の中腹にあるミロ美術館だったが、ここで突然「青い海を見てみたい!」などとまるでユーミンの歌のようなノリになってしまった、私たち。
 そこで予定を変更。今度はゴンドラ(ロープウェイ)に乗り換え、標高184mの丘の頂上にあるモンジュイック城に向かった。頂上まで行けば「海が見えるはず!」と地図を睨んで強くうなづく。
ーーーーーーーー
 そして頂上。青い地中海が見事に見えました!
 この午後の海を眺めながら、気だるそうなユーミンの歌が流れるはずだったのですが、うまく曲が思い出せない。頭の中では津軽海峡系演歌が流れたりして困った。後から考えるとユーミンの名曲「 ♪ 海を見ていた午後」を思い出したかった、私たち。


フニクラ(登山電車)「 ♪フニクリフニクラ〜!」
サイズが可愛い、デザインも綺麗。
地下鉄との連絡なので地下ホームからの出発です。
(地下鉄の切符のまま乗り継げて便利)


フニクラからゴンドラに乗り換えて頂上を目指す。
ゴンドラは丘をどんどんと登って行きます、楽しい!


そして地中海が見えて来るではありませんか!
「ホラ!思ってたとおりだ!」
と、とても盛り上がるゴンドラ内の東洋人夫婦。


バルセロナの海と街に睨みをきかせるモンジュイック城。
「カタルーニャの旗」がはためいていました。
バルセロナはカタルーニャなのです。


ま〜素敵!
こんな巨大な客船が何隻も停泊しているではありませんか。
地中海クルーズでしょうね、どんな人が乗るのかしら?
イイわね〜。
・・・「 ♪ 海を見ていた午後



スペイン旅 17「現代のガウディ」サンタ・カタリーナ市場

2018-11-29 | スペイン旅

とても活気がある市場でした。
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ウネウネとした屋根は2005年の改修。
屋根の下のアーチが連続する白い建物は1848年の改修。
時代の異なる二つの建築表現が融合した面白い建物です。

 ここでバルセロナの現代建築のご紹介。
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 「サンタ・カタリーナ市場」は2005年に「現代のガウディ」と呼ばれるバルセロナの設計事務所EMBTによって改修されたとても面白い建築です。
 この市場、古くはここにあった修道院が1848年に市場として改修されました。そして150年後の2005年、建物全体を大きな屋根で覆う現在の姿に再改修されました。面白いネ。
 地元客で賑わうバルセロナの人気市場です。ワイワイ!


ダイナミックな屋根の架構が印象的な内部空間。
のびのびとしていて気持ちが良い!
素敵な空間です。
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屋内には、黄色地に赤の「カタルーニャの旗」でいっぱいでした。
バルセロナはカタルーニャなのです。




スペイン旅 16「ベラスケス大好き」ピカソ美術館

2018-11-26 | スペイン旅

ピカソ美術館 バルセロナ
街に溶け込んで目立たない入口、人も少なく通り過ぎてしまいそうでした。
この美術館に並ばずに入れるのは珍しいようです。

 建物は13~14世紀に建設された隣接した大邸宅数軒を継なげて大改装、1963年に開館しました。外観は古い建物のままなので古い街並に溶け込んでまったく目立ちません、「Museu Picasso」の小さなプレートがあるだけでした。渋い。
ーーーーーーーーー
 この美術館にはピカソの若いころの作品が多くありました。初期の絵を見ていると「ピカソは本当に絵が上手い!」と改めて感心します。あまりにも上手すぎて普通の絵ではつまらないから、どんどんと先へ進んでいってしまったのですね、天才ですから。
ーーーーーーーーー
 この美術館には晩年に描いた「ベラスケス大好き」シリーズの連作もあります(こんな呼称はありませんが)。
 ピカソは75歳を過ぎた頃からスペインの巨匠ベラスケスの名作「ラス・メニーナス」を題材にした作品を描きました。これは58点もの連作でその全てがここバルセロナのピカソ美術館にあります。とても楽しい作品です。見ていると思わず口元が緩んでしまう。
 「ベラスケス大好き」な天才ピカソでした。


ベラスケスの名作「ラス・メニーナス(女官たち)」 プラド美術館蔵
・・・この絵が・・・


・・・こうなったり


・・・こうなったり


ベラスケスの名作「マルガリータ姫」
・・・この姫が・・・


・・・こうなったりします。
ーーーーーーーーー
楽しいですね。
何故このようになるのか?
ピカソだけが知っている。
・・天才だから。


ピカソ美術館がある「ムンカダ通り」
左側の上部工事ネットの建物が美術館ですが、全然目立ちません。
歩きながら「ほんとにこの通りにあるの?」と不安になります。