練習オタクの日々

3日ぼうずにはしたくありません!この日記とピアノのお稽古。練習記録とその他読書などの記録をつけておきます。

『ホームレス中学生』 田村裕

2007-11-29 | 読書
案外よい本でした。期待しないで読んでました。すみません。

話題になっているような、ホームレス生活のシーンはさすがにほんの一部分だったけれど、
それでもかなり「生きて行く」ことに苦労している様子が延々とつづられていて、
これがまったく全て事実なのかな?と思うところもあるけれど、
読みながら、今の自分の生活がいかに恵まれているのか改めて思ったりする。

こういう極限の生活はやらないで済めばそれに越したことはないけれど、
いざ、そうなったときに、なにがなんでも生きてゆく根性みたいなものは人間なら持っていないといけないな、と強く思う。
なりふりかまわずとにかく死なないで生きてゆく、っていう話が基本的に好きなのだ。
(桐野夏生さんの作品に通じるところがあるかも)

この本は、その他に、幼いときに亡くなってしまったお母さんに対する強い気持ちが綴られていて、本人も書いているがちょっとマザコン的ではあるかもしれないが、
やはり自分も母親のはしくれをやっているのでグッときてしまった。
お母さんの存在って、もう理屈抜きに、子どもにとっては大きなものなんだな・・・。

大人も子どもも、あまり人の好意に甘えすぎると、やってもらって当たり前、みたいに傲慢になってしまうけど、
これを読んで少しは反省しないとね。