練習オタクの日々

3日ぼうずにはしたくありません!この日記とピアノのお稽古。練習記録とその他読書などの記録をつけておきます。

『徳川将軍家十五代のカルテ』 篠田達明

2007-11-04 | 読書
著者はお医者様であり、作家。
医師という視点から、徳川家の将軍15人について、健康状態、精神状態、死因などを検証する、という興味深い一冊。

家康が鯛に当たって死んだ、というのは有名な話だけど、
著者によると実際の死因は鯛うんぬんというよりはそれ以前から家康公は癌に侵されていて、体が弱っていたところに食あたりが致命的になった、という分析だ。

徳川家の習慣として、死亡したときの身長と同じ長さの位牌を作っていたらしいことから、将軍の中には身長が伸びない病に侵されていた人物がいた、
とか、健常者ばかりではなく、障害者が少なくとも二人はいた、
など、意外で驚くような記述も・・・。
(でも、障害者であっても長子世襲制度にのっとって将軍職につかせていた、ということに意味もある、と著者は記している)

これを読みながら、ドラマの『大奥』を思い出していた。
なるほどあのドラマの通りだったところもたくさんあるなぁ・・・と。

菅野美穂ちゃんがお嫁入りした沢村一輝演じる家定には顔面に醜いあざのようなものがあって、癇も強かったなぁ、とか、
その次の将軍、家茂はカッコよくて病弱だったと書いてあれば、確かに安達由実ちゃんが正室で、政略結婚なのに仲よく暮らしていたのにすぐ死んでしまったなぁ、とか、
家光役の西島秀俊は精神不安定な感じがよく出ていたなぁ、とか。

そんな風に人間の性格、とか暮らしぶりとか、もっともっとひとりの人間としてどんな人生を送ったか、ということを知ってゆくと歴史の勉強ももっと楽しくなるんだろうな。