Hさんから指摘されて、ずっと気になっていることがありました。「クルミの殻の割れ目に齧り痕がないものは、リスが食べたものでなく、自然に発芽した殻ではないですか?」
割れ目の齧り痕を確かめもせず、「これは、オニグルミをリスが食べた痕です」と、知ったかぶりをしてきた私。恥ずかしくなりました。確かめるために、ブログ『野ネズミ食痕』2013/03/09に紹介したときに神通川から拾ってきたオニグルミの種を鉢に植えました。http://blog.goo.ne.jp/1948goodspring/e/752635766d10694b1b4f9d4e509cc11e
植えたあとしばらく忘れてしまっていましたが、気づくと4本の苗が育っていました。
《鉢にまいた種から育ったオニグルミ 2013/06/28》
せっかく育ってきたのにかわいそうですが、殻がどうなっているのか確認するため、根を慎重に掘り出して水洗いしました。実生苗の根元(土の中)に、子葉が入った殻が半分に割れて付いています。
《オニグルミ実生苗の根元(殻は土の中) 2013/06/28》
半分にわれたオニグルミの殻は、縫合線から滑らかに割れています。
《縫合線から滑らかに半分に割れ実生苗の根元に付いているオニグルミの種 2013/06/28》
4本の実生苗に付いていた殻をきれいに洗いましたが、すべて縫合線から滑らかに半分に割れていました。
《縫合線から滑らかに半分に割れていたオニグルミの殻 2013/06/28》
リスがクルミを食べるとき、 殻の縫合線に沿って歯を差し込んで二つ割にするので、部分的に歯形が残るようです。Hさんの指摘どおり、殻の割れ目が滑らかで歯形の残っていないものは、自然に発芽したあとのクルミの殻でした。
《自然発芽したオニグルミの殻(左側)とリスが齧った歯形の残るオニグルミの殻(右側)》