静 夜 思

挙頭望西峰 傾杯忘憂酒

東条英機のひ孫 (# 1)

2014-06-03 08:55:28 | トーク・ネットTalk Net
 今日の毎日新聞朝刊2面に「いま靖国から」と題した連載が始まった。1回目が掲題で、東条英利氏を取材したものだ。

 気になったポイントを幾つか挙げると、反天皇制のビラをまいていた高校時代の(氏の)親友が<今では警察官。自分に守るべきものが見つかった時、人は保守になる>というくだりだ。これを氏は成熟へのコースとして”保守 ”を肯定的に言っているのであろう。ここでの保守は、字義どおり何かを守り保つであろう。

 だが、<守るべきもの>として<世界有数の文化立国の源泉としての神社・神道>を氏が掲げると読める論旨展開の記事が正しく氏の立場を伝えてるならば、私は異議を唱えたい。何故なら、神社・神道はユニークさにおいて確かに独特・固有であるが、それが<真のグローバリズムには、伝統に根ざした教養力の再生、国際教養人の創出>と結びつくとは思わないからだ。

 グローバリズムが欧米文化の席捲や他文化の抹殺ではなく、異文化を公平に捉え、等しく敬愛しあうことだとするなら、日本だけの神道形式やアニミズム多神教の祭祀形態たる神社は日本人にとっても<真のグローバリズム>の源泉にはなりえない。

 記事では、昨年12月に開かれた同氏主催の「国際教養振興協会」発会式の模様が描かれている。共通の話題は「日本人の誇り」と記事にはある。ここも私は違和感を覚える。挨拶に立った面々や出席者の顔ぶれを眺めるといわゆる中堅世代で、この人たちが何故「日本人の誇り」をことさらに言い募るのか。失われた20年、経済力すなわち国力、という図式なのか?強国であることが誇りというなら、北朝鮮や中華復興を標榜する最近の中国指導部を笑えないではないか。

 記事欄外に記されたごとく、<今の空気が靖国史観・戦前回帰・軍国主義といった観点ではとらえられないのではないか。21世紀の日本に新たな回路が根を張りつつある>という記者の感覚が、今後どこまで検証されてゆくか、楽しみにしている。
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