静 夜 思

挙頭望西峰 傾杯忘憂酒

ベトナム再訪記 <3>  ホーチミン 1/2

2024-03-14 05:28:35 | 時評
 いよいよホー・チミン市へ。ハノイ、ダナンに手配したホテルは(私の懐事情から)価格的にいえば中の下か? と想像するランク。それはホーチミンでも同じだが、ここの相場は北よりも高い。
「高いなぁ・・」と呟きながら、金額比較のほかは何もわからず予約したのが<Victory Hotel Saigon>とう名のホテルで、市の中心部へは徒歩で行ける位置だった。
 ところが、先に通過した2拠点のホテルと違うのは部屋レートだけでなく、建物や部屋の作り、つまり寸法だ。

 それは抗米戦争終結時(1975.4.30)爆撃も砲撃も受けないまま残った旧サイゴン中心部ならではのアメリカンスタイルのホテル建築であるのに私は気が付いた。 居室化粧台や洗面所のシンクの高さ、ベッドフレームの床面からの高さ、便器・バスタブの高さなど全てが身長180cm以上を想定したデザインである。アメリカ暮らしの経験からすぐ思い出したのだ。
 さて、シャワーしかついていなかったハノイ・ダナンに比べバスタブ付なのは実に嬉しかったが、跨ぐには高いながら、浴槽は浅くて寝転がっても肩まで浸かれない。然も、湯温は39°くらいしか上がらないので、日本式の<どっぷり湯に浸かり体を伸ばす>とはならず。糠喜びにガッカリしつつ、それでもぬるま湯効果だろう、溜まった疲労の回復にはなったので善しとしたい。

 この日のツアーは「メコン川クルーズ」。前回と同じコースで<ミト:My Tho 島>での蜜蜂栽培やココナッツ加工品製造場を観たあと、お茶と果物を戴きながら少数民族の女性が二つの弦楽器の伴奏で歌う音楽を聴いた。その伴奏に使われている二弦楽器を「バンジョーに似た形態だね」と息子が言ったので見てみると、確かに似ている。(手前の男性が持つのはエレキギター)
 このあと、二人の漕ぎ手が操る小さな4人乗りの木船に乗り<ミト:My Tho 島>の周囲のジャングルを回り、船着き場に戻った。前回のガイドは(この小舟クルージングは戦争による身体障碍者の仕事確保のため編み出された)と言っていたが、今回、どうみても穂ぎ手は障碍者と思しき人達ではなく、頑健そのもの。ここにも時の流れを感じた次第。  
     
 最後の写真はクルーズ後のランチ。右側に写るのは<象耳魚>と訳されるメコン川で捕れる魚の唐揚げだが、これをアオザイを着た女性が指でちぎり生春巻きに取り込んでくれるのだ。客は皆感心しながら「美味い美味い」と食べたが、アオザイ姉さんたち頃合いをみてライスペーパーのお代わりを置き「さあ、今度は自分たちでどうぞ」とばかりに無言で去るや、客の誰もが顔を見合わせ逡巡する。
 食べたいと顔には書いてあるが手を出せない?私は痺れを切らし、スプーンで骨から削いだ肉を皿に並べ、食べてみせた。が、空腹な筈の若者客も含め自分たちの前に鎮座する魚に同じことをやりそうにない! 
それは、小さなショックだった。暫し私が落胆していると、前に座っていた60代くらい(?)の女性が夫をさしおき「もったいないわね、美味しいのに」とやり始め、ようやく私はホットした。

河からの帰路160Km は途中の高速道路を含め、前回とは比較にならない揺れの少なさ。ハノイ・ダナン近郊も同じ。前回はどこにも高速道路は開通しておらず、11年の間の発展を目の当たりにした。< つづく >
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