静 夜 思

挙頭望西峰 傾杯忘憂酒

 教育に携わる職における「性犯罪歴の照会」義務化が何故いけない?  更生推進とは別のハナシじゃ?

2024-04-12 18:28:16 | 時評
☆ 【毎日】性犯罪歴照会で子ども保護 日本版DBSに刑事法専門家「更生阻む恐れ」:甲南大名誉教授の園田寿さん【聞き手・小鍜冶孝志】:  抜粋
* 性犯罪は、再犯のリスクが高いという誤解が世の中にある。だが、出所した受刑者のうち、一定期間内に再入所する者の割合を示す「再入率」をみると、性犯罪は2年以内の再入率が2020年出所者で
  5・0%と、出所者全体の15・1%より低い。

  「再犯率」を割り出そうとすると、複数の条件を細かく設定する必要がある。調査期間で、数字に変動も出る。定義があいまいで、割り出すのが難しいが、法務省も性犯罪について
   「再犯率が高いとまでは言えない」と指摘している。

  ⇒ 「再入率」vs 「再犯率」・・・この違いは何? 素人にはわからない。性犯罪以外の罪で再び服役する比率はより低いから、犯歴を照会する重要性がないと何故いうのか?

* 犯歴は、極めて機微に触れる個人情報だ。制度では、事業者が情報を漏らした場合、罰則を設けるが、現職者も照会の対象となる。仮に犯歴があれば、配置転換が義務付けられる。
  事実上退職を促すものだ。制度の導入を前にして退職者が出れば、自然とうわさが立つ。新規採用者も、不採用にされたら、それだけで怪しまれる。
  ⇒ 私の在米中、採用前の身元チェックに犯罪歴照会は当然入っていたし、前職の企業等に職歴や業績記述に虚偽がないかどうか尋ねることを法的に雇用者は保証されていた。
    営利企業ですら当然であった。ましてや、子供に接する職域に携わる人に性犯罪歴の有無をチェックし、再犯歴でもあれば問答無用に採用は拒まれる。

* 排除の議論を先行させるだけでなく、国は積極的に、再犯防止に取り組むべきではないか。大阪府は「性犯罪者に対する心理カウンセリング支援制度」を導入している。痴漢や盗撮、公然わいせつ
  などの罪を犯し、罰金や執行猶予の処分を受けた人らに、原則5回まで無料で心理カウンセリングを実施する。犯罪に及んでしまう自分の問題性を理解させ、認知のゆがみを修正し、周囲から孤立
  させないようにすることが目的だ。 ⇒ 再犯防止策の重要性、それに私も異論はなく、大いに進めてもらいたい。だが・・・・

* 「更生」という言葉には、生き返ること、よみがえるという意味がある。一旦道を踏み外した人間を、また受け入れるという考えが、刑事政策の根幹を支えている。
  今回のシステムが窃盗など他の犯罪歴にも波及する恐れはないか。運用を注視する必要がある。
   ⇒ お説ご尤もだが、子供たちを犯罪から予防するために再犯者を職に就けない防御策の実効性と「更生」の意義は別の話ではないのか??
      果たして性犯罪における<再入率・再犯率>に対する≪更生率≫の統計はあるのか? ネグれるほど更生しているのか?
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 ひとかどの芸術作品は作者(+親族)だけの独占物ではない   後世人類の共有財産になりえる

2024-04-12 14:00:31 | 文芸批評
▼ 【毎日】金言:没後10年の新作=小倉孝保 (論説委員)  抜粋
* カフカは死後、多くの作家に影響を与えた。コロンビアのガルシア・マルケスもそうだった。17歳で初めて小説を書いたのは、カフカの代表作「変身」を読んだ直後である。その後、ジャーナリスト
  を経て作家となった。祖父母から聞いた民間伝承や戦争体験を基に1967年、「百年の孤独」を刊行し、絶賛される。60年代のラテン文学ブームをけん引し、82年にはノーベル文学賞を受けた。

* 最晩年の原稿が「8月に会う」だ。2003年ごろ、執筆にかかると記憶力低下の症状が出た。認知症だった。病と闘いながら書いたものの、出来には満足しなかった。自分が死んだら破棄するよう
  2人の息子に託している。破棄されるはずの原稿が先月、各国で出版された。邦訳タイトルは「出会いはいつも八月」である。
   息子たちは「お金のために原稿を売るのか」と批判されながら、作品を世に問うた。「父の詩的な言語、魅惑的なストーリー展開は十分に楽しめます」

* 不完全な原稿を残したくないと考える作家は少なくない。ロシアのゴーゴリは亡くなる数日前に「死せる魂」の一部を焼いた。カフカも臨終の際、友人に遺稿の焼却を依頼する。
  しかし、この友は未完の原稿を整理し「城」「訴訟」を出版した。カフカの評価が高まったのは没後である。私たちは「芸術は誰のものか」という難題を突きつけられる。
   作品は死後、いずれかの時点で個人の手を離れ、人類の共有財産になる。発表せずという選択はまだしも、破棄や焼却は避けるべきではないか。

  ガルシア・マルケスほどの作家が認知症になった時、何を考え、どう感じていたか世界史の一コマを生きるに過ぎない私たちに、後世の興味、研究まで封じる権利はない。
  今年はカフカが亡くなって100年である。「城」「訴訟」は、後の芸術家が繰り返し映像・舞台化している。ガルシア・マルケスの新作もきっと将来、新たなアートを生むのだろう。
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 『作品は死後、いずれかの時点で個人の手を離れ、人類の共有財産になる』・・これは文学に限らず、芸術作品すべてにあてはまる。これに因んで重要な逸話は、モーッアルト。
整理整頓ができない男だったらしく譜面を書きなぐっては散らかし、貧窮のうちに世を去ったが、残された妻は生活の為とはいえ賢明にも出版社にかけあい、不朽の名作を後世の我々に残すことができた。

いくら遺言で託されたにせよ、世に出せるレベルの芸術作品の破棄や償却は親族・友人といえども許されることではない。小倉論説委員の指摘は正しく重要だ。
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≪ 今朝の3題 ≫  飲食店に他店から出前を取り寄せ食べる?  「ウイキリーク」創設者アサンジを赦免?  温暖化の加速は桜開花なしへ?  

2024-04-12 09:55:52 | 時評
◆ 【江南タイムズ】文化の差か非常識な行為か…飲食店で勝手に出前を取り食べた中国人客に店主激怒(韓国)
* 最近、オンラインコミュニティ「FMkorea」に、「ここは商売をする場なのに中国人たちはなぜ?」というタイトルで投稿されたエピソードがある。居酒屋店主である投稿者Aさんは、「中国語を話すお客さんだったが、英語で話してみると
 通じたため、テーブルに案内して注文を取ろうとしたところ『タッパル(鶏足の激辛炒め)はありますか』と尋ねてきた」と話し始めた。しかし彼の店にはタッパルがメニューにないため、「申し訳ないがメニューにない」と理解を求めたという。
* 20分ほどしてから、中国人の客たちはAさんに店の住所を尋ねた。Aさんは誰かが合流するのかと思い住所を教えたが、なんと、彼らが他の店からタッパルを注文して食べていた事実をあとから知り、驚きを隠せなかったという。
  ネットユーザーの反応は分かれた。「これは最悪だ」、「お店側にも客を選ぶ権利がある」、「外部食品の持ち込みをした場合には退店させるという注意書きが必要だった」、「韓国人にもそういう人たちがいる」など、客たちのマナーのなさを
  指摘する意見が多かった。 一方で、「中国現地では可能だ」「文化的な違いを知らなかっただけかも」と客たちをかばう意見もあった。
 ⇒ 私が最も驚き疑問なのは<「中国現地では可能だ」、「文化的な違いを知らなかっただけかも」と客たちをかばう意見>があったという点。本当に中国では可能でトラブルフリーなのか?

◇ 【ロイター通信】アサンジ被告の起訴撤回を検討=米大統領

* バイデン米大統領は10日、記者団に対し、英国で収監中の内部告発サイト「ウィキリークス」創設者ジュリアン・アサンジ被告について、出身国オーストラリアによる起訴撤回の要請に応じることを検討していると述べた。
  被告は2010年に米国で軍事記録などの機密文書を暴露した罪などに問われており、米国が英国に身柄の引き渡しを要請している。オーストラリアのアルバニージー首相は11日、ABCテレビに対し「バイデン大統領からの心強い発言だ」
  と述べ、アサンジ被告は既に大きな代償を払ったとの見方を示した。被告の弁護士は電子メールで、バイデン氏の発言は米国が起訴取り下げを検討していることを示しており、心強いとした。
 ⇒ これに関連して頭をよぎるのは<エドワード・スノーデン>だ。アサンジ氏を英国が拘束した時期からみて、スノーデン氏が亡命した経緯が無縁とは思えない。
   何故、米国はアサンジ氏の釈放に踏み切るのか? 必ず、何らかの打算と駆け引きがあろう。注目したい。


 🌸【東洋経済】桜の開花「今年は遅かった」と思う人に教えたい真実 地球温暖化が与える思わぬ影響を「数学」で解析:永田耕作
  地球温暖化が「桜の休眠打破」に影響
* 何が問題なのか。桜の花が満開になるまでの過程は、花芽形成→休眠→休眠打破→成長→開花→満開という流れになっています。花芽形成は桜が咲く前年の8月から9月はじめごろの間におきます。満開の時期から考えると、半年も前から芽が生え
  始めているのですね。その後、桜は休眠に入ります。休眠の程度は10~11月ごろにもっとも深くなり、その後徐々に浅くなっていきます。この休眠から目覚めていく過程を「休眠打破」と言うのですが、この「休眠打破」に、地球温暖化が大きな
  影響を与えているのです。

  休眠打破とは、桜が秋から冬の寒さによって目を覚ますことを指します。桜は暖かい気候によって目覚めているのではなく、むしろ逆で、芽が休眠から起き上がるには十分な寒さが必要なのです。休眠打破が行われるのに必要な寒さの量を
 「低温要求量」といい、ソメイヨシノの場合は10月以降、8度以下の寒さに約800~1000時間さらされる必要があると推定されています。
  つまり、地球温暖化によって冬季期間の気温が下がらない状態がずっと続くと、この休眠打破が十分に行われず、桜が開花しない恐れがあるのです。
 ⇒ 温暖化が与える影響は開花や満開時期ばかり私も気を取られていた。短歌も此の話題で詠むほどだから、この指摘は新鮮だ。桜より梅に魅力を感じる私は、同じ恐れが梅にも起きるのか?気になる。
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あれから8年  ”変われない財界&文科省”   大学教育の停滞と留学人材の流出

2024-04-12 07:44:27 | 時評
 受験シーズンが終わり、相変わらず週刊誌は「高校別大学合格ランキング」に飛びつく層めあてに今年も稼いだ。特定の大学を選び補助金交付で研究活動を支援する文科省のプログラムも始まるようだ。
だが、数年前に指摘した日本の大学の国際比較上の地位低下は改善せず、魅力を失っている状況は変わらない。何故か?その分析は、<トークネットTalk Net>コラム2016年3月に残したコラムに述べた通りで、現状は今も同じ。
  ☆ ≪ 統一入試落ちたら東大大学院留学で学歴洗浄 ≫ キモは ”留学生が何故日本企業を辞めるのか?”
 これは読者が多く読み返す内容らしく「アクセスリスト」に何度も上がる。特に受験シーズン前後は目立つ。それだけ同じ問題が8年もの間、未解決のまま続いている証左である。

8年の間に中米関係は悪化した。その影響と円安もあり、供給過多な中国での大学進学を捨てた人が日本の大学を踏み台に、或いはアメリカ留学の代替手段として日本に来る割合は更に増えているだろう。
就職難の母国を諦め日本にとどまり働く中国人が増えているが、8年前に指摘した就労構造は全く変わっていない。

 研究職であれ一般職であれ、大学(院)を卒業したあとの就職環境が外国人を働かせるうえで国際的に共通なルールになっているか?・・といえば答えは「NO」。
承知のように入学時期からして日本は孤立したままなので、6ヶ月のズレが壁になっている。このズレは日本語学習に費やされることで表面化しないが、入学の遅れは学生/企業どちら側にも無駄な時間
であるばかりか、外国人学生に日本留学&就労をためらわせる障害なのだ。

 嘗て東京大学や京都大学などが10月入学を試みると宣言したが、案の定、産業界側の無言の抵抗がつぶしてしまった。裏には文科省+経産省のブレーキもあったに違いない。
例によって、10月入試をさせたくない・反対する理由の説明は経済界・霞が関いずれからも発信されない。問われても正面から答えようとしない。政治の世界と同じパターンだ。

 勘ぐれば、4~3月の会計年度と大学予算時期がズレる事への抵抗。次は、飽くまで外国人の在住を日本人と同等の市民扱いする定住ではなく【一過性の労働力としか見なしたくない入国管理の思想】を
変えたくないからと思う。 高等教育対象ではない外国人労働力に関しては悪名高かった『技能実習生制度』に替わる体裁を整えたが、外国人の入学・就職に関しては【~入国管理の思想】は不変。

 日本の大学の国際競争力・技術研究レベルはこの構造のままで今後も伍してゆけると官僚も経営者も未だに己惚れているのか? 不安だが、単に制度を変えるのが面倒だからに過ぎないのか?
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