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シルディ・サイババ(蛇とカエル)

2011-10-24 | シルディ・サイババ

  サイババは言った。「ある朝、朝食の後に散歩をしていると、小さな川岸に出た。私は疲れていたので、そこで休んで、手と足を洗い、沐浴をして再び元気になった。そこには木陰に隠れて足跡と荷車の跡があった。そよ風が優しく吹いていた。私がチルムを吸う支度をしていると、カエルの鳴き声が聴こえた。

 

火打石を叩いて火をつけていると、旅人が現れて、私の隣に座り、頭を下げて丁寧に食事と宿を提供するので自分の家に来ないかと私を招いた。彼はパイプに火をつけて、私に渡した。再びカエルのガーガーという鳴き声がして、彼は何事かと興味を持った。私は彼に、カエルが自分のカルマの苦い結実を味わって、困っているのだと話した。私たちは自分たちが過去世で蒔いた種の果実を収穫しなくてはならない。今、それについて泣いても無駄なのだ。

 

そこで彼はパイプを吸ってからそれを私に渡すと、自分が行って見てくると言った。私はカエルが大きな蛇に捕まって泣いているのだと言った。両方とも過去世でひどく邪悪な行いをし、そのときの行動の結実を現在の姿で収穫しているのだ。彼が行って見ると、大きな黒い蛇が口に大きなカエルを捕まえていた。

 

  彼は私の処へ戻ってきて、10分かそこらでカエルは蛇に食べられてしまうと言った。私は言った。「いや、そうはならない。私は父(守護者)であり、今私がここにいるのだ。どうして蛇が食べることを許すだろうか。私は無駄にここにいるのだろうか?行って、私が逃がしてやる様を見てみなさい」

 

  もう一度パイプを吸うと、私たちはその場所へ行ってみた。彼は怖がって、蛇が自分たちを襲うかもしれないから、それ以上進まないようにと私に言った。彼の言葉は気にせずに、私は先へ進み、生き物たちに話しかけた。「おお、ヴェーバドラッパ、君の敵のバサッパは後悔していなかったかね?彼はカエルに生まれてしまったが、君だって蛇に生まれた。それなのにまだ彼と激しく敵対しているのかね?自分を恥じて、憎しみを捨て、安らかになりなさい」

 

  この言葉を聴いた蛇は、素早くカエルを放し、河の中へ逃げ込んで消えてしまった。カエルもまた飛び上がって、小枝の陰に隠れてしまった。

  

  旅人は大変驚いた。彼はどうして蛇がババの言葉を聴いてカエルを落として消えたのか理解できなかった。ヴェーバドラッパとは誰のことだ?バサッパとは誰だ?彼らの対立の原因は難だったのか?私は彼と共に木の根元に戻り、また数度パイプを吸ってから、全ての謎について説明した。

 

  私の住処から4,5マイルのところにマハデヴ(主シヴァ)の寺院によって聖別された古代の神聖な場所があった。寺院は古く荒廃していた。そこの住人は修復の基金を集めていた。多額の金が集まると、礼拝の手配がされ、修復の見積案が提示された。裕福な地元の男が会計係に指名され、全ての作業が彼に任された。彼は普通口座を作って、全ての取引を公正に行おうとしていた。

だが彼は第一級のけちん坊だったので、修復にはほんのわずかな費用しか使わず、そのため修復はなかなか進まなかった。彼は基金の全額を自分の為に使って、自分の財布からは全く金を出さなかった。彼は口がうまく、非常に狡猾であったので、工事が遅々として進まないことについてはもっともらしい説明を並べていた。人々は再び彼の元へ行き、彼が手を貸して最善を尽くしてくれない限り、工事は終わらないと述べた。人々は事業計画を立てるように彼に求め、再び寄付金を集めて彼に送った。彼はそれを受け取ったが、前と同じように工事に金は出さず黙っていた。

数日後、神が彼の妻の夢に現れて言った。「さあ、寺院の丸天井を造りなさい。そうすればお前の使った金額の百倍を与えよう」彼女はこのヴィジョンのことを夫に話した。彼は自分が出費を迫られるのではないかと危惧したが、結局はその話を笑い飛ばして、それはただの夢だから従う必要などない、そうでなければなぜ神は自分の夢に現れて直接そのことを告げなかったのか?自分と妻は遠く離れていたのか?と言った。これはなんだか夫と妻の間に悪感情を創り出すための悪夢のように見える。彼女は黙っているしかなかった。

 

  神は寄贈者の願いに反して集められた多額の寄付金を好まず、たとえわずかでも愛と信仰心と感謝で与えられた金を好む。数日後、再び神は彼女の夢に現れて言った。「夫や金集めのことであなた自身が悩むことはない。寺院のために金を使うように夫を急き立てなくてよい。私が求めるのは献身と信仰だ。だからあなたが望むなら、あなた自身の物を何か差し出しなさい」彼女はこのビジョンのことを夫に相談して、彼女の父親にもらった装飾品を神に捧げることにした。

 

けちん坊の夫は困惑して、この装飾品で神をもあざむいてやろうと思った。彼は装飾品を1000ルピーと安く値踏みして彼自身が買い、金の代わりに寄付か担保として不毛の土地を神に差し出すことにした。妻はこれに同意した。その土地は彼のものではなく、ドゥバキという貧しい女性の所有で、彼女はそれを抵当に彼から200ルピーを借りていた。彼女は長い間弁済ができないでいた。そこで狡猾なけちん坊は彼の妻もドゥバキも神さえも欺いたのだ。土地は痩せていて未開墾で、何の価値もなく、収穫の時期にさえも何の作物もできなかった。

 

  そこでこの取引は完了し、その土地は貧しい僧侶に譲られ、彼はこの寄付を喜んだ。しばらく後、奇妙なことが起こった。ひどい嵐があって土砂降りの雨になった。けちん坊の家に落雷があって、彼と妻が二人共亡くなったのだった。ドゥバキもまた息を引き取った。

  

  次の人生で、この裕福なけちん坊はマトゥラでブラーミンの家庭に生まれ、ヴィーバドラッパと名づけられた。彼の信心深い妻は寺院の僧侶の娘に生まれ、ゴウリと名づけられた。ドゥバキは、寺院のグラヴ(召使)の家庭に男性として生まれ、チェンバサッパと名づけられた。この寺院の僧侶は私の友人だった。彼はよく私のところへ来て、お喋りをしたりパイプを吸ったりした。彼の娘のゴウリもまた私に帰依していた。彼女は早く成長し、父親は彼女のために良き伴侶を探した。私は花婿が自分で彼女を探しに来るから心配はいらないと彼に告げた。

それからヴェーバドラッパという憐れな少年は、彷徨ってパンを乞い求めて僧侶の家にやってきた。私の承諾で、ゴウリは彼と結婚した。私がゴウリとの結婚を薦めたので、彼も最初は私に帰依していたが、後にけちん坊になった。新しい人生でも彼は金に飢えており、家庭人だったため私にお金のことで助けを求めてきた。

 

  奇妙なことが起こった。突然物価が高騰したのだ。ゴウリの幸運のお陰で、土地にはいい買い手がつき、100万ルピー(彼女の装飾品の100)で売れた。半額が現金で支払われ、残りは2000ルピーずつ25回に分割して支払われることになった。この取引には全員が同意したが、金のことで争いが始まった。彼らは私の処へ相談にやってきた。私は、土地は神のもので僧侶に帰属しており、ゴウリは彼の唯一の女子相続人で所有者であり、彼女の同意なしに一銭たりとも使用してはならない、また彼女の夫にもその金には何の権限も無いと彼らに告げた。

私の意見を聞いたヴェーバドラッパは怒って、私がゴウリの権利を主張するのは、彼女の財産を着服したいからだろうと罵った。彼の言葉を聴いた私は神を思い浮かべて黙っていた。ヴェーバドラッパは妻を叱りつけ、彼女は正午に私のところへやってきて彼の言葉は気にしないで欲しいと言い、私はあなたの娘だから見捨てないでくれと私に懇願した。彼女は私の保護を求めてきたので、私は7つの海を越えて彼女を助けると誓った。するとその夜、ゴウリはヴィジョンを見た。マハデヴが彼女の夢に現れて言った。「金は全部あなたのものだ。誰にも一銭も与えてはならない。金はチェンバサッパと相談して寺院に関わる出費に使いなさい。もしも他の用途に使いたいと思うときは、マスジッドのババに相談しなさい」ゴウリはヴィジョンのことを私に告げ、私は彼女に適切な助言をした。私は彼女に、元金は彼女自身が取り、金利の半分はチェンバサッパに与えるように、そしてヴィーバドラッパはこの件には関係が無い旨を伝えた。私がそのことを話している間に、ヴェーバドラッパとチェンバサッパはやってきて言い争いをしていた。私は彼らを宥めようと最善を尽くし、ゴウリの見た神のヴィジョンについて彼らに話した。ヴェーバドラッパは激昂してチェンバサッパを殺して八つ裂きにしてやると脅した。チェンバサッパは怯えて、私の足を掴んで助けを求めた。私は彼を敵の憤怒から救うことを自分に誓った。そしてしばらくすると、ヴェーバドラッパは死んで蛇として生まれ、チェンバサッパは死んでカエルになって生まれた。チェンバサッパの泣き声を聴いた時、私は自分の誓いを思い出して、ここへやって来て彼を助け約束を守ったのだ。神は危機に瀕する帰依者を助けるために奔走するのだ。神は私をここに送ることでチェンバサッパを救った。全て神のリーラであり、彼のおふざけなのだ」

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