まち・ひと・くらし-けんちくの風景-

建築設計を通してまち・ひと・くらしを考えます。また目に映るまち・人・くらしの風景から建築のあるべき姿を考えています。

富山・高岡視察APPENDIX 伏木のまち

2014-11-24 18:55:59 | 建築まち巡礼大学院 Research Tour

今回の視察旅行では、多くの人々からおはなしを伺い、また

たくさんの新しい試みに触れることができました。

鶴岡に帰る研究室のみんなと別れたあと、東京行きの飛行機まで少し時間があったので北前舟で栄えた

湊町伏木に向かいました。

しかし、いつもの癖で少々寄り道・・・・。

高岡美術館

   

   

まずは市立美術館。なぜか20年以上前、建設中に見に来ています。設計は内井昭蔵。

内井ワールドです

 

 

 

   

世田谷美術館の少し後の作品でしょう。随所に共通なところが感じられます。

しかし世田谷美術館のような「これでもか、という力の入り具合」あるいは

「内井さんというよりはF.L.ライトでないの?」とも言える「形」への強いこだわり具合は

あまり感じられません。

周囲の状況に配慮しつつ内井ワールドをさらりと表現しています。それでも十分内井さん的な雰囲気に満ちています。

このあとJR氷見線で伏木に向かうはずだったのですが、1時間以上運行がなしということがわかり、路面電車で伏木に向かいました。

万葉線では地元出身の志の輔が車内アナウンスを担当(もちろん当人はいません)。お国自慢も混じる案内の中で「さまのこの町並み」が紹介されました。そこで、ひとまず吉久で途中下車。

登録文化財でした

  

  

米商いで栄えた町だとのこと。「さまのこ」は千本格子のことです。町屋の形式としては金屋町と同様のように思えました。平入の切妻、千本格子、貫きを見せた二階の塗籠の壁、袖夘辰など共通の要素の多さを感じました。

ここから小矢部川を横断して伏木の町へ。橋からは工場の家並みの上に立山連峰がきれいに見えます。この辺りは産業都市としての顔を見せます。

橋の上から

  

伏木では急いで重文の勝興寺へ。

勝興寺

   

浄土真宗のお寺は本当に巨大です。浄土真宗は信徒集団の結束力の高さを背景に、時の権力と対峙することをも恐れません。日本の宗教の中では珍しい存在のように思えます。寺内町を築いた中世まで遡らなくとも、明治の廃仏毀釈の折にも敢然と戦ったのは真宗でした。

そういったことと、伽藍の大きさには何か関係があるのでしょうか?勝手な想像を巡らせながら北前船の開運で栄えた旧秋元家へ。

外観

  

なんといっても面白いのが、この望楼です。

望楼

  

ここから見たとの船の出入りを見たといいます。でもほんとは贅沢な男の隠れ家だったのではないか・・・再び根拠のない想像が頭のなかを巡ります。

 

 

 望楼から


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