まち・ひと・くらし-けんちくの風景-

建築設計を通してまち・ひと・くらしを考えます。また目に映るまち・人・くらしの風景から建築のあるべき姿を考えています。

宇都宮では大谷石蔵で意見交換会

2016-10-17 10:01:20 | 建築まち巡礼大学院 Research Tour

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研究室視察,

真壁の次は宇都宮です。

宇都宮には府中建築文化フォーラムの岡田雅代さんがいらっしゃいます。宇都宮の市政研究センター時代の同僚、研究者仲間で市の職員でもある井上俊邦さんも加わり、大谷石建築を中心とする歴史・文化を活かしたまちづくりについていろいろ教えていただきました。

場所は、大谷石の石蔵レストラン。中庭(坪庭)に面した開放的なキッチンなどおしゃれなデザイン。

ひとつの敷地に三つの蔵が並んでいます。

やはり店(見世)の奥に蔵を並べるという配置はどこも共通のようです。

食事の後は井上さんの案内で大谷石建築ナイトツアー。

 

岡田さん、井上さん遅くまでありがとうございました。また今後とも交流させてください。

高谷時彦記20161017

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高谷時彦記 Tokihiko Takatani


登録文化財のまち真壁

2016-10-16 17:15:19 | 建築まち巡礼大学院 Research Tour

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研究室で視察に訪れた真壁です。

真壁は平成の合併で桜川市の一部となっていますが、

戦国時代までは真壁氏の城下町として、また江戸時代はいわゆる

在郷町として栄えました。明治以降は製糸業や石材業が盛んでした。

また良い水が得られることから今でも蔵元が3つあります。

下写真は村井醸造。蔵は明治期、煙突は昭和のものだそうです。

大変栄えた真壁ですが、交通の主要動線から外れていることもあり、とくに関東鉄道筑波線の

廃線(87年)以降は経済的にも停滞した状況となったようです。

そんな中で、まちの人たちが「ディスカバーまかべ」というグループ(93年)をつくり、歴史的

建築を活用したまちづくりを進めてきました。いろんなイベントを行い、まちの方に自分たちの

まち並みの良さを知ってもらうとともに小山高専の河東先生(当時)の支援も受け

登録文化財制度(96年)をその初期段階から活用したという言うことです。

その後町長以下行政もまちづくり支援に加わり、今では104の登録があります。

例えば増渕家。醤油やみその醸造で栄えました。立派な長屋門です。

伊勢屋旅館。町家だけでなく、蔵や、立派な門が多いのがこのまちの特徴です。

こんな親切なお宅もあります。

中に入ると江戸時代に建てられた土蔵(文蔵)。素晴らしく手入れされた庭も公開されています。たいへん博識の

ご主人がおもてなししてくれました。お土産までいただいてしまい、恐縮の至りです。

民間有志の活動が町の人たちに広がり、研究者のお墨付きも得る中でまち並みに対する誇りも醸成され、それをう

まく行政も後押ししていくという大変学ぶべきプロセスがこのまちににあることを実感できました。お話を伺った

ディスカバーまかべのA様、T様、市役所のT様、そして親切にいろいろなことをお教えいただいたK様大変ありが

とうございました。

高谷時彦記 16 Oct 2016

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高谷時彦記 Tokihiko Takatani

 

 

 


真壁伝承館

2016-10-16 16:42:12 | 建築まち巡礼大学院 Research Tour

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東北公益文科大学大学院の研究室でまち並み保存継承の先進事例として茨城県桜川市真壁地区を視察しました。

地元まちづくりのキーパーソンの方々にお話を伺ったのが真壁伝承館です。

図書館、公民館、ホールなどが一体となった施設で、周辺の伝統的な街並みを意識しつつ、清新で斬新な印象を与える建物です。

いつか見たいと思っていましたが、大変良い機会となりました。

内外とも仕上げとなるサンドウィッチ鋼板構造の白壁が古いようで新しい不思議な印象をつくっていました。

開口部を見ると鋼板ならではのシャープな納まりです。

外構も落ち着きがありましたが、決して古いものを踏襲したという雰囲気ではありません。

中々よいものをみさせていただきました。

 

高谷時彦16 Oct 2016記

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高谷時彦記 Tokihiko Takatani


富山・高岡視察(1)コンパクトシティに学ぶ

2014-11-24 18:58:41 | 建築まち巡礼大学院 Research Tour

11月20日から22日にかけて、東北公益文科大学高谷研究室で富山高岡の視察を行いました。鶴岡市中心部にある歴史的建造物の再生に取り組むチームが中心です。視察の目的の一つはコンパクトシティという明確な理念と方法をもって中心部の再生に取り組む富山の成果学び、体験することです。

市役所から立山連峰を望む

     

富山には槇文彦先生の建築設計作品がいくつかありますが、私は独立する直前の数年間、富山市民プラザと大手モールを担当していました。

そのとき、大変お世話になった富山市役所の宮本克彦理事に視察に行きたい旨を伝えたところ、完璧な見学コースをアレンジしてくださいました。宮本さんには30年近い時を超えて再びお世話になってしまいました。また、お付き合いいただいた職員の皆さま本当にお忙しいところありがとうございました。詳細な内容は研究室メンバーが報告しますが、ここでは、行程に沿っての備忘録を記します。

 

大変わかりやすいスライドでした

     

私たち研究室メンバー4人は、市役所でコンパクトシティの包括的な説明を伺いました。本などでは何度も勉強していますが、それを日々実行している方からの説明は説得力がありました。コンパクトシティというとハード面に目が行きがちですが、基本はときめきと感動のある街中での暮らしをつくるというところにあり、そのことを関係者がしっかり共有していることが印象に残りました。

また大手モールを使って様々な活動をしているNPOの方(と言っても市役所の若手職員です)からも、興味深い話を伺いました。

「まちメシ」なんていうプロジェクトもあります。おいしいご飯とゆったりとし時間で街中を過ごす、そんな休日を提供しようというものです。

まちの中の共用空間を楽しく使っていこうという精神が町に住む楽しさづくりにつながっていきます。さらにそれが緩やかに都心居住を誘導しているのだと思います。

市民プラザもよく使われています

     

 

 

お話を伺った後、私たちは国際会議場、市民プラザ、大手モール、千石商店街を経由してグランドプラザに向かいました。

地場もん屋という繁盛する地産池消の店もありました。株まちづくり富山の経営です。

 

地場もん屋です

 

 

     

学生が自由に集まる富山まちなか研究室も近くにありました。同じく株まちづくり富山が運営しています。

 

学生さんが自由に使っています

 

 

     

ここが雪国らしく屋根のある広場です。市役所と同じく日本設計浅石チームの設計です。稼働率100%というのには驚きました。案内してくれた市の方もここで披露宴をやったとのことでした。

屋上の雪は地下水で消雪しています

 

 

     

このあと隈さんが設計した市街地再開発ビルへ。富山第一銀行と図書館、ガラス美術館の複合ビルです。

真ん中にあるどでかい吹き抜けと高い階高(標準が5.6m、高いところは6m)にはびっくりしました。今まで見たことのない迫力ある公共施設ができそうです。

巨大吹き抜けは撮れませんでした

 

 

     

このほかにも大きな再開発(シネコンプラス住宅など)が市民プラザのすぐそばで工事中でした。数十年前にはできたばっかりだった再開発ビル(西友が入っていました)も今、再々開発の計画中だとのことでした。

市長の明確なリーダーシップがないとなかなかできない事です。ちなみに今では富山のコンパクトシティ造りの代名詞となったLRT計画の時には市民の80%が賛成だったそうです。

夜には、若手職員の方々も来てくれて私たちの研究室との懇親会。富山も食の都ですね。

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富山・高岡視察(2)世界一美しいスターバックスの店

2014-11-24 18:58:22 | 建築まち巡礼大学院 Research Tour

翌日は、前日話題となった施設に案内していただきました。

まずは高志の国文学館。私たちも鶴岡まちなかキネマで2013建築学会作品選奨を頂きましたが、この建物は2014年度の受賞です。分節化された空間が程よいスケール感をもたらします。回廊が閉じているのが少々残念でしたが、全体として完成度の高い建築だと思いました。

エントランスロビー

子供アトリエ

    

そのあと親切にも芝園小中学校にお連れいただきました。同じくシーラカンス設計で、作品選奨を受賞しています。

パサージュと階段教室が印象的でした。オープンスクールで学ぶ子供たちも楽しそうでした。先生方は大変な面もあるのでしょうが。

音を出すスペース

    

そのあとは富岩運河経由で北前船の湊町岩瀬に向かいます。

以前は寂しい印象だった富岩運河パークが緑と水の素敵な憩いの場になっていました。

満席でした

    

 

 

    

子供連れのお母さん方の人気スポットになっています。このスターバックスは全世界2万店舗の中で最も美しい店だとのことです。うーん、quite exactly!

立山連峰を望む