『GANTZ』
地下鉄で事故に巻き込まれた幼馴染みの玄野計(二宮和也)と加藤勝(松山ケンイチ)。
気づくとふたりは見知らぬ部屋に監禁され、「ガンツ」と呼ばれる黒い球体に「星人」と戦うことを命じられる。
一度死んだはずの命を取り戻すために、なんの説明もなく毎夜異形の者との戦いに呼び出される日々。計が暴力の快感に魅了されていく一方で、加藤はたったひとりの家族である弟(千阪健介)の元に戻りたいという思いに苦悩し・・・。
累計1500万部を売り上げて現在も連載中の人気コミックの映画化。前後編二部作の前編。
おもしろかったよー。とっても。
原作は読んだことないけど、まーものすごい宣伝しまくってるやないですかー。だからイヤでも予備知識はなんぼか入ってくるわね。けどそれがべつに邪魔になったりはしないです。
なぜなら物語に説明的要素がほとんどないから。
そもそもこの話のおもしろさは、登場人物がなんの説明も受けず善悪の判断もつかないまま殺戮の世界に取り込まれていくうちに、未知の自分自身に出会い、戸惑いながらもアイデンティティを取り戻そうとする、というところにあるからなんだよね。
なので宣伝でちょこっと聞きかじった説明くらいじゃ何の説明にもなってないわけ。映画の中にも説明がないから。
とりあえず後編が楽しみです。
いちばん笑ったのは「星人」のキャラ設定ね。ちょーシュールで笑える。
最初に登場した「ネギ星人」の子どもの「ネギあげます…(泣)」ってアレはナニ?決め台詞?なわけないね。「田中星人」はなんか前近代的な、ロボットっぽい動きがおもしろすぎる。「おこりんぼう星人」なんか仏像型って既に出オチやないですかー。仁王像が暴れるとか千手観音が刃物振り回すとか、リアルに昔の人の妄想の実写版やんけ。CGだけど。
だからアクションシーンは迫力がどーこー以前にいちいち爆笑ポインツ満載です。素晴らしい。ってかアクション、そんな大迫力でもないね。そもそも計や加藤はいわゆるヒーローじゃないから、アクションなんかできなくて当然なわけで、ガンツスーツという飛び道具でアクションさせられてるんだから迫力なんかある方がおかしい。
ガンツ球の「さいてん」理由もいちいち低次元でほのかに笑える。
おもしろい一方で難点もいっぱいある。困ったことに。
まず長い。上映時間130分てそんなにいらんやろ。この内容ならせいぜい100分で十分です。全体にテンポが鈍くて、とくに中盤はかなり中だるみしてるように感じた。カット割りが全般的にぬるい。もっとサクサクほいほい展開してほしくて結構イラッとする箇所多数。
あとシナリオがゆるい。内容薄いのに無理矢理盛ろうとしちゃってる感まんまんです。ストーリーは劇的なのに、“命”の観念とかミッションへの疑問とか葛藤とかそういう内面描写は全部役者の芝居におんぶに抱っこ状態だから、ちょいちょい台詞が妙にしらじらしくなってしまうのがすごい惜しい。つうかこの映画全体に惜しいんだけど。せっかくなんだから音とかもっと派手にやってくれないと。めっちゃ大爆発なのに音がちゃっちくて超物足りない。
それから画面が暗い。異常に暗い。アクションシーンが全部夜でほとんどナイトシーンばっかりの作品だからしょうがない、とはいわせませんぜ。ライティングで頑張ればよろしいやないですか。何も全部ナイトロケじゃなくて疑似夜景だっていいんだしさ。夜=暗黒=画面真っ黒でOKって芸なさすぎます。目は疲れるわ、役者の渾身の熱演も見にくいわ台無しやんけ。ガンツスーツのかっこよさもイマイチ活かしきれてないし。カメラワークも意味不明にカタいっちゅーか野暮ったいっちゅーか見せ所がわかってないっちゅーか。CGのことは何もいうまい(爆)。イヤ、悪くないです。大丈夫です(謎)。
ちなみにこの映画の撮影監督はこの作品と同一人物なんだけど、この時も画面暗くてブーブーいってたねアタシ。
余談だがこの撮影監督の河津太郎と佐藤信介監督はぐりの母校の先輩で、ふたりで自主制作映画を作ってPFFでグランプリを穫り映画界入りしたコンビである。
初期の『寮内厳粛』『月島狂奏』『正門前行』『恋、した。 千話喧嘩』『三原有三』なんかはどれもめちゃくちゃおもしろくて大好きだった。
ああいう、くだらないんだけど頭よさげで、適度にオシャレな映画はもう撮らないのかなあ。決して大作娯楽映画が似合わないとはいわないけど(むしろ初期作品もちゃんと娯楽映画してたしね)、今回みたいに「無難に平均点」的なお仕事は見てる方はけっこーセツナイっすよ。よけいなお世話ですけども。
地下鉄で事故に巻き込まれた幼馴染みの玄野計(二宮和也)と加藤勝(松山ケンイチ)。
気づくとふたりは見知らぬ部屋に監禁され、「ガンツ」と呼ばれる黒い球体に「星人」と戦うことを命じられる。
一度死んだはずの命を取り戻すために、なんの説明もなく毎夜異形の者との戦いに呼び出される日々。計が暴力の快感に魅了されていく一方で、加藤はたったひとりの家族である弟(千阪健介)の元に戻りたいという思いに苦悩し・・・。
累計1500万部を売り上げて現在も連載中の人気コミックの映画化。前後編二部作の前編。
おもしろかったよー。とっても。
原作は読んだことないけど、まーものすごい宣伝しまくってるやないですかー。だからイヤでも予備知識はなんぼか入ってくるわね。けどそれがべつに邪魔になったりはしないです。
なぜなら物語に説明的要素がほとんどないから。
そもそもこの話のおもしろさは、登場人物がなんの説明も受けず善悪の判断もつかないまま殺戮の世界に取り込まれていくうちに、未知の自分自身に出会い、戸惑いながらもアイデンティティを取り戻そうとする、というところにあるからなんだよね。
なので宣伝でちょこっと聞きかじった説明くらいじゃ何の説明にもなってないわけ。映画の中にも説明がないから。
とりあえず後編が楽しみです。
いちばん笑ったのは「星人」のキャラ設定ね。ちょーシュールで笑える。
最初に登場した「ネギ星人」の子どもの「ネギあげます…(泣)」ってアレはナニ?決め台詞?なわけないね。「田中星人」はなんか前近代的な、ロボットっぽい動きがおもしろすぎる。「おこりんぼう星人」なんか仏像型って既に出オチやないですかー。仁王像が暴れるとか千手観音が刃物振り回すとか、リアルに昔の人の妄想の実写版やんけ。CGだけど。
だからアクションシーンは迫力がどーこー以前にいちいち爆笑ポインツ満載です。素晴らしい。ってかアクション、そんな大迫力でもないね。そもそも計や加藤はいわゆるヒーローじゃないから、アクションなんかできなくて当然なわけで、ガンツスーツという飛び道具でアクションさせられてるんだから迫力なんかある方がおかしい。
ガンツ球の「さいてん」理由もいちいち低次元でほのかに笑える。
おもしろい一方で難点もいっぱいある。困ったことに。
まず長い。上映時間130分てそんなにいらんやろ。この内容ならせいぜい100分で十分です。全体にテンポが鈍くて、とくに中盤はかなり中だるみしてるように感じた。カット割りが全般的にぬるい。もっとサクサクほいほい展開してほしくて結構イラッとする箇所多数。
あとシナリオがゆるい。内容薄いのに無理矢理盛ろうとしちゃってる感まんまんです。ストーリーは劇的なのに、“命”の観念とかミッションへの疑問とか葛藤とかそういう内面描写は全部役者の芝居におんぶに抱っこ状態だから、ちょいちょい台詞が妙にしらじらしくなってしまうのがすごい惜しい。つうかこの映画全体に惜しいんだけど。せっかくなんだから音とかもっと派手にやってくれないと。めっちゃ大爆発なのに音がちゃっちくて超物足りない。
それから画面が暗い。異常に暗い。アクションシーンが全部夜でほとんどナイトシーンばっかりの作品だからしょうがない、とはいわせませんぜ。ライティングで頑張ればよろしいやないですか。何も全部ナイトロケじゃなくて疑似夜景だっていいんだしさ。夜=暗黒=画面真っ黒でOKって芸なさすぎます。目は疲れるわ、役者の渾身の熱演も見にくいわ台無しやんけ。ガンツスーツのかっこよさもイマイチ活かしきれてないし。カメラワークも意味不明にカタいっちゅーか野暮ったいっちゅーか見せ所がわかってないっちゅーか。CGのことは何もいうまい(爆)。イヤ、悪くないです。大丈夫です(謎)。
ちなみにこの映画の撮影監督はこの作品と同一人物なんだけど、この時も画面暗くてブーブーいってたねアタシ。
余談だがこの撮影監督の河津太郎と佐藤信介監督はぐりの母校の先輩で、ふたりで自主制作映画を作ってPFFでグランプリを穫り映画界入りしたコンビである。
初期の『寮内厳粛』『月島狂奏』『正門前行』『恋、した。 千話喧嘩』『三原有三』なんかはどれもめちゃくちゃおもしろくて大好きだった。
ああいう、くだらないんだけど頭よさげで、適度にオシャレな映画はもう撮らないのかなあ。決して大作娯楽映画が似合わないとはいわないけど(むしろ初期作品もちゃんと娯楽映画してたしね)、今回みたいに「無難に平均点」的なお仕事は見てる方はけっこーセツナイっすよ。よけいなお世話ですけども。