池袋の駅前で、チラシを配る「集団」の輪の中に入り込んでしまった。
コンタクトレンズ、マンションの勧誘のものかと思ったが、ティッシュもついていそうだったので、ちょうど鼻水が感じられていたために受け取ってしまった。
ああ、「幸福の科学」!
5月から封切りになる映画の宣伝冊子である。
「現代の妖魔に惑わされないために」
「自分の心が、妖魔を呼び寄せる」
「画皮とは・・・美女の顔や手足を描いた人間の皮」「妖魔は、この皮を被って人間に化け、異性をたぶらかして自らの餌食にするという」
その現代版といったところか。
現代の妖魔なら、わざわざ中国の聊斎志異など持ち出さなくても、たくさんいるだろうに。
で、折り込まれたはがきは「チケットプレゼント」、さらに、加入の案内状もあり、抜かりない。
「人生に敗北などないのだ」
「運命の赤い糸は一本だけじゃない」
「学業とは関係のないところで人間関係をつくる」
「悩みがあるということは、生きている証拠なのです」
「病気も人生の一部」
「生命保険で借金を返そうと考えてはダメ」
「経営者は、無理・無駄・見栄を捨てよう」
それ自体、別に問題はないか。
「死後、数十年、霊として地上をさまよう」
あたりになると、ちょっと変だぞと思えてくる。
「人はあの世からこの世に繰り返し生まれ変わり、新たな経験を積んで、魂を磨いています」
だといいですね。
そして「総裁」の登場。
紹介文で、
「1981年に大悟し、霊的世界との交流を開始する。・・・信者は140カ国以上に広がっている」
すごい人なんだ。
オウムと、なにが違うのだろう。
そんな疑問も湧いてくる。
こんな子どもだましのような宣伝に、すがろうとしている人の多さに、現代の「妖魔」を感じてしまうのは私だけではないだろう。