安部晋三首相は20日の参院本会議で、「桜を見る会」の招待客の取りまとめに関し「事務所から相談を受ければ推薦者について意見を言うこともあった」と告白、8日の参院予算委で「招待者の取りまとめには関与していない」としていた説明を修正した。
しかし、安倍首相は、招待者を決定する段階で関与していないので、先に「関与はしていない」と述べたことは虚偽答弁ではない。とまたもつくろった。
また、安倍氏は、自身に割り当てられた招待者の枠は1000人だと明言、妻の昭恵氏も招待者を推薦したことを認めた。
これに対し、立憲民主党の福山哲郎幹事長は記者団に「国会で虚偽の答弁をしたことに強く抗議したい」と反発。国民民主党の玉木雄一郎代表は記者会見で「なぜ違う説明をしたのか、説明する責任が首相にはある」と指摘した。
また、首相と自民党の推薦枠が計約7000人分に上り、首相の昭恵夫人から推薦があったことも問題視している。共産党の穀田恵二国対委員長は会見で「桜を見る会の私物化の実態が一層明確になった」と強調した。
野党側はこのほか、(1)安倍後援会主催の夕食会が公職選挙法や政治資金規正法に抵触する可能性、(2)国会質問に向けた共産党の資料請求当日に内閣府が招待客名簿を廃棄した問題、(3)招待者が膨張した理由なども引き続き取り上げる方針だ。
野党は25日に追及チームを追及本部に格上げし、陣容を約6倍の60人規模に増強する予定。政府・与党は予算委開催を拒んでいるが、安住氏は「やらないなら、来年の通常国会で2カ月間かけてこの話をやらせていただく」とけん制した。
この問題は2つの視点がある。1つは「桜を見る会」の私物化、もう1つは安倍首相後援会が、桜を見る会の前日、高級ホテルで前夜祭もどき「パーティ」を行った際、安倍氏側で会費以上の持ち出し分を出したか否かである。こちらの方は、政治資金規正法違反、公職選挙法違反の疑いがある。
今回の件は、森加計問題における忖度とは違って、ダイレクトに安倍首相の関与が分かっている。これ以上逃げ回ることは見苦しい限りになる。「関連:11月19日」