ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2017J1リーグ第13節FC東京vsヴァンフォーレ甲府@味スタ20170528

2017-05-29 22:55:53 | FC東京

どんよりと曇った日が続いて、いよいよ今年も梅雨を感じます。

五月最後は、青赤ダービー。とは言え、怪我人復帰の甲府はともかく、東京にはこれと言ってニュース性もなく、ひさしぶりにA代表選出ゼロのチーム状態もあいまって、日曜のイブニングマッチは集客に難があります。試合内容で払拭したいところ。You'll Never Walk Alone♪

二試合続けてはやい時間の先制を守りきれない展開で、ドロドロのくやしいドロー。

東京はシフトと布陣をアジャストします。シフトは4-2-3-1。GKは彰洋。CBはモリゲとまる。SBは室屋と宏介。ボランチは洋次郎と草民。WGは右に永井左に慶悟。トップ下は嘉人。1トップはウタカです。

甲府は怪我人が戻りつつあります。シフトは5-2-2-1。GKは岡。3CBは右から新里、帰ってきたキャプテン英臣。エデル・リマ。WBは右に小出左に翔平。ボランチは小椋と島川。2シャドウは右に堀米左に佑昌。1トップはウイルソンです。

試合は華やかにスタートします。

2分。最初のCK直後の宏介の右CK。東京は主力を中央やや離れたところに置いて飛び込むパターンです。主力はウタカとまるが前、モリゲと洋次郎が後ろです。甲府はゾーンとマンマークのハイブリッド。ストーンはニアに二枚。ゾーンはゴール前に四枚。マーカーはモリゲにリマ、ウタカに英臣、まるに島川。ファアにはる嘉人に佑昌です。なので洋次郎はフリー。甲府のミスです。宏介のキックモーションと同時にまるがニア、モリゲがファアに飛び込んでマーカーを引きつけます。さらに中央のウタカも動かず。その前にフリーの洋次郎が飛び込みます。宏介の狙いはまさに洋次郎。フリーでヒットした洋次郎は岡の逆を取る狙いで首を振ります。このシュートが新里にあたり、さらに岡の逆をつくことになりました。東京1-0甲府。

これまで東京得意のスクリーンはモリゲの専売でしたけど、洋次郎が加わったようです。これでCKは、モリゲと洋次郎のスクリーンを軸に、ニアに飛び込むパターンを含めてバリエーションが整ってきています。流れのなかでのゴール数が限られますから、セットプレーの可能性を高くできると期待がもてます。

さて、東京の課題は言うまでもなくここから。無得点試合は今年二試合だけ。総得点も得失点のバランスを考えるとそれほど悲観する状況ではありません。でも、ここのところ二試合続けて最小得点にとどまっていて、公式戦三連勝といつになく好調だったGWの反動がきている印象です。なので、先制したがゆえ、今日のポイントは追加点。東京は、あまりにもはやい時間帯だったこともあってか、過剰のリトリートはせず、通常モードで試合に入ります。

今日の布陣の上での特長は三点。ボランチの組み合わせとトップ下と永井です。洋次郎は相棒のキャラによって役割を変えるようです。今日は攻撃時に縦の関係を作り、草民が前、洋次郎が下がり加減に位置取ります。洋次郎は中盤の底から攻撃スイッチを押します。それから左右に長めのパスを散らします。一方、草民は前線のパスワークに絡みます。嘉人をトップ下に入れたことと関わるのだと思いますけど、中盤の構成力で支配力を高める意図だと思います。

というわけで今日は、ここまでの攻撃の基本プランを少し変えて、ショートパスによるスペースメイクが基軸だったと思います。そこにアクセントとしてロングスプリンターの永井を組み込んだのでしょう。甲府は5バックで幅のスペースカバーは盤石ですから、長短の出し入れでギャップを作る作戦だったと思います。

先制直後はこれが機能します。甲府は、ラインコントロールする最終ラインに対し中盤がプレッシングします。状況によっては、ゆえにバイタルエリアが開くことがあります。東京はここに基点を作ることができたとき、有効なアタックを観せていました。

でも東京は、ショートパスを基調としますけどポゼッションスタイルではありません。先制後、時間をおうごとに甲府に攻撃権が渡ります。もちろん東京が守備バランスを優先するビジョンの現れですけど、もっとも現状に物足りなさを感じる部分でもあります。守備加重はあくまでも目指すチーム作りの過程だと期待します。

イニシアチブが甲府に渡ると、必然的に東京の重心は下がります。そこで、今日のシフトのウィークポイントが露見します。ウタカ、慶悟、永井が高い位置でトランジションできた場合、カウンター要員が不足します。嘉人が中盤の組み立てに入るためです。当然カウンターの威力は減衰します。守備加重の闘いかたは、言うまでもなく相手にカウンターを意識付けすることが前提です。この時点でビルドアップするには重心が下がり過ぎていましたから、2トップにしても良かったかもしれません。

甲府はサイドに基点を作って、スペースメイクの連鎖で攻撃の状況を作っていきます。ウイルソンが、とくに左サイドに流れます。このウイルソンの位置で基点を作れたときは有効なアタックができます。ここに、頻繁にポジションを入れ替える高アジリティな堀米と佑昌が絡み、攻撃特性のある小出と翔平をフリーにできれば有効なクロスをゴール前に供給できると思います。

ただし、ビルドアップの攻撃パターンは少しばかりぼんやりとしていて、およそゴールの香りはしません。それよりも、あらゆる状況でゴールの可能性を作りだす泥臭さが甲府の信条でしょう。ロマンチストを象徴するような達磨さんが甲府でどんなサッカーをするのか楽しみにしていたのですけど、甲府という地は、ロマンチストのなかにあるリアリストの本質を呼び起こす力を持っているのでしょう。想えばヒロシしかり。

甲府が掘り起こす攻撃のリアルは、守備にあります。甲府はけしてフォアチェックを前提とする守備スタイルではありません。でも東京が最終ラインでボールを回すときは例外。執拗にボールホルダーを追います。そしてダメ元の執念が前半終了間際に東京に襲いかかります。

44分。草民のモリゲへのバックパスが大きく逸れます。そこに走り込んでいたのは堀米でした。堀米は彰洋をかわして無人のゴールに流し込みました。東京1-1甲府。

守備加重モードに入ると守りきれない最近の課題が今日も起きてしまいました。前半は同点で終了。

後半あたまから篠田さんが動きます。永井に代えて拓馬を左WGに投入します。慶悟が右に回ります。狙いは二つ。ひとつは、甲府の五枚の最終ラインに対しサイドでのロングスプリントによるスペースメイクが有効でなかったので、フルビルドアップスタイルに変更したことです。スモールゾーンのスペースメイクのクオリティを一段上げるイメージです。

もうひとつは、ウタカと絡む選手を置くこと。トップ下に入った嘉人は、嘉人が活きないときの典型を再現するかのように、中盤に沈みます。なのでウタカが孤立します。拓馬にはシャドウストライカーのような役割を期待したのだと思います。これが機能して、カウンターのかたちをようやく見せられるようになります。

東京に流れがきそうになったことを受けて、達磨さんが動きます。島川に代えて兵働を同じくボランチに投入します。これも狙いは二つ。中盤のオーガナイズ力を上げること。それからなんと言ってもセットプレーのプレースキッカーとしての期待です。

達磨さんが続けます。堀米に代えてドゥドゥをトップに投入します。ウイルソンが右シャドウに回ります。状況が振り出しに戻ったことと、東京がイニシアチブを取りに来たので、甲府のもうひとつの攻撃パターンであるロングカウンターの可能性を感じたのだと思います。ドゥドゥを前面に押し出すことで、スピードのあるウイルソンを消す効果を狙ったのでしょう。前線に供給するカウンターの発動機能は、既に兵働を据えていますから盤石。ここから、東京がボールを持って攻め、甲府が受けてカウンターを狙うかたちが延々続きます。

篠田さんが動きます。慶悟に代えて翔哉を左WGに投入します。拓馬が右に回ります。もはや、翔哉の役割はドリブラーシューターではなくパス回しの一翼だと言っていいでしょう。

皮肉なことに、この時間帯あたりから、甲府は勝ち点1も視野にリトリートします。5+3の守備網を固めます。そして東京のパスミスが目立つようになります。

それでも草民や嘉人やウタカにビッグチャンスがあって、決まっていれば結果は違っていたでしょう。なので決定力に課題を見ることもできるのですけど、今日は、あえてアイロニーを込めていうなら、中途半端に勝たなくて良かったと思います。勝っても内容にモヤモヤしたと思います。結果が伴わなかったからこそ、気付く課題もあるのだと思います。

篠田さんが動きます。ウタカに代えて遼一を同じくトップに投入します。ウタカは1トップで孤立したこともあってかポストが不安定でした。遼一の粘り強いポストと対比すると顕著です。お願いがあるとすれば、攻撃のかたちが定まらない状況で、闘いかたと布陣を安易に変えないでほしいです。いかんせん、前線のタレントを潤沢に持ってますから試したくなるでしょうし、試すことを期待されることもあるでしょう。でも今はまず、今年の基本セットを粘り強く作っていくことが先決。その中心はまぎれもなく遼一だと思います。

同時に達磨さんが動きます。翔平に代えて復帰した涼平を右CBに投入します。新里が右WBに回ります。守備の安定を優先した選択だと思います。それに涼平を実戦になじませる配慮もあったのでしょう。

結局、東京は押し切れずパスミスを重ね、甲府もカウンターのキレがなく、このまま試合終了。東京1-1甲府。

失点はミスだからしかたがないと思います。この程度のことは、実際に失点するかどうかはともかく、優勝するチームでも年に一回はあることです。むしろ、攻撃。篠田さんは理屈ではわりだせない勝負運を持っているけど、攻守ともロジカルなチーム作りではまだ完成形を見せてくれていません。

昨年は、翔哉と心中するチーム作りと割り切り、成功しました。いま、選択肢が豊富なことがむしろ迷いのみなもとなのかもしれませんね。もう一度、東京のスタイルは何かを、シンプルに見つめてほしいと思います。

愛するチームの成績が週明けのはたらく気力に影響することは、サッカーファンの世界共通の特権と嘯く、マゾヒズム。元気ですか?。


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