ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2015FUJI XEROX SUPER CUPガンバ大阪vs浦和レッズ@日スタ20150228

2015-03-01 13:36:20 | サッカー

季節はウインターですけど、今週月曜は東京で19℃。網走で10℃という季節はずれを経て、にわかに春めいてきました。

なにしろ明日は3月ですから。

J開幕が待ち遠しいです。今日はひと足お先に、Jリーグ2015シーズン開幕を告げる、恒例のFuji Xerox スーパーカップを観戦します。

ゼロックス恒例の、マスコットだよ全員集合*\(^o^)/*。

こちらも恒例、全クラブのユニフォーム展示。今年J1初舞台の松本山雅。

今年からJ2のツエーゲン金沢。

今年Jに新加入のAC長野パルセイロ。

今年のゼロックスは、昨年の三冠王者ガンバとリーグ2位の浦和の対戦です。

ワンショットの決戦らしくコンサバティブな試合になりましたけど、セットプレーと伝家の宝刀カウンターからの2発で、ガンバがまず一冠めです。

ガンバは、キャンプ中にいろんな型を試したようですけど、結局実戦では実績のあるやり方に戻っているようです。シフトはミッドウィークのACLと同じく4-4-2。布陣はターンオーバーです。GKは東口。CBは丹羽と岩下。SBは今日は右にオ・ジェソク左に藤春。ボランチは今日のヤットの相棒は明神。メイヤは今日は右に大森左に秋が入ります。2トップは今日は宇佐美と赤嶺のコンビ。

浦和は前線の大型補強が話題です。なので浦和のターンオーバーは既定のことと捉えています。シフトは3-4-2-1。GKは西川。3CBに入れ替えがあると思ってましたけど結局ACLと同じで、右から森脇、那須、槇野。ボランチは今日の阿部の相棒は陽介。WBは今日は右に平忠左に関根。今日の2シャドウは梅崎と俊幸。1トップは今日は忠成です。

ガンバも浦和もスタッフは基本的に変わりませんからやり方に大きな変更はありません。なので、まずはおさらいから。昨年のガンバ三冠を支えたのは、フォアチェックからのコレクティブな守備と、そこからのカウンターです。対する浦和は、おなじみのミシャの4-1-2-3。勇樹が下がって那須の横に入ります。森脇と槇野はSB調で上がります。中盤は陽介一枚。2シャドウがポスト役を担います。得点できる選手が多彩なのが特長です。

試合はとてもコンサバティブに始まりました。シーズンインしたばかりでチーム作りの最中でしょうし、両チームともACLとのかけもちでとくにGWあたりまでは試合がたてこんでいますから、しかたないと思います。47,000人入った試合でしたけど、ファンがシーズンインの高揚を感じているのとはうらはら、日スタはずいぶん静かに立ち上がりました。

序盤は互いにロングボールを蹴り合う様子見から入りました。5分を過ぎる頃に浦和がポゼッションしはじめます。でもこれは、ガンバの罠でした。

コンサバティブの主要因はガンバにあります。昨年のガンバはアグレッシブなフォアチェックで、いわば地味に戴冠しました。今年はさらに、試合をコントロールする守備も身につけようとしているようです。ネガティヴトランジションの際、ガンバはまず2トップがボールホルダーを追います。レッズはご存知のとおりボール運びを急ぎませんから、ガンバの追い込みがよく効きます。2トップが時間を作っている間に4+4の守備陣形を整えます。

次の仕掛けはサイドへの追い込みです。とくに今日は、右に宇佐美と大森を置き、槇野のコースを封じます。このため自然に勇樹と那須の選択は森脇になります。ガンバはたぶん意図して森脇の前を開けました。秋は森脇のドリブルコースを消します。藤春が平忠、2シャドウを2ボランチ、忠成を2CB、陽介を赤嶺が見ていて、森脇は選択肢をすべて封じられます。森脇には正確なロングフィードがありませんからサイドチェンジもできない。結果、バックパスを繰り返します。

ガンバがリトリートする意図はもうひとつ。中盤での局地戦に持ち込むことです。浦和はサイドからのビルドアップを封じられたので、中央にパスを集めます。陽介を底辺にした逆三角形のなかで俊幸と梅崎がショートパスをつないで基点を作ろうとします。これこそがガンバの狙いです。今のガンバ最大のストロングポイントは、中盤のボール奪取力だと思います。今野が離脱して一番心配された部分ですけど、ヤット、明神、秋、大森の中盤は十分浦和のアタッカーを上回りました。

中盤でトランジションする目的は、あくまでも攻撃のためです。今日の、とくに前半のガンバがコンサバティブに見えたのは、昨年のダイナミックなカウンターが見られなかったからだと思います。ガンバは攻撃でも森脇を狙います。秋と藤春が高い位置で絡み、森脇に2on1を仕掛けます。藤春を押し上げるために、宇佐美は下がり目に位置し、トップ下のように振る舞います。ですので、むしろポゼッションです。中央に基点を作りサイドにパスを集めます。サイドのアタッカーは、左右のCBを突破するとペナルティエリアを目指し、深い位置からマイナスのクロスをゴール前に送ります。ゴール前には宇佐美と赤嶺、逆サイドのアタッカーが入ります。

ただ、そこはさすがに浦和の守備力です。最終局面で4枚のDFがゴール前を防ぎますから、やはりポゼッションではなかなか打開できません。けしてガンバが意図してコンサバティブにやりたかったわけではないと思います。互いに守備力が高いので、守り合いになったためだと思います。

25分あたりから浦和が攻め方を変えます。那須と勇樹が左右入れ替わります。つまり勇樹がコントローラーになります。勇樹は左右にロングボールを散らしはじめます。森脇と槇野を捨て、直接平忠と関根を目指します。さらに浦和は、大きなサイドチェンジも織り交ぜます。ガンバの最終ラインは絞ります。なので左右に揺さぶるとサイドにスペースができます。タイミングをはかって平忠と関根をフリーにし、一気にアタッキングサードに飛び込みます。これが奏功し、ガンバゴール前が賑わうようになります。

ただ、どうしてもシュートアテンプトには至りません。丹羽と岩下は、さすがにチャンピオンの自信が加わった不動のCBコンビです。

ガンバも少し攻め手を変えます。ヤットが大きくコントロールすることが少なかった前半ですけど、勇樹同様ヤットが長いパスを散らしはじめます。さらに宇佐美が右サイドに張り、大森と絡むようになります。そこに明神が加わったスモールトライアングルでゴール前に飛び出すスペースを作ろうとします。

さすがにサッカーをよく知っているチーム同士の対戦は、表面は静かなるも打ち手の出し合いで緊張感がありました。前半はスコアレスのまま終了。

両チームとも動きはなく、後半に入っても流れは変わりません。守備加重でゴールの匂いがしない状況が続きます。

先に動いたのはミシャでした。俊幸に代えてズラタンをトップに投入します。忠成をひとつ下げます。忠成は頻繁に中盤に顔を出し、ポゼッションに積極的に加わります。今日ばかりは、これはガンバにとって好都合だったと思います。最前線に相手がいなくなりますから。ミシャはこれを気にしたのでしょう。ズラタンを最前線に張らせます。ズラタンにパスを集めるというよりは、ズラタンを囮にしてシャドウを活かす意図でしょう。

これで浦和が活性化します。とくに関根が活き活きしはじめます。さらに関根の後ろから槇野も顔を出し、浦和の攻撃に厚みが増します。関根への球出しは、勇樹と陽介からのストレート系フィードです。那須も含めて、正確で多彩なロングフィードを蹴れる選手が多いのが浦和の強みです。関根の折り返しをズラタン、さらに一枚後ろから忠成が飛び込み、ビッグチャンスが生まれはじめます。浦和のハイライトは、平忠のアーリークロスに、ジェソクの背後からスルスルっと顔を出した関根がゴール前に飛び出しダイレクトで合わせたシュートでした。決まっていたら、守備力の高い浦和ですから、結果が逆になっていた可能性はおおいにあります。

これを見た健太さんが動きます。赤嶺に代えてパトリックを投入します。赤嶺はフィット感は問題ないのですけど、まだチームも赤嶺も一番美味しいところを引き出せてないですね。赤嶺の強みは、フィジカルを活かしたゴール前でのアグレッシブな個のアタックですけど、いまのガンバは宇佐美に点を取らせる戦いかたですから、相棒にはひとりで攻撃を作れる力が求められます。ただ、赤嶺が入った時は、違ったパターンの攻撃になるようにしたほうがチームの幅ができて面白いと思います。赤嶺もやはり、カウンターで活きるタイプですから方向性に心配はありません。

さて、パトリックが入ってガンバは一気にモードチェンジし、攻撃がダイナミックになります。パトリックにボールを集め、浦和にダブル、時にトリプルチームで守らせ、宇佐美のために広大なスペースを用意します。そして、健太さんの作戦はいきなり奏功します。

後半23分。ヤットの右CK。浦和はゾーンとマンツーマンのハイブリッドです。ニアに関根。ゴール前はズラタンと森脇。マンツーマンはパトリック、岩下、丹羽、明神に、槇野、那須、忠成、勇樹がつきます。ヤットのCKは団子状態のマンツーマンエリアに。丹羽と明神がスクリーンを作って那須、勇樹、忠成をガードしてる間にパトリックをフリーにします。勇樹が寄せますけどタイミングはすでにパトリックのもの。パトリックがシュート気味にフリックしたボールがゴール前に。その時ファアでは、森脇の背後を取った宇佐美が森脇を振り切って抜け出しました。右足ダイレクトで叩き込みました。

セットプレーでしたけど、両監督が放った作戦は、健太さんに軍配が上がりました。ミシャは先に動かざるを得ない状況になります。梅崎に代えて武藤を投入します。武藤はスモールスペースでのコンパクトなアタックを得意とする梅崎と違って、もう少し裏への飛び出しが特長です。ただ、流れを変えるまでのインパクトはありませんでした。

攻めにきたミシャに対し、健太さんは落ち着いています。たんたんと手を打ちます。宇佐美に代えて仕上げのリンスを投入します。前線を活性化し、浦和の背後を脅かして攻撃を鈍らせようという意図です。右にパトリック、左にリンスを配し、秋を加えた3人でロングカウンターを繰り出します。十分浦和DFは脅威だったと思います。

ゴールに迫るもなかなか得点できない展開に、浦和サポもフラストレーションを感じたでしょう。ミシャが動きます。那須に代えて啓太を投入します。勇樹をリベロに下げます。たぶん、パトリックとリンス対策で中盤の守備範囲を広げる意図でしょう。さらに実質CBを一枚削ってリスクテイクしたのだと思います。

今の浦和は、まだまだ攻撃を作っている過程だと思います。今年はターンオーバーを志向してアタッカーを大量補強しましたから、選手を固定する傾向にあるミシャもいろいろ試さざるを得ないと思います。今日は出なかったけど、慎三、石原、小島、和、宇賀神がいますから、選択肢が増えた分テストパターンも増えてしまいます。模索している間にACLが終わったら有能な選手を抱えていることのリスクが表面化しかねないので、まずは結果を残していくことを考えるべきじゃないかなと思います。

アディショナルタイムに入って、健太さんは仕上げのブローも加えます。守備で頑張っていた大森に代えて阿部を投入します。そしてパトリックのMVPを決定付けるゴールが生まれます。

後半アディショナルタイム。カウンターからヤットの縦パスを受けたパトリックが、そのままドリブルでアタッキングサードに入ります。マッチアップするのは勇樹だけ。槇野が懸命に戻りますけど、パトリック封じには絡めません。パトリックはペナルティエリアに入って切り返し、勇樹を振り切ります。寄せてきた槇野をハンドオフしつつ右足トゥでシュート。これは西川に弾かれますけど、勇樹に当たったボールが再びパトリックへ。右ダイレクトで押し込みました。ガンバ2-0浦和。

ダメ押しが決まり、このまま試合終了。ガンバ2-0浦和。

ACLで、ホームで不覚をとったガンバでしたけど、シーズン初勝利がシーズン一冠めになりました。ガンバのストロングポイントを見せつけた、強さを印象付ける試合でした。のびしろもまだまだありそうだし、今年のガンバはホントに手強そうです。

一方の浦和は連敗スタートになりました。昨秋の埼スタ決戦で不覚をとって以来、ガンバは目の上のたんこぶのような存在になっています。ただ、ベースはとても高いし安定しているので、得点パターンさえ作れれば、リーグ、ACLとも戦力の優位性を活かせると思います。

三ヶ月ぶりの試合は、サッカーの楽しさを呼び覚ましてくれるのに十分な内容でした。さあ、来週はいよいよリーグが開幕します。2015青赤サッカーライフのスタートです。


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2 コメント

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Unknown (アキコ)
2015-03-04 22:53:49
こんばんわ
ぽちさん行かれなかったんですね
スタメンを確認してスタへ向かい交代を知って離脱しました
決まりが多くて窮屈そうでやりたいプレーが出来ないようで見ていて気の毒になりました
8年間見続けて初めてですよあの位置でのプレーは
はやくチームにフィットして欲しいと思うしかないですね
あのサッカーでいいのかなあ・・・
しかし美園は遠いです。
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Unknown (ぽちごや)
2015-03-04 23:55:51
アキコさん

おお!。埼スタに行かれたんですねー!。すごい。前半だけでも9ヶ月ぶりに勇姿を観られてよかったじゃないですか。

今日ばかりは、加賀さんが描いたサッカーのほうが勝てる近道だったと思いますけど、プロの選手は、監督のサッカーを具現化するために存在するのですから、客観的に見た善し悪しはともかく、交代はやむをえないかなと思います。

悔しいですけど。

加賀さんは、加賀さんのプレーをしたと思います。
加賀さんのプレーができたことに、ファンとして安堵してます。
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