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激務の王に安息をもたらした王妃
フェリペ2世妃 アナ・デ・アウストリア
1549~1580/在位 1570~1580
イサベル・デ・ヴァロアを亡くした時、フェリペ2世は41歳でした。
悲しみに暮れていたとはいえ一国の王ともなれば後継ぎのことを考えなければなりません。
王太子ドン・カルロスも亡くなり、イサベルが生んだ王女イサベル・クララと
カタリーナ・ミカエラのふたりしか嫡子がいないというのはあまりにも頼りなく
大国スペインにとっては国家の一大事です。
そこでフェリペ2世はドン・カルロスの婚約者だった21歳のアナと
4度目の結婚をすることにしました。
これより前、フェリペ2世はイサベルの妹マルゴとの再婚を断っていますが
これは「もうフランスとはやってられねーよ」ということなのか
マルゴの不埒な噂が耳に届いていたのか、それともセンチメンタリズム?
アナの母マリアはカルロス1世の娘で、フェリペ2世は伯父にあたります。
教皇ピウス5世はこの結婚に異議を唱えましたが後に承認しました。
伯父はいいんだ…
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/4d/56316f90b2f2605011a967b60f7adfee.jpg)
アナは肖像画だとキツそうでクールな感じに見えますが
刺繍や裁縫など家庭的なことが好きな、大人しくて優しい人だったそうですよ。
フェリペ2世は “ 太陽の沈まぬ帝国 ” をつくりあげた王ですから
領土拡大のために戦ってばかりの人生でしたが
アナは、せめて城にいる時ぐらい王に寛いでほしいと
居心地がよくなるよう常に気を配っていたそうです。
また、幼くして遺されたイサベル・クララとカタリーナ・ミカエラを
我が子のように慈しみ、レディとして恥ずかしくないよう教育したそうです。
イサベル・クララはお年頃になると、アナの弟ネーデルラント総督
アルブレヒト7世と結婚しました。
子供は5人生まれています。(王子フェリペ以外は10歳までに夭逝)
フェリペ2世も中年にさしかかり(そりゃあイサベラも可愛かったでしょうけど)
彼女のような良妻に恵まれてホッとしたのではないでしょうかね?
1580年、フェリペ2世は隣のポルトガルも併合して即位し
アナもポルトガル王妃の座につきましたが、そのすぐ後に30歳で急死しました。
伝染性の病気でフェリペ2世も罹っていたのですが、アナだけが命を奪われました。
53歳のフェリペ2世は以後は再婚せず、71歳で亡くなりました。
フェリペ2世にも愛妾はいましたが、王妃をないがしろにすることはなく
王妃に非道な仕打ちをしたわけではないのに、なんだか妻運が悪いよね?
せっかくいい伴侶を得たと思っても、こうすぐに逝ってしまっては
だんだんメゲてきちゃいますよねぇ。
後継ぎの王子がひとり残ったことだけが、せめてもの救いでしょうか。
(参考文献 西川和子氏『世界の王宮とヒロイン(マドリッド王宮)』 wikipedia英語版)
フェリペ2世妃 アナ・デ・アウストリア
1549~1580/在位 1570~1580
イサベル・デ・ヴァロアを亡くした時、フェリペ2世は41歳でした。
悲しみに暮れていたとはいえ一国の王ともなれば後継ぎのことを考えなければなりません。
王太子ドン・カルロスも亡くなり、イサベルが生んだ王女イサベル・クララと
カタリーナ・ミカエラのふたりしか嫡子がいないというのはあまりにも頼りなく
大国スペインにとっては国家の一大事です。
そこでフェリペ2世はドン・カルロスの婚約者だった21歳のアナと
4度目の結婚をすることにしました。
これより前、フェリペ2世はイサベルの妹マルゴとの再婚を断っていますが
これは「もうフランスとはやってられねーよ」ということなのか
マルゴの不埒な噂が耳に届いていたのか、それともセンチメンタリズム?
アナの母マリアはカルロス1世の娘で、フェリペ2世は伯父にあたります。
教皇ピウス5世はこの結婚に異議を唱えましたが後に承認しました。
伯父はいいんだ…
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アナは肖像画だとキツそうでクールな感じに見えますが
刺繍や裁縫など家庭的なことが好きな、大人しくて優しい人だったそうですよ。
フェリペ2世は “ 太陽の沈まぬ帝国 ” をつくりあげた王ですから
領土拡大のために戦ってばかりの人生でしたが
アナは、せめて城にいる時ぐらい王に寛いでほしいと
居心地がよくなるよう常に気を配っていたそうです。
また、幼くして遺されたイサベル・クララとカタリーナ・ミカエラを
我が子のように慈しみ、レディとして恥ずかしくないよう教育したそうです。
イサベル・クララはお年頃になると、アナの弟ネーデルラント総督
アルブレヒト7世と結婚しました。
子供は5人生まれています。(王子フェリペ以外は10歳までに夭逝)
フェリペ2世も中年にさしかかり(そりゃあイサベラも可愛かったでしょうけど)
彼女のような良妻に恵まれてホッとしたのではないでしょうかね?
1580年、フェリペ2世は隣のポルトガルも併合して即位し
アナもポルトガル王妃の座につきましたが、そのすぐ後に30歳で急死しました。
伝染性の病気でフェリペ2世も罹っていたのですが、アナだけが命を奪われました。
53歳のフェリペ2世は以後は再婚せず、71歳で亡くなりました。
フェリペ2世にも愛妾はいましたが、王妃をないがしろにすることはなく
王妃に非道な仕打ちをしたわけではないのに、なんだか妻運が悪いよね?
せっかくいい伴侶を得たと思っても、こうすぐに逝ってしまっては
だんだんメゲてきちゃいますよねぇ。
後継ぎの王子がひとり残ったことだけが、せめてもの救いでしょうか。
(参考文献 西川和子氏『世界の王宮とヒロイン(マドリッド王宮)』 wikipedia英語版)
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