まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

スペイン女王イサベル2世王女 エウラリア

2017-01-29 19:07:22 | スペイン王妃・王女
王を怖れさせた暴露本?
イサベル2世王女 エウラリア・デ・ボルボン
ガリエラ公アントニオ妃


1864〜1958

エウラリアは、イサベル2世の三男六女の末っ子です。
末っ子らしくのびのび育ったみたいなエピソード満載です。
教育は姉たち同様、亡命先のパリで受けました。

スペインへ帰国して9年後、22歳の時に従弟のアントニオと結婚しました。
結婚式は兄のアルフォンソ12世の崩御で数ヶ月延期されました。
     
結婚から2年後、二人目のお子様が誕生すると、エウラリアは夫と別居します。
スペインとパリの屋敷は維持していましたが、イギリスが好きだったようで
しばしばイギリスに滞在していました。

1893年、シカゴ万博を訪れ、ホワイトハウスでクリーブランドとも会っています。
アメリカに行く前にプエルトリコやキューバを訪れています。
後には、カルロス3世の子孫でありながら、Daughters of the American Revolutionの
メンバーとして認められました。

エウラリアは、作家として活動していましたが、主な作品は王室の暴露本。
1912年にペンネームで書かれ英訳もされた『The Thread Life』は
甥のアルフォンソ13世が「私が読んで許可するまで出版を見合わせてほしい」と
電報を打ったにもかかわらず、これを拒否して出版します。

家族と親戚たちとは連絡を取り合い、親交はあったようなのですが
貴族のサロンはザワついていたようです。
「これ自分かも…」と思った人もいたでしょうし、一般市民に知られたくない風習や
過去におこった貴族のおバカ丸出しエピソードなんか本にされちゃあね…
実際は、王女である彼女の教育や自立、階級や信教について書いてあったみたいです。

また、世界の政治情勢についても語っていて、とりわけ、
フランスとドイツには和平なんてありえない! という確信を示していました。
なぜかしら? フランク王国の取り合いに始まり、普仏戦争があり、第一次大戦があって
ずーーっと戦ってる印象があったかしらね。
たしかに第二次大戦でも敵になっちゃいましたが…

また、しばしばイタリアのムッソリーニについても言及しています。
甥のアルフォンソ13世は、イタリアのヴィットリオ・エマヌエーレ3世に倣って
ファシスト政権を樹立させ、国内の混乱を乗り切ろうとしていました。

彼女の著書には、しばしば当時のファシスト体制からの引用があったということで
ファシズム反対派ではなかったということなんでしょうかね?
甥がスペインで創った独裁体制を指示していたということかしら?

1958年に、スペインのフランス国境に近いイルンで、心臓発作で亡くなりました。

今なら、評論家やコメンテーターとして重宝しそうな女性ですね。
でも、現代においても王族にはちょいと困ったタイプかも… 正直すぎてね。

ちなみに、エウラリアの次男ルイス・フェルナンドは、麻薬がらみで王位継承権を
剥奪されたことをはじめ、けっこうワイルドな人生を送ってます。
お兄ちゃんのアルフォンソは真面目そうなんですけどね。

              
                辛口コメントをしそうな感じ?

(参考文献 ピエール・ミケル『ヨーロッパ最後の王たち』 Wikipedia英語版)

ヨーロッパ各王国の終焉を描いた一冊
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね



ひとことK-POPコーナー
いよいよ SHINee WORLD 2017 ~FIVE~ が始まりましたね! ジョンヒョンの足は大丈夫だったのでしょうか?
レポではほとんど椅子に座っていたということでしたが、一番悔しい思いをしているのはジョンよね…
それでも欠席せずに日本まで来てくれて、歌声を聴かせてくれてありがとう〜! でも無理しないでちゃんと治してね
これからのツアー、楽しみにしてます!!



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2 コメント

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はじめまして。 (taki)
2017-02-02 18:24:18
こんばんは。はじめまして。
突然のコメントすみません。
フランス王家の家系図をネットで探していて、こちらのページにたどり着きました。
主さんへの連絡手段がほかに見つからず、コメント欄をお借りしています。

いくつか記事を拝見しましたところすごい情報量!
家系図や写真も載っていてすごく時間をかけて丁寧に記事を書かれているんだなと感じました。
私も歴史が好きでこんな風にブログで紹介したいと思っているのですが、
記事の内容や史実はどんなふうにお調べになっているのですか?
また、家系図はご自身で書いていらっしゃるのでしょうか。
是非お聞かせいただきたいです。
よろしくお願いします。
こんにちわ (まりっぺ)
2017-02-06 09:13:27
takiさま、はじめまして
コメントありがとうございます

このブログをそのように見ていただけで、とてもありがたく思っています。

でも、実は歴史はあまり得意ではないんですぅ…
わたしはもともと女性の生涯を書いたものとかエピソードを集めた書籍が好きなのですが、同じ名前の別人とか、誰とどう繋がっているのかがわかりづらいので家系図を書きながら読んでいました。
そしてある時から家系図を作る方が面白くなってしまい、パソコンでイラストレーターを使って清書するようになりました。
このブログは、その家系図を載せたくて、文章の方はWikipediaとか書籍から集めたものをかなりはしょって書いているしだいです。

日本語の資料が見つからないものは英語を訳しているのですが、英語は不得意なので間違っているものもあるかもしれません。
かなりいいかげんなブログだとご容赦ください。

今後もいろいろな女性の紹介ができるよう、がんばります。

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