まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

『郊外の一日 新チェーホフ・ユモレスカ1』つくづく短編名人!

2015-12-16 23:00:32 | ロシアの作家

1884年~1887年 チェーホフ

“ ユモレスカ “ が “ ユモレスク ” と同じ意味で使われているとしたら
少しこっけいなものを集めた小作品集というようなことになるのでしょうが
あまりその部分にとらわれずに読む方が良いようです。

とにかく幅広い… なんでも書いてるんですね、チェーホフ。
そこらへんを歩いてて目にした物事は、たとえば絵画で言う写生のように
すぐその場で小説にしちゃってたんじゃないかっていうぐらい
多様なテーマを扱っています。

喜怒哀楽、いろいろな感情を持って読めるお話しが31篇!
いくつか印象に残ったものをご紹介します。

『郊外の一日/1886年』
朝の8時過ぎ、靴屋のテレンチーが畑にいると、6歳の浮浪者の娘フョークラが走って来て
伯爵の森で木の洞に突っ込んだ手が抜けなくなった兄のダニールカを助けてと言います。
テレンチーは「やれやれ」と腰を上げると、村を抜けて伯爵の森に向かいます。

すっごくいい話しなのよぉ!
こういう大人がたくさんいたら、世の中はよくなりそうな気がする…
だけど、他の話しを読むとそうも思えなくなってしまうんだけど…

『花婿とパパ 現代的な或る小景/1885年』
ピョートル・ミールキンは、まわりの人々から、コンドラーシキン家の娘
ナスターシャと結婚するのかと聞かれて、誤解を解くために彼女の家に向かいます。
しかし、出て来たナスターシャの父親は、娘と結婚しろと言って一歩も引きません。

下手なのよねぇ… ピョートル・ミールキン
モームに『家探し』っていう話しがあるんだけど、こういうふうにしなきゃ!
それより(たぶん食費をうかせたいからって)その女性の家に通い続けたのがどうかと思う…

『聖なる純朴 物語/1885年』
教会の高齢の院長ジェズローフ神父のもとへ、15年ぶりに息子が訪ねて来ます。
モスクワで名高い弁護士になっている息子を料理女に自慢したい神父でしたが
息子は、破産しそうになった話しや、離婚した話しを披露します。

世代間ギャップに加え、田舎と都会で暮らすうちに生じる人生観のズレや
金銭感覚の大きな大きな違いが浮き彫りになる一編です。
こういう親子はかなり多いと思う。

『父親/1887年』
ムサートフ老人が息子のボリースのところに、またもや金の無心に来て泣き言を言います。
何も言わず金を渡すボリースに、老人は、息子が三人とも親切だと涙を流します。
しかし、送って来た息子を家に入れると、女たちの前では偉そうに振る舞います。

この話しをどう受け取ればいいのか、途方に暮れてます。
どんな親でも孝行しなさいよっていう教訓なのか、情けない父親を笑い者にした話しなのか
のんだくれで落ちぶれた老いた父親の哀愁を読み取るべきなのか… もう少し悩んでみます。

私はチェーホフの短篇集をけっこう持ってまして、中には箱入りで何十話もおさめられている
ものもあるので、もちろん重複しているも話しがあるのですが
買う度に未読のものが少なからずあることに驚きます。
しかも、チェーホフは若くして亡くなっているので、執筆期間は短いですよね?

本当に、何かの待ち時間中にちゃちゃっと書いてたとしか思えない多さ!
しかし片手間で書いたとは思えない完成度!!
ちゃんと寝ていたんでしょうか? 寝る間を削っていたんじゃないかと心配になります。
今心配してもしかたないんだが…

チェーホフがまだまだ読み足りない方、Iと IIあわせてどうぞ!
読んでみたいなという方は下の画像をクリックしてね

  

ひとことフィギュアスケートコーナー
羽生君、すごいよねぇ… で、グランプリシリーズ・ファイナル見てたらリンク脇日本人(女性)多かったよね?
近ツーとかJTBがツアー組みましたかね? 広告も日本のばっかりだし…NHK杯かと思っちゃったわよ
コメント (2)
この記事をはてなブックマークに追加

『書店主フィクリーのものがたり』あ~! 本屋さんになりたい!!

2015-12-11 22:35:25 | アメリカの作家
THE STORIED LIFE OF A.J.FIKRY 
2014年 ガブリエル・ゼヴィン

この物語が、良い小説なのかそうでないのかは、私にはわかりません。
ただ、ものすごくよいお話しだったと思っています。

本屋と言うシチュエーション、多彩なキャラクターの愛すべき登場人物たち、
とんとん拍子といってもいい物語のハッピーな展開…
もう、空き時間がくるのが待ちきれなかったですよ。

島にたった一軒しかないアイランド・ブックスに、ナイトリー・プレスの営業
アメリア・ローマンが訪ねていくところから物語が始まります。

店主、A・J・フィクリーは、2年前に妻ニックを自動車事故で亡くしてから
変わり者&頑固者に拍車がかかり、孤独な毎日を送っていました。

大切にしまっていた、高価な希少本、ポーの『タマレーン』が盗まれた数週間後
A・Jが夜のジョギングから帰ると、店の中に小さな女の子が置かれていました。
女の子はマヤと名乗り2歳だと言います。
残されていた手紙から、マヤは捨て子だとわかりました。
翌日、若い女性の死体が海で見つかり、自殺したマヤの母だと判明しました。

で、A・Jはマヤを引き取る決心をして、それからどんどん人生は好転するわけなのね。
もう、こんなにわかりきった展開でよいのでしょうか? というぐらいうまくいきます。

タイトルどおり、A・Jの後半生を描いた物語で、最後には彼に死が訪れるのですが
それさえも、悲しさよりも、爽やかで心地よい読後感をもたらしてくれました。

とにかく、たくさんの作家名と作品名が登場する物語で、知らない物多数でしたが
知っている作家や作品が出てくるとそれだけで心弾んじゃった!
特に、A・Jがマヤに残した手紙なのかメモなのかが、各章のトップにあるのですが
「これを読むといい」とおすすめしてる本の中に自分のお気に入りがあったら
すごくすごく嬉しくなったりして… ちょっとあげてみるね!

ロアルド・ダールの『おとなしい凶器』『古本屋』
アーウィン・ショーの『夏服を着た女たち』
フラナリー・オコナーの『善人はなかなかいない』
マンスフィールドの『人形の家』、それ以外にもたーくさんたくさん…

もちろん、おススメコメントは、私みたいにいいかげんなものでなく
文学的、哲学的にちゃんとしたもんですので安心してね。

最後に、A・Jからアイランド・ブックスを引き継いだ元警察署長ランビアーズが
語った一文を載せときます。
本好きの皆さんは、たぶんこの部分にものすごく共感できると思います。
たとえ好きなジャンルは違ってもね。

「ー前略ー おれは、本のことを話すのが好きな人と本について話すのが好きだ。
おれは紙が好きだ。紙の感触が好きだ。ズボンの尻のポケットに入ってる本の感触も好きだ。
新しい本の匂いも好きなんだ」

本と本屋さんが好きな方に心からおすすめです!
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね



ひとことK-POPコーナー
A・Jといえば… U-KISSのA・Jはいつアメリカから帰ってくるんでしょう?
U-KISSといえば… イライ~! おどろいたさ!! おめでとうというべきでしょうが、ペンのみなさんの心中を考えると…
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

スコットランド王ジェイムズ2世王女 メアリー

2015-12-02 21:58:44 | スコットランド王妃・王女
          肖像画が無いので、お母さまのメアリー・オブ・グェルダーを…

舅の欲と兄の欲の犠牲になった王女
ジェイムズ2世王女 メアリー・スチュワート
アラン伯トマス・ボイド夫人/ジェイムズ・ハミルトン卿夫人


1453~1488

ジェイムズ1世の後を継いだジェイムズ2世と王妃メアリー・オブ・グェルダーには
五男二女のお子様がいました(長男は生後すぐ亡くなっています)。

メアリーは長女で、8歳で即位したジェイムズ3世の、2歳年下の妹です。
1467年、14歳ぐらいでトマス・ボイドと結婚しました。

トマス・ボイドの父ロバート卿は、母メアリーとセント・アンドリューズ司教の
ジェイムズ・ケネディという後見人を亡くした14歳の王ジェイムズ3世を抱え込み
自らが王のように振る舞っていた人物です。
王族との繋がりを持っていずれは王家に…なんて考えて息子と王妹を結婚させたのかしら。
          
メアリーの持参金はアラン島で、トマスはアラン伯に叙位されました。
結婚後すぐに男の子が生まれ、翌年には女の子が生まれています。
政略結婚ですが、仲が良さそうでよかったですね。

結婚から2年後、トマスはジェイムズ3世のお妃になるマーガレット・オブ・デンマーク
エスコートするために、デンマークへ行くことを命じられます。
実はジェイムズ3世は、ボイド一族の打倒を計画していました。
トマスのデンマーク行きは、トマスと強力な一族を引き離す作戦だったようです。

メアリーは兄王の意志を察知すると、リース港に向かい、夫に警告を与えました。
しかも警告を与えるだけでなく、一緒に出航しちゃったみたいです。

出航後トマスは捕らえられ、称号も勲章も領地も全て没収されてしまいます。
そして、トマスの弟は反逆罪で処刑されました。

けれども、ジェイムズ3世はこの時18歳なのよね、しかも繊細で気弱な王様だったそうで
自分で下した決断というよりは、反ボイド派な貴族たちにのせられてしまったみたいです。

それでも夫の無実を訴える妹メアリーをディーン城に閉じ込めて
トマスとの結婚が無効になるまで出してあげませんでした。

何もかも奪われたトマスのその後の消息ははっきりしていません。
1471年から1473年の間に、アントワープで亡くなったとされています。

結局メアリーとトマスの結婚は、1473年に無効となりました。
その翌年、メアリーはジェイムズ・ハミルトン卿の後妻になります。
ジェイムズ・ハミルトンはメアリーよりも40歳ぐらい年上でした。
         
トマス・ボイドの時にはアクティブなエピソードがあったメアリーですが
再婚後はどんなふうに暮らしていたのかまったくわからないっす。
35歳で亡くなりました。

二人には二男一女のお子様が生まれています。
16世紀、メアリー女王の時代に、孫のジェイムズ・ハミルトンが
政治の舞台で活躍したようです。
また、娘方の玄孫ヘンリー・スチュワートが、メアリー女王の夫になります。
この二人の息子が後にイングランドのスチュワート家へと繋がっていきます。

本人のエピソードは少なくとも、王家にとってはかなり重要な人物と言えそうですね。
せめて肖像画ぐらいあってほしい…

(参考文献 森譲氏『スコットランド王国史話』 Wikipedia英語版)

ひとことドラマコーナー
『下町ロケット』 何が気になるって、要潤の次に気になってしかたがない小泉孝太郎が悪役じゃないのぉ
でも、社運がかかってる&高視聴率ドラマ出演、頑張ってね~! さらにバカリズムが今後どう動くのかも気になります
コメント
この記事をはてなブックマークに追加