まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

『零落者の群』貧しき者たちの英雄

2016-09-26 20:02:04 | ロシアの作家

1897年 マクシム・ゴーリキー

この物語は、じつは『ゴーリキー短篇集』の中におさめられている一編なのですが
かなり長いお話で、印象深かったので、一編として紹介しようと思います。

舞台はウェズジャヤ街という、山の手の下にある貧民街で
そんな中でも、特に落ちぶれた感が強い、木賃宿の住人が主人公です。

クヴァルダという、退役騎兵大尉が主人を務める木賃宿があります。

木賃宿というのは、どうやら宿泊費が日払いのようで、一晩寝泊まりするだけの人もいれば
住みついちゃってるような人もいますが、描かれているのは、主に後者の方です。

クヴァルダ以外は、もと教師で現在記者をやっているインテリのチトーフ
もと林務官の60歳の老人シムツォフ、もと監守のマルチャノフ
もと機械工ソーンツォフ、おとなしいキセリニコフ、もと百姓の老人チャパー
破門されたもと補司祭タラス、といった人々が登場します。

クヴァルダとチトーフ以外は、ほとんどが行商人かくず屋で日銭を稼いでいます。
行商するといっても、がらくたみたいなものとか、商店でも買えるものばっかり…
だから、彼らはギリギリの稼ぎしかないし、這い上がれる見込みもありません。

で、あらすじはおいといて、彼らがどうしてこんな身分でいるのかっていうことなんだけど
酒で身を持ち崩した人はさておき、あとは、病人・老人・学問が授けられなかった若者
前科者・出稼ぎに出て来たけど仕事が見つからない… などで
結局、そういう人間は落ちぶれるしかないのだ、という、当時の階級意識と無保証ぶりが
垣間見える内容になっております。

それでも前半は、彼らの哀しくもいきいきした生活ぶりが描かれているような気がします。
もしかしたらチトーフはここから抜け出せるかもしれない…
チャパーは本当に金持ちで、皆を救えるのかもしれない… なんて
夢みがちな考えが浮かんだりもしました。

なんだけど、木賃宿の持ち主の商人ペトゥンニコフが、その辺り一帯を工場にしようと考え
木賃宿を取り壊そうと目論んだところから、物語はガラガラと破滅に向かっていきます。

貧乏人たちの溜まり場の酒場の無学な主人ヴァヴィロフは、せっかくクヴァルダとチトーフが
知恵を授けてやっても、ペトゥンニコフ親子にさっさと丸め込まれてしまいます。

でも、勝負は最初からわかってんのよね。
持てる者と公権が、貧乏人に負けるわけないもの。
それに、貧民街があるよりは、工場がいくつか建つ方が、求人も増えて生産的だしね。

ゴーリキーは、凛とした貧乏人を描きたかったのかしら?
貴族や兵隊たちの中にではなく、貧しい人々の中に英雄を作りたかったのかもしれません。
何も持たなくても臆することなく、負けると知っていても立ち向かい
全てを失っても嘆くことをしないクヴァルダたちを見て、そんな風に思えましたが…

ひとことK-POPコーナー
f(x)ソルリ、2NE1のMINZYの脱退、KARA、4Minuteの解散と、女性グループにもいろいろ動きがあって
一抹の寂しさを感じておりましたが、Secretのソナもですかぁ…
Secretはららぽーとでイベントも見たりしたんだけどな… これからの活動も頑張ってほしいですね
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ノルウェー王ホーコン7世妃 モード

2016-09-23 19:22:03 | ノルウェー王妃
勝手知ったる母の実家に嫁いだ王妃
ホーコン7世妃 モード・アフ・ノルジ


1869~1938/在位 1905~1938

一気に時代がとびますよぉ

スウェーデンとの共治時代が終わり、やっっっと、ノルウェー単独王登場です。
ノルウェーの独立は、スウェーデン王オスカル2世が理解を示し、尽力してくれて達成され
本当はスウェーデン王家から王をむかえたかったそうなんですが
結局デンマーク王フレデリク8世の次男カールを王にむかえることになりました。

カールはホーコンに改名してノルウェー王に即位しました。
ちなみに母親はスウェーデン王女ルイーセです。 入り組んでますわね。

そんなホーコン7世の妃は、イングランド王エドワード7世王女モードです。
お母さまはデンマーク王女アレグザンドラで、ホーコン7世とモードはいとこ同士ですね。

        
モードは、エドワード7世とアレグザンドラからかなり自由に育てられ
元気旺盛な王女で、ハリーというあだ名がついていました。

モードは、毎年のように里帰りしていた母アレグザンドラと一緒にデンマークを訪れていて
いとこのホーコンとはよく会っていたでしょうね?
ホーコンの方が3歳年下なので、お姉さんぶっていたかもしれませんね。
もしかして恋愛結婚なのかしら?

27歳の時にバッキンガム宮殿で結婚式を挙げています。
ホーコンはまだカールという名で、デンマーク海軍の将校でした。
なので、結婚後はデンマークで暮らしていました。
毎年訪れて慣れ親しんでいる場所へ嫁ぐのって、まったく知らない国へお嫁に行くより
気が楽かしらね? それとも未知の世界へ踏み出してみたかったかしら?

1905年、カールがにホーコン7世として即位し、ノルウェーで暮らすようになりました。
モードは、いつまでも故郷イングランドを愛していましたが
素早くノルウェー王妃という立場に順応していきました。

少女時代はおてんばだったモードですが、王妃になってからは
シックな女性だと評判だったようです。

子供と動物のための協会を設立するなどの慈善活動に精を出し
音楽家や芸術家への奨学金をだすなどしています。

嫁いだ時には、夫は次男だし、王になることはないかも… なんて思ってたかもしれませんね。
でも、さすが王女、ちゃんと王妃としての勤めを果たしました。

しかしやはり故郷は恋しい、ってことで、オスロの宮廷に
イングリッシュ・ガーデンを造ったりしています。
ちょこちょこ里帰りはしてたみたいですけどね。

モードは、1937年に甥のジョージ6世の戴冠式に参列しましたが
それがイングランドの公式行事で見られた最後の姿でした。
翌年、誕生日の6日前にロンドンで亡くなりました。 69歳でした。
戴冠式からずっとイングランドにいたのか、たまたま里帰りしてたのかわかりませんが
遺体はオスロに運ばれ埋葬されました。

(参考文献 武田龍夫氏『物語北欧の歴史』 Wikipedia英語版)

ひとことK-POPコーナー
INFINITE 6TH MINI ALBUM ONLY 到着〜! The Eye はすでにMVで見てましたけれども
相変わらずピシピシっとキマって気持ちいいわ〜 でも、いつも痛そう… ケガに気をつけてね、とか思っちゃう
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『ゴーリキー短篇集』時は革命20年前

2016-09-20 16:51:50 | ロシアの作家

マクシム・ゴーリキー

ゴーリキーは、『世界短編名作選 ロシア編』を読んで
絶対他の物語を読もうと思っていて、以前、長篇『母』を読んだのですが
短篇集も一緒に買っておきざりにしていました。

20代の頃の短篇が、7篇おさめられているのんですが
『零落者の群』というお話しはかなり長いので、別でご紹介します。

ゴーリキーが、いったいどの階級に属していたのかは知らないんですが
そして今後もたぶん調べないのですが、労働者、それもどちらかというと、季節労働者や
日雇いの貧しい労働者、放浪者などをテーマにしたものが多かったです。

その他6篇の中で『秋の一夜(ある秋のこと)』は、『世界短編名作選』で読んでいますが
やはり、とっても良い話しでした。

その他印象に残ったお話しをいくつか…

『イゼルギリ婆さん/1895年』
仕事を終えて次の仕事へ移動する間、ベッサラビヤの夜の海岸で
干からびたようなイゼルギリ婆さんの話しを聞く。
何千年も生き続けなければならない暴漢ラルラ、若い頃の婆さん、愛したポーランド人
青い炎になった若者の英雄など、婆さんの話しは尽きない。

解説によると、ゴーリキーは若い頃放浪したそうで、こういう不思議な話しや
土地に伝わる話しをたくさん聞いたのでしょうね。
そういうのはいいのだが、老人の若い頃の話しを聞いてあげるなんて… エラいわぁ…

『チェルカッシ/1895年』
埠頭の中を、ボロを纏って歩き回るチェルカッシは、名うての泥棒で
その夜の相棒を探していた。
そんな彼に、やはりすり切れた服を着た若者が声をかけてくる。
金持ちの農家の娘が待つ田舎へ帰って結婚するために、大金を手に入れたいと言う。

この話し、前半はあんまり好きじゃなかったんですよね。
でも後半、チェルカッシの男前ぶりが炸裂します。
ある意味、英雄伝と言えそうですが、その後の彼がどうなったか気になるところ…

『二十六人の男と一人の少女/1899年』
暑く暗い地下室で、一日中機械のようにパンをこしらえる、貧しい二十六人の男たちの
唯一の光は、毎朝パンをもらいにくる、十六歳の小間使いターニャだけだけで
誰もが彼女を崇め、敬い、言うことを聞いてあげた。
ある日、待遇のいい白パン製造場に、兵隊上がりの洒落者が入ってきた。

うぅぅぅむ… 女性側から言わせてもらうと、ターニャを責められない気がします。
自分を崇拝してくれるからって、付き合うのにいい人とは限らないものね。
まぁ、そのオシャレな男もどうかと思うけれども、何事も経験ということで…

たぶん、ゴーリキーは、貧しい人々の怒りや哀しみとともに
逞しさと崇高さを描く作家のように思えます。
私が読んだ数少ない作品にに限っていえば、ということになりますが、
面と向かって、政府や社会に反感をぶつけているようには思えません。

それが、検閲とかそういう政治的理由に因るものか、あるいは
ゴーリキーの作風に因るものかはわかりませんが、私は、それがかえって好きですね。

ドストエフスキーみたいに、いきなり内容に関係なく、延々と改革論とか語られたりすると
どうしてもそこを飛ばして読みたくなっちゃうのよね。
当時の庶民には、切実で重要なことだったのかもしれないですけど…

これらの物語が書かれた約20年後にロシア革命がおこって、帝政は倒れます。
若きゴーリキーは、そんな空気を感じ取っていたのかしら? どうかしら?

ひとこと通販コーナー


運動神経悪い芸人で見てからものすごく踏んでみたくて、とうとうAmazonで買ってしまった! ブツブツマット
まさかあそこまで… と思っていましたが、芸人さん並みに苦しむだんなさんを見て、嘘じゃなかったんだと納得しました



効果があるのかどうかは別として…
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ノルウェー王ホーコン5世妃 ユーフェミア

2016-09-17 19:50:44 | ノルウェー王妃
自分の好みだからって、そんな…
ホーコン5世妃 ユーフェミア・アフ・リューゲン


1270~1319/在位 1299~1312

これから長々とスウェーデン、あるいはデンマークと共治になる前の最後の王
ホーコン5世妃ユーフェミアは、リューゲン領主ヴィツワフか
アーネスティン伯ギュンターの娘さんだと言われていますが
とりあえずリューゲンの方で話しを進めていきたいと思います。

1299年にホーコンと結婚した直後にエイリーク2世が亡くなり
ホーコン5世の即位とともに王妃になりました。
        
ユーフェミアは、芸術面に造詣が深かったことで有名だそうです。
また、読書を愛し、膨大な蔵書を抱えていて、そのコレクションは
当時のヨーロッパでは最大級クラスだったそうです。

また、騎士文化を愛していて、ノルウェーで騎馬試合のトーナメントを開きました。
騎士を描いたいくつかのバラッドをノルウェー語に訳しています。
“ ナイト ” が好きだったってことね?
かなりロマンティストな方だったんじゃないかしら?
ハーレクィンシリーズ的な読み物があったら、すごくハマっていたかもしれませんね。

ステキな男性を夢みるっていうのは、いくつになってもウキウキするものです。
まったく問題ないんだけどさ…

ユーフェミアは、スウェーデン王マグヌス3世の王子エリクの
騎士っぽいたたずまいが大好きで大好きで、自分が嫁げないなら…と考えたかどーかは
知りませんが、一人娘インゲボルグのお婿さんに選んでしまいました。
娘より20歳も年上ですよ!
まぁ、自分が浮気に走るよりはいいのかもしれないけど…
でも大好きな人が娘婿っていうのもどーよ?

で、上の肖像画ですけど、お母さまの大好きな人に嫁がされてしまった
娘さんのインゲボルグでございます。

そして、ここからの道のりですが
マグヌス4世妃ブランカ・アフ・ナミュールはこちら
ホーコン6世妃マルグレーテはこちらをごらん下さい。

その後、デンマーク王妃が2人続いた後は、カール1世妃カタリーナ&クリスティーナ
そしてクリスティアン2世妃ドロテア・アフ・ブランデンブルクからはずーっとデンマーク
カール2世妃ヘドヴィク・エリザベットからは、しばらくスウェーデン…
ノルウェー王妃編なのに…

でも、安心して下さい。
次回ノルウェー単独王が登場しますよ!

(参考文献 武田龍夫氏『物語北欧の歴史』 Wikipedia英語版)

ひとことマグロコーナー



今日だんなさんとお出かけした帰りに日吉東急に寄ったら、黒山の人だかりが… マグロ解体ショーだって!!
ベスポジではないけれど初めて目の前で見ました。 でかいよね! 部位争奪ジャンケンには参加しませんでした
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ノルウェー王エイリーク2世妃 イサベラ

2016-09-16 21:48:59 | ノルウェー王妃
           そしてこれはイザベラではなく、14世紀の貴婦人像です

王の未亡人というポジションを選んだ王妃
エイリーク2世妃 イサベラ・ブルース


1272~1358/在位 1293~1299

エイリーク2世は2回結婚しています。
一人目の妃は、スコットランド王アレグザンダー3世王女マーガレットです。

二人目もやはりスコットランドから、後の王ロバート(1世)の姉イザベラを選びました。
目的はスコットランドとの関係改善です。
          
1293年に父親とともにノルウェーに渡り結婚しました。
この時イザベラはものすごくゴージャスなドレスや宝石、金銀の装飾品を持ってったらしく
ノルウェー貴族がびっくりして記録に残しちゃってるぐらいですが
スコットランドってそんなにお金持ち? しかもブルース家はまだ王家じゃないし…

しかし、結婚から6年後、エイリークは亡くなりイザベラは未亡人になります。
イザベラは24歳で、まだまだ再婚ができる年です。
でもイザベラは再婚しませんでした。
しかもスコットランドには帰らず、ベルゲンで余生を送っています。

イザベラは、王妃でいた間はたいして記録が無いらしいのね。
ところが! 未亡人になってからは、けっこうアクティブに暮らしていた様子が
記録されているそうです。
たとえば、王の未亡人として儀式やイベントに参加したりしたそうで
1305年の、ベルゲンの新司教叙任式には王夫妻とともに登場したりしてます。
ホーコン5世とは特に繋がりが見出せないのだけど、仲良かったんですかね?
         
ベルゲンで暮らしていたイザベラは、日頃から寄附を怠らず、お告げをもらったりして
聖職者たちとも良好な関係を築いていたそうです。

旦那さんが亡くなってからやけに元気になっちゃう未亡人王妃がここにもいましたね。
エイリーク2世って亭主関白だったのかしら?

それより、エイリーク2世とイザベラの王女に注目!
       
この家系図、もうスウェーデンとノルウェーが共治に片足つっこんでますね。

娘のインゲボルグは、ホーコン5世の王女インゲボルグとともに
マグヌス7世の摂政を務めています。
だからなのか、1339年にマグヌスはイザベラの要請を聞いて服役者たちに恩赦を与えてます。
実の祖母でもないのにこの影響力!

エイリーク2世も、ホーコン5世も王女しか生まれてないのね。
ノルウェーは女性の王位継承を認めていなかったので、王座はとうとうスウェーデンへ…
この、スウェーデンの用意周到な感じがたまりませんね。

(参考文献 武田龍夫氏『物語北欧の歴史』 Wikipedia英語版)

ひとことテレビコーナー
キーワード検索で出てきた『イラっとくる韓国語講座』を録画したので見てみました! 河本シ、韓国語忘れてない〜! 
スゴーイ! 4回だか5回放送されるそうで楽しみ〜。とりあえず早く夏服を買ってあげて!!
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『美しきカサンドラ』18世紀の少女の目に映るシビアな恋愛

2016-09-13 19:56:57 | イギリス・アイルランドの作家
JUVENILIA 
ジェイン・オースティン

副題が『ジェイン・オースティン初期作品集』となっていて
長短とりまぜ、18編の作品がおさめられていますが、初期っていっても、あなた!
オースティンが12歳から18歳にかけて書いた物らしいです。

だから、いきなり恋に落ちたりとか、唐突に “ 終わり ” と書かれていたりとか
幼く見える部分もありますが、皮肉たっぷりの人物描写やセリフ
当時の上流社会のおつきあいの難しさや軽薄さの描き方はすごいっす!

恋愛や結婚についても、容姿だけでなく、階級とか家柄含め、すごくシビアで
十代がこんなこと考えて毎日過ごしてたら恐ろしーわ! と思えます。

これが、18世紀の上流の少女たちなら当然持ち得ていた処世術を素直に書いたものなのか
オースティンならではの、おませな観察力によるものかは、正直わかりません。

とは言っても十代の少女が、そんなに広く世間を見ていたとは思えないので
モデルになる女性や、近所のウワサが反映されているはず…
子供だからって、油断して目の前でなんでもおしゃべりしちゃいけないわね。

どの作品でも、後年オースティンの名を世に知らしめた『分別と多感』とか
『高慢と偏見』などに登場する、イヤ〜な感じの人物の、イヤ〜なところを強調した人が
主人公になっていると思っていただいていいと思います。
そうねぇ… 悪口が好きで、うぬぼれてて、条件の良い男性ばかりを気にしてる感じ?
まぁ、女性は本来そういうタイプが多いと思うし、自分がそうでないとは言いません。

オースティンは、それを目一杯、ユーモアたっぷりに描いてます。
小説、書簡小説、戯曲といくつかのタイプがありますが、内容のほとんどが
他の女性の悪口か、結婚相手になりそうな男性の自慢と言えます。
そんなわけで、けっこう笑えます。

とても短い作品も多いので、紹介は省きますが、ひとつだけ気になったものを…

『イングランドの歴史(The History of England)/1790年』
ヘンリー1世からチャールズ1世までの王を、オースティンなりに説明している作品。
書かれていることが本当だとしたら、オースティンは、ランカスター家とテューダー家が
大嫌いで、ヨーク家びいき、ということになります。
また、スコットランド女王メアリー・ステュワートにとても同情的で
エリザベス1世を嫌悪していたということになります。

エリザベス1世のことを書いたところを少し書いてみるね。

“ ヘンリー(8世)の唯一のとりえは、娘のエリザベスほどのひどい悪者ではなかった… ”
“ 人類に対する侮辱、あるいは社会に対する災いともいえるエリザベスによって王位が… ”
ね! 激辛でしょ?

ただ、この作品の中で、オースティンはカトリックをひいきにしていると書いていてますが
お父様とお兄様は牧師なのよね? 牧師はプロテスタントの聖職者ですよね?
だから、どこまで本気かよくわかりませんし、マルッと嘘かもしれないです。

以前読んだ『サンディトン』は、構想メモ的な要素が高かった気がしますが
こちらの一冊におさめられているのは、家族や親しかった人々に捧げられていて
いちおう “ 終わり ” まで書いていますので、少女時代のオースティンが
頭をひねって完成させた、将来のための習作の数々だと考えたいです。

オースティンを研究する方がにとっては好材料だと思いますが、
読み物としてどうなのかという点も含め、よい作品集なのかどうかはわかりません。
でもとても楽しい一冊でした。

ひとこと韓流コーナー
ぜんぜん知らなかったんですけど、ドラマ『深夜食堂』に韓国版があったと知って興味しんしんよぉ!
キム・スンウ様が出てるっていうじゃないのぉ! なぜ視聴率が悪かったんでしょう? BSでやってくれないかな…
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『誰もいないホテルで』 “ おーい! もどってこーい!!”

2016-09-06 07:47:20 | その他の国の作家
SEERUCKEN
2011年 ペーター・シュタム

オビに “ イングマール・ベルイマン的な味わいもある ” って書かれてたんで
まったく名前を知らない作家なのですが、購入してみました。
わたしはベルイマンの『秋のソナタ』っていう映画が、なんだか好きなんです。
その上に書かれてた “ チューリヒのカミュもしくはカフカ ” という部分が
少し気にかかったんですけどね…

と、思っていたら、『スウィート・ドリームス(Sweet Dreams)』という話しは
以前、村上春樹さん訳の『恋しくて』の中で『甘い夢を』という邦題で紹介されてました。

10編おさめられていますが、どれも静かなせせらぎみたいな、気持ちよい読み心地でした。
特に印象に残ったお話しをいくつか。

『誰もいないホテルで(Sommergaste)』
静かに執筆しようと、同僚が教えてくれた山の中のホテルを訪れた。
そのホテルでは、従業員のアナという女性以外に誰もいないようだった。
電気もガスも使えず、食事はカンづめばかり… すぐにホテルを出ようと思ったが
なぜかそうできなかった。

ものすごく人気があって、その後廃れてしまった観光地なんかに行くと
営業してなくて、うち捨てられた感がハンパじゃないホテルとかペンションがありますよね?
まだそんなに古くなってない物件もあったりして「これ、どうすんだろ?」なんて
思ったりしますが、こんなふうに活用する人もいるかもね。 幽霊が出なきゃいいけど…

『氷の月(Eismond)』
守衛のビーファーとサンドスが年末に退職し、守衛室は閉められた。
ビーファーは退職前、カナダに土地を買ってあり、そこでB&Bを開業すると言っていた。
しかし、ビーファーの妻の死亡広告が出た後、彼は再び守衛室に通ってくるようになった。
ビーファーは誰とも口をきかず、ただ守衛室の窓ガラスの向こうに座っているだけだった。

これを読んでいる間、ビーファーと、村上春樹さんの『遠い太鼓』に出てくる
ミコノスのレジデンスの管理人ヴァンゲリスさんがカブっちゃってカブっちゃって…
たぶん、見た目とかパーソナリティーは(人種からして違うし)全然違うはずなんだけど。
彼が語る退職後の話しは、夢がいっぱいでいいなぁ、なんて思ってたのになぁ…

『スーツケース(Der Koffer)』
ヘルマンは、妻ロスマリーのために、リストにのっている物をスーツケースにつめた。
しかし病院に行くと、ロスマリーは集中治療室で裸同然で寝かされていて
看護士から、今は何も必要ないと言われてしまう。
スーツケースを抱えて病院を出たヘルマンは、最初に来た列車に乗り、終着駅で降りた。

この夫婦が若くないのはわかるけど、いくつぐらいなんだろ?
家事を妻にまかせっきりの、すべての夫に読んでほしい…
急に妻が運ばれて行ってしまった後の、夫のオロオロぶりが目に浮かんで哀しいわ。
どうか希望を捨てずに早く立ち直ってほしい… 旦那さんがしっかりしないと!

で、シンプルで静かで落ち着いてて、読み心地はよかったんですけど
ほとんどの物語のラストで、主人公が心ここにあらず状態で終わってる感じでして
仲良くおしゃべりしてた相手に、急にプイッとされて、ポカーンとしてしまう感覚に
似ている読後感でした。

急に走り出してどこかに消えちゃいそうで「もどってこーい!」と言いたくなったさ。
でも追いかけようとは思わないけどね。
みんなちゃんと帰って来て、普段の生活に戻っていればよいが…

ひとことK-POPコーナー
SHINeeのソウルコンは、今回もインスタやTwitterで垣間みてましたが、オニュの足が心配よぉ〜
救急車に乗ったっていうからものすごく心配でしたが、今月末のカムバックまでには治るということなので
とりあえずひと安心です
無理しないでちゃんと治してくださいね
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ノルウェー王ホーコン・ホーコンソン王妃 リキサ

2016-09-04 19:58:31 | ノルウェー王妃
           どーにもこーにも肖像画が無いので13世紀の貴婦人画を…

お隣同士三国は仲良くできるのか?
ホーコン・ホーコンソン妃 リキサ・ビュリエルスダター


1237~1288/在位 1251~1257

父ホーコン4世と共治王になり、単独王になる前に24歳で亡くなってしまった
ホーコン・ザ・ヤングの妃リキサは、スウェーデンのヤール(摂政)ビュリイェルの娘さんで
母親はスウェーデン王女インゲボルグでした。
弟にスウェーデン王ヴァルデマーとマグヌス3世がいます。
          
息子ヴァルデマーの摂政として、事実上君主だったビュリイェルのポリシーは
スウェーデン、デンマーク、ノルウェーの三国が平和的な関係を維持し続けることでした。
お隣同士三国で獲ったり獲られたりの争いを続けていくって、どの国もしんどいものね。

その一環で、1251年、リキサは共治王ホーコンと結婚しました。
結婚から6年後、ホーコンが亡くなります。
さらに4年後、一人息子のスヴェッレが9歳で亡くなってしまいます。

ノルウェーでの役目を終えたってことなんでしょうか?
翌年にメクレンブルク家のヴェルレ領主ハインリヒ1世に嫁ぎました。
二男一女が生まれてますが、エピソードは何もなし… 人柄もまったくわかんないっすね。


権力欲があるのかないのか?
マグヌス6世妃 インゲボルグ・エリクスダター


1244~1287/在位 1263~1280

ホーコン・ホーコンソンの弟で、父王の死後即位したマグヌス6世は、王位継承法を改正したり
全国で共通の法を制定したりしたことで知られています。

その妃はデンマーク王エーリク4世とユッタ・アフ・サッシェンの王女です。
姉のソフィアは、スウェーデン王ヴァルデマー1世に嫁いでいます。
     
エーリク4世には王子がおらず(二人とも幼くして夭逝)王女ばかり4人いました。
三女ユッタと四女アニェスは修道院に入ったからおいといて…
スウェーデン王妃ソフィアとノルウェー王妃インゲボルグに継承権があるというのは
今後問題がおこりそうな予感ですね!
  
マグヌスとの結婚は議会によって約束されていたということで、完全に政略結婚でした。
でも二人の結婚生活は幸せなものだったと言われています。

結婚から2年後の1263年にマグヌス6世が即位し、インゲボルグは王妃になります。
しかし、この時点ではあまり政治的なことに参加はしていなかったようです。

1280年、マグヌス6世が、戦いではなく病気で亡くなります。
12歳のエイリーク2世が即位すると、なんということでしょう!
インゲボルグは、未成年の息子に代わり、リーダーシップを発揮します。
政治、好きだったのかしらね?

しかも、インゲボルグの影響力はどんどん大きくなり、エイリーク2世が15歳で成人して
親政を執るようになっても、弱まるどころか強くなっていきました。
やっぱり、政治好きだった? ただ、正式に摂政と名乗ったことはないらしい…
皆さんに助けて頂いて… みたいな雰囲気を出しつつ、会社を操っちゃう社長の母って感じ?

結婚当時から断続的に続いていたものの、インゲボルグとデンマークのエーリク5世は
継承権について強く反目するようになっていきました。

始めは個人的なっものだったのですが、次第にデンマークとノルウェー二国間、そして
ドイツまで加わって、敵意を強めていきました。
せっかく仲良くやってきたのに戦争か? と思われた1287年、インゲボルグが亡くなり
この問題は解決しました。

権力にも興味があったのかしらね?
マグヌス6世は、改法王と呼ばれるぐらい法を改訂した君主で、一見賢王みたいですが
政治的には特に優秀というわけではなかったそうです。

インゲボルグが政治力を発揮してマグヌスに影響を与えていたら、さて
ノルウェーは良くなっていたのか、悪くなっていたのか…

(参考文献 武田龍夫氏『物語北欧の歴史』 Wikipedia英語版)

ひとことテレビコーナー
このあいだ、外国人の方が選ぶおいしい冷凍食品の番組やってて、どれもおいしそうだったんだけど

中でもこれがおいしそうで探してるんですが、近所のどこにも売ってないのよぉ〜 
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『山の郵便配達』爆買い前夜の静けさ

2016-09-02 08:36:23 | その他の国の作家
那山 那人 那狗 
1997年 彭見明(ポンヂエンミン)

わたしは商業施設で働いていますのでね、中国の方が来ると「売り上げが上がる!」と
浮き足立ってしまいます。

で、お客様たちからわき上がる「さぁ、買うぞー!」という熱気と
売れないものまで「お金ならあるのよー!」と言ってひかない押しの強さが
まったく感じられないようで、ちょっと垣間見える一冊。
なに言ってるかわかんないでしょ? わたしもだ… 今説明しますね。

主に地方の町や村を舞台にした、6つのエピソードがおさめられている短篇集で
時代背景は、1970年代〜80年代ぐらいみたいです。
主人公は皆、多くを欲さず、黙々と働き、あまり語らず主張せず、というタイプ。
確かに自分を曲げないような頑固さはありますが、よくテレビで見かける
パワフルで自信たっぷりの中国人像はあまり感じられません。

ただ、主人公のまわりをとりまいているのが、訪れた中国の超高度成長期を体現し始め
裕福さと贅沢さを追い始めてるって感じの、精力的な人々が多い気がします。
彼らは経済とか未来について、多くの期待を持っている印象があります。

では、気になったお話しをいくつか。

『山の郵便配達(那山 那人 那狗)』
足がいうことをきかなくなった山の郵便配達は、息子に仕事を引き継ぐため
まだ誰も起きていない早朝、息子と犬をつれて3日間の配達にでかける。
配達の日程や山の難所、各々の村での注意点や人々について気をつけることなど
できるだけ多くを息子に教えておかなければ、と思っている。

雄大な自然や、夜明け・夕暮れの風景など、映画化もうなずける美しいお話しです。
まさか、今ではこんなに手間ひまかかる配達をしてるとは思えないんですけれど
先日テレビで、断崖絶壁のすごく危険な通学路を通ってる小学生たちの映像を見て
もしかしたら… なんて思ってしまいました。

『南を避ける』
老田(ラオテイエン)は、次女の容(ロン)が美しく成長したのに気づき
彼女が「広東に行きたい」と言い出すのではないかと不安が募る。
村の若者たちがどんどん広東に行ってしまっていたが、美しい娘たちが広東へ行き
悪い結果になってしまった話しがいくつも思い出される。

若者が、親たちよりよい暮らしを求めて、都会を目指すというのは
なにも中国に限った話しではないですよね。
でも、日本でも欧米でも中華街に行くと、彼らの “ 大挙して動く ” 感は
ハンパない気がしてね… 都市の人口集中率がすごそうよね。
余談ですけど、以前リヴァプールで、中国の人がごっそり他の土地に移動して
もぬけの殻になっちゃった中華街ってのを見たことがあります。 寂しくて恐かったよぉ。


『愛情』
恋人がいないまま三十歳になった坤正(クンジヨン)は、ひとりの女性と知り合う。
友人の同僚だという余娟(ユージユアン)は、心臓病のせいで結婚ができないという。
しかし、余娟は坤正に好意をもったようで、坤正は食事に誘われたり家に呼ばれたりする。

実は、これより好きな話しが他にもあるんだけど、なんか、あまりにひねりがない
ハッピーなエピソードに好感が持てました。
文中、やけに年増扱いされてる二人の幸せが、末永く続きますように…

他の3編も、素朴な語り口と、淡々とした流れが読み易い、美しい話しです。
(最後の『振り返って見れば』は少しアクティブですけど)
静かに、しみじみと読み終えることができました。

中国の作家といえば、以前( 8年前だった)イーユン・リーさんの『千年の祈り』
読んで以来の2冊目になります。

こちらにも文化大革命の話しとか、共産党の序列のこととか出てくるのですが
ほとんど政治的な言及や批判的な表現はなくて、日常的なエピソードが書かれてます。
もう少し現代の、近頃の市民生活を描いたお話しがあったら読んでみたいです。

ひとことクラフトコーナー

  これ、カタログで見かけてかわいかったので、オパールで編んでみました 。 なにかっていうと…
 イヤホンをクルクル巻きつけて
 半分に折ると、あら!イヤホンホルダーに
 iPodを立ててみたりして
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ノルウェー王ホーコン4世妃 マルグレーテ

2016-08-31 08:18:24 | ノルウェー王妃
父親と夫、どっちに味方する?
ホーコン4世妃 マルグレーテ・スクレスダター


1208~1270/在位 1225~1263

一瞬王になった、義母マルグレーテに殺されてしまったかもしれないホーコン3世は未婚
さらに一瞬芸の王、スヴェッレの庶子シグルの庶子グットルムは5歳で亡くなっています。
というか、庶子が続いてますけど、なぜちゃんと結婚しないかな? やっぱり一夫多妻?
その後を継いだ、シグル2世の孫インゲ2世も未婚です。
皆さん、お若くして亡くなっているのでね… 争いはおやめなさいってば!

そして、やっと王位継承を賭けた内戦が終わりを告げる時がやってまいりました。
ホーコン4世の登場です。
ノルウェーが国力を高めた13世紀、その口火を切ったのがホーコン4世でした。
在位も46年と久々に長いです。

さきほど、ホーコン3世は未婚と書きましたが、ホーコン4世はホーコン3世の庶子で
母親はインガという愛人でした。

さて、ホーコン4世の妃マルグレーテですが、スクーレという貴族の娘さんでした。
      
家系図を見ていただくとわかると思いますが、スクーレはインゲ2世の異母弟で
自分でも王位を主張していました。
この家系図からはシグル2世とはなんの繋がりも見出せないのだが
広そうでせまい貴族社会、たどっていけば何か繋がりがあるかもね… たどってないけど。

そこで、1225年、父親とホーコン4世の和解の印としてマルグレーテが嫁ぐことになります。
ホーコン4世は、これでスクーレの王位継承権の主張を退けるつもりでした。

この考えはかなり長い間功を奏していたんだけど、1239年、スクーレが
Nidaros(現在のトロンハイム)で王様宣言をしてしまったことで、再度争いが勃発。

結婚から14年ですよ! この間、マルグレーテが「もう大丈夫」と安心して暮らしていたのか
消えてなさそうな父親の野望にハラハラしどうしだったのかは不明。
この争いの間に、父親を助けるような動きをしたのか、見放していたのかも不明。

ただ、父親の反乱を知った時には号泣し、亡くなった時には深く悲しんだそうです。
板挟み… つらかったろう…

1240年、スクーレがホーコン軍に殺害されて、この争いは終結します。
その後もホーコン4世とマルグレーテは離婚や別居などした様子がないので
戦いは戦い、夫婦は夫婦、と割り切っていたのかもしれないですね。 さすが王侯貴族。

マルグレーテは、政治には参加はしていなかったようです。
ただ、自分の財産とか領地を守ることには、けっこう一生懸命だったみたい。
ホーコンが近隣諸国を旅した時には同行して王妃としての役割を立派に果たしたらしいです。
The 王侯家の娘、という教育を受けてきた女性かもしれませんね。

1257年に、共治王だった次男(長男オーラフは幼くして夭逝)ホーコンを亡くしています。
1263年にはホーコン4世がスコットランドとの争いの最中に亡くなります。

1264年にスクーレが建設したトロンデラーグのRissa修道院を
息子マグヌス6世と訪れています。
マルグレーテは1267年から1270年に亡くなるまで、そこで過ごしたようです。

たくさんの愛しい人を亡くした人生でした。
最後の3年間は穏やかに過ごしたと思いたいですね。

(参考文献 武田龍夫氏『物語北欧の歴史』 Wikipedia英語版)

ひとこと韓流コーナー
最近BSで『パリの恋人』とか『美しき日々』とか、お懐かしい〜ドラマやってて、来週から『ホテリアー』放送だって
どっか『フルハウス』やってくんないかなぁ… Take2じゃなくてソン・ヘギョちゃんの方ね!
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