まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

『ナイト・ソウルズ』エイリアンさえいなきゃ…

2017-03-21 21:59:01 | アメリカの作家
THE BEST OF MASQUES 
1988年 J・N・ウィリアムスン編

わたしは疎くてさっぱり… なんですけど、このアンソロジーの作家陣22人は
SF・ホラー・オカルト分野の作家・脚本家のそうそうたる顔ぶれらしいです。

知っている作家はスティーヴン・キングとレイ・ブラッドベリ
そして以前『厭な物語』で『赤』を読んだリチャード・クリスチャン・マシスンだけでした。
なぜ持ってるんだろ? スティーブン・キングに凝った時に買ったのかしら?

作家陣のほとんどが脚本を手がけていると知ったせいかもしれませんが
映像になったら… ということをしっかり見据えて書いてらっしゃるという気がします。

エイリアンとか、怪物っていうか…あんまり突拍子もないものが登場する話は
やっぱり苦手でしたが、面白く読めたお話しもあったので紹介しますね。

『ソフト病(Soft)/F・ポール・ウィルソン』
人々がソフト病で息絶えている中、わたしと娘のジュディは進行が脚で止まっている。
感染せずピンピンしていて、いつも家の用事を引き受けてくれるジョージと
3日間連絡がとれないので、向いのアパートへ様子を見に行くことにする。

骨がとけていく病気で、原因もわからず治療法もないらしいです。
死に絶えた町に取り残されてしまう恐怖が、ひしひしと伝わってきます。
ソフト病でなくても、こんな状況に陥ったら… ギャー! 想像したくないですね。

『モーリスとネコ(Maurice and Mog)/ジェームズ・ハーバート』
モーリスが近所の人々にバカにされながら、5年間かけてつくった自宅の庭の地下シェルター。
いよいよ閉じ籠らなければならなくなった日、隣人たちを払いのけハッチを閉めたが
なぜか一匹のネコが入り込んでいた。

核爆弾が落ちたみたいんなんですけど、果たして地下にいれば助かるものなのだろうか?
モーリスの準備は完璧だったように思えるのですけどねぇ… ツメがあまかった〜
このネコのせいでどうこうというわけではないんだが、絶妙な役割を演じてます。

『夜は早く凍てつく(The Night Is Freezing Fast)/トーマス・F・モンテレオーネ』
祖母に言われて、ブリザードの中しぶしぶ買物に行く祖父に、10歳のアランがついて行く。
途中、雪の中立っている男を車に乗せてやると、男は地獄のことを話し出す。
あまりにしつこく話すので、祖父は男に、車から降りろと言う。

子供や若者にはピンとこないことに、恐怖を感じる老人…
年をとればとるほど、ふとしたことに怖れおののく瞬間が増えていくのかなぁ…
なんて思えまして…

あのね、『大きな岩のある海辺で/ジョー・R・ランズデール』と
『死からよみがえった少年/アラン・ロジャーズ』という話があって
始まり方がすごく好きだったのですが、エイリアンが出てくるのよね〜
出てこなければなぁ… 別の感じの恐い話しにしてくれたらなぁ…

たしかに、こんなことあるはずがないじゃんか! という話が多かったのですが
人間の心にある恐怖を、引っ張り出して手を加えていくと、ホラーやSFになるのかな?
孤独とか、後悔とか後ろめたさ、死を意識し始めた時とか、見知らぬ人の視線とか…

そういうところから、個性あふれる物語が書ける想像力がすごいですよね。
でもやっぱり苦手なんだけど… ごめんなさい。

錚々たる作家たちの競演!
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね



ひとことWBCコーナー
今日はお休みで、プエルトリコ VS オランダの試合見てましたが、あらためてメジャーリーガーばっかりじゃん!
こうなったらメジャーがひとりしかいない日本に優勝してもらって、世界をアッ!!と言わせてほしい…


    ヒフミド トライアルセット【小林製薬】
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

『青い眼がほしい』Morrison World Started

2017-03-16 21:24:41 | アメリカの作家
THE BLUEST EYE 
1970年 トニ・モリスン

この小説はトニ・モリスンのデビュー作だそうで
『ビラヴド』『パラダイス』のようなファンタジー色はないものの
フォーカスを当てる人物の入れ代りや、過去へのさかのぼりなど、絶妙な展開で
後年の作品にまったく見劣りしないものでした。

主な語り手は、クローディアという小学生の少女で、彼女は身のまわりのこと
姉のフリーダや母さん、間借り人のミスター・ワシントンのことを
少女らしい観点から語ってます。

もうひとりの主人公はピコーラという少女とその両親です。
ピコーラは醜いと思われていて「青い眼がほしい」と切実に願っています。
父親チョリーは大酒飲み、母親ポーリーンは白人の家で働いています。

物語冒頭で、ピコーラがチョリーの赤ん坊を宿したことがわかります。
でも、なぜそうなったかは最後までわかりません。

ピコーラは、チョリーが自分の家に火をつけてしまい行き場が無くなった時
郡の依頼で一時クローディアの家で預かったことがありました。

物語は、大きく秋・冬・春・夏にわかれていて、ある時はクローディア、
ある時はピコーラ、ある時は過去… という具合に、順序や起承転結などなく
デタラメに進んでいきます… が、まったく違和感はありません。
後年の作品の、もっと入り組んだルーツ辿りよりは明快で、すいすい読み進めました。

ラストはちょっと論理的になっちゃっているような気もしますが
すごく正直な独白のようにも思えます。
とにかく、ハッピーなラストでないことはお伝えしておきます。

どう言ったらいいのかわからないんだけど、上手く言えないかもしれないんだけど…

トニ・モリスンの物語はまだ4作品しか読んでないんですが、皆黒人が主人公でした。
どうしても人種差別に目がいきがちなんだけど、なんだか違う気がしてきた。

もちろん、差別を描写している部分もあるんだけど
それよりも、もっと純粋なテーマが各々の作品にあるんじゃないかな?

どの作家にも、その人ならでは… という “ 核 ” みたいなものがありますよね?
それが、彼女の場合は黒人の登場人物であり、日常生活であって
差別そのものを訴えたいわけではないんじゃないかと…

うぅぅ…泥沼にハマってますね

とにかく、私が読んだトニ・モリスンの4作品は、同じようなテーマを持っていそうで
まったく印象が違っていました。
人種・差別・過去という同一のファクターを抱えつつ
一辺倒にならず多彩な表現方法で、どの物語でも楽しませてもらえました。

これ以上書くと泥沼に沈んでしまいそうなのでもうやめときます。
とにかく、彼女の作品をもっともっと読んでみたい! と思いが強くなりました。

少女の切実な願いが哀しい…
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね



ひとことWBCコーナー
(失礼なことに)今回は盛り上がれそうにないなぁ…と思っていたWBC、すごく盛り上がっちゃってるんですけど!!
わたしはアンチ・ジャイアンツなんですが、試合を重ねるごとに小林が素敵に見えてきてしまっている〜 どうしませう…
侍ジャパンのみなさま、準決勝、ガンバってね!!


    ヒフミド トライアルセット【小林製薬】
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

イギリス王ジョージ1世愛妾 エーメンガルデ

2017-03-12 19:16:24 | 王の寵姫・愛妾
王妃を追いつめた愛妾
ケンダル公 エーメンガルデ・メルジーナ・フォン・シューレンブルク


1667〜1743/愛妾 1690〜1727

王様としての資質はどうだったのかはさておき、女性(わたし)としては
どうも好きになれないジョージ1世。
愛妾も何人かいたそうですが、今回は代表的な愛妾エーメンガルデでいってみましょう。

エーメンガルデは、シューレンベルク男爵グスタフの娘で
ハノーヴァー選帝侯妃ゾフィアの侍女になりました。
王子ゲオルク(ジョージ1世)には、ハノーヴァー選帝侯エルンスト・アウグストの
愛人だったプラーテン伯夫人の紹介で会い、愛人になりました。
エーメンガルデは、かなり背が高く細い女性で “ かかし ” と呼ばれていました。

 

ゲオルクは妃であるゾフィア・ドロテアより、エーメンガルデと行動をともにする時間が
多くなっていきます。
エーメンガルデはゲオルクの子を少なくとも3人生んでいます。

1714年にゲオルクがイギリス王ジョージ1世として即位し、1716年にロンドンへ移る時
一緒に渡英しました。
ちなみに、その時にはもう一人の愛妾ゾフィア・キールマンセッゲも同行しています。
火花バチバチ旅行だったのかしらね?
ちなみにちなみに、ロンドンでは、エーメンガルデは “ メイポール (柱、ね)”
ゾフィア・キールマンセッゲは “ ゾウ ” とあだ名をつけられたそうです。

ご存知のとおり、王妃ゾフィア・ドロテアは同行していませんでした。
ゾフィア・ドロテアは浮気をしたということで幽閉されていたのですが
彼女を追い込んだのが、エーメンガルデをはじめとするジョージの愛妾たちの
存在だったのではないでしょうか?
なにしろ侍女として四六時中宮廷内にいて、スパイされてるような状況だもの。

1716〜19年に渡って、エーメンガルデはケンダル公をはじめ多数の爵位を叙位されてます。
その上1723年には、神聖ローマ皇帝が彼女をエーバーシュタイン女公にしました。
これは、ジョージ1世とエーメンガルデが秘密裏に結婚したという話を考慮してのことです。

ジョージ1世にも政治的にすごく影響力があったようで
宰相ウォルポールは「まるで王妃みたいだ」と嘆いていました。

1727年、ジョージ1世はドイツで急死します。
エーメンガルデは、うわ言で「きっと私のところへ帰ってくる」と言い続けていました。

1743年に75歳で亡くなりました。
もしジョージ1世と結婚していなければ、一生独身だったということになります。
どうしても悪者に思えちゃうけど、ジョージ1世に対しては一途な人ではあったようですね。

(参考文献 森護氏『英国王室史話』『英国王妃物語』 Wikipedia英語版)

これさえあれば、あなたも英国王室通
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね

     

ひとことK-POPコーナー

あぁぁ… 代々木… 昨日と今日、もりあがったんだろぉなぁ… 1日も行けなかった代々木は初めてでションボリMAX
地方を申し込むと代々木が当たらないというウワサは本当だろうか?


   ヒフミド トライアルセット【小林製薬】
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

イギリス王ウィリアム4世愛妾 ドロシー

2017-03-06 21:16:59 | 王の寵姫・愛妾
二十年間、妻としてすごした
ドロシー・ジョーダン


1761〜1816/愛妾 1791〜1811

スペイン王女編が終了して、さてどうしましょう? とオロオロしていますが
久しぶりに愛妾シリーズ、いっちゃおうかしら?

ウィリアム4世の内縁の妻だったドロシー・ジョーダンです。
なんだか、寵姫・愛妾のくくりに入れてしまうのは申し訳ない気がしますが…

ドロシー・ジョーダンの父親は舞台監督フランシス・ブランド
母親は女優グレース・フィリップスといいますが、二人は結婚していません。
ドロシーが13歳の時、ブランドが他の女優と結婚するため家を出て行きます。
一家は貧しく、グレースはドロシーを劇場に出させることにしました。

ドロシーは “ いまだかつてない ” 美脚の持ち主だということですぐに人気者に!
20歳の時に、コークの劇場主との間に子供が生まれたようで、未婚だということを
ごまかすために “ ミセス・ジョーダン ” と名乗っていたと言われています。
ちなみに、ドロシーは生涯独身でした。

俳優のジョージ・インチボルトや警察長官リチャード・フォードという男性たちと
お付き合いしてますが、ドロシーはどちらも真剣で、結婚したいと思ってたのに
男性陣はそうでなかったようで、結局結婚できませんでした。

でも、ドロシーは可愛らしくウィットに富んでいる女優で
当時クラランス公だったウィリアム(後の4世)の目にとまりました。

ウィリアムとドロシーは、1791年から一緒に暮らすようになりました。
ドロシーはものすごく家庭的で、二人はケンカをしたことがなかったそうです
女優の仕事も続け、誘われればウィリアムと公の場に出かけました。
子供も10人生まれ、もう夫婦以外のなにものでもない!
      
しかし、1791年、二十年連れ添った二人は別れることになりました。

当時ジョージ4世の継承者が皆嫡子がいないという状態で
ウィリアムに王位継承がまわってくる気配… ってことで
お妃選びをしなければならなくなったのです。 もうドロシーでいいじゃんね!

ウィリアムは7年後にアデレイド・オブ・サクスマイニンゲンと結婚することになります。

ドロシーは年金を与えられて、ステージに立つ必要はなくなりました。
でも53歳の時に、娘婿が作った大きな借金を返すため舞台に復帰しました。
1815年に返済を終え、一人フランスに渡りました。
ウィリアムのめでたい結婚話とか聞きたくなかったのかしらね?

ウィリアムは、子供たちに俸給を与え続け、男の子は貴族に叙し
女の子たちも貴族に嫁がせています。
ウィリアムとドロシーの子供たちから、フィッツクラランス家が始まっています。

ただ、子供たちは裕福になって良かったとして、フランスへ渡ったドロシーには
もう年金が払われていなかったんですかね?
貧しい生活を送っていたそうで、渡仏から1年後に亡くなりました。
共同墓地に埋葬されたそうです。

二十年ですよぉ… 身を引いたのか引かされたのか… せつないですねぇ
こういってはなんですが、公妾とかにしちゃえばよかったんでないのか?
ジョージ4世みたいにさ…

(参考文献 森譲氏『英国王室史話』 Wikipedia英語版)

これさえあれば、あなたも英国王室通
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね

  

ひとことドラマコーナー
今クールも終わろうとしてる今頃になって、おもしろそうなドラマ見つけちゃったよぉ
テレ東の『バイプレイヤーズ ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~』
遠藤憲一・大杉漣・田口トモロヲ・寺島進・松重豊・光石研 出演だって!!
すでに8話まで終わってるって言うじゃないのっ!! 日本のドラマもちゃんとチェックせねばなるまい


   ヒフミド トライアルセット【小林製薬】
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

『人間狩り フィリップ・K・ディック短篇集』これは警告だ!

2017-03-01 22:35:00 | アメリカの作家
SECOND VARIETY 
1953年〜1955年 フィリップ・K・ディック

地球人が住めそうな星が見つかった! というこの時期、偶然読んでました。
そして、そんなに喜んでる場合じゃない! と思いました。
人間には、新天地が見つかると所有権を賭けて争うという歴史がありました。
村、国、島、大陸… 星だってその対象になるかもしれない。

P・K・ディッックは、『地図にない町』という短篇集を読んだことがあります。
『人間狩り』は『地図に〜』より、宇宙でドンパチ感がありますが
(わたしにしては)深く考えさせられた内容の話が多かったです。
特に印象に残ったお話しをあげてみます。

『ナニー(Nanny)/1955年』
完璧に仕事をこなし、子供たちを守ってくれるフィールズ家のナニー。
ある夜中、ナニーはこっそり家を抜け出し、隣家のナニーと戦った。
しかし、サーヴィス・インダストリー社のグリーン・ナニーは
隣家の新型で大きなエコ社のブルー・ナニーに勝てるはずがなかった。

他社よりも高性能、他人よりも高品質… を追い求めていくと、最後には…
それから、ロボットにいろいろな機能を持たせるのもどうか? と思った物語でした。

『火星探査班(Survey Team)/1954年』
汚染され荒廃した地球の人類たちが移住できるかどうか、火星に探査に向かう。
しかし、火星はすでに資源が使い尽くされ、町の残骸しか残っていなかった。
残された文書から、火星人が火星を脱出したのは約60万年前だとわかった。

移住できる星を探してる場合じゃないんですよ! 地球を守らねば!!

『人間狩り(Second Variety)/1953年』
目の前でクロウたちに殺られたソ連兵が持っていた書簡を見て、話し合いの要請だと考えた
連合軍から、ヘンドリックス少佐が志願して出向くことになった。
彼が灰だらけの地上を歩いていると、テディベアを抱いた少年がたたずんでいた。

荒廃しつくした風景より、同じものがゾワゾワいる光景を想像するだけで恐ろしい…

どうして人類が移住しなきゃいけないかとか、地上が灰だらけなのかというと
放射能なんですよね、原爆や水爆、さらにはもっと威力がある武器を… と争った結果
地球は死の星になってしまったみたいです。
そんな中でも人類は、相手をもっと打ちのめせる武器を創り出し続け…

『ナニー』はちょっと視点が違いますが、結局は他人より優位に立とうとする
人間が招いた結果だということになります。

気になったお話しをもうひとつ

『展示品(Exhibit Piece)』
歴史局に務めるジョージ・ミラーは、200年前の20世紀中期の文化をこよなく愛している。
ある日、物音を耳にしたミラーは、忠実に再現された展示品の1950年代の住宅に入っていく。

江戸東京博物館の長屋とか明治村の建物で暮らしてる人がいる、って想像すると
なんだか心和みません? とジャック・フィニィ気分で読んでたら、ラストは…

この短篇集には、他にも戦争や競争、人間の驕りが高じていくと
こうなってしまうのではないかという恐ろしい話がいくつもおさめられています。
どれもグロテスクですが印象的です。

わたしは、これらの物語を、(もしそうだとしても)作家のイマジネーションが生んだ
ファンタジーだとは思いたくないです。 小説の名を借りた強烈な警告だと思う。

SFはあまり得意ではないのですが、ちょっとだけ見方が変わった気がします。

SFの読み方が変わるかもしれない… そんな一冊
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね



ひとことK-POPコーナー
2PMのJun.Kがステージで負傷したと聞いてビックリしました。 大事に至らなければいいんですけど…
ステージがだんだん派手になって、高く上がるしグルグル回るし前後左右に動くし割れるし… たまにハラハラします
アーティストたちは一生懸命で、ステージギリギリのところで踊ったり走ったりしてくれるから、ホント心配
コンサートは中止だそうですが、からだのことだけ考えて、一日も早く良くなってくださいね


   ヒフミド トライアルセット【小林製薬】
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

スペイン王アルフォンソ13世王女 ベアトリズ

2017-02-21 22:14:41 | スペイン王妃・王女
初恋がかなわなかった長女
アルフォンソ13世王女 ベアトリズ・デ・ボルボン
チヴィテッラ・チェージ領主アレッサンドロ・トルロニア夫人


1909〜2002

スペイン王女編、最終回ですよぉ…
今まで読んでいただきありがとうございました。

アルフォンソ13世と王妃ビクトリア・エウヘニアには、五男二女のお子様がいました。
ベアトリズは三人目の長女です。
       
ベアトリズと妹のマリア・クリスティナは、他の王侯子女と一緒に
普通の学校に行きたいと熱望していましたが、許してもらえず
ロイヤル・パレス内で英国風の教育とマナーを受けていました。

英語とフランス語を学び、父とはスペイン語、母とは英語で会話しました。
歴史や宗教とともにピアノ、ダンスを習い、スポーツも大切ね!ってことで
水泳・テニス・ゴルフ・乗馬も習いました。
すごい… おけいこばっかりで疲れちゃいそう…

また度々姉妹で英国を訪れ、母方の祖母ベアトリスが暮らすケンジントン・パレスに
滞在して、動物愛護や赤十字の活動に参加しました。

18歳の時に社交界にデビューしたベアトリズは、20歳の時恋に落ちました。
相手はスペイン首相リヴェラの息子ミゲルです。
若い二人は幸せ一杯で、一緒に乗馬を楽しむ姿を見られたりしていました。
ビミョウね… これは身分違いの恋なの?

どうやら身分違いらしい… リヴェラ首相は二人の恋愛に気づくと「問題外!」と
息子を海外に行かせちゃったらしい。
中世だったら、これを機に王家にくい込んじゃおう! と考える親もいたでしょうが
冷静な人だったのか、スペイン王座はおいしくなかったか…

アルフォンソ13世は、伝統にしたがいカトリックの王子たちから婿選びを開始します。
イサベル2世王女エウレアリアの孫にあたるオルレアン家の三兄弟が有力で
長男アルヴァロが候補と思われました。
しかし、この縁談は、スペインの難局の中で中断されました。

1931年、王一家は国外へ逃亡します。
王妃ヴィクトリアと子供たちは、なんと、列車でパリに向かいました。
でも、さすが王一家ね、パリではサヴォイ・ホテルに落ち着いたそうですよ。

もともと不仲だったアルフォンソ13世とヴィクトリアの別居は確実なものとなり
ヴィクトリアと姉妹二人はまずロンドン、その後ローザンヌへ向かいます。
そこで母親と過ごしていましたが、1933年に父アルフォンソ13世に同行して
ローマに向かいました。

1934年、ベアトリズはチヴィテッラ・チェージ領主アレッサンドロを紹介されました。
当時のスペインの状況では、王子たちとの結婚は難しいと考えたアルフォンソ13世は
二人の結婚を承諾しました。

1935年に行われた二人の結婚式には52人の王侯貴族が参列し
千人にのぼるスペイン人がかけつけ、当時アルフォンソ13世と最悪の関係だった
母ヴィクトリアと兄アルフォンソもやって来て、一大イベントになりました。

アルフォンソ13世が1941年に亡くなり、第二次世界大戦が始まると
イタリアで暮らしていた一家はローザンヌへ疎開し、母ヴィクトリアと仲直りしました。
戦後はイタリアに戻って余生を過ごしました。
90歳の時に、雑誌のインタビューで逃亡時代などについて語っています。

お子さんは四人です。
孫のアレッサンドロはフィアットで働いてたらしいですよ。

2002年に93歳で亡くなりました。
前王ファン・カルロス1世はアルフォンソ13世の四男ファンの孫で
ベアトリズは父方の伯母にあたります。
異国で、故郷の王政復古をどのように思いながら見ていたのでしょうね?

              
                可愛らしい王女時代の写真




              
恋をかなえた次女
マリア・クリスティナ・デ・ボルボン
マローネ伯エンリコ・ウージェニオ・マローネ=チンザノ夫人


1991〜1996

生い立ちは姉ベアトリズとほぼ同じです。
1940年、マリアは王位継承権を放棄して、ローマで貴賤結婚をします。
もう、王位継承権なんてあったってねぇ…
貴賤結婚って言ったって、王座がなきゃ自分たちだってただの人なわけだし…
でも一応、旦那様は初代マローネ伯に叙位されました。

1996年に、クリスマスを王一族で祝うためスペインに帰国した際
心臓発作で亡くなりました。 85歳でした。

王家に生まれ、革命があって父王が廃位され、逃亡したり各国を転々としたりと
激動の一生でしたが、故郷で、幼年時代を送った宮殿で、家族に囲まれ
幸せな気持ちで逝かれたと思いたいですね。

(参考文献 ピエール・ミケル『ヨーロッパ最後の王たち』 Wikipedia英語版)

ヨーロッパ各王国の終焉を描いた一冊
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね



ひとことK-POPコーナー
本日 SHINee FIVE 到着! とてもステキなMV Get The Treasure のメイキング見て驚いちゃったよ!! 
後ろのみなさん、CGかと思っていたらマネキンチャレンジ状態だったのね〜
ちょーアクティブなSHINeeが見事に引き立っていました!! みなさま、おつかれさまでした




   ヒフミド トライアルセット【小林製薬】
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

『くじ』恐いもの見たさで…

2017-02-13 22:10:00 | アメリカの作家
THE LOTTERY OR,THE ADVENTURES OF JAMES HARRIS 
1949年 シャーリィ・ジャクソン

表題の『くじ』は『厭な物語』で読んで、かなりの衝撃を受けました。
短篇集を見つけたものの、あんな話がずら〜っと並んでいたらと思うと
なかなか手に取る勇気が出なかった… でも、出してみた…

結果から言うと、『くじ』ほどインパクト大の話はなく
もやもやするものしないもの含め、一冊穏やかに読み通すことができました。
22篇ありまして、けっこう印象に残った話が多かったです。

いくつかご紹介します。

『魔性の恋人(The Demon Lover)』
彼女は、彼が夜中に帰ってから、二人の結婚式のために迎えに来る10時まで落ち着かない。
しかし、12時になっても彼は来ない。
彼女は行ったことのない彼のアパートを訪ねて行くことにする。

ダマされてんでしょうけどね… 信じたい気持ちはわかる… わかるけどしつこい
女性が必死に男性を探しまわる姿は、人から見れば滑稽に映ってしまうんでしょうね?

『背教者(The Renegade)』
忙しい朝、家族を送り出している最中に電話が鳴り、ウォルポール夫人が出てみると
女性の声で、ウォルポール家の犬が、彼女の家の鶏を何羽も噛み殺したと言う。
夫人が買物に出ると、皆がそのことを知っていて声をかけてくれた。

この夫人は人に会って話すほどに、だんだんある考えに傾いてしまいそうで不安なのね
すーぐに広まっちゃう、小さな町でのできごと… 迂闊なことはできませんね

『人形と腹話術師(The Dummy)』
ウィルキンズ夫人とストロー夫人が、上品で人気があるレストランで食事をしていると
派手なグリーンのドレスの女と、猿のような小男が現れた。
男は腹話術師で、ステージを降りると女と口論を始めたが、ほとんど人形にしゃべらせた。

スカッとしたね〜!! こんなばあさんになりたいわ!

あとはね、本屋さんを舞台にした『曖昧の七つの型』とか好きでした。
モヤモヤ度ナンバーワンは『ジミーからの手紙』と『大きな靴の男たち』が甲乙つけがたい。

あと、原題に出てくるジェームズ・ハリスという男性が何話かに登場しますが
この人がどんな人なのか掴みどころがなく、モヤモヤしました。

わりと普通の日常の様子から始まるんだけど、読んでいるうちに落ち着かなくなってくる…
いうパターンが多かった気がします。

そうですねぇ… のどかそうに見えて難しい近所付き合いとか
どうにも人に強く出れない、なんか言いくるめられちゃうというお人好しさんたちの行動が
読んでいて、少し居心地の悪さを感じた要因だったでしょうか?

できたら言いくるめちゃうサイドの人間になりたいが、主人公に肩入れしながら読んでると
あぁ、負けるタイプだな…わたしは… と見せつけられたような気がします。
でも、『くじ』から膨らんだ恐ろしい妄想に反して、おもしろく読めた一冊でした。

何かに不安にさせられてる…そんな一冊
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね



ひとことK-POPコーナー
ヒョンスンが復帰して、BEASTが再結成ってどういうこと? 今の5人のBEASTは? 名前変えなきゃいけないの?
てっきりBEASTで活動すると思ってたのに… 予期せぬ展開にビックリしてます 


   
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

スペイン王アルフォンソ12世王女 マリア・デ・ラ・メルセデス

2017-02-06 09:21:58 | スペイン王妃・王女
父の最愛の人の名を持つ薄幸の王女
アルフォンソ12世王女 マリア・デ・ラ・メルセデス・デ・ボルボン
両シチリア王子カルロ妃


1880〜1904

ワンポイント王アマデオとマリア・ビクトリアには三人お子様がいましたが、皆王子でした。
このうちの一人がスペイン王座を継いでいたら、歴史は違っていたかもしれませんね。

アルフォンソ12世が、初恋のマリア・メルセデスを亡くした後再婚した
マリア・クリスティネが待望の妊娠をしました。
出産が近づくと、パリからイサベル2世も立ち会うためにやってきました。

生まれてきたのは王女でした。 立ち会っていた王家一同がっかり… 議会もがっかり…
王子じゃないなんて… ということで、皆大きな失望を隠しませんでした。
なんなんだよぉ! 大変な思いをして産んだお母さんに失礼じゃないか!!

マリア・クリスティネはその場を穏便におさめましょう… と、王女にメルセデスという
夫の最愛の人の名をつけることを提案します。
名付けることは了承されましたが、本来なら王位継承者であるメルセデスは
帝王学を授けられず、ただの王女として教育を受けます。
母マリア・クリスティネの教育方針はたいへん厳しかったようです。
   
政治家のアントニオ・カスティロという人は、もともとマリア・クリスティネが嫌いで
その娘が女王として戴冠するなんて! 考えただけでムカつく!!ってことで
宮廷でもメルセデスのことを無視し続けました。

そうしたことが原因になっているのかどうかわかりませんが、メルセデスは恥ずかしがりで
生真面目で、人好きのしない少女に育っちゃったみたいです。

1899年、両シチリア王家の王子カルロとの婚約が発表されました。
成り行きはわからないんだけど、夫カルロはハンサムだったそうで
もしかして、どこかで会って恋に落ちましたかね?

婚約が発表されると、自由派から反対の声があがりました。
カルロにはなんの問題もなかったんだけど、お父様に問題があったようです。
カルロのお父様アルフォンソは第三次カルリスタ戦争で指揮官をしており
クエンカの強奪にも加担していたと言われていました。

また、両シチリア=ブルボン家は最も保守的なカトリックで
それも懸念材料のひとつとされました。
でも当時のスペインもかなり保守的なカトリックだと思えるんだけどね…
結局カルロは、両シチリア家の継承権を放棄してメルセデスと結婚しました。

このカルロという方は、メルセデス同様、恥ずかしがりで生真面目だったそうですよ。
静かな、というより、どーんよりした家庭になりそうな気が…

でもメルセデスは、最初からカルロに惹きつけられていて
「彼と結婚できて幸せ…」と書き記しています。

結婚後は母マリア・クリスティネの希望で、実家の近くで暮らします。
仲睦まじく幸せで、すぐに二人の子供が生まれました。

結婚から3年目、メルセデスは3人目の出産をします。
子供は死産だと思われましたが、生き延びました(しかも81歳の長生き)
しかし、メルセデスの様態は悪化し、亡くなります。

疎まれてる… と感じ続けて過ごした少女時代から、やっと幸せになって
人の目をきにせずのびのび生きられるっていうのに、24歳の若さでねぇ…
幸せな王女や王妃が、出産で亡くなるのがけっこう多いんですよね。
医学の進歩云々以前に、寝具や器具が不潔だったと言われてます。
ちょっと気をつけてれば多くの不幸がおこらずにすんだと思うと残念ですね。


             
おまけみたいですみません・・・
アルフォンソ12世王女 マリア・テレサ・デ・ボルボン
バイエルン公子フェルディナント妃


1882〜1912

メルセデスの妹マリア・テレサの生い立ちは、メルセデスとほぼ同様です。
24歳の時に従兄弟のフェルディナントと結婚しました。
フェルディナントの母は、イサベル2世王女マリア・パズです。
家系図はそちらをご覧下さい。

4人目のお子様の誕生日の8日後に亡くなっていますので、たぶん出産が原因かと…
29歳でした。

(参考文献 Wikipedia英語版)

ひとことK-POPコーナー
行って来ましたよ〜
 SHINee WORLD 2017 ~FIVE~ 神戸ワールド 記念ホール
ジョンヒョンは脚の調子がまだよくないとメールがきていましたが、全曲ダンスにも参加してくれて感激!
『君のせいで』のオニュ!! ス、ステキすぎました…  Keyのミュージカル仕込みのダンス、最高でした!
あのすごいセットでのミノのダンス、さすがでした  テミンのかっこよさは言うまでもないですが、MCが面白すぎます!
あぁぁ… 3月の代々木は全滅だったので、4月までなんとか乗り切らなければ…
 
ウワサのペンラ、でかい… メンバーの衣装を着てるセサミストリートのキャラたち、かわいいでしょ!


   
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

スペイン女王イサベル2世王女 エウラリア

2017-01-29 19:07:22 | スペイン王妃・王女
王を怖れさせた暴露本?
イサベル2世王女 エウラリア・デ・ボルボン
ガリエラ公アントニオ妃


1864〜1958

エウラリアは、イサベル2世の三男六女の末っ子です。
末っ子らしくのびのび育ったみたいなエピソード満載です。
教育は姉たち同様、亡命先のパリで受けました。

スペインへ帰国して9年後、22歳の時に従弟のアントニオと結婚しました。
結婚式は兄のアルフォンソ12世の崩御で数ヶ月延期されました。
     
結婚から2年後、二人目のお子様が誕生すると、エウラリアは夫と別居します。
スペインとパリの屋敷は維持していましたが、イギリスが好きだったようで
しばしばイギリスに滞在していました。

1893年、シカゴ万博を訪れ、ホワイトハウスでクリーブランドとも会っています。
アメリカに行く前にプエルトリコやキューバを訪れています。
後には、カルロス3世の子孫でありながら、Daughters of the American Revolutionの
メンバーとして認められました。

エウラリアは、作家として活動していましたが、主な作品は王室の暴露本。
1912年にペンネームで書かれ英訳もされた『The Thread Life』は
甥のアルフォンソ13世が「私が読んで許可するまで出版を見合わせてほしい」と
電報を打ったにもかかわらず、これを拒否して出版します。

家族と親戚たちとは連絡を取り合い、親交はあったようなのですが
貴族のサロンはザワついていたようです。
「これ自分かも…」と思った人もいたでしょうし、一般市民に知られたくない風習や
過去におこった貴族のおバカ丸出しエピソードなんか本にされちゃあね…
実際は、王女である彼女の教育や自立、階級や信教について書いてあったみたいです。

また、世界の政治情勢についても語っていて、とりわけ、
フランスとドイツには和平なんてありえない! という確信を示していました。
なぜかしら? フランク王国の取り合いに始まり、普仏戦争があり、第一次大戦があって
ずーーっと戦ってる印象があったかしらね。
たしかに第二次大戦でも敵になっちゃいましたが…

また、しばしばイタリアのムッソリーニについても言及しています。
甥のアルフォンソ13世は、イタリアのヴィットリオ・エマヌエーレ3世に倣って
ファシスト政権を樹立させ、国内の混乱を乗り切ろうとしていました。

彼女の著書には、しばしば当時のファシスト体制からの引用があったということで
ファシズム反対派ではなかったということなんでしょうかね?
甥がスペインで創った独裁体制を指示していたということかしら?

1958年に、スペインのフランス国境に近いイルンで、心臓発作で亡くなりました。

今なら、評論家やコメンテーターとして重宝しそうな女性ですね。
でも、現代においても王族にはちょいと困ったタイプかも… 正直すぎてね。

ちなみに、エウラリアの次男ルイス・フェルナンドは、麻薬がらみで王位継承権を
剥奪されたことをはじめ、けっこうワイルドな人生を送ってます。
お兄ちゃんのアルフォンソは真面目そうなんですけどね。

              
                辛口コメントをしそうな感じ?

(参考文献 ピエール・ミケル『ヨーロッパ最後の王たち』 Wikipedia英語版)

ヨーロッパ各王国の終焉を描いた一冊
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね



ひとことK-POPコーナー
いよいよ SHINee WORLD 2017 ~FIVE~ が始まりましたね! ジョンヒョンの足は大丈夫だったのでしょうか?
レポではほとんど椅子に座っていたということでしたが、一番悔しい思いをしているのはジョンよね…
それでも欠席せずに日本まで来てくれて、歌声を聴かせてくれてありがとう〜! でも無理しないでちゃんと治してね
これからのツアー、楽しみにしてます!!


   
コメント (2)
この記事をはてなブックマークに追加

『人形 デュ・モーリア傑作集』嬉しい予感…

2017-01-24 19:44:01 | イギリス・アイルランドの作家
THE DOLL AND OTHER STORIES 
ダフネ・デュ・モーリア

『いま見てはいけない』と同じような装丁ですね!
創元社はデュ・モーリアをシリーズ化してくださるのかしら? 楽しみ〜

こちらの一冊におさめられている14篇は、初期の作品だそうです。
表題の『人形』をはじめ、『東風』『飼い猫』『幸福の谷』の4篇に
後年の『鳥』『レベッカ』『レイチェル』を連想させる背筋ヒンヤリ感が漂っていますが
女ごころや恋愛トラブル、社会風刺などをテーマにした女性らしい作品が多く
コミカルともいえるストーリーもありました。
いろいろな作家の影響も見え隠れ… まだまだ作風を模索中だったのでしょうか?

ヒッチコック映画の原作者という先入観が強くて、オカルトとかミステリー方面の
作家だとばかり思っていたのですが、そうでない作品も多いかもしれないですね。
創元社さま、待っています。

ではでは、今までのデュ・モーリアのイメージと違う作品をいくつか紹介しますね。

『いざ、父なる神に(And Now to God the Father)』
上流の人々が大挙してやってくる、ロンドンの聖スウィジン教会の
ハンサムで人気者のホラウェイ牧師は、ある晩、若きクランリー卿の訪問を受けた。
彼は地方で知り合った娘を妊娠させてしまい、結婚を持ち出されて困っているという。

ものすごーーーいスノッブ牧師が、うまーく世渡りする様子が描かれています。
聖職者なのにね… こういう人、いっぱいいたんだろうなぁ
この牧師さんは、別のお話しで、貧しい者の味方の副牧師と争うことになります。
さてホラウェイ牧師の未来は?

『メイジー(Mazie)』
メイジーは体調が悪かったが、その日も仕事のために街に出た。
しかし、一日中歩き回ったが相手は見つからない。
夕方、メイジーは堤防から川を見ながら、平底船に乗って漂って行く自分を想像した。

特別なことがあったようで平凡な、場末の娼婦の一日が描かれています。
シーンごとにいろいろなメイジーに出会えます。
メイジーのお話しはもう一篇あって、おバカだが憎めないタイプに思えてきます。

『そして手紙は冷たくなった(And His Letter Grew Colder)』
3年ぶりに帰国したX・Y・Zから、彼の友人の妹ミセス・Bへの手紙。
訪問のお伺いからはじまり、招待のお礼、返礼の招待… 毎日のように届く。

題名のとおりです! どんなに熱烈なアプローチを受けても信じちゃダメっすね!
内容はみえみえでしたが、文面にありありと男性の気持ちが見えて面白く読めました。

『笠貝(The Limpet)』
他人のことばかりを気づかうあまりに、不幸になってしまったと嘆く女性の独白。
まずは両親、スターのヴァーノン・マイルズ、離婚した夫ケネス、政治家チチェスター卿…
皆に良かれと思って精一杯やったあげく取り残され、四十代を迎えようとしている。

そりゃあ、取り残されるでしょうね… でもすごい世渡り上手よ! この人。
戦略的だし、口も上手いんだと思うわ。 いい営業になれるんじゃないかしら?
野心満々の男性にはいいかもしれませんがおススメはしません。

いろいろなテーマに挑戦していて、若い作家の手探り感と探究心が垣間見えます。
でもさすが! やはり面白かったです。
『東風』の出だしなんか、何かが起こりそうでゾクゾクしました。

こういうデュ・モーリア作品をもっともっと読んでみたいです。
創元社さま… しつこいね

恐いのが苦手な方もこれなら安心
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね



ひとこと大統領コーナー
遠い日本にいるわたしが見てても不安なんですけど…
嫌われ者でも無名よりはまし… っていうお考えなのでしょうか?


コメント
この記事をはてなブックマークに追加