まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

『マン島の黄金』ファンには嬉しい短篇集

2015-06-17 22:16:16 | アガサ・クリスティ
WHILE THE LIGHT LASTS AND OTHER STORIES 
1997年 アガサ・クリスティ

この短篇集は、クリスティの死から21年後に出版された短篇集の日本版です。
10篇のうちのほとんどは初めて短篇集におさめられた作品です。
ただ、先日書いたカポーティの『真夏の航海』のようにお蔵入りしていたわけではなく
雑誌上では発表されていたのに短篇集の中には入っていなかったストーリーです。

9篇はデビュー後12年以内に書かれています。
いくつかは推理劇、いくつかは探偵の登場しない心理劇
いくつかはウェストマコット名義で書かれそうなロマンスありの物語という内容です。
ポアロが登場するものは2篇で、ひとつはほぼ同じ内容で
『クリスマス・プディングの冒険』として出版されています。

いくつかご紹介しますね。

『崖っぷち(The Edge)/1927年』
村の誰からも好かれている善良なクレア・ハリウェルは、館の当主サー・ジェラルド・リーと
結婚すると誰もが思っていたが、彼は突然小悪魔のような若いヴィヴイアンと結婚した。
ある日、クレアは町のホテルでヴィヴィアンが他の男と過ごしている証拠を目にする。

これは心理劇です。 善良な人間が「正義とは何か?」と葛藤しながら見出した答えに
絶対に個人的な感情が絡んでいないとは言いきれませんよね?
短いストーリーですが、主人公の心の変化が女性らしいイヤらしさ? みたいなものを
垣間見せてくれるスリリングなお話しでした。

『孤独な神さま(The Lonely God)/1926年』
退役軍人フランク・オリヴァーは、英国に戻っても知人が無く孤独だった。
大英博物館にある、小さく寂しそうな神さまの像に惹かれて通っていたある日
同じように神さまの像を見つめている、孤独そうでみすぼらしい若い女性に気づく。

これはありがちな話しで、とりたてて面白いわけではないのですが
けっこう人間のダーティな部分を描いた作品が多い中、ちょっとホッコリしたのでね…

『クィン氏のティー・セット(The Harlequin Tea Set)』
サタースウェイト氏が旧友トム・アディソンに会いに向かっている途中車が故障して
ハーリ・クィン・カフェという店に入ると、懐かしいハーリ・クィンが現れた。
氏がトム一家のことを話していると、トムの義理の息子の後妻ベリルがやって来る。

これは推理劇。 いつ書かれたのかわかりませんが、サタースェイト氏がしきりに
懐かしがっているところをみると、一連の『謎のクィン氏』の後に書かれたんですかね?
意外な展開と犯人! よくできた話しだと思います。

なんらかの理由があってクリスティが短篇集からはじいた作品たちだと思うのですが
ひとつひとつのストーリーは、さすが! って感じの面白さでした。
ハヤカワ文庫のクリスティ・シリーズの短篇はほぼ読みつくしちゃった読者としては
本当にありがたい1冊でした。
こういう作品がまだまだあればいいのになぁ…

まだまだクリスティが読み足りないという方に朗報ですね
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね



ひとことクラフトコーナー
本で見てあまりにも可愛かったので作ってみたわ! マカロンポーチ
かなりの数マカロンポーチを作ってきた私ですが、ちょいと行程が多くて疲れたね




好きなキャラクターをマカロンポーチにしちゃいましょう
作ってみたいな!という方は上の画像をクリックしてね
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『そして誰もいなくなった』最初と最後、どちらの一人が幸せか?

2014-03-30 22:23:19 | アガサ・クリスティ
TEN LITTLE NIGGERS 
1939年 アガサ・クリスティ

クリスティ好きとしては『そして誰もいなくなった』は、もちろん読んでいたのですが
あまり面白かった記憶がなく「あー、あったねぇ…」という感じでやりすごしていました。

このあいだ韓国ドラマを見ていたら『そして誰もいなくなった』のことがでてきて
そういえば犯人だれだっけ? とふと思い再読してみました。

そうしたら面白くて、さすがクリスティ! と再認識しました。

私が忘れていただけで、広く世間に知られている話だから
あらすじはくどくど書かないね。

10人の男女が、海岸から1マイルほどのところにある孤島に呼び集められ
ひとり、またひとりと殺害されるというお話しです。

10人は島に到着したその晩に、何者かが録音したレコードによって
過去に犯したとされる罪状を読み上げられました。
もちろん皆否定しますけれども、なにかわけがありそうな感じです。

ポイントは殺害の手順が、古い子守唄の内容にしたがって行われることです。
これはクリスティのミステリにはよくある手法ですよね。

殺人の方法が予告されているようなもので、細心の注意をはらって
警戒を怠らずにいればいいようなものだけど、その隙を狙ってまたひとり殺される…
というわけで、かなり神経にきますよね。

それから、だんだん人数が減っていくにしたがって、お互い顔色をうかがうようになり
疑心暗鬼になっていいます。
だって犯人は自分たちの中のひとり以外にありえないんですもの。
一緒にいると怖いけどひとりにはなりたくないということで
あいつが犯人だ! と思う人間と行動をともにしなければならない状況… ひえ~
最初に死んだ人が幸せ者に思えるよ。

とうとう最後のふたりになった時、彼らはどうするのか? 犯人はどっちだ? という
最高の見せ場が訪れるわけですが、実は私、途中で犯人を思い出しちゃったんですぅ。
そして「あぁぁぁ、だからガッカリしたんだった」と思いましたよ。

誰かが謎を解くというパターンではなくて、本人による告白という
火曜サスペンス劇場、崖の上のラストのパターンなのですね。

たしかに、それまで自分なりの推理をたてながら読み進めてきた方々は
どれぐらい推理が正しかったか確認できて、それはそれで楽しめるのかもしれません。
だけど私は、やっぱり「犯人はお前だ!」とピシッと指差して終わってもらった方が
気分的にスッキリするのよね。
犯人の自己満足で終わられてもねぇ…

まぁ、ラストの好みはおいといて、内容は文句なく面白いと言えます。
章を細かく区切って登場人物各々の事情や神経のたかぶりを描いていまして
中だるみなく楽しく読み通せます。
冒頭で感じたドキドキは最後まで途切れず、緊張感を保ったままラストまで読めました。

この物語の犯人は最後に、この “ 壮大で芸術的な ” 犯罪の動機を述べています。
一部は正論かもしれないし、理路整然としているように見えますが
言ってることはけっこう無茶苦茶ですよ。

この物語の犯人のような人間は、あまり少なくないような気がするのよね。
どういうタイプか書くと読んでてわかっちゃうと思うから書きませんが
同じような思考でもっとムチャクチャな犯行に走られたらと思うとものすごく恐ろしい…
どうか考え込まず、肩の力を抜いて楽に生きて下さい、と言いたいわ。

いつまでも輝き続けるミステリの逸品
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね



ひとことゲームコーナー
私はあまりゲームが好きでなく、今までスマホでゲームしたことはないのですが
職場のAさんが教えてくれた “ ほしの島のにゃんこ ” にハマってしまいました。 働き者のネコが愛おしいぞぉ
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『終わりなき夜に生まれつく』やっぱりミステリーだったのかぁ

2013-10-19 22:57:30 | アガサ・クリスティ
ENDLESS NIGHT 
1967年 アガサ・クリスティ

題名がステキじゃない? と思って買いましたけど…
メアリ・ウェストマコット名義で書かれたものだとばかり思っていたのですが
読んでみるとクリスティ名義なのかなぁ?
今のハヤカワ文庫のクリスティシリーズは表紙がまぎらわしいと思うの。

かいつまんで書いてみますね。

マイケル(マイク)・ロジャーズという若者がいます。
彼は転々と職を変えていて、今は金持ちのお抱え運転手をしています。

マイクは何気なく行った町で競売にかけられていた朽ち果てた屋敷〈ジプシーが丘〉の
景観に惹かれ、再度訪れた時にフェニラ(エリー)という女性に出会います。

マイクはエリーに〈ジプシーが丘〉がどんなに美しく生まれ変わるか語り
知人の天才建築家サントニックスの話をします。

マイクとエリーは約束を交わして別れ、その後頻繁に会うようになります。
若い二人の想いは膨らむばかり…

ある日エリーが「〈ジプシーが丘〉を買った」と言います。
実はエリーはアメリカの大富豪の一人娘で、成人に達したら莫大な遺産を手にします。

ものすごーく身分違いの二人なのですが、韓流ドラマ的すったもんだも何もなく
あっさり結婚することになりました。

今までのデート、そして結婚に際して二人のためにお膳立てしてくれたのは
エリーの世話係をしているグレタという女性です。
マイクはエリーがあまりにもグレタを信頼しすぎていると危機感を覚えます。

二人は至る所に旅行に行き、マイクは贅沢を満喫します。
そうこうしている間に〈ジプシーが丘〉の立て替えは終わり
新しい生活がスタートします。

しばらくすると、幸せな二人にいくつかの不安が影を落とします。
まずはグレタの登場… ロンドンで再就職すると言っていたグレタを
怪我をしたエリーが呼び寄せ、滞在は長引いていきます。
グレタについてはエリーの信託管理人リッピンコットも警戒していました。
マイクはグレタと怒鳴りあいまでおこしてしまいます。

次にジプシーの老婆エスター・リーの出現。
彼女は最初に〈ジプシーが丘〉でマイクに会ったときも、次にエリーに会った時にも
二度と近づくなと警告したのに二人がやってきたことに怒っていて
呪いの言葉をかけて脅します。
エリーはとても怯えていました。

その他の登場人物もあらすじもごっそり省きますが、エリーは亡くなってしまうのね。
落馬事故なんですが、どうやらエスターがからんでいるようです。

ここまで読んでいて「あれれ…?」って思いました?
そうなんですよねぇ、『愛の探偵たち』の『管理人の事件』にソックリなのよね。
私も途中で結末がわかってしまいました。

内容は『管理人の事件』、展開は『アクロイド殺し』という感じでしょうか。
あ! クリスティ好きにはもう見えちゃいましたね!!

クリスティの推理小説には同じ話が数バージョンあったり
短篇を膨らまして中篇・長篇にしたりということがよくありますが
何度読んでも面白いというのが持論でした。

でも、これはなぁ… なんだか違和感があります。
どうしてだか自分でもわからないのですが、敢えて言うなら
ミステリーではないという先入観が強かったせいかもしれません。
私の読書姿勢によるもので、けっしてクリスティのせいではないと思うけど…

それから、クリスティらしいユーモアみたいなものがあまり感じられなかったかな?
似ているだけに、『管理人の事件』とのギャップが気になりました。
ま、これも、二つの作品を別物として考えられない私が間違っているのかもしれません。

ところでさ、リッピンコット氏もマイクのお母さんも
何かを察知していたなら教えてあげたらいいんじゃないかと思うわ。
そうしたら若い娘が命を落とすこともなかったんじゃないの?

ひとことK-POPコーナー
録画していた『アメトーーク』のハードロック芸人を見ていたら、やっぱりハードロックはいいよねぇ
久々に聞いてみようと思っているのですが、昨日SHINeeの『EVERYBODY』がきたもので… リピってしまうのね
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『死人の鏡』ポアロの活躍はとどまるところ知らず

2011-07-24 18:10:31 | アガサ・クリスティ
MURDER IN THE MEWS 
1937年 アガサ・クリスティ

1920年の『スタイルズ荘の怪事件』で登場したポアロの長篇シリーズは
2~3年おきに発表されていました。
しかし1932年からは年1冊、あるいは2冊のペースで発表されて
その間に短篇を集めたものも出版されています。
なんて精力的…

そんなわけで、いくつかの短篇はトリックが似通っていたり
長篇で扱ったテーマそっくり、というものもあるのですが
何度読んでも面白いから気にしません。
推理そのものよりも文章を楽しみながらクリスティを読んでいるという感じです。

比較的長い短篇が4篇収められています。

『厩舎街の殺人(Murder in the Mews)』
ジャップに呼び出されたポアロが厩舎街(ミューズ)へ行ってみると
若い未亡人アレン夫人が自殺していました。
しかし、医者は不自然な点が多いと言うし、同居人で発見者のプレンダーリースも
心当たりがないと言います。

この “ 自殺のようで、他殺のようで… ” は他にもいくつかありましたよね?
たいがい怪しい人物がそばにいます。
誰かを庇うためなのか、誰かを陥れるためなのか?
危うく犯人にされちゃいそうな時、ポアロみたいな人がいると助かりますね。

『謎の盗難事件(The Incredible Theft)』
客を招いた晩餐の後、メイフィールド卿の屋敷で爆撃機の設計図が盗まれました。
一番怪しいのはスパイと噂されているヴァンダリン夫人です。
しかしポアロの調査で、宿泊客全員が一度客室から出たことが判りました。

これは『教会で死んだ男』という短篇集の『潜水艦の設計図』とほぼ同じです。
後に書かれた『潜水艦~』はぐっとコンパクトで縮小版という感じ。
もちろん、まるきり同じではないです。

『死人の鏡(Dead Man's Mirror)』
準男爵ゴアに呼び出されたポアロが訪ねて行くと居合わせた人がうろたえています。
その後書斎で死んでいるゴアが見つかりました。
自殺と思われましたが、ポアロが調べるうちに家族、客のほとんどが
ゴアと遺産や金銭をめぐってトラブルを抱えていました。

こちらは『黄色いアイリス』の中の『二度目のゴング』とかなり似ています。
こちらの方が発表が早いのですが『二度目~』が原型だろうと解説に書いてました。
私はこちらの方が好きです。

『砂にかかれた三角形(Triangle at Rhodes)』
ポアロが滞在しているロードス島のホテルに、美貌のチャントリー夫人と獣のような夫
ハンサムなダグラスと地味な妻マージョリーが到着しました。
みるみる親しくなるチャントリー夫人とダグラスに、周囲は気まずい雰囲気に…
ポアロがマージョリーに島を出るよう忠告した後、チャントリー夫人が毒殺されます。

これは長篇『白昼の悪魔』と同じテーマを扱っているようです。
登場人物の顔ぶれやストーリーの展開の仕方は違いますが
なぜ男性を虜にする美貌の高慢な女性が死ななければならなかったのか…
興味津々の内容です。

たぶん「ポアロの新作はまだかいな?」とせっつかれたと思うんですよね。
似てるけど…いっか!と考えたとしても仕方ありません(冗談ですってば)
発表した後に「あ!こうしときゃ良かった!!」ってこともあったかもしれませんね。
でも大丈夫  同じものを何度読んでも面白いぐらいなんだから。

サスペンス劇場の原作になっているシリーズの作家の方々も
いろいろご苦労が絶えないでしょうね?
「あの作品と似てるけど…」なんて指摘されたりして。

ミステリーはかなり出尽くしている感がありますものね、って
他の作家のは読んでないからわかりませんが…出過ぎたことを言ってしまいました。

短編集でも満足の一冊
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『未完の肖像』いつ本題に入るのか?

2011-06-25 18:55:38 | アガサ・クリスティ
UNFINISHED PORTRAIT 
1962年 “ メアリ・ウェストマコット ” アガサ・クリスティ

ウェストマコット名義なので推理小説ではございません。

クリスティ贔屓な私ですが、この『未完の肖像』は
なにが言いたいのかよくわからないお話しでございました。

ある男性が絶景の孤島である女性に会い、彼女が死のうとしている!と直感し
それを止めるところから物語が始まります。

あとは延々とその女性が語った生い立ちが続くんですが
これが…だらだらと聞かされてもさぁ、というのが素直な感想です。

幸せな少女時代。
冗談好きの父、一番の理解者である母、ヴィクトリア気質の祖母、
ナニーたち、コック、メイドのエピソードに、フランスへの療養…
読んでて楽しかったですよ。
クリスティの子供時代の思い出がふんだんに盛り込まれていそうです。

思春期になって、彼女に求婚して来た男性たち。
一度は長年に渡るプロポーズを断り、二度に渡って婚約を破棄し
熱烈に愛し合った男性と結ばれました。
昔ながらのロマンスに頬が緩むし、奥ゆかしくて微笑ましいです。

新婚時代、相手の男性は彼女をものすごく愛しています。
生活は質素になりましたが、新しい生活は新鮮で幸せに溢れていました。
娘も生まれ、前途は明るく感じられました。
しかし、母は一抹の不安が拭いきれません。
そして彼女も少しずつ夫のことが理解し難くなっていきます。

ちょっと暗雲がたちこめてまいりました。
なんとな~く、話の続きが読めてきた気がします。

最後になぜ彼女は死のうと思ったのか…

まあ、女性が死まで考えると言えば、だいたい原因はわかっているんですけどね。
でもそんなに判りきった原因ではありませんでした。

正直言うと、私はなんで死にたくなったのか判りません。
ものすごい修羅場をくぐってきたのに、なんで?

主人公が感受性が強すぎるのか、私が鈍感なのか、もうどうでもいいんだけど
長々と読まされたのに、「それが原因?」と、ちょっと納得いかないです。
過去は反省して未来に活かそうじゃないか!

メリハリがないまま終わっちゃったんですよね。
3歳の誕生日から彼女が思いつめるところまで、同じテンションで進んでます。
ずーっと序章のようであり、核心のようであり、てな感じで
盛り上がりに欠ける一作でした。

でも文章は面白いの。
短時間で読んじゃいましたよ。

クリスティは一度失踪事件をおこしてますが、もしかしてこの作品が
彼女の心を知る、なんらかの手がかりになるんでしょうか?
だとしたらもう一回読んでみましょうかしら?
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韓流もいいけどポアロもね!

2011-02-01 22:11:03 | アガサ・クリスティ
ううぅ…
週間マイ・ドール・ハウスで懲りて、分冊物はやめようと誓っていたのに…

買っちゃった、『名探偵ポアロ DVDコレクション』
もはや韓流以外のDVDを観ていないわたくしも、これは観るでしょう!!

1本目は『ナイルに死す』です。
映画のキャストは豪華でしたが、やはりこちらの方が原作に忠実で好きですね。
早く開けて見なければ…と思いつつ開けるのがもったいない。

実はTSUTAYAのDVDが暗号化される前に何本かダビングしていたんですけど
こうなったら集めるしかないでしょお!!

次号は『ABC殺人事件』だそうですよ。
ダビング済みなんですけど待ちどうしいです。

せめて隔週で良かったです…と思っていたら、全65巻(予定)ですって?
2年半ぐらいかかるということでしょうか?
事故にあったりしないよう気をつけなければなりませんね。

『ミス・マープル』のジョーン・ヒクソン版は(ダビングで)全て揃えたんですけど
分冊が出たら買っちゃいそうで怖い…

ディアゴスティーニも講談社もアシェットも、ミス・マープルはもう少し待ってほしい。
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『春にして君を離れ』孤独が教えること

2011-01-13 01:15:54 | アガサ・クリスティ
ABSENT IN THE SPRING 
1944年 “ メアリ・ウェストマコット ” アガサ・クリスティ

アガサ・クリスティのファンなら誰もが知っていることですが
クリスティは別名でミステリー以外の小説も書いていました。
もうひとつペンネームがあったという話しもあったような気がしますがよく知りません。

ミステリーの女王クリスティがわざわざペンネームで書いたというこの小説、
殺人やスパイなどの事件はありませんが、そこはかとなくハラハラ感を孕んだ
少し肌寒さを感じる物語でした。

主人公はジョーン・スカダモアという英国女性。
夫ロドニーは町で一番成功している法律事務所の共同経営者、
長男トニーはアフリカでオレンジ農園を経営しています。
長女エイヴラルは裕福なブローカーに嫁いでロンドンで暮らし
次女バーバラはイラクで地位のある職についている男性に嫁いでいます。

現状にはすっかり満足しているパワフルなジョーンが
病気になったというバーバラを訪問したバグダットからの帰路
女学校時代の友人で、すっかり落ちぶれ果てたように見えるブランチ・ハガードと
ばったり会ったところから物語が始まります。

細かいことは省きますけど、ジョーンは砂漠の中にぽつりとあるレストハウスで
汽車が到着しないために、(西洋人としては)たったひとり足止めを食ってしまうのね。

ジョーンはものすごく精力的で、毎日忙しく動き回っている人なわけです。
そんな女性が何もすることがなく、話し相手もいないまま何日も捨て置かれたら?
「ゆっくり休めばいいじゃない?」と思いますよね?
しかしそうはいかないのが文明社会にどっぷりつかった人間のつらいとこ。

休息時間を欲していたジョーンも、1日も経たないうちにムズムズ、イライラし始めます。
そして考えなくてはいいことを勝手に考え始めます。

例えばですけど…
ブランチが「バーバラはもう心配いらないわ」と言ったこと、
彼女を見送りにきた夫が去って行くとき、後ろ姿がやけに元気溌剌としていたこと、
若い頃「農園を経営したい」と言っていた夫を思いとどまらせたこと、
不幸なレスリー・シャーストンを、夫が「勇気ある女性」と言ったこと、などなど…

2日3日と過ぎるうちに、ジョーンの神経は過敏になっていきます。
何度も繰り返し嫌なことを考えるうちに、様々なことに思いあたります。
家庭でおこった様々な問題に対して自分と夫の考えがまったく違っていたことや
子どもたちの不自然な態度にも思いが及んでいきます。

4日目、砂漠の中で方向を見失いかけたジョーンはあることを悟りました。
それは自分がものすごく家族に嫌われていたこと、そして夫とレスリーのこと…

錯乱状態でレストハウスに帰り着いたジョーンに汽車の到着が告げられます。

そうですねぇ…
ラストでジョーンはロンドンに帰って夫に再会するんですけどね。

たとえば彼女に改心してもらって別人のように謙虚な女性になりました、とか
ものすごく痛い目に遭って、今までのことを悔やみながら一生を終えるとか
そんなラストは期待していなかったんですよね。
たしかに一番ノーマルで、賢い結末のつけかたかもしれない…でも後味悪い

このすっきりしない感じはジョーンのせいなのか夫ロドニーのせいなのか
はたまたふたりのせいなのかよくわかりません。
もしかしてふたりとも悪くないのかも… 夫婦だからって全てを正直に話す必要ないもんね。
いったいこの結末の何が私をモヤモヤさせるのか、後日じっくり考えてみます。

自分の人生に一点の曇りも無い、幸せ一杯だ! という方がもしいらしたら
じーっと自分のことを考える時間があってもいいかもしれないです。
良い結果になるかそうでないかは責任持てませんけどね
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『クリスマス・プディングの冒険』読者への挑戦?

2010-12-24 00:07:08 | アガサ・クリスティ
THE ADVENTURE OF THE CHRISTMAS PUDDING 
アガサ・クリスティ

6篇の、少し長めの短篇が収められています。
すごく読み応えがある一冊でした。

この一冊におさめられている6篇のトリックは
よくよく考えるとざっくり2パターンに分けられると思うんですよね。
しかも、同じトリックで3篇づつ続けて書かれているんです。

では6篇続けて書いてみます。
もちろん、トリックの内容は書きませんけど。

『クリスマス・プディングの冒険(The Adventure of the Christmas Pudding)』
ポアロは盗難にあったルビーを求めて田舎の屋敷にやってきます。
クリスマスシーズンの屋敷には若い人たちも集まっていました。
正餐の前、ポアロは誰かから「プディングを食べないよう」というメモを渡されます。

『スペイン櫃の秘密(The Mystery of the Spanish Chest)』
これは『黄色いアイリス』という短篇集の『バグダット大櫃の謎』と
ほぼ同じ内容なので割愛しますね。

『負け犬(The Under Dog)』
アストウェル卿の殺人事件で、甥のチャールズが逮捕されました。
でもアストウェル夫人は納得していません。
その上、犯人は秘書のオーエンだと名指しします。

以上、3つの物語は、ざっくりとひとつのトリックにまとめることができます。

『二十四羽の黒つぐみ(Four-and-Twenty Blackbird)』
ポアロが友人と食事をした料理店には
10年近く火曜と木曜の夜にやってくる老人がいるというのですが
前の週だけ月曜日にもやって来たとウェイトレスが言いました。
3週間後、その老人が死んだと聞いたポアロは勝手に調査に乗り出しました。

『夢(The Dream)』
変わり者の大富豪ファーリー氏に呼ばれたポアロが訪ねて行くと
彼は同じ時間にピストル自殺する夢を毎晩見ると相談してきました。
1週間後にファーリー氏は夢とまったく同じ方法で自殺します。

『グリーンショウ氏の阿房宮(Greenshaw's Folly)』
ミス・マープルの親戚ルーが、奇妙きてれつな屋敷に住むミス・グリーンショウの
書記になった2日後、家政婦とルーは急に部屋に閉じ込められました。
そして窓から見ると、ミス・グリーンショウが庭で矢に射たれて死にました。

後半3つの物語は、ほぼ同じトリックの使い回しです。

これは読者への挑戦?
同じトリックを続けて書いて「解けるかな?」と笑っていたということか?

確かに読んでいる時は気づきませんでした。
だって、どの話も面白くてあっという間に読み終わってしまったんだもの。
私の負けですね

短編集でも満足の一冊
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『象は忘れない』ポアロ、記憶の迷路を進む

2010-12-08 01:41:55 | アガサ・クリスティ
ELEPHANTS CAN REMEMBER 
1972年 アガサ・クリスティ

この物語は12年前におきた心中事件の真相をポアロが探る、というものです。
過去の事件を解決するというと『五匹の子豚』を思い出しますね。
ミス・マープルなら『スリーピング・マーダー』『復讐の女神』などでしょうか。

過去の事件の最大の問題点は、あまり証拠が残っていないことですね。
そして人々の記憶が曖昧で外的な影響を多く受けてしまっていること、かしら?

ポアロの盟友ミセズ・オリヴァが、パーティーで出会ったいけ好かない女性に
突拍子もないことを言われたことからポアロが過去の事件解明に乗り出します。

ミセズ・オリヴァの名付け子シリヤの両親レイヴンズクロフト夫妻は
12年前にコーンウォールで亡くなっていました。
ふたりともピストルで撃たれていて、崖の上で見つかりました。
警察はこの事件を心中として解決していました。

シリヤの恋人デズモンドの母ミセズ・バートン=コックスは、ミセズ・オリヴァに
「どちらがどちらを撃って自殺したのか」シリアに聞いてほしいと頼んだのです。

相手にしなかったミセズ・オリヴァ…しかし真相は気になります。
ということでポアロに相談し、自分は聞き込みにまわります。

ふたりの合い言葉は “ 象 ”
なんでも、象は古いことを覚えているといわれる動物なんですって。

たしかにミセズ・オリヴァが会った人々は昔のことを話してくれました。
いとこが亡くなった夫妻と親しかったカーステアズ、
夫妻の赴任地マラヤの近所の家で乳母をしていたミセズ・マッチャム、
帰国した夫妻の家で一時働いていたミセズ・バックルなどなど…
皆覚えていることを絞り出してくれました。

だが、しかし
みんな言うことがどこかバラバラよ…
病気の噂、浮気の噂、近所でおきた事故の話し、と事件後騒がれたことを
いろいろな角度から話すのでどれが事実かわからなくなってきます。

そうですね、人の記憶は曖昧ですよね。
10年前に起きたセンセーショナルな事件のこと、どれぐらい覚えていますか?
「そういえば…」的に大筋は思い出せても細かいことは飛んじゃってますね。

ほとほと困り果てたミセズ・オリヴァでしたが、ポアロはそこから活路を見出し
最後の証人に会いにジュネーブに向かいます。

この物語はですねぇ…
亡くなったレイヴンズクロフト夫人がカツラを四つ “ も ” 持っていたことに
ポアロがずーっと注目していたことも謎解きの大きなヒントですけど
ある人(故人)の存在がわかってからは結末は見え見えです。

だからどうやって解決まで持っていくんでしょう? ということが気になって
最後まで読んだのですけど…

うーん…どうでしょう?
確かに証拠が無い事件なので証人の告白しか糸口はないわけなんだが
その人が頑なに証言を拒んだらどうなっちゃう?
という元も子もないことを考えてしまいました。
やはり犯人にもう一度事件をおこしてもらわないと…物騒でごめんなさい。

クリスティの小説は “ 推理小説 ” という 概念には収まりきらない何かがあります。
表現の面白さだったり、人間観察の鋭さだったり、恋愛小説の要素を含んでいたり…
だから犯人が途中でわかっても最後まで読めてしまうんですよね。
この『象は忘れない』もそんなタイプの物語だと思います。

とりあえず、人の記憶はけっこういい加減だということを肝に銘じましょう。
どれを信じて何を信じないか…全て聞き手にかかっているということも忘れずに

映像もいいけど、活字はより心理劇が楽しめます
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『邪悪の家』利用されたポアロ

2010-10-21 01:20:08 | アガサ・クリスティ
PERIL AT END HOUSE 
1931年 アガサ・クリスティ

NHKのミス・マープルもの放送のおかげでクリスティが盛り上がってますね!
このシリーズ、私は好きじゃないけどさ…
だって原作にはミス・マープルが登場しないものもあるっていうのに…ブツブツ

さて本題…ミス・マープルではなくポアロです。

ポアロは自分が有名人であることが大好き!
名前を名のって「?」なんて顔をされるとちょっと凹みます。

誰もが夢見る有名人の座。
出会う人みんなに感激されてちやほやされて…
でも、有名であればこそ利用されたりしちゃうこともあったりします。

南部に保養に訪れたポアロの前で、ニックという女性が射たれます。
幸い弾は外れましたが、ニックはこれまでにも寝室の額縁が落ちたり
車のブレーキがきかなかったりと危ない目にあっていました。

彼女はエンド・ハウスに住む若き女主人です。
しかし財産はありません。
ポアロはニックの救出に立ち上がります。

ところが、ポアロが呼ぶように薦めたいとこのマギーがニックと間違えられて射殺され
さらにはニックも送られてきたチョコレートを食べて重症の中毒に…
ポアロの面子は丸つぶれです。

ニックのまわりには常に遊び仲間の男女がいました。

アンニュイな美女で夫から逃げている人妻フレデリカ
美術商の息子でフレデリカに恋しているらしいジム・ラザラス
ニックに想いを寄せている無骨な中佐ジョージ・チャレンジャー
それから、世界一周の途中で行方不明になっているシートン卿の甥マイケル

実はニックはマイケルと婚約していたことが分かります。
それに、彼が死んだ場合莫大な遺産が彼女に遺されることも…

他に怪しいのは、以前ニックにふられたいとこの弁護士チャールズ・ヴァイス
どこか胡散臭いオーストラリア帰りの番人クロフト夫妻などなど…

ポアロは犯人が、ポアロが保養地を訪ねて来ていることを知って
わざと犯罪計画をたてたのではないか、ということに思い当たります。
さて、それはなぜでしょう?
誰がポアロを利用したのでしょう?
それさえわかれば事件解決です。

もうひとつ、ものすごいヒントがあるのですが、それはハッキリ言えません。
ぼやかして言うと、外国のニックネームってパターンがきまっていますよね?

物語では、最後にニックネームのことが分かりまして
ちょっとアンフェアな感じがしないでもないエンディングですが
(私は)なかなか犯人の目星がつかなくて終盤まで楽しめました。

映像もいいけど、活字はより心理劇が楽しめます
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『死者のあやまち』少女は何を見たのかっ?

2010-08-04 01:23:21 | アガサ・クリスティ
DEAD MAN'S FOLLY 
1956年 アガサ・クリスティ

私がいつも『ハロウィーン・パーティ』とごっちゃにしてしまうこの作品、
これは私の記憶力の不確かさが原因で、全くの別物です。

ナス屋敷で開かれるガーデンパーティの余興 “ 犯人探しゲーム ” の筋書きを
ポアロの友人オリヴァ夫人が考えることになりました。

オリヴァ夫人の女の直感が働くのは、屋敷の人たちと打ち合わせしていた時です。
「誰かにあやつられているような気がする」… 彼女はそう言いました。
これが後々ポアロの推理に大きく影響してきます。

しかし犯人を探しまわる広大な敷地を持ってるというのがすごいっすね
庭園だけじゃなく、テニスコートにボート小屋に森まであるとは!

実はナス屋敷も代々の持ち主はフォリアット夫人なのですが、息子たちが戦死して
屋敷を維持しきれなくなり、大金持ちのスタッブス卿に売ってしまったのです。
でも屋敷を愛するフォリアット夫人はその後も門番小屋に住んでいます。
住み慣れた屋敷を手放すのは哀しいことね。
隣もユースホステルになっちゃって、もとは優雅な屋敷にバックパッカーが出入りするし…

さて、ナス屋敷のガーデンパーティーの日です。
死体役のマーリンがボート小屋で “ 本当に ” 殺されているのが発見されます。
その上、スタッブス卿の若くてあんぽんたんな妻ハティが姿を消してしまいました。
探しても見つからず、スタッブス卿はいらつくばかりです。

マーリンは小屋の窓から何か見てしまったのでしょううか?
ハティはいったい何処へ?

怪しいのはいきなりやってきたハティのまた従兄エティエンヌです。
ハティは彼を恐れていました。
ま、他にも怪しい人は目白押しなんだけど…
滞在客の中にはハティにふられた人もいりゃ
スタッブス卿を(LOVE方面で)狙っている人もいました。

ここからポアロはある人の言葉がいちいち気になります。
いなくなったハティも思っていたほどおバカさんではなかったみたいです。
ある人の素性はまったく判らないときている…
ポアロは次第に真相に近づいていきます。

ヒントはね…隣がユースホステルで当日はガーデンパーティーなのね。
パーティーの日には地主さんたちは庭園を解放するものでしょ?
やったことないからわかりませんけどねっ

この作品は、何人も死なないから映画化もされていない(と思う)し
印象が地味だけど、かなり面白いと思います。
些細な事柄がすごく上手く繋がっていってる気がするんですよね。
とても繊細に作り上がられているような感じです。
結末にも推理にも納得できた一冊でした。

読み進むにつれて謎めいていくストーリー
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『ホロー荘の殺人』ポアロ、殺人で迎えられる

2010-06-27 20:56:18 | アガサ・クリスティ
THE HOLLOW 
1946年 アガサ・クリスティ

もちろん、ポアロのいくところ事件、特に殺人はつきものなんですが
いくらなんでもそれで出迎えられちゃーねー! というわけで、ポアロ怒ります。

最初は余興だと思った目の前の展開、実は正真正銘の殺人でした。
ポアロがホロー荘に足を踏み入れると、プールの前で男が倒れていて
側にピストルを持った女がたたずんでいました。

他の道からは別々に3人の人物がやってきていました。
主人のアンカテル卿とアンカテル夫人、彫刻家のヘンリエッタです。

射たれた男性は医者のジョン・クリストゥ、呆然とした女性は妻のガーダでした。

ポアロが止める間もなく、ガーダが持っていたピストルをヘンリエッタが取り上げ
しかも “ うっかり “ プールに落としてしまいました。
ガーダはポアロにピストルは拾ったと言います。

殺されたジョンという人はもてもてなんです。

ジョンとヘンリエッタは特別な関係でした。
不倫というのとは少し違います、でも離れられないふたりなのでした。

近所の別荘には女優のヴェロニカ・クレイが来ていましたが
彼女はジョンの昔の婚約者で、ジョンを取り戻そうとしていました。

内気なエドワード・アンカテルはヘンリエッタを愛していましたが
ジョンがいるためふられ続けていました。

アンカテル夫人は、ジョンがいなければヘンリエッタが一族のエドワードと結婚して
地所を継いでもらえるのに…と考えていました。

ガーダはというと、ジョンを怒らせないようにビクビクしていました。
少しぼんやりした人でヘンリエッタとのことには気づいていないようでした。

さて、犯人は誰でしょうね?

捜査を進めるうちに、グレンジ警部もポアロも
屋敷中の人が犯人を知っているように思われてきます。
そして皆で犯人を庇っているみたいでした。

ヒントはですね… 難しいなあ。
次々と出てくる突拍子も無い証拠と持ち去られた真実、とでもいいましょうか?
特にピストルについては右往左往させられてしまいます。

たぶんこの人だろうと思える人が犯人です。 その推理は正しい!
でもどうして犯人でない人たちが証拠隠滅に一生懸命になるかしらね?
そちらの方が謎めいてますよ。

殺人事件は1件、あるいは2件です。
事件がおこる前にかなりのページを割いて、ジョンとヘンリエッタとガーダ、
三人の心理的な葛藤を書いています。
恋愛小説として読んでもいいような気がします。

読者を惑わすストーリー
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『白昼の悪魔』避暑地の恋の結末は?

2010-06-24 22:51:46 | アガサ・クリスティ
EVIL UNDER THE SUN 
1940年 アガサ・クリスティー

映画『地中海殺人事件』の原作ですね。
ジェーン・バーキンが Before → After 的に派手になったラストに笑いました。
テレビドラマ版と見比べると、やはりドラマの方が原作に忠実でしたね。

舞台は映画と違ってデヴォンシャーのレザーコム湾に建つホテルです。
リゾートを楽しむ滞在客の中にはポアロがいました。

ポアロは心配です。
滞在客の中の、元女優で美貌の人妻アリーナ・マーシャルと
ハンサムな青年パトリック・レッドファンが、人目も憚らずいちゃつくからです。

アリーナの夫ケネスはまったく感情を表に出しません。
パトリックの控えめな妻クリスチンのじっと耐え忍ぶ姿が同情をひきます。

で、はしょるけど、アリーナが殺されてしまうわけですね。

一番怪しいのはクリスチン、でも彼女には完璧なアリバイがありました。
クリスチンのアリバイを証明したのはケネスの娘リンダです。
リンダはケネスの前妻の子で、継母アリーナが大嫌いでした。

夫ケネスにもアリバイがありました。
ケネスのアリバイを証明したのは、有名なドレスメーカーのロザモンド・ダーンリー。
彼女はケネスの幼なじみで、ケネスとアリーナの離婚を望んでいました。

狂信的な牧師で、人の心に宿る悪魔の存在が許せないスチーブン・レーンや
変な色の帆のヨットに乗っているホレス・ブラッドなども除外できません。

パトリックはアリーナの遺体発見者。
スポーツウーマンのエミリー・ブルースターは遺体発見をボートで見ていました。

アメリカ人のガードナー夫妻は、映画ではもっと怪しげに描かれていましたが
原作ではユーモアを添える役目にとどまっているように見えます。

アリーナがゆすられていたことが発覚したり、
またまた、アリーナが死んでいた浜辺の洞窟からはヘロインが見つかったりと
紆余曲折はありましたが、ポアロはいくつかの手がかりから犯人を絞っていきます。

大きな手がかりをあげると、昼前にシャワーを浴びた人がいたことと
誰かが窓からビンを投げ捨てたこと、です。

映画では過去の新聞が、ドラマでは滞在客のひとりが昔立ち会った審問会が
原作ではブラッドが無礼にも撮りまくったスナップ写真が動かぬ証拠となって
犯人を追いつめました。

実は何年か前に似たような事件があったからなんだけど
それを書くと判ってしまうので書かないでおきますね。

登場人物やストーリーなどはまったく別物ですが
『死人の鏡』という短篇集の中の『砂にかいた三角形』という話と似ています。
そちらも美しくて男性を惹きつける人妻が、人の夫にちょっかいを出して殺されます。
どちらも目に見える嫉妬心を巧みに利用した犯罪でした。
あ、これは大ヒント!

いずれも美貌ゆえの孤独が彼女たちを死に追いやったのかもしれません。
私にその悩みはわかりませんけれどもねっ

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『ハロウィーン・パーティー』嘘つき少女、真実を語る

2010-06-06 00:53:35 | アガサ・クリスティ
HALLOWE'EN PARTY 
1969年 アガサ・クリスティ

これは…かなり序盤で犯人が分かってしまいました。
もしかしたら、クリスティの犯人のパターンを覚えてしまったのか? なんてね
でも他にいないんだもの、犯人らしい人が。

ポアロのシリーズにはよく登場する推理小説作家オリヴァ夫人が友人の家に滞在中
近所で催されたハロウィーン・パーティーで殺人事件がおこりました。
殺されたのはジョイスという13歳の女の子で、バケツに顔を突っ込まれていました。

ジョイスはパーティーの準備中「殺人を見たことがある」と言い張っていました。
それが原因だとしたら、その時まわりにいた人が犯人だとしか考えられないですよね?
もう、すぐに分かっちゃうんだから! と思いきや…

ポアロは 村人たちから話を聞き、過去の殺人事件を調べ始めます。
でもジョイスは嘘つきで有名だったから、誰もそんな話信じていませんでした。
それに過去の死亡事件もほとんど関係がなさそうだし…やっぱり子供の嘘?

気にかかるのは、ある老婦人の世話をしていた女性の失踪事件です。
彼女は老婦人から莫大な遺産を遺されていたのでした。
その関係者というのがね、パーティーの日も現場にいたわけです。
怪しーですね? はてさて、その人が犯人なのでしょうか?

そうこうするうちに、今度はジョイスの弟レオポルドが川で溺死しました。
家族を狙った事件にも思えてきますね。
レオポルトは何かをジョイスから聞いていたかもしれないんですよね…

このあたりで完全に犯人が分かると思いますよ。
その他の登場人物も書くと分かっちゃうから伏せておきますね。

物語のクライマックスは『テス』ばりにドラマティックなシーンが展開し
ポアロの「さすが!」な配慮が功を奏して犯人は捕えられます。

手がかりは “ 子供は主役になりたがる ” とでも言っておきましょうか。

それはそれでよいのだが、実は犯人はひとりではないのです。
でもそのふたりの接点がほとんど描かれていないのよ。
そりゃあ少しは書かれていますし、よーく勘ぐれば分かることもしれませんが
そんなに関係が深かったとは…

子供は見たままをしゃべっちゃいますからやっかいですよね?
事件に限らず家庭内のごちゃごちゃをしゃべり散らかされちゃ
たまったもんじゃありません… 子供の前では気をつけなくちゃ。

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『ポアロ登場』初期の短篇を今頃・・・

2010-05-30 01:00:16 | アガサ・クリスティ
POIROT INVESTIGATES 
1923年 アガサ・クリスティ

今にして思えば発刊順にアップすれば良かったな、などと思うのですが
時すでに遅し… 以前はポアロが最後に選んだ12の事件を扱った
『ヘラクレスの冒険』を紹介したのですけれど、今日は初めての短篇集を…
本当に考えなしで呆れちゃいますね。

『〈西部の星〉盗難事件(The Adventure of “ The Western Star ” )』
対になっているというアメリカの女優ミス・マーヴェル所有の〈西部の星〉と
ヤードリー夫人所有の〈東洋の星〉におこった宝石盗難事件。
依頼を受けたポアロでしたが、ふたつともまんまと盗まれてしまいました。

『安アパート事件(The Adventure of the Cheap Flat)』
ヘイスティングズの知人ロビンソン夫妻が破格の家賃で借りたという高級アパート。
ポアロはその話しを聞くと、頼まれてもいないのにいきなり行動を開始します。
いったいなぜ? ポイントは夫妻の平凡な風貌と名字にありました。

『ダヴンハイム失踪事件(The Disappearance of Mr.Davenheim)』
ポアロとジャップ警部は、失踪中のダヴンハイム氏を巡って賭けをします。
ジャップからの報告を聞くだけで事件を解くと断言したポアロは
ダヴンハイム氏と妻が同じ部屋で寝ていたかと質問して、ジャップを呆れさせます。

小さな事件を侮るなかれ!
後ろには大きな事件が隠れているかもしれません。

ポアロはなんてことないおしゃべりや、ちょっとした疑問から
瞬時にそういうことが判っちゃうのよね!

短めのお話ばかりですが、いろいろな悪事のパターンがぎゅうっと凝縮されていて
読後は悪事のひとつやふたつ、上手くいくんじゃないかとさえ思えてきます
もちろん、今と昔では状況が違うから無理だと思いますが…

ヘイスティングズは最初からヘマをしているし
ジャップも「ポアロも耄碌しちゃって」なんて思いながら負けちゃうしで
この後のポアロとヘイスティングズ、ポアロとジャップの関係性が伺い知れる一冊です。

今後のポアロの活躍に期待がふくらみます
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