まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

フランス王アンリ2世愛妾 ディアーヌ

2009-08-01 00:33:26 | 王の寵姫・愛妾
女の鏡かも … 貞淑な愛妾
モーヴリエ伯夫人、ヴァランティノワ公爵 ディアーヌ・ド・ポワティエ


1499~1566/愛妾 1538~1559

ディアーヌ・ド・ポワティエは愛妾といってもちょっと他の人とは違うみたい…
なにしろ20歳も年下の王を20年以上虜にし続けていたのですから
手練手管の限りを尽くす妖婦で恋愛エキスパートみたいなイメージがありますけど
そうではなかったんじゃないかなぁ、と思います。

ディアーヌは15歳の時、56歳の大代官ルイ・ド・ブレゼと結婚しました。
かわいそ~! と思うでしょ?
でもブレゼはかなり博学の人で芸術等にも造詣が深く、ディアーヌを熱心に教育し
彼女も期待に応えようと努力したそうで仲は極めて良かったらしいです。
ちなみにブレゼはシャルル7世と愛妾アニェス・ソレルの娘シャルロットの息子です。

      
ディアーヌとアンリの馴れ初めは
アンリが人質になっていた父王フランソワ1世の身代わりになって
スペインへ向かう時に、亡き王妃クロードの侍女だったディアーヌが
アンリにお別れのキスをしたことでした。
母親っ子だったアンリは彼女のことを深く胸に焼き付けたのかもしれません。

4年後に帰国したアンリは無気力で無愛想な少年になっていました。
フランソワ1世はフランス王子に相応しく育てようと優美なディアーヌを教育係に指名し
ディアーヌはアンリを城に引き取って夫ブレゼと教育することにします。
アンリは1年ほどブレゼ一家と暮らして、さらにディアーヌに惹かれたみたいです。

その後ブレゼが亡くなり、ディアーヌはフランソワ1世の新しい王妃アリエノール
侍女になって、再び王一家と暮らすようになります。
ディアーヌは残りの一生を黒と白の喪服で過ごすほど夫の死を悲しんだそうですが
その喪服がまた透けるような白い肌に似合っていたらしいのね~。

この時からアンリはディアーヌに夢中になってまとわりついたり熱い視線を注いだりと
ミエミエのアピールをするようになりました。
でもなんたって12、3歳の子供ですからねぇ、32歳の未亡人が相手にするわけないし…

カトリーヌ・ド・メディシス との結婚を説得したのも彼女だし
嫁いできたカトリーヌをなにくれとなく面倒見たのもディアーヌでした。
ディアーヌはカトリーヌの母方で繋がりがあって従姉妹にあたるらしいのよね。

でもカトリーヌにしてみれば、結婚式の最中自分ではなくディアーヌの方ばかりを見ている
アンリを目にして「なんなの?あのババァは 」と思ったことでしょう。

けれどもアンリが17歳になるともはや子供とも言っていられず
しかもかなりのナイスガイに育っていたということで
とうとうディアーヌはアンリの熱い想いに応えることになっちまいました。
37歳にしてディアーヌはナイスボディを保ち、ノーメイクでも肌は美しく
瞬く間にアンリを虜にしたそうよ … うらやますぃ

             
                これ実物っぽいですけど…
                  脚色しすぎでな~い? 上の肖像画


王妃への気配りは怠らず独り占めしないように気を配っていたそうだけど
夫が愛人と同じ色の洋服しか着なくなったり、政治上の書類にもふたりでサインしたり
3人で食事をさせられたりする妻の身になりゃ恨みが募る気持ちは分かります。
それにカトリーヌは自分で城を買ったのに、彼女は3つぐらいもらってるしね。
しかも1日の大半をディアーヌの部屋で過ごして夜昼かまわず と聞かされちゃーねー。

アンリ2世が戴冠式の日に王妃カトリーヌではなくディアーヌのイニシャルを縫い付けた
マントを纏っていたのは有名なエピソード、各国大使はビックリしたそうです。
やっぱカトリーヌ可哀想だわ … 人妻として同情しちゃう。

1559年、式典の騎馬試合で槍がアンリ2世の目に刺さった時
カトリーヌとディアーヌは並んで試合を見ていましたが
ディアーヌは自分の城へ帰され二度とアンリには会えませんでした。

王の死後はお気に入りのシュノンソー城を引き渡し宝石も全て返還して
アネ城でひっそり暮らし、美しいまま66歳で亡くなりました。

他の愛妾が夫と王かけもちだったり他にも愛人がいるのとくらべれば貞淑な印象です。
夫の死後愛した人が同じ身分の人だったら再婚して良き妻になっていたでしょう。
しかし20歳年下かぁ~、なんか想像がつかんがスゴいわ!

(参考文献 エレノア・ハーマン『王たちのセックス』 桐生操氏『世界悪女大全』
      川島ルミ子氏『国王を虜にした女たち』 Wikipedia英語版)

王様たちの恋愛スキャンダル満載です
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6 コメント

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まりっぺさんに素敵な本を紹介します (マリアンヌ)
2009-12-21 21:13:01
まりっぺ様、今日2回目の投稿になります。

さて、ディアヌ・ド・ポワティエについては以下の本が決定的ではないでしょうか?それに、素晴らしい系図付きで、まりっぺさんはこの系図に病みつきになると思います。
著者はこのディアヌの子孫で、現在のイギリス王室の一員である、マイケル・ケント公妃マリー・クリスティーヌです。
本当にお薦めですよ。
http://book.jiji.com/books/publish/p/v/347
返信する
マリアンヌさんへ (まりっぺ)
2009-12-22 01:38:23
コメントありがとうございます。
マリアンヌさんはヨーロッパ社会に詳しいんですね?
イギリスの現保守党党首がウォリアム4世の血を引いているということは考えたこともありませんでしたが、今でも貴族社会がある国ですからそういう方も多いのでしょうね?
「家系図のどこが面白いのか?」などと言われたりもしますが、現在まで脈々と続いているんだなと思うと系図作成の面白さもひとしおです。
ご紹介頂いた本は本当におもしろそうですね。
ぜひ読んでみたいと思います。教えて頂いてありがとうございます。
またぜひ教えて下さいね。
返信する
初めまして! (アンジェリク)
2010-04-21 14:23:33
初めまして!アンジェリクと申します!
私はフランスの歴史が大好きなのですが(というよりフランスの女性の伝記が好きなのかも?)、その中でもディアーヌ・ド・ポワティエは魅力的ですよね!歳をとっても若さを失わず綺麗なままで、国王から愛されて、羨ましすぎです!                 それにしても、カトリーヌは可哀想ですけど…。アンリ2世は、ディアーヌを愛していたとしても、もう少し正妻への気配りや思いやりを見せるべきだったと思います。カトリーヌがその後、残酷な支配者になったのも解るような気がします…。              「宮廷を彩った寵姫たち 続・ヨーロッパ王室裏面史」私もオススメです♪
返信する
こんばんわ (まりっぺ)
2010-04-22 23:08:20
アンジェリクさま、こんばんわ
コメントありがとうございます。

フランスはやっぱり、ステージが違うってかんじですよね !
“公妾”というシステムを作ってしまったところがすごいです。
他国の王は「あのシステムいいなぁ…」と思っていたそうですよ。
果敢に取り入れて議会から非難囂々になった王様もいたようです。

せっかくディアーヌが気を遣っていたのだから、アンリ2世がもう少しカトリーヌに優しくするなどして上手に立ち回れば、三人で仲良くできたかも(?)しれないですね?
返信する
異彩を放つフランス寵姫・ディアーヌ・ポワティエ (メリエンダ)
2018-09-21 21:29:03
初めて彼女・ディアーヌ・ポワティエの存在を本で読んだ時、“王よりも20歳近く年下の寵姫”と勘違いしていました!何せ、寵姫という者は、大抵が、“年下か、同い年”、年上でも僅かに年上、位だったし、まさか、“20歳近く年上だったなんて‥”異色過ぎます!先王の寵姫、アンヌ・ピスルーやフランソワーズ・フォワなんて彼女の異彩さの前には、霞んでしまいます。
それだけでも凄いのに、ディアーヌは、アンリの寵愛を長きに渡って(時々、つ〇み食いしてたらしく、子供ができ、その一人の子孫が、“首飾り事件”の首謀者‥)独占し、宮廷に君臨したことにも驚きです!彼女の若々しさの源は、健康的な毎日の日課、運動や、食事、それに何よりも、アンリから愛(笑)ですね。また近年の研究で、ディアーヌは、金を飲んでいて、彼女の白すぎる肌は金中毒による貧血のせいだったらしいですね。
王、アンリを不慮の事故で亡くした後は、それまで侮っていたカトリーヌに宮廷を追われ、ディアーヌは、王亡き後の寵姫の顛末は、自身が追い込んだライバル・アンヌ・ピスルーのことでよくわかっていたので、潔く、自身から、アンリからの贈り物やら地位やらを返したらしいですね‥因果応報?フランソワーズ・フォワ→アンヌ・ピスルー→ディアーヌ・ポワティエときて、真の勝者は、カトリーヌ王妃になるのでしょうか?この場合‥カトリーヌは寵姫でなく、王妃ですが‥‥
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Unknown (Y子)
2018-11-22 11:51:53
実は「クイーンメアリー」のドラマをチラッと見ていて思ったのは、ディアーヌ・ド・ポワティエって、世間が騒ぐような美女ではなかったのではないかということです。
上のドラマは、メアリーとカトリーヌの嫁姑戦争がメインだから、カトリーヌ役の女優さんはそれなりに売れている人が選ばれたのも考慮しても、実写版ディアーヌがカトリーヌよりブサに見えるんですよね。
ディアーヌの娘の肖像も、画家の補正入りのマルゴよりブサですし。
カトリーヌが父に似て、女性にしては肌の色が濃いだけで、二人の容姿は大差なかったのではないでしょうかね。
ひょっとしたら、アンリ2世が人質に出された時に抱きしめてくれた女性はディアーヌではなくて、彼自身の記憶改変の結果が、あの不自然なディアーヌの肖像画になったように思います。
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